高校の微分は「関数が与えられたとき、その変化率を求める」計算でした。導関数 $f'(x)$ を求め、接線の傾きや関数の増減を調べる ── これが高校での微分の主な用途です。
大学では、微分の役割が逆転します。「変化率に関する条件(法則)が与えられたとき、もとの関数を決定する」という問題を考えます。
この「変化率の条件式」が微分方程式です。
最も基本的な微分方程式 $y' = ky$ の解が指数関数 $Ce^{kx}$ であること、
そしてこの一つの結果が放射性崩壊、人口増加、ニュートンの冷却法則といった自然現象に遍在する指数的変化の数学的な正体であることを、この記事で見ていきます。
高校の数学III では、三角関数・指数関数・対数関数を含む様々な関数の導関数を求め、それを使って接線の方程式や関数の増減・凹凸を調べます。 また、物理との関連では、位置 $x(t)$ を時間 $t$ で微分して速度 $v(t) = x'(t)$ を、速度をさらに微分して加速度 $a(t) = v'(t) = x''(t)$ を求めます。
これらに共通する構造は次のものです。
つまり、高校の微分は「関数 → 導関数」という一方向の計算です。 関数は最初から手元にあり、微分はそこから情報を引き出す道具として使われます。
しかし、自然科学で現れる多くの問題では、関数そのものが未知です。 わかっているのは「変化率がどのような法則に従うか」だけであり、その法則からもとの関数を求めなければなりません。 次のセクションで、この「逆向きの問題」を見ていきます。
自然現象を数学で記述するとき、最初に得られるのは「関数そのもの」ではなく「変化率に関する法則」であることが多いです。いくつか例を挙げます。
これらはいずれも「未知の関数とその導関数の関係式」です。高校の微分では関数が最初から与えられていましたが、ここでは関数を求めること自体が問題になっています。
この記事で得られること:
では、微分方程式の基本的な概念を整理するところから始めます。
微分方程式は高校では扱われない概念です。ここで一から導入します。
高校で学ぶ方程式 $x^2 - 3x + 2 = 0$ は、「未知数 $x$ の値を求める」問題でした。解は $x = 1$ や $x = 2$ といった数です。
微分方程式は、これを一段階拡張したものです。未知のものが「数」ではなく「関数」になり、方程式の中にその関数の導関数が含まれます。
微分方程式とは、未知関数とその導関数を含む方程式のことです。
例:
方程式に含まれる導関数の最高階数を、その微分方程式の階数と呼びます。 $y' = 2y$ は1階、$y'' + 4y = 0$ は2階の微分方程式です。
代数方程式 $x^2 - 3x + 2 = 0$ の「解」が $x = 1, 2$ であるのは、これらの値を代入すると等式が成り立つからです。 微分方程式の「解」も同じ考え方です。ある関数を微分方程式に代入して、等式が成り立てば、その関数は解です。
具体例で確認します。微分方程式 $y' = 2y$ に対して、$y = e^{2x}$ が解であることを確かめましょう。
同様に $y = 5e^{2x}$ も解です。左辺は $y' = 10e^{2x}$、右辺は $2y = 10e^{2x}$ で一致します。 実は、任意の定数 $C$ に対して $y = Ce^{2x}$ はすべて $y' = 2y$ の解になります。 この $C$ を含む解を一般解と呼びます。
一般解 $y = Ce^{2x}$ には定数 $C$ が残っています。$C$ の値が違えば関数の形(グラフ)も異なります。 自然現象のモデルでは、ある時点での量が具体的にわかっていることが多く、この情報を使って $C$ を決定します。
たとえば「$x = 0$ のとき $y = 3$」という条件が与えられたとします。 $y(0) = Ce^{0} = C = 3$ なので $C = 3$ と決まり、解は $y = 3e^{2x}$ に確定します。 このように、初期条件から $C$ を定めて得られる解を特殊解(あるいは初期値問題の解)と呼びます。
誤解:「微分方程式を解く=不定積分を計算する」
正しい理解:不定積分は $y' = f(x)$ という特殊なタイプの微分方程式(右辺が $x$ だけの式)の解法です。 $y' = 2y$ のように右辺に $y$ 自身が含まれる場合、単純な不定積分では解けません。 微分方程式の解法には変数分離法など、不定積分を超えた技法が必要です。
