第3章 図形と方程式

直線に関する対称点
─ 折り返しで見つける「鏡の世界」の座標

「直線 $\ell$ に関して点 $\mathrm{P}$ と対称な点 $\mathrm{P'}$ の座標は?」── 対称点の問題は、垂直二等分線の条件を方程式に翻訳する典型的な問題です。
軸に関する対称、一般の直線に関する対称、そして最短経路問題への応用まで、体系的に学びましょう。

1対称点とは

ある点 $\mathrm{P}$ を直線 $\ell$ に関して「折り返した」点を、$\ell$ に関する $\mathrm{P}$ の対称点(reflection point)といいます。対称点 $\mathrm{P'}$ は次の2つの条件を同時に満たす点として定義されます。

対称点の定義

点 $\mathrm{P}$ の直線 $\ell$ に関する対称点 $\mathrm{P'}$ とは、次の2条件を満たす点です。

  1. 線分 $\mathrm{PP'}$ の中点が直線 $\ell$ 上にある
  2. 線分 $\mathrm{PP'}$ と直線 $\ell$ が垂直に交わる

つまり、直線 $\ell$ は線分 $\mathrm{PP'}$ の垂直二等分線です。

💡 ここが本質:対称点は「折り返し」

対称点を直感的に理解するには、「紙を直線 $\ell$ に沿って折る」とイメージしましょう。折ったとき、点 $\mathrm{P}$ がぴったり重なる位置が対称点 $\mathrm{P'}$ です。

折り目(直線 $\ell$)は、$\mathrm{P}$ と $\mathrm{P'}$ を結ぶ線分のちょうど真ん中を垂直に横切ります。これが「中点が $\ell$ 上」かつ「$\mathrm{PP'} \perp \ell$」という2条件の幾何学的な意味です。

対称点を求めるための2つの条件

対称点 $\mathrm{P'}(a, b)$ を求めるためには、未知数が2つ($a$ と $b$)あるので、2本の方程式が必要です。

  • 条件1(中点条件):$\mathrm{P}$ と $\mathrm{P'}$ の中点が直線 $\ell$ 上にある
  • 条件2(垂直条件):直線 $\mathrm{PP'}$ と直線 $\ell$ が垂直

この2条件を連立方程式として解くのが基本的な手法です。

2$x$ 軸・$y$ 軸・原点に関する対称点

一般の直線を扱う前に、まず座標軸に関する対称点を確認しましょう。これらは公式として即座に使えるようにしておくべきです。

📐 座標軸・原点・$y = x$ に関する対称点

点 $\mathrm{P}(x, y)$ に対して、

$x$ 軸に関する対称点:$(x, y) \to (x, -y)$

$y$ 軸に関する対称点:$(x, y) \to (-x, y)$

原点に関する対称点:$(x, y) \to (-x, -y)$

直線 $y = x$ に関する対称点:$(x, y) \to (y, x)$

$x$ 軸対称は「$y$ の符号を反転」、$y$ 軸対称は「$x$ の符号を反転」、原点対称は「両方反転」、$y = x$ 対称は「$x$ と $y$ を入れ替え」。

$x$ 軸に関する対称点

$x$ 軸に関して点 $(a, b)$ と対称な点は $(a, -b)$ です。$x$ 座標はそのままで、$y$ 座標の符号だけが反転します。

確認:中点は $\left(a, \dfrac{b + (-b)}{2}\right) = (a, 0)$ で $x$ 軸上にあり、$\mathrm{PP'}$ は鉛直線なので $x$ 軸(水平線)に垂直です。

$y$ 軸に関する対称点

$y$ 軸に関して点 $(a, b)$ と対称な点は $(-a, b)$ です。$y$ 座標はそのままで、$x$ 座標の符号が反転します。

原点に関する対称点

原点に関して点 $(a, b)$ と対称な点は $(-a, -b)$ です。原点対称は「点に関する対称」であり、線対称とは異なりますが、$x$ 座標・$y$ 座標ともに符号が反転します。

