第6章 積分法の応用

曲線の長さ
─ 微小な線分をつなぎ合わせる

直線の長さは定規で測れますが、曲がった線の長さはどう求めるのでしょうか。その答えは「曲線を限りなく細かい線分に分割し、すべて足し合わせる」という積分の発想にあります。ここでは $y = f(x)$ の形、媒介変数表示、極座標表示それぞれにおける曲線の長さの公式を導き、サイクロイドの弧長という美しい結果に到達します。

1曲線の長さの考え方 ─ なぜ積分で長さが求まるのか

直線の長さは 2 点間の距離で求まりますが、曲線には「折れ曲がった部分」があるので、そのままでは長さを定義できません。そこで、曲線を非常に細かい区間に分割し、各区間を微小な線分で近似するという方法を取ります。

区間 $[x, x + \Delta x]$ に対応する曲線の微小な部分の長さ $\Delta s$ は、三平方の定理から次のように近似されます。

$$\Delta s \approx \sqrt{(\Delta x)^2 + (\Delta y)^2} = \sqrt{1 + \left(\frac{\Delta y}{\Delta x}\right)^2}\,\Delta x$$

$\Delta x \to 0$ の極限で $\dfrac{\Delta y}{\Delta x} \to f'(x)$ となるので、微小弧長は $ds = \sqrt{1 + \{f'(x)\}^2}\,dx$ と書けます。これを区間全体で積分すれば、曲線の長さが得られます。

💡 ここが本質:曲線の長さ = 微小線分の総和

曲線の長さの公式は、三平方の定理 + 積分という2つの道具だけで導かれます。曲線をどれほど複雑にしても、十分に拡大すれば局所的にはほぼ直線です。この「局所的に直線」という考え方が、積分による弧長計算の根幹です。

⚠️ 落とし穴:$\Delta s \neq \Delta y$ ではない

✗ 誤:曲線の長さは $\displaystyle\int_a^b f'(x)\,dx$ で求まる

○ 正:$\displaystyle\int_a^b f'(x)\,dx = f(b) - f(a)$ は $y$ の変化量であり、長さではありません

長さを求めるには、$x$ 方向と $y$ 方向の変化を合成した $\sqrt{1 + \{f'(x)\}^2}$ を被積分関数にする必要があります。

2$y = f(x)$ 型の曲線の長さ

セクション 1 の議論を公式としてまとめましょう。

📐 曲線の長さの公式($y = f(x)$ 型)

曲線 $y = f(x)$($a \le x \le b$)の長さ $L$ は:

$$L = \int_a^b \sqrt{1 + \{f'(x)\}^2}\,dx$$

※ $f'(x)$ が $[a, b]$ で連続であることが必要です。

具体例:放物線の弧長

$y = x^2$($0 \le x \le 1$)の長さを求めてみましょう。$f'(x) = 2x$ なので:

$$L = \int_0^1 \sqrt{1 + 4x^2}\,dx$$

$x = \dfrac{1}{2}\tan\theta$ と置換すると $dx = \dfrac{1}{2\cos^2\theta}\,d\theta$、$\sqrt{1 + 4x^2} = \dfrac{1}{\cos\theta}$ となり:

$$L = \int_0^{\alpha} \frac{1}{2\cos^3\theta}\,d\theta \quad\text{(ただし}\;\tan\alpha = 2\text{)}$$

$\displaystyle\int \frac{d\theta}{\cos^3\theta}$ は $\dfrac{1}{2}\left(\dfrac{\sin\theta}{\cos^2\theta} + \log\left|\dfrac{1+\sin\theta}{\cos\theta}\right|\right) + C$ であることを使うと、最終的に:

$$L = \frac{1}{4}\left(2\sqrt{5} + \log(2 + \sqrt{5})\right) \approx 1.4789$$

⚠️ 落とし穴:弧長の積分は初等関数で求まらないことが多い

✗ 誤:弧長の計算は必ずきれいな値が出るはず

○ 正:$\sqrt{1 + \{f'(x)\}^2}$ の積分は多くの場合、楕円積分などの特殊関数になります

入試で出題される場合は、被積分関数がきれいに整理できるよう問題が設計されています。$\sqrt{}$ の中身が完全平方式になるかどうかを最初に確認しましょう。

$\sqrt{}$ の中身が完全平方式になる場合

$y = \dfrac{x^3}{3} + \dfrac{1}{4x}$($1 \le x \le 2$)のような関数では、$f'(x) = x^2 - \dfrac{1}{4x^2}$ なので:

$$1 + \{f'(x)\}^2 = 1 + x^4 - \frac{1}{2} + \frac{1}{16x^4} = x^4 + \frac{1}{2} + \frac{1}{16x^4} = \left(x^2 + \frac{1}{4x^2}\right)^2$$