ここまでで、微分方程式の「問題設定」が明確になりました。次に、最も重要な微分方程式 $y' = ky$ を実際に解いてみます。
微分方程式 $y' = ky$ は「関数の変化率が、その関数自身に比例する」ことを表しています。 $k > 0$ なら $y$ が大きいほど増加速度も大きくなり(指数的増加)、$k < 0$ なら $y$ が大きいほど減少速度も大きくなります(指数的減衰)。 この方程式を変数分離法という手法で解きます。
変数分離法とは、微分方程式の中の $y$ と $x$(あるいは $t$)をそれぞれ左辺と右辺に分離して、両辺を積分する方法です。 ここでは独立変数を $x$ として進めます。
目標:$\dfrac{dy}{dx} = ky$ を満たす関数 $y(x)$ を求める。
ステップ1:変数を分離する
$y \neq 0$ として、両辺を $y$ で割ります。
$$\frac{1}{y}\frac{dy}{dx} = k$$
これを形式的に書き換えると
$$\frac{dy}{y} = k \, dx$$
左辺は $y$ のみ、右辺は $x$ のみの式になりました。これが「変数分離」です。
ステップ2:両辺を積分する
$$\int \frac{dy}{y} = \int k \, dx$$
左辺は高校数学IIIで学んだ $\displaystyle\int \frac{1}{y} \, dy = \ln|y|$ を使います($y \neq 0$)。右辺はそのまま積分できます。
$$\ln|y| = kx + C_1$$
ここで $C_1$ は積分定数です。
ステップ3:$y$ について解く
両辺の指数をとります($e$ の肩に載せます)。
$$|y| = e^{kx + C_1} = e^{C_1} \cdot e^{kx}$$
$e^{C_1}$ は正の定数なので、$A = e^{C_1} > 0$ と置くと $|y| = Ae^{kx}$ です。 絶対値を外すと $y = \pm Ae^{kx}$ となり、$C = \pm A$($C \neq 0$ の任意の定数)と置けば
$$y = Ce^{kx}$$
ステップ4:$y = 0$ の場合を確認する
ステップ1で $y \neq 0$ と仮定しましたが、$y = 0$(恒等的にゼロの関数)も $y' = 0 = k \cdot 0$ を満たすので解です。 これは $C = 0$ の場合に対応します。
以上をまとめると、$y' = ky$ の一般解は
$$y = Ce^{kx} \quad (C \text{ は任意定数})$$
導出が正しいことを、代入して確認します。$y = Ce^{kx}$ の導関数は
$$y' = C \cdot ke^{kx} = k \cdot Ce^{kx} = ky$$
確かに $y' = ky$ が成り立ちます。微分方程式を解いたら、必ずこのように元の方程式に代入して検算する習慣をつけることが大切です。
$$y' = ky \quad \Longrightarrow \quad y = Ce^{kx}$$
$C$ は任意定数。初期条件 $y(0) = y_0$ が与えられれば $C = y_0$ と決まり、特殊解は $y = y_0 e^{kx}$ です。
この式は「$y$ の変化率が $y$ 自身に比例する」という法則の帰結として、指数関数が必然的に現れることを示しています。 指数関数は天下りに登場するのではなく、変化の法則から導かれるものです。
放射性崩壊、人口増加、細菌の増殖、コンデンサの充放電、冷却 ── これらに指数関数が現れるのは偶然ではありません。 いずれも「変化率が現在の量に比例する」という共通の法則に従っており、 その法則を数式にすると $y' = ky$ になります。 そしてこの微分方程式の解は $Ce^{kx}$ です。 つまり、指数関数とは「比例的変化」の数学的な帰結です。
ここまでで $y' = ky$ の解法を手に入れました。次のセクションでは、この結果を実際の自然現象に適用して、具体的な数値計算を行います。
セクション4で得た「$y' = ky$ の解は $y = Ce^{kx}$」という結果を、具体的な自然現象に適用します。
放射性物質の原子核は一定の確率で崩壊し、時間とともに減少します。 物理学の実験から、単位時間あたりの崩壊数は、その時点での原子核の数 $N(t)$ に比例することがわかっています。 これを数式にすると