原点対称は、$x$ 軸対称の後に $y$ 軸対称を行った結果(またはその逆順)と同じです。

直線 $y = x$ に関する対称点

直線 $y = x$ に関して点 $(a, b)$ と対称な点は $(b, a)$ です。$x$ 座標と $y$ 座標が入れ替わります。

確認:中点は $\left(\dfrac{a + b}{2}, \dfrac{b + a}{2}\right)$ で $y = x$ 上にあり、$\mathrm{PP'}$ の傾きは $\dfrac{a - b}{b - a} = -1$ で直線 $y = x$(傾き $1$)と垂直です。

対称点の一覧表

対称の基準 $(x, y)$ の像 変化する座標
$x$ 軸 $(x, -y)$ $y$ の符号反転
$y$ 軸 $(-x, y)$ $x$ の符号反転
原点 $(-x, -y)$ 両方の符号反転
直線 $y = x$ $(y, x)$ $x$ と $y$ の入れ替え

3一般の直線に関する対称点の求め方

座標軸や $y = x$ 以外の一般の直線 $\ell : ax + by + c = 0$ に関する対称点は、定義に立ち戻って2つの条件を連立方程式として解きます。

求め方の手順

点 $\mathrm{P}(p, q)$ の直線 $\ell : ax + by + c = 0$ に関する対称点を $\mathrm{P'}(s, t)$ とします。

条件1(中点条件):$\mathrm{P}$ と $\mathrm{P'}$ の中点 $\mathrm{M}\left(\dfrac{p + s}{2}, \dfrac{q + t}{2}\right)$ が直線 $\ell$ 上にある。

$$a \cdot \frac{p + s}{2} + b \cdot \frac{q + t}{2} + c = 0$$

条件2(垂直条件):直線 $\mathrm{PP'}$ が直線 $\ell$ に垂直。

直線 $\ell$ の法線ベクトルは $(a, b)$ なので、$\mathrm{PP'}$ の方向ベクトル $(s - p, t - q)$ は $(a, b)$ に平行です。

$$\frac{s - p}{a} = \frac{t - q}{b}$$

すなわち $b(s - p) = a(t - q)$、つまり $b(s - p) - a(t - q) = 0$ です。

具体例

例題:点 $\mathrm{P}(3, 1)$ の直線 $\ell : x + 2y - 1 = 0$ に関する対称点 $\mathrm{P'}(s, t)$ を求めよ。

解:

条件1(中点条件):中点 $\left(\dfrac{3 + s}{2}, \dfrac{1 + t}{2}\right)$ が $\ell$ 上にある。

$$\frac{3 + s}{2} + 2 \cdot \frac{1 + t}{2} - 1 = 0$$

$$\frac{3 + s}{2} + (1 + t) - 1 = 0$$

$$\frac{3 + s}{2} + t = 0$$

$$3 + s + 2t = 0 \quad \cdots (*)$$

条件2(垂直条件):$\ell$ の方向ベクトルは $(2, -1)$(法線ベクトル $(1, 2)$ に垂直)なので、$\mathrm{PP'}$ の傾きと $\ell$ の傾きの積が $-1$。