このとき $\sqrt{1 + \{f'(x)\}^2} = x^2 + \dfrac{1}{4x^2}$($x > 0$ より正)となり、積分が容易に実行できます。

$$L = \int_1^2 \left(x^2 + \frac{1}{4x^2}\right)dx = \left[\frac{x^3}{3} - \frac{1}{4x}\right]_1^2 = \frac{8}{3} - \frac{1}{8} - \frac{1}{3} + \frac{1}{4} = \frac{59}{24}$$

🔬 深掘り:弧長パラメータ

大学数学の微分幾何学では、曲線を弧長 $s$ 自身をパラメータとして表すことがあります(弧長パラメータ表示)。このとき $\left|\dfrac{d\boldsymbol{r}}{ds}\right| = 1$ が常に成り立ち、曲率の計算が非常にシンプルになります。高校で学ぶ弧長の公式は、この理論の出発点です。

3媒介変数表示での曲線の長さ

曲線が $x = x(t),\; y = y(t)$($\alpha \le t \le \beta$)と媒介変数表示されているとき、微小弧長は:

$$ds = \sqrt{\left(\frac{dx}{dt}\right)^2 + \left(\frac{dy}{dt}\right)^2}\,dt$$

と表されます。これは $\Delta s \approx \sqrt{(\Delta x)^2 + (\Delta y)^2}$ で $\Delta x = \dfrac{dx}{dt}\Delta t$、$\Delta y = \dfrac{dy}{dt}\Delta t$ と近似したものです。

📐 曲線の長さの公式(媒介変数表示)

曲線 $x = x(t),\; y = y(t)$($\alpha \le t \le \beta$)の長さ $L$ は:

$$L = \int_{\alpha}^{\beta} \sqrt{\left(\frac{dx}{dt}\right)^2 + \left(\frac{dy}{dt}\right)^2}\,dt$$

※ $y = f(x)$ 型は $t = x$ とした特殊な場合です。

💡 ここが本質:速さの積分 = 道のり

$\sqrt{\dot{x}^2 + \dot{y}^2}$ は点 $(x(t), y(t))$ の速さそのものです。したがって「曲線の長さ = 速さの時間積分 = 道のり」という物理的な意味がそのまま成り立ちます。弧長の公式は、幾何学と物理学が交差する美しい一例です。

例:楕円の周の長さ

楕円 $x = a\cos t,\; y = b\sin t$($0 \le t \le 2\pi$、$a > b > 0$)の周の長さは:

$$L = \int_0^{2\pi} \sqrt{a^2\sin^2 t + b^2\cos^2 t}\,dt = 4\int_0^{\pi/2} \sqrt{a^2\sin^2 t + b^2\cos^2 t}\,dt$$

この積分は楕円積分と呼ばれ、初等関数では表せません。$a = b$(円)のときに限り $L = 2\pi a$ と閉じた形になります。

⚠️ 落とし穴:媒介変数の向きと重複

✗ 誤:$t$ を $0$ から $2\pi$ まで動かせば常に曲線を一周する

○ 正:媒介変数の範囲で曲線が何回トレースされるかを確認する必要があります

例えば $x = \cos 2t,\; y = \sin 2t$ では $t : 0 \to 2\pi$ で円を2周します。弧長の計算では「同じ部分を何度も数えていないか」を必ずチェックしましょう。

4極座標での曲線の長さ

曲線が極座標 $r = f(\theta)$ で与えられているとき、直交座標への変換 $x = r\cos\theta,\; y = r\sin\theta$ を媒介変数表示の公式に代入することで、極座標での弧長公式を導けます。

$\dfrac{dx}{d\theta} = f'(\theta)\cos\theta - f(\theta)\sin\theta$、$\dfrac{dy}{d\theta} = f'(\theta)\sin\theta + f(\theta)\cos\theta$ を代入して整理すると:

$$\left(\frac{dx}{d\theta}\right)^2 + \left(\frac{dy}{d\theta}\right)^2 = \{f'(\theta)\}^2 + \{f(\theta)\}^2 = r'^2 + r^2$$

📐 曲線の長さの公式(極座標)