$$\frac{dN}{dt} = -\lambda N$$
ここで $\lambda > 0$ は崩壊定数と呼ばれる正の定数です。マイナスがつくのは、$N$ が時間とともに減少するからです。
これはまさに $y' = ky$ の形($k = -\lambda$)です。セクション4の結果をそのまま使えます。 初期条件を $N(0) = N_0$(時刻0での原子核数)とすると
$$N(t) = N_0 e^{-\lambda t}$$
半減期 $t_{1/2}$ とは、物質の量が最初の半分 $N_0/2$ になるまでの時間です。 $N(t_{1/2}) = N_0/2$ を方程式に代入します。
$$N_0 e^{-\lambda t_{1/2}} = \frac{N_0}{2}$$
両辺を $N_0$ で割ると
$$e^{-\lambda t_{1/2}} = \frac{1}{2}$$
両辺の自然対数をとると
$$-\lambda t_{1/2} = \ln\frac{1}{2} = -\ln 2$$
$$t_{1/2} = \frac{\ln 2}{\lambda}$$
$$N(t) = N_0 e^{-\lambda t}, \qquad t_{1/2} = \frac{\ln 2}{\lambda} \approx \frac{0.693}{\lambda}$$
$N_0$:時刻 $t = 0$ での原子核数、$\lambda$:崩壊定数(単位:1/時間)、$t_{1/2}$:半減期
半減期が $\lambda$ によらず常に一定(経過時間に依存しない)であることに注目してください。 崩壊が半分まで進んだ時点から、さらに半減期が経過するとまた半分になる ── この性質は指数関数の特徴です。
炭素14(${}^{14}\mathrm{C}$)の半減期は約 5730 年です。ある遺跡から出土した木片に含まれる ${}^{14}\mathrm{C}$ の量が、現在の大気中の値の 25% だったとします。この木片の年代を求めましょう。
まず崩壊定数を求めます。
$$\lambda = \frac{\ln 2}{t_{1/2}} = \frac{0.693}{5730} \approx 1.21 \times 10^{-4} \; (\text{/year})$$
$N(t)/N_0 = 0.25$ なので
$$e^{-\lambda t} = 0.25$$
$$-\lambda t = \ln 0.25 = \ln \frac{1}{4} = -2\ln 2$$
$$t = \frac{2\ln 2}{\lambda} = 2 \times t_{1/2} = 2 \times 5730 = 11460 \; \text{(year)}$$
この木片は約 11460 年前のものだとわかります。$25\% = (1/2)^2$ なので半減期のちょうど2倍という結果になっています。
熱い物体が室温の環境に置かれたとき、温度変化の速度は、物体と周囲の温度差に比例します。物体の温度を $T(t)$、周囲温度を $T_{\mathrm{env}}$(一定)とすると
$$\frac{dT}{dt} = -k(T - T_{\mathrm{env}}), \qquad k > 0$$
ここで $U(t) = T(t) - T_{\mathrm{env}}$(温度差)と置くと、$T_{\mathrm{env}}$ は定数なので $U'(t) = T'(t)$ です。したがって
$$U'(t) = -kU(t)$$
これは $y' = ky$ の形($k$ が負)です。セクション4の結果から
$$U(t) = U_0 e^{-kt}, \qquad U_0 = T(0) - T_{\mathrm{env}}$$
もとの温度に戻すと
$$T(t) = T_{\mathrm{env}} + (T(0) - T_{\mathrm{env}})e^{-kt}$$
$90 \; {}^\circ\mathrm{C}$ のコーヒーを $20 \; {}^\circ\mathrm{C}$ の部屋に置いたところ、10分後に $60 \; {}^\circ\mathrm{C}$ になりました。20分後の温度を求めましょう。
まず $k$ を決定します。$T(0) = 90$、$T_{\mathrm{env}} = 20$、$T(10) = 60$ を使います。
$$60 = 20 + (90 - 20)e^{-10k}$$