$\ell$ の傾きは $-\dfrac{1}{2}$ なので、$\mathrm{PP'}$ の傾きは $2$ でなければならない。

$$\frac{t - 1}{s - 3} = 2$$

$$t - 1 = 2(s - 3)$$

$$t = 2s - 5 \quad \cdots (**)$$

$(**)$ を $(*)$ に代入すると、

$$3 + s + 2(2s - 5) = 0$$

$$3 + s + 4s - 10 = 0$$

$$5s - 7 = 0 \quad \Rightarrow \quad s = \frac{7}{5}$$

$$t = 2 \cdot \frac{7}{5} - 5 = \frac{14}{5} - \frac{25}{5} = -\frac{11}{5}$$

よって、対称点は $\mathrm{P'}\left(\dfrac{7}{5}, -\dfrac{11}{5}\right)$。

⚠️ 落とし穴:2条件のどちらかを忘れる

対称点の問題で最も多いミスは、中点条件と垂直条件の一方しか使わないことです。

✗ 誤り:「中点が直線上」だけで対称点が決まると思い込む

✗ 誤り:「垂直に交わる」だけで対称点が決まると思い込む

✓ 正しい:中点条件と垂直条件の両方を連立して解く

未知数が2つ($s, t$)なので、方程式も2本必要です。1つの条件だけでは直線上の無限個の点が候補になってしまいます。

また、垂直条件で傾きを使うとき、符号を間違えやすいので注意しましょう。2直線が垂直 $\Leftrightarrow$ 傾きの積が $-1$ です。

▷ 一般の反射公式の導出

直線 $\ell : ax + by + c = 0$ に関して、点 $\mathrm{P}(p, q)$ の対称点 $\mathrm{P'}(s, t)$ の一般公式を導きます。

条件2(垂直条件)より、$(s - p, t - q)$ は法線ベクトル $(a, b)$ に平行なので、実数 $k$ を用いて

$$s = p + ak, \quad t = q + bk$$

と書けます。条件1(中点条件)より、中点 $\left(\dfrac{p + s}{2}, \dfrac{q + t}{2}\right)$ が $\ell$ 上にあるので、

$$a \cdot \frac{p + (p + ak)}{2} + b \cdot \frac{q + (q + bk)}{2} + c = 0$$

$$a \cdot \frac{2p + ak}{2} + b \cdot \frac{2q + bk}{2} + c = 0$$

$$ap + \frac{a^2 k}{2} + bq + \frac{b^2 k}{2} + c = 0$$

$$(ap + bq + c) + \frac{(a^2 + b^2)k}{2} = 0$$

$$k = -\frac{2(ap + bq + c)}{a^2 + b^2}$$

したがって、

$$s = p - \frac{2a(ap + bq + c)}{a^2 + b^2}, \quad t = q - \frac{2b(ap + bq + c)}{a^2 + b^2}$$

この公式を覚える必要はありません。毎回、中点条件と垂直条件を立てて解けば十分です。

4直線に関する対称な直線

「直線 $\ell_1$ の直線 $\ell$ に関する対称な直線 $\ell_2$ を求めよ」という問題では、$\ell_1$ 上の2点を $\ell$ に関して対称移動し、その像を通る直線を求めます。

求め方の手順

  1. 直線 $\ell_1$ 上の2点 $\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$ を選ぶ(計算しやすい点を選ぶ)
  2. $\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$ それぞれの直線 $\ell$ に関する対称点 $\mathrm{A'}$、$\mathrm{B'}$ を求める
  3. 2点 $\mathrm{A'}$、$\mathrm{B'}$ を通る直線が求める対称な直線 $\ell_2$

具体例

例題:直線 $\ell_1 : y = 2x + 3$ の直線 $\ell : y = x$ に関する対称な直線を求めよ。

解:直線 $y = x$ に関する対称点は $(a, b) \to (b, a)$ なので、

$\ell_1$ 上の点 $(0, 3)$ の対称点は $(3, 0)$、点 $(-1, 1)$ の対称点は $(1, -1)$ です。

2点 $(3, 0)$、$(1, -1)$ を通る直線の傾きは $\dfrac{-1 - 0}{1 - 3} = \dfrac{-1}{-2} = \dfrac{1}{2}$

$$y - 0 = \frac{1}{2}(x - 3) \quad \Rightarrow \quad y = \frac{1}{2}x - \frac{3}{2}$$

よって、求める対称な直線は $y = \dfrac{1}{2}x - \dfrac{3}{2}$。

$y = x$ 対称の簡便法

直線 $y = x$ に関する対称移動は $x$ と $y$ を入れ替えるだけなので、$\ell_1 : y = 2x + 3$ の $x$ と $y$ を入れ替えて $x = 2y + 3$ とし、$y$ について解くと

$$y = \frac{x - 3}{2} = \frac{1}{2}x - \frac{3}{2}$$

と、同じ結果が直ちに得られます。この方法は逆関数のグラフが $y = x$ に関して元のグラフと対称であることに対応しています。

🔬 深掘りTips:反射変換と線形代数

直線に関する対称移動は、線形代数では反射変換(reflection transformation)として扱われます。原点を通る直線 $y = (\tan\theta) x$ に関する反射は、行列

$$R = \begin{pmatrix} \cos 2\theta & \sin 2\theta \\ \sin 2\theta & -\cos 2\theta \end{pmatrix}$$