極方程式 $r = f(\theta)$($\alpha \le \theta \le \beta$)で表される曲線の長さ $L$ は:

$$L = \int_{\alpha}^{\beta} \sqrt{r^2 + \left(\frac{dr}{d\theta}\right)^2}\,d\theta$$

▷ 極座標の弧長公式の導出

$x = r\cos\theta$、$y = r\sin\theta$ より:

$\dot{x} = r'\cos\theta - r\sin\theta$、$\dot{y} = r'\sin\theta + r\cos\theta$

$$\dot{x}^2 + \dot{y}^2 = (r')^2\cos^2\theta - 2rr'\sin\theta\cos\theta + r^2\sin^2\theta$$ $$\quad + (r')^2\sin^2\theta + 2rr'\sin\theta\cos\theta + r^2\cos^2\theta$$

$$= (r')^2(\cos^2\theta + \sin^2\theta) + r^2(\sin^2\theta + \cos^2\theta) = (r')^2 + r^2$$

交差項 $\pm 2rr'\sin\theta\cos\theta$ がきれいに相殺されるのがポイントです。

例:カージオイド $r = a(1 + \cos\theta)$ の全長

$\dfrac{dr}{d\theta} = -a\sin\theta$ なので:

$$r^2 + (r')^2 = a^2(1 + \cos\theta)^2 + a^2\sin^2\theta = a^2(2 + 2\cos\theta) = 4a^2\cos^2\frac{\theta}{2}$$

半角の公式 $1 + \cos\theta = 2\cos^2\dfrac{\theta}{2}$ を用いました。対称性から全長は:

$$L = 2\int_0^{\pi} 2a\cos\frac{\theta}{2}\,d\theta = 4a\left[2\sin\frac{\theta}{2}\right]_0^{\pi} = 8a$$

💡 ここが本質:半角の公式が鍵

極座標の弧長計算では、$r^2 + (r')^2$ を整理した結果に $1 + \cos\theta$ や $1 - \cos\theta$ が現れることが多く、半角の公式を適用して $\sqrt{}$ を外すのが定石です。カージオイドやリマソンの弧長計算では、この処理が不可欠になります。

⚠️ 落とし穴:$\cos\frac{\theta}{2}$ の符号

✗ 誤:$\sqrt{\cos^2\frac{\theta}{2}} = \cos\frac{\theta}{2}$ と無条件に書く

○ 正:$\sqrt{\cos^2\frac{\theta}{2}} = \left|\cos\frac{\theta}{2}\right|$ であり、$\theta$ の範囲に応じて符号を判断する

カージオイドで $0 \le \theta \le \pi$ の場合、$0 \le \frac{\theta}{2} \le \frac{\pi}{2}$ なので $\cos\frac{\theta}{2} \ge 0$ です。$\pi \le \theta \le 2\pi$ の範囲では符号が変わるため、対称性を使って $[0, \pi]$ で計算し 2 倍するのが安全です。

5サイクロイドの弧長 ─ 驚きの結果

サイクロイドは、半径 $a$ の円が直線上を滑らずに転がるとき、円周上の定点が描く曲線です。媒介変数表示は:

$$x = a(t - \sin t), \quad y = a(1 - \cos t)$$

1 アーチ分は $0 \le t \le 2\pi$ に対応します。この弧長を求めてみましょう。

$\dfrac{dx}{dt} = a(1 - \cos t)$、$\dfrac{dy}{dt} = a\sin t$ より:

$$\left(\frac{dx}{dt}\right)^2 + \left(\frac{dy}{dt}\right)^2 = a^2(1 - \cos t)^2 + a^2\sin^2 t = a^2(2 - 2\cos t) = 4a^2\sin^2\frac{t}{2}$$

ここでも半角の公式 $1 - \cos t = 2\sin^2\dfrac{t}{2}$ が活躍します。$0 \le t \le 2\pi$ のとき $\sin\dfrac{t}{2} \ge 0$ なので:

$$L = \int_0^{2\pi} 2a\sin\frac{t}{2}\,dt = 2a\left[-2\cos\frac{t}{2}\right]_0^{2\pi} = 2a\{-2(-1) + 2(1)\} = 8a$$

📐 サイクロイド1アーチの弧長

半径 $a$ の円が生成するサイクロイド1アーチの長さは:

$$L = 8a$$

※ 直径の 4 倍という、驚くほど簡潔な結果です。

円の直径 $2a$ のちょうど 4 倍です。円周 $2\pi a \approx 6.28a$ よりも長いことも注目に値します。サイクロイドは「上に膨らんで元に戻る」という運動のため、水平移動だけの直線($2\pi a$)よりも長くなるのです。