$$40 = 70 e^{-10k}$$
$$e^{-10k} = \frac{4}{7}$$
$$k = -\frac{1}{10}\ln\frac{4}{7} = \frac{1}{10}\ln\frac{7}{4} \approx \frac{0.560}{10} = 0.0560 \; (\text{/min})$$
20分後の温度は
$$T(20) = 20 + 70 e^{-20 \times 0.0560} = 20 + 70 e^{-1.120}$$
$$= 20 + 70 \times 0.326 = 20 + 22.8 = 42.8 \; ({}^\circ\mathrm{C})$$
別の方法として、$e^{-10k} = 4/7$ がわかっているので、$e^{-20k} = (e^{-10k})^2 = (4/7)^2 = 16/49$ を直接使うこともできます。
$$T(20) = 20 + 70 \times \frac{16}{49} = 20 + \frac{1120}{49} \approx 20 + 22.9 = 42.9 \; ({}^\circ\mathrm{C})$$
最初の10分で $30 \; {}^\circ\mathrm{C}$ 下がったのに対し、次の10分では約 $17 \; {}^\circ\mathrm{C}$ しか下がりません。 これは、温度差が小さくなるにつれて冷却速度も遅くなるという $y' = -ky$ の性質(指数的減衰)の帰結です。
人口 $P(t)$ の増加率が現在の人口に比例するというモデル $P'(t) = rP(t)$($r > 0$)も $y' = ky$ の形です。 解は $P(t) = P_0 e^{rt}$ であり、指数的に増加します。 このモデルは18世紀の経済学者マルサスが提唱したもので、短期間の人口増加をよく近似します。
ただし、実際の人口は食料や環境の制約を受けるため、無限に指数増加はしません。 これを改良したのがロジスティック方程式 $P' = rP(1 - P/K)$($K$ は環境収容力)であり、 大学の微分方程式の授業で学ぶ重要なモデルです。
ここまでの2つの応用で、1階の微分方程式 $y' = ky$ がいかに広い範囲の現象を記述するかがわかりました。 次に、2階の微分方程式に進み、三角関数がどのように登場するかを見ます。
セクション4では $y' = ky$ の解として指数関数が現れました。 次に、2階の微分方程式を考えます。バネにつながれた物体の運動を記述する方程式です。
自然の長さから $x$ だけ伸びたバネは、$F = -\kappa x$($\kappa > 0$ はばね定数)の復元力を生じます。 これは高校物理でフックの法則として学ぶ内容です。 質量 $m$ の物体にこの力が作用するとき、ニュートンの運動方程式 $F = ma$ から
$$ma = -\kappa x$$
加速度は変位の2階導関数 $a = x''(t)$ ですから
$$mx''(t) = -\kappa x(t)$$
$\omega^2 = \kappa / m$ と定義すると
$$x''(t) + \omega^2 x(t) = 0$$
これが単振動の微分方程式です。未知関数 $x(t)$ の2階導関数を含むので、2階の微分方程式です。 $\omega$ は角振動数と呼ばれ、振動の速さを決める量です。
この方程式は「2回微分すると元の関数の $-\omega^2$ 倍になる関数を見つけよ」という問題です。 高校で学んだ三角関数の微分を思い出しましょう。
つまり $\sin \omega t$ と $\cos \omega t$ はどちらも「2回微分すると $-\omega^2$ 倍になる」という性質を持っています。 実際に検算してみましょう。$y = \sin \omega t$ を方程式に代入すると
$$y'' + \omega^2 y = -\omega^2 \sin \omega t + \omega^2 \sin \omega t = 0$$
確かに成り立ちます。$y = \cos \omega t$ についても同様です。
さらに、これらの線形結合(定数倍の和)$y = A\cos \omega t + B\sin \omega t$ もまた解になります。
目標:$y = A\cos \omega t + B\sin \omega t$ が $y'' + \omega^2 y = 0$ を満たすことを示す。