で表されます。例えば $\theta = 0$($x$ 軸)なら $R = \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & -1 \end{pmatrix}$、$\theta = \dfrac{\pi}{4}$($y = x$)なら $R = \begin{pmatrix} 0 & 1 \\ 1 & 0 \end{pmatrix}$ となり、それぞれ $(x, y) \to (x, -y)$ と $(x, y) \to (y, x)$ に対応します。

反射行列は $R^2 = I$(2回反射すると元に戻る)、$\det R = -1$(向きが反転する)という性質を持ちます。

5対称性の応用問題

対称点の最も重要な応用は最短経路問題です。「直線上の点を経由する最短経路」は、対称点を利用して直線的に求めることができます。

反射原理(最短経路問題)

直線 $\ell$ の同じ側に2点 $\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$ があるとき、$\ell$ 上の点 $\mathrm{P}$ を経由する経路 $\mathrm{A} \to \mathrm{P} \to \mathrm{B}$ の長さ $\mathrm{AP} + \mathrm{PB}$ を最小にする点 $\mathrm{P}$ は次のように求まります。

  1. $\mathrm{A}$(または $\mathrm{B}$)の直線 $\ell$ に関する対称点 $\mathrm{A'}$ を求める
  2. $\mathrm{A'}$ と $\mathrm{B}$ を結ぶ線分と $\ell$ の交点が求める点 $\mathrm{P}$
  3. 最短距離は $\mathrm{A'B}$(直線距離)

なぜなら、$\mathrm{AP} = \mathrm{A'P}$(対称点との距離は等しい)なので、$\mathrm{AP} + \mathrm{PB} = \mathrm{A'P} + \mathrm{PB} \geq \mathrm{A'B}$ であり、等号は $\mathrm{A'}$、$\mathrm{P}$、$\mathrm{B}$ が一直線上にあるときに成立するからです。

具体例(最短経路)

例題:点 $\mathrm{A}(1, 3)$ と点 $\mathrm{B}(5, 1)$ がある。$x$ 軸上の点 $\mathrm{P}$ を経由する経路 $\mathrm{AP} + \mathrm{PB}$ が最小となる点 $\mathrm{P}$ の座標と最小値を求めよ。

解:$\mathrm{A}(1, 3)$ の $x$ 軸に関する対称点は $\mathrm{A'}(1, -3)$。

$\mathrm{A'}(1, -3)$ と $\mathrm{B}(5, 1)$ を結ぶ直線の方程式は

$$\frac{y - (-3)}{x - 1} = \frac{1 - (-3)}{5 - 1} = 1$$

$$y = x - 4$$

$x$ 軸との交点($y = 0$)は $x = 4$ なので $\mathrm{P}(4, 0)$。

最小値は $\mathrm{A'B} = \sqrt{(5 - 1)^2 + (1 - (-3))^2} = \sqrt{16 + 16} = 4\sqrt{2}$。

光の反射問題

上の反射原理は、光の反射の法則(入射角 = 反射角)と同じ原理です。鏡(直線 $\ell$)で反射する光は、出発点と到達点を結ぶ最短経路を通ります。

この「入射角 = 反射角」の性質は、対称点を用いると自然に導かれます。対称点 $\mathrm{A'}$ と $\mathrm{B}$ を結ぶ直線が $\ell$ となす角を見ると、$\mathrm{A'P}$ と $\ell$ のなす角(反射角側)が $\mathrm{AP}$ と $\ell$ のなす角(入射角側)と等しくなっていることが確認できます。

ビリヤード(2回反射)問題

2つの壁(直線)で反射して進む最短経路の問題は、対称点を2回取ることで解けます。

例えば、$\mathrm{A}$ から出発して直線 $\ell_1$ 上の点 $\mathrm{P}$ で反射し、次に直線 $\ell_2$ 上の点 $\mathrm{Q}$ で反射して $\mathrm{B}$ に到達する場合、