⚠️ 落とし穴:サイクロイドの尖点での微分

✗ 誤:$t = 0, 2\pi$ で $\dfrac{dx}{dt} = \dfrac{dy}{dt} = 0$ だから弧長の公式が使えない

○ 正:$\sqrt{\dot{x}^2 + \dot{y}^2} = 2a\sin\frac{t}{2}$ は $t = 0, 2\pi$ で $0$ になりますが、広義積分として有限値に収束します

$\sin\frac{t}{2}$ は $t = 0$ 付近で $\frac{t}{2}$ 程度の振る舞いをするので、被積分関数は可積分です。

🔬 深掘り:サイクロイドの等時性

サイクロイドには「どこから滑り降りても最下点に到達する時間が同じ」という等時性(tautochrone 性)があります。これはホイヘンスが振り子時計の精度向上のために発見した性質で、弧長が $8a$ という簡潔な値を持つことと深く関連しています。さらに、2 点間の最速降下曲線(ブラキストクローン問題)もサイクロイドであることが知られています。

🔬 深掘り:曲線の長さと曲線の「なめらかさ」

実は、すべての連続曲線に「長さ」が定義できるわけではありません。大学数学では「有界変動」という概念を導入し、長さが有限に定まる曲線(整流可能な曲線、rectifiable curve)とそうでない曲線を区別します。例えばコッホ雪片のようなフラクタル曲線は有限区間内にあるのに長さが無限大です。高校で扱う「なめらかな曲線」は常に整流可能であり、弧長の公式が適用できます。

まとめ

✅ 確認テスト

Q1. 曲線 $y = f(x)$($a \le x \le b$)の長さの公式における被積分関数は何ですか?

▶ 答えを見る
$\sqrt{1 + \{f'(x)\}^2}$。三平方の定理から $ds = \sqrt{dx^2 + dy^2}$ を $dx$ でくくった形です。

Q2. 極座標 $r = f(\theta)$ での弧長公式で、$\sqrt{}$ の中身は何ですか?

▶ 答えを見る
$r^2 + \left(\dfrac{dr}{d\theta}\right)^2$。直交座標への変換で交差項が相殺されて得られます。

Q3. サイクロイド $x = a(t - \sin t),\; y = a(1 - \cos t)$ の 1 アーチの長さは?

▶ 答えを見る
$L = 8a$。半角の公式 $1 - \cos t = 2\sin^2\dfrac{t}{2}$ を利用して計算します。

Q4. カージオイド $r = a(1 + \cos\theta)$ の全長は?

▶ 答えを見る
$L = 8a$。$r^2 + (r')^2 = 4a^2\cos^2\dfrac{\theta}{2}$ となり、サイクロイドと同じ $8a$ です。

Q5. 弧長の積分 $\displaystyle\int_a^b \sqrt{1 + \{f'(x)\}^2}\,dx$ で、$\sqrt{}$ の中身が完全平方式になる条件を一言で述べてください。

▶ 答えを見る
$1 + \{f'(x)\}^2 = \{g(x)\}^2$ の形、すなわち $\{f'(x)\}^2$ に $1$ を加えた結果が何かの 2 乗になること。入試では $f(x) = \dfrac{x^n}{n} + \dfrac{1}{4x^{n-2} \cdot (n-2)}$ 型などが典型的です。

入試問題演習

問題 1 LEVEL A 弧長(基本)

曲線 $y = \dfrac{x^2}{2} - \dfrac{\log x}{2}$($1 \le x \le 2$)の長さを求めよ。

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解答

$f'(x) = x - \dfrac{1}{2x}$ より:

$$1 + \{f'(x)\}^2 = 1 + x^2 - 1 + \frac{1}{4x^2} = x^2 + \frac{1}{4x^2} + \frac{1}{2} + \frac{1}{2} - 1 + 1$$

整理すると $1 + \left(x - \dfrac{1}{2x}\right)^2 = \left(x + \dfrac{1}{2x}\right)^2$ なので:

$$L = \int_1^2 \left(x + \frac{1}{2x}\right)dx = \left[\frac{x^2}{2} + \frac{\log x}{2}\right]_1^2 = \frac{4}{2} + \frac{\log 2}{2} - \frac{1}{2} = \frac{3}{2} + \frac{\log 2}{2}$$

採点ポイント
  • $f'(x)$ の計算 … 2点
  • $1 + \{f'(x)\}^2$ が完全平方式になることの確認 … 3点
  • 積分の計算と正しい値 … 3点
問題 2 LEVEL B 媒介変数表示

曲線 $x = e^t\cos t,\; y = e^t\sin t$($0 \le t \le \pi$)の長さを求めよ。

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解答

$\dfrac{dx}{dt} = e^t(\cos t - \sin t)$、$\dfrac{dy}{dt} = e^t(\sin t + \cos t)$ より:

$$\left(\frac{dx}{dt}\right)^2 + \left(\frac{dy}{dt}\right)^2 = e^{2t}\{(\cos t - \sin t)^2 + (\sin t + \cos t)^2\}$$

$$= e^{2t}(1 - 2\sin t\cos t + 1 + 2\sin t\cos t) = 2e^{2t}$$

よって:

$$L = \int_0^{\pi}\sqrt{2}\,e^t\,dt = \sqrt{2}\,[e^t]_0^{\pi} = \sqrt{2}(e^{\pi} - 1)$$

採点ポイント
  • $\dfrac{dx}{dt}$, $\dfrac{dy}{dt}$ の正確な計算 … 3点
  • 2乗和の整理(交差項の相殺) … 3点
  • 積分と最終結果 … 2点
問題 3 LEVEL B 極座標

極方程式 $r = e^{\theta}$($0 \le \theta \le 2\pi$)で表される曲線(対数螺旋)の長さを求めよ。

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解答

$r = e^{\theta}$、$\dfrac{dr}{d\theta} = e^{\theta}$ より:

$$r^2 + \left(\frac{dr}{d\theta}\right)^2 = e^{2\theta} + e^{2\theta} = 2e^{2\theta}$$

$$L = \int_0^{2\pi}\sqrt{2e^{2\theta}}\,d\theta = \sqrt{2}\int_0^{2\pi} e^{\theta}\,d\theta = \sqrt{2}\,[e^{\theta}]_0^{2\pi} = \sqrt{2}(e^{2\pi} - 1)$$

採点ポイント
  • 極座標の弧長公式の正しい適用 … 3点
  • $r^2 + (r')^2$ の計算 … 2点
  • 積分の実行と最終結果 … 3点
問題 4 LEVEL C サイクロイド応用

サイクロイド $x = a(t - \sin t),\; y = a(1 - \cos t)$($0 \le t \le 2\pi$)について、

(1) $0 \le t \le \pi$ の部分の弧長 $L_1$ を求めよ。

(2) サイクロイド1アーチと $x$ 軸で囲まれる部分の面積 $S$ を求めよ。

(3) $L_1$ と $S$ の関係から、$\dfrac{S}{a \cdot L_1}$ の値を求めよ。

▶ 解答を表示
解答

(1) $\sqrt{\dot{x}^2 + \dot{y}^2} = 2a\sin\dfrac{t}{2}$ より:

$$L_1 = \int_0^{\pi} 2a\sin\frac{t}{2}\,dt = 2a\left[-2\cos\frac{t}{2}\right]_0^{\pi} = 2a(0 + 2) = 4a$$

(2) $S = \displaystyle\int_0^{2\pi a} y\,dx = \int_0^{2\pi} a(1 - \cos t) \cdot a(1 - \cos t)\,dt = a^2\int_0^{2\pi}(1 - \cos t)^2\,dt$

$(1 - \cos t)^2 = 1 - 2\cos t + \cos^2 t = \dfrac{3}{2} - 2\cos t + \dfrac{\cos 2t}{2}$ より:

$$S = a^2\left[\frac{3}{2}t - 2\sin t + \frac{\sin 2t}{4}\right]_0^{2\pi} = 3\pi a^2$$

(3) $\dfrac{S}{a \cdot L_1} = \dfrac{3\pi a^2}{a \cdot 4a} = \dfrac{3\pi}{4}$

解説

半アーチの弧長が $4a$、全弧長が $8a$、面積が $3\pi a^2$(転がる円の面積 $\pi a^2$ の 3 倍)というのがサイクロイドの3大結果です。いずれも半角の公式を用いた三角関数の積分に帰着されます。

採点ポイント
  • 半アーチの弧長 $4a$ の導出 … 3点
  • 面積の積分の立式 … 2点
  • $(1 - \cos t)^2$ の展開と積分 … 3点
  • $\dfrac{S}{aL_1} = \dfrac{3\pi}{4}$ の計算 … 2点