2回微分します。
$$y' = -A\omega \sin \omega t + B\omega \cos \omega t$$
$$y'' = -A\omega^2 \cos \omega t - B\omega^2 \sin \omega t = -\omega^2(A\cos \omega t + B\sin \omega t) = -\omega^2 y$$
したがって
$$y'' + \omega^2 y = -\omega^2 y + \omega^2 y = 0$$
任意の定数 $A$, $B$ に対して成り立ちます。
$$y'' + \omega^2 y = 0 \quad \Longrightarrow \quad y = A\cos \omega t + B\sin \omega t$$
$A$, $B$ は任意定数。1階の場合に定数が1つだったのに対し、2階の方程式では定数が2つ現れます。 これらは通常、初期条件として $y(0)$ と $y'(0)$ を指定することで決定されます。
$y(0)$ は初期位置、$y'(0)$ は初期速度に対応します。物理的には「どこからどのくらいの速さで動き出すか」を決めれば、その後の運動が完全に定まるということです。
一般解 $y = A\cos \omega t + B\sin \omega t$ に初期条件を適用してみましょう。 $\omega = 2$、$y(0) = 3$、$y'(0) = 4$ とします。
$t = 0$ を代入すると $y(0) = A\cos 0 + B\sin 0 = A = 3$ です。
$y' = -2A\sin 2t + 2B\cos 2t$ に $t = 0$ を代入すると $y'(0) = 2B = 4$、よって $B = 2$ です。
特殊解は $y = 3\cos 2t + 2\sin 2t$ です。この関数は周期 $2\pi / \omega = \pi$ で繰り返す振動を表しています。
ここまでで扱った2つの微分方程式を並べてみましょう。
高校では指数関数と三角関数は別々の関数として学びますが、微分方程式の視点から見ると、これらは「変化の法則」の違いによって使い分けられる姉妹のような関数です。 $y' = ky$ の解が指数関数であり、$y'' + \omega^2 y = 0$ の解が三角関数である ── この対応関係は、大学数学における指数関数と三角関数の深い関係(オイラーの公式 $e^{i\theta} = \cos\theta + i\sin\theta$)へとつながっていきます。
1階の微分方程式 $y' = ky$ の一般解には定数が1つ($C$)含まれ、2階の $y'' + \omega^2 y = 0$ には定数が2つ($A$, $B$)含まれます。 これは偶然ではありません。 $n$ 階の微分方程式の一般解には、(適切な条件のもとで)$n$ 個の任意定数が含まれます。
直感的には、微分方程式を解く際に積分を行うたびに積分定数が1つ出るため、$n$ 回の「積分」に対応して $n$ 個の定数が現れると理解できます。 これらの定数は $n$ 個の初期条件($y(0)$, $y'(0)$, ..., $y^{(n-1)}(0)$)で決定されます。
Q1. 微分方程式 $y' = 3y$ の一般解を書いてください。
Q2. 微分方程式 $y' = -0.5y$ について、$y(0) = 100$ のとき、$y$ が初期値の $1/4$ になる時刻 $t$ を求めてください。$\ln 2 \approx 0.693$ を使ってよいです。
Q3. $y = 2\sin 5t$ が微分方程式 $y'' + \omega^2 y = 0$ の解であるとき、$\omega$ の値を求めてください。
Q4. $y'' + \omega^2 y = 0$ の一般解は $y = A\cos\omega t + B\sin\omega t$ です。初期条件 $y(0) = 0$, $y'(0) = 6$ のとき、$\omega = 3$ として特殊解を求めてください。
次の微分方程式の一般解を求めてください。
(a) $y' = -2y$
(b) $y' = 0.1y$、初期条件 $y(0) = 50$
(a) $y' = ky$ で $k = -2$ なので、一般解は $y = Ce^{-2x}$($C$ は任意定数)です。