  1. $\mathrm{A}$ の $\ell_1$ に関する対称点 $\mathrm{A'}$ を求める
  2. $\mathrm{B}$ の $\ell_2$ に関する対称点 $\mathrm{B'}$ を求める
  3. $\mathrm{A'}$ と $\mathrm{B'}$ を結ぶ直線と $\ell_1$、$\ell_2$ の交点がそれぞれ $\mathrm{P}$、$\mathrm{Q}$

最短距離は $\mathrm{A'B'}$ です。

💡 ここが本質:「曲がる経路」を「直線」にする

反射原理の本質は、折れ線の最短問題を直線の問題に帰着させることです。

対称点を取ることで、折れた経路の一部を「鏡の向こう側」に展開し、曲がった経路と同じ長さの直線に変換します。三角不等式「2辺の和 $\geq$ 第3辺」から、直線が最短であることが保証されます。

📋まとめ

  • 対称点の定義:直線 $\ell$ に関する対称点 $\mathrm{P'}$ とは、$\ell$ が線分 $\mathrm{PP'}$ の垂直二等分線になる点。「中点が $\ell$ 上」かつ「$\mathrm{PP'} \perp \ell$」の2条件で定まる。
  • 座標軸に関する対称点:$x$ 軸対称は $(x, -y)$、$y$ 軸対称は $(-x, y)$、原点対称は $(-x, -y)$、$y = x$ 対称は $(y, x)$。
  • 一般の直線に関する対称点:中点条件と垂直条件の連立方程式を解く。未知数2つに対し方程式2本を立てる。
  • 対称な直線:元の直線上の2点の対称点を求め、その2点を通る直線として求める。$y = x$ 対称では $x$ と $y$ を入れ替えるだけでよい。
  • 反射原理と最短経路:直線上の点を経由する最短経路は、対称点を利用して折れ線を直線に帰着させる。光の反射法則(入射角 = 反射角)と同じ原理。

✅ 確認テスト

Q1. 点 $(3, -5)$ の $x$ 軸に関する対称点を求めよ。

▶ クリックして解答を表示 $x$ 軸対称は $y$ の符号を反転するので、$(3, -5) \to (3, 5)$。

Q2. 点 $(-2, 4)$ の直線 $y = x$ に関する対称点を求めよ。

▶ クリックして解答を表示 $y = x$ 対称は $x$ と $y$ を入れ替えるので、$(-2, 4) \to (4, -2)$。

Q3. 点 $(1, 2)$ の直線 $y = -x$ に関する対称点を求めよ。

▶ クリックして解答を表示 直線 $y = -x$ に関する対称点は $(x, y) \to (-y, -x)$ なので、$(1, 2) \to (-2, -1)$。確認:中点 $\left(\dfrac{1 + (-2)}{2}, \dfrac{2 + (-1)}{2}\right) = \left(-\dfrac{1}{2}, \dfrac{1}{2}\right)$ は $y = -x$ 上にあり、$\mathrm{PP'}$ の傾き $= \dfrac{-1 - 2}{-2 - 1} = 1$ は $y = -x$ の傾き $(-1)$ と垂直。

Q4. 点 $\mathrm{P}(4, 3)$ の直線 $x - y + 1 = 0$ に関する対称点を求めよ。

▶ クリックして解答を表示 対称点を $(s, t)$ とする。垂直条件:$\ell$ の傾きは $1$ なので $\mathrm{PP'}$ の傾きは $-1$。$\dfrac{t - 3}{s - 4} = -1$ より $t = -s + 7$。中点条件:$\dfrac{4 + s}{2} - \dfrac{3 + t}{2} + 1 = 0$、$4 + s - 3 - t + 2 = 0$、$s - t + 3 = 0$。$t = -s + 7$ を代入すると $s - (-s + 7) + 3 = 0$、$2s - 4 = 0$、$s = 2$、$t = 5$。対称点は $(2, 5)$。

Q5. 点 $\mathrm{A}(0, 4)$ と点 $\mathrm{B}(6, 2)$ を結ぶ折れ線が $x$ 軸上の点 $\mathrm{P}$ を経由するとき、$\mathrm{AP} + \mathrm{PB}$ の最小値を求めよ。

▶ クリックして解答を表示 $\mathrm{A}(0, 4)$ の $x$ 軸に関する対称点は $\mathrm{A'}(0, -4)$。最小値は $\mathrm{A'B} = \sqrt{(6 - 0)^2 + (2 - (-4))^2} = \sqrt{36 + 36} = 6\sqrt{2}$。

📝入試問題演習

問題 1 A 基礎

次の各点の、指定された直線に関する対称点を求めよ。

(1) 点 $(2, -3)$ の $y$ 軸に関する対称点

(2) 点 $(-1, 5)$ の原点に関する対称点

(3) 点 $(4, 1)$ の直線 $y = x$ に関する対称点

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解答

(1) $y$ 軸対称は $x$ の符号を反転:$(2, -3) \to (-2, -3)$

(2) 原点対称は両方の符号を反転:$(-1, 5) \to (1, -5)$

(3) $y = x$ 対称は $x$ と $y$ を入れ替え:$(4, 1) \to (1, 4)$

問題 2 B 標準

点 $\mathrm{A}(5, 2)$ の直線 $\ell : 2x + y - 3 = 0$ に関する対称点 $\mathrm{A'}$ の座標を求めよ。

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解答

対称点を $\mathrm{A'}(s, t)$ とする。

垂直条件:$\ell$ の傾きは $-2$ なので、$\mathrm{AA'}$ の傾きは $\dfrac{1}{2}$。

$$\frac{t - 2}{s - 5} = \frac{1}{2} \quad \Rightarrow \quad 2(t - 2) = s - 5 \quad \Rightarrow \quad s = 2t + 1 \quad \cdots (1)$$

中点条件:中点 $\left(\dfrac{5 + s}{2}, \dfrac{2 + t}{2}\right)$ が $\ell$ 上にある。

$$2 \cdot \frac{5 + s}{2} + \frac{2 + t}{2} - 3 = 0$$

$$(5 + s) + \frac{2 + t}{2} - 3 = 0$$

$$10 + 2s + 2 + t - 6 = 0 \quad \Rightarrow \quad 2s + t + 6 = 0 \quad \cdots (2)$$

$(1)$ を $(2)$ に代入:$2(2t + 1) + t + 6 = 0$、$5t + 8 = 0$、$t = -\dfrac{8}{5}$

$s = 2 \cdot \left(-\dfrac{8}{5}\right) + 1 = -\dfrac{11}{5}$

よって $\mathrm{A'}\left(-\dfrac{11}{5}, -\dfrac{8}{5}\right)$。

解説

垂直条件から $s$ と $t$ の関係式を作り、中点条件に代入するのが典型的な解法です。法線ベクトル $(2, 1)$ を使って $s = 5 + 2k$、$t = 2 + k$ とパラメータ表示する方法でも同じ結果が得られます。

採点のポイント
  • 垂直条件を正しく立式できている
  • 中点条件を正しく立式できている
  • 連立方程式を正しく解いて座標を求めている
問題 3 B 標準

直線 $\ell_1 : y = 3x - 1$ の直線 $\ell : y = x + 2$ に関する対称な直線 $\ell_2$ の方程式を求めよ。

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解答

$\ell_1$ 上の2点を選ぶ。$(0, -1)$ と $(1, 2)$ を取る。

点 $(0, -1)$ の $\ell : x - y + 2 = 0$ に関する対称点

垂直条件:$\ell$ の傾きは $1$ なので、$\mathrm{PP'}$ の傾きは $-1$。$t - (-1) = -(s - 0)$ より $t = -s - 1$。

中点条件:$\dfrac{0 + s}{2} - \dfrac{-1 + t}{2} + 2 = 0$、$s + 1 - t + 4 = 0$、$s - t + 5 = 0$。

$t = -s - 1$ を代入:$s - (-s - 1) + 5 = 0$、$2s + 6 = 0$、$s = -3$、$t = 2$。対称点は $(-3, 2)$。

点 $(1, 2)$ の対称点

垂直条件:$t - 2 = -(s - 1)$ より $t = -s + 3$。

中点条件:$\dfrac{1 + s}{2} - \dfrac{2 + t}{2} + 2 = 0$、$1 + s - 2 - t + 4 = 0$、$s - t + 3 = 0$。

$t = -s + 3$ を代入:$s - (-s + 3) + 3 = 0$、$2s = 0$、$s = 0$、$t = 3$。対称点は $(0, 3)$。

2点 $(-3, 2)$、$(0, 3)$ を通る直線:傾き $= \dfrac{3 - 2}{0 - (-3)} = \dfrac{1}{3}$

$$y = \frac{1}{3}x + 3$$

よって $\ell_2 : y = \dfrac{1}{3}x + 3$。

解説

$\ell_1$ の傾きが $3$ で $\ell$ の傾きが $1$ のとき、$\ell_2$ の傾きが $\dfrac{1}{3}$ となることに注目しましょう。$y = x$ に関して傾き $m$ の直線は傾き $\dfrac{1}{m}$ になることの一般化です。

問題 4 C 発展

座標平面上に点 $\mathrm{A}(0, 3)$、点 $\mathrm{B}(8, 5)$ がある。$x$ 軸上の点 $\mathrm{P}$ と直線 $y = 8$ 上の点 $\mathrm{Q}$ を取り、経路 $\mathrm{A} \to \mathrm{P} \to \mathrm{Q} \to \mathrm{B}$ の長さ $\mathrm{AP} + \mathrm{PQ} + \mathrm{QB}$ の最小値を求めよ。

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解答

$\mathrm{A}(0, 3)$ の $x$ 軸に関する対称点は $\mathrm{A'}(0, -3)$。

$\mathrm{B}(8, 5)$ の直線 $y = 8$ に関する対称点は $\mathrm{B'}(8, 11)$。

$\mathrm{AP} = \mathrm{A'P}$、$\mathrm{QB} = \mathrm{QB'}$ なので

$$\mathrm{AP} + \mathrm{PQ} + \mathrm{QB} = \mathrm{A'P} + \mathrm{PQ} + \mathrm{QB'} \geq \mathrm{A'B'}$$

等号は $\mathrm{A'}$、$\mathrm{P}$、$\mathrm{Q}$、$\mathrm{B'}$ が一直線上にあるとき成立。

$$\mathrm{A'B'} = \sqrt{(8 - 0)^2 + (11 - (-3))^2} = \sqrt{64 + 196} = \sqrt{260} = 2\sqrt{65}$$

よって、最小値は $2\sqrt{65}$。

解説

2つの壁($x$ 軸と $y = 8$)で反射する経路の問題です。出発点 $\mathrm{A}$ を $x$ 軸で反射し、到達点 $\mathrm{B}$ を $y = 8$ で反射して、2つの対称点を結んだ直線距離が最短経路です。対称点を使うことで折れ線の問題が直線の問題に帰着します。

$\mathrm{A'}$、$\mathrm{P}$、$\mathrm{Q}$、$\mathrm{B'}$ が一直線上に並ぶことを確認するには、直線 $\mathrm{A'B'}$ の方程式 $y = \dfrac{14}{8}x - 3 = \dfrac{7}{4}x - 3$ と $x$ 軸、$y = 8$ の交点を求めればよい。$y = 0$ のとき $x = \dfrac{12}{7}$、$y = 8$ のとき $x = \dfrac{44}{7}$ でそれぞれ $\mathrm{P}$、$\mathrm{Q}$ の座標が決まります。

採点のポイント
  • $\mathrm{A}$ の $x$ 軸に関する対称点を正しく求めている
  • $\mathrm{B}$ の $y = 8$ に関する対称点を正しく求めている
  • 対称点を結ぶ直線距離が最小値であることを三角不等式から説明している
  • $\mathrm{A'B'}$ の距離を正しく計算している