(b) 一般解は $y = Ce^{0.1x}$ です。$y(0) = C = 50$ なので、特殊解は $y = 50e^{0.1x}$ です。
関数 $y = 3e^{-4x}$ が微分方程式 $y' = -4y$ の解であることを、代入して検算してください。
$y = 3e^{-4x}$ の導関数は $y' = 3 \cdot (-4)e^{-4x} = -12e^{-4x}$ です。
一方、$-4y = -4 \cdot 3e^{-4x} = -12e^{-4x}$ です。
$y' = -4y$ が成り立つので、$y = 3e^{-4x}$ は確かに解です。
ある放射性物質の半減期は 8 日です。最初に 200 g あったとき、24 日後に残る量を求めてください。
崩壊定数は $\lambda = \ln 2 / 8$ です。$N(t) = 200 e^{-\lambda t}$ に $t = 24$ を代入すると
$$N(24) = 200 e^{-(\ln 2 / 8) \times 24} = 200 e^{-3\ln 2} = 200 \cdot 2^{-3} = 200 \times \frac{1}{8} = 25 \; (\mathrm{g})$$
24 日は半減期 8 日の 3 倍です。半減期ごとに量は半分になるので、$200 \times (1/2)^3 = 200/8 = 25$ g と直感的にも確認できます。微分方程式の解を使った計算と一致します。
$80 \; {}^\circ\mathrm{C}$ の物体を $25 \; {}^\circ\mathrm{C}$ の環境に置いたところ、5 分後に $60 \; {}^\circ\mathrm{C}$ になりました。ニュートンの冷却法則を用いて、10 分後の温度を求めてください。
$T(t) = 25 + (80 - 25)e^{-kt} = 25 + 55e^{-kt}$ です。
$T(5) = 60$ より $60 = 25 + 55e^{-5k}$、$35 = 55e^{-5k}$、$e^{-5k} = 7/11$ です。
10 分後は $e^{-10k} = (e^{-5k})^2 = (7/11)^2 = 49/121$ なので
$$T(10) = 25 + 55 \times \frac{49}{121} = 25 + \frac{2695}{121} = 25 + 22.3 = 47.3 \; ({}^\circ\mathrm{C})$$
最初の 5 分で $20 \; {}^\circ\mathrm{C}$ 下がり($80 \to 60$)、次の 5 分では $12.7 \; {}^\circ\mathrm{C}$ しか下がっていません($60 \to 47.3$)。温度差が小さくなるにつれ冷却速度が落ちるという指数的減衰の特徴が表れています。
微分方程式 $y'' + 9y = 0$ について、以下に答えてください。
(a) 一般解を求めてください。
(b) 初期条件 $y(0) = 4$, $y'(0) = -6$ を満たす特殊解を求めてください。
(c) (b)で求めた解の周期を求め、$t = \pi/6$ における $y$ の値を計算してください。
(d) $y' = ky$ の解(指数関数)と $y'' + \omega^2 y = 0$ の解(三角関数)の共通点と相違点を、「初期条件で定まる定数の個数」と「長時間後の挙動」の2点から説明してください。
(a) $\omega^2 = 9$ より $\omega = 3$ です。一般解は $y = A\cos 3t + B\sin 3t$($A$, $B$ は任意定数)です。
(b) $y(0) = A = 4$ です。$y' = -3A\sin 3t + 3B\cos 3t$ より $y'(0) = 3B = -6$、$B = -2$ です。特殊解は $y = 4\cos 3t - 2\sin 3t$ です。
(c) 周期は $T = 2\pi/\omega = 2\pi/3$ です。$t = \pi/6$ のとき
$$y\!\left(\frac{\pi}{6}\right) = 4\cos\frac{\pi}{2} - 2\sin\frac{\pi}{2} = 4 \times 0 - 2 \times 1 = -2$$
(d)
共通点:どちらも微分方程式の一般解であり、初期条件によって定数が確定し、特殊解が一意に定まります。
相違点: