「2つの直線はどんな位置関係にあるのか?」── 平行・垂直・交わる角度は、傾きを使って代数的に判定できます。
公式の暗記で終わらせず、方向ベクトルと内積の観点から本質を理解しましょう。
座標平面上の2直線が平行であるとは、2直線が交わらない(または一致する)ことです。傾きを用いた判定条件を導きましょう。
2直線 $\ell_1 : y = m_1 x + n_1$、$\ell_2 : y = m_2 x + n_2$ が平行であるための条件は、傾きが等しいことです。
$$\ell_1 \parallel \ell_2 \iff m_1 = m_2$$
ただし $m_1 = m_2$ かつ $n_1 = n_2$ のとき2直線は一致(同一直線)、$m_1 = m_2$ かつ $n_1 \neq n_2$ のとき平行で交わらない。
これは直感的にも明らかです。傾きが等しい2直線は同じ方向を向いているので、平行になります。
直線を一般形 $\ell_1 : a_1 x + b_1 y + c_1 = 0$、$\ell_2 : a_2 x + b_2 y + c_2 = 0$ で表す場合、平行条件は次のようになります。
$$\ell_1 \parallel \ell_2 \iff a_1 b_2 - a_2 b_1 = 0$$
すなわち $a_1 b_2 = a_2 b_1$ が成り立つとき、2直線は平行(または一致)です。
この条件は $b_1 = 0$ や $b_2 = 0$(直線が $y$ 軸に平行)の場合も正しく扱えます。
$a_1 b_2 = a_2 b_1$ が成り立つとき、2直線が「平行だが交わらない」のか「一致する」のかは、定数項 $c_1, c_2$ を調べて区別します。
例:$\ell_1 : 2x + 3y - 1 = 0$ と $\ell_2 : 4x + 6y + 5 = 0$ について、$a_1 b_2 - a_2 b_1 = 2 \cdot 6 - 4 \cdot 3 = 0$ なので平行です。$\ell_2$ を2で割ると $2x + 3y + \frac{5}{2} = 0$ で、$c_1 = -1 \neq \frac{5}{2} = c_2'$ なので一致はせず、平行(交わらない)です。
2直線 $\ell_1 : y = m_1 x + n_1$、$\ell_2 : y = m_2 x + n_2$ が垂直に交わるための条件を導きます。
$$\ell_1 \perp \ell_2 \iff m_1 m_2 = -1$$
「傾きの積が $-1$」と覚えましょう。ただし、一方の直線が $x$ 軸に平行($m = 0$)で他方が $y$ 軸に平行(傾きなし)のときは、この公式は使えません。
$m_1 m_2 = -1$ は、2直線がともに傾きをもつ場合にのみ使える条件です。
✗ 誤り:$x = 2$ と $y = 3$ の関係を $m_1 m_2 = -1$ で判定しようとする($x = 2$ に傾きは定義されない)
✓ 正しい:$x = k$(鉛直線)と $y = c$(水平線)は明らかに垂直。一般形の条件 $a_1 a_2 + b_1 b_2 = 0$ を使えば統一的に扱える。
一般形で表された2直線の垂直条件は、次の通りです。
$$\ell_1 \perp \ell_2 \iff a_1 a_2 + b_1 b_2 = 0$$
この条件は鉛直線を含むすべての場合に適用できます。
なぜ $a_1 a_2 + b_1 b_2 = 0$ が垂直条件になるのか、方向ベクトルを使って理解しましょう。
直線 $a x + b y + c = 0$ の方向ベクトル(直線に平行なベクトル)は $\vec{d} = (-b, a)$(または $(b, -a)$)です。
$\ell_1 : a_1 x + b_1 y + c_1 = 0$ の方向ベクトルは $\vec{d_1} = (-b_1, a_1)$
$\ell_2 : a_2 x + b_2 y + c_2 = 0$ の方向ベクトルは $\vec{d_2} = (-b_2, a_2)$
2直線が垂直 $\iff$ 方向ベクトルが垂直 $\iff$ 内積が $0$
$$\vec{d_1} \cdot \vec{d_2} = (-b_1)(-b_2) + a_1 \cdot a_2 = a_1 a_2 + b_1 b_2 = 0$$
したがって、$a_1 a_2 + b_1 b_2 = 0$ が垂直条件です。■
2直線の垂直条件 $a_1 a_2 + b_1 b_2 = 0$ は、方向ベクトルの内積が 0 であることと同値です。
また、直線 $a x + b y + c = 0$ の法線ベクトル(直線に垂直なベクトル)は $\vec{n} = (a, b)$ です。「$\ell_1$ の法線ベクトルが $\ell_2$ の方向ベクトルに平行」と言い換えることもできます。
内積の幾何学的意味を理解していれば、垂直条件を丸暗記する必要はありません。
$b_1 \neq 0$、$b_2 \neq 0$ のとき、$m_1 = -\frac{a_1}{b_1}$、$m_2 = -\frac{a_2}{b_2}$ なので、
$$m_1 m_2 = \frac{a_1 a_2}{b_1 b_2}$$
$a_1 a_2 + b_1 b_2 = 0$ は $a_1 a_2 = -b_1 b_2$ と同値なので、$m_1 m_2 = \frac{-b_1 b_2}{b_1 b_2} = -1$ が得られます。
直線 $a x + b y + c = 0$ において、$(a, b)$ は法線ベクトル、$(-b, a)$ は方向ベクトルです。法線ベクトルは、直線の方程式の $x, y$ の係数をそのまま読み取れば得られるため、非常に便利です。
大学の線形代数では、$ax + by + c = 0$ を内積 $\vec{n} \cdot \vec{r} = -c$($\vec{n} = (a, b)$、$\vec{r} = (x, y)$)と解釈します。この視点から、法線ベクトルと方程式の係数が一致する理由が自然に理解できます。
交わる2直線がつくる角のうち、$0° < \theta \leq 90°$ を満たすもの(鋭角または直角)を、2直線のなす角と呼びます。
2直線が交わると4つの角ができますが、対頂角を除くと2種類あり、そのうち小さい方(鋭角側)を「なす角」とする約束です。
2直線 $\ell_1 : y = m_1 x + n_1$、$\ell_2 : y = m_2 x + n_2$ のなす角 $\theta$ を求めます。
$\ell_1$ が $x$ 軸の正方向となす角を $\alpha$、$\ell_2$ が $x$ 軸の正方向となす角を $\beta$ とすると、$m_1 = \tan\alpha$、$m_2 = \tan\beta$ です。
2直線のなす角の1つは $\alpha - \beta$(または $\beta - \alpha$)です。加法定理より
$$\tan(\alpha - \beta) = \frac{\tan\alpha - \tan\beta}{1 + \tan\alpha \cdot \tan\beta} = \frac{m_1 - m_2}{1 + m_1 m_2}$$
なす角 $\theta$ は鋭角(または直角)を取る約束なので、$\tan\theta \geq 0$ です。したがって絶対値をとって
$$\tan\theta = \left|\frac{m_1 - m_2}{1 + m_1 m_2}\right|$$
2直線 $\ell_1 : y = m_1 x + n_1$、$\ell_2 : y = m_2 x + n_2$ のなす角を $\theta$($0° < \theta \leq 90°$)とすると
$$\tan\theta = \left|\frac{m_1 - m_2}{1 + m_1 m_2}\right| \quad (m_1 m_2 \neq -1 \text{ のとき})$$
$m_1 m_2 = -1$ のとき $\theta = 90°$(垂直)です。
分母 $1 + m_1 m_2 = 0$ のときは垂直に対応し、$\tan\theta$ が定義されない($\theta = 90°$)ことと整合します。
例題:2直線 $y = 2x + 1$ と $y = -\frac{1}{3}x + 4$ のなす角 $\theta$ を求めよ。
解:$m_1 = 2$、$m_2 = -\frac{1}{3}$ なので、
$$\tan\theta = \left|\frac{2 - \left(-\frac{1}{3}\right)}{1 + 2 \cdot \left(-\frac{1}{3}\right)}\right| = \left|\frac{\frac{7}{3}}{\frac{1}{3}}\right| = |7| = 7$$
よって $\theta = \arctan 7$ です。
例題:2直線 $y = x$ と $y = \sqrt{3}\,x$ のなす角を求めよ。
解:$m_1 = 1$、$m_2 = \sqrt{3}$ なので、
$$\tan\theta = \left|\frac{1 - \sqrt{3}}{1 + 1 \cdot \sqrt{3}}\right| = \left|\frac{1 - \sqrt{3}}{1 + \sqrt{3}}\right|$$
有理化すると $\left|\frac{(1 - \sqrt{3})^2}{(1 + \sqrt{3})(1 - \sqrt{3})}\right| = \left|\frac{4 - 2\sqrt{3}}{-2}\right| = \sqrt{3} - 2 + 1 = 2 - \sqrt{3}$
$(1 - \sqrt{3})^2 = 4 - 2\sqrt{3}$ なので $\tan\theta = \frac{4 - 2\sqrt{3}}{2} = 2 - \sqrt{3}$ です。$\tan 15° = 2 - \sqrt{3}$ より $\theta = 15°$ です。
2直線の交点は、2つの直線の方程式を連立方程式として解くことで求められます。
$\ell_1 : a_1 x + b_1 y + c_1 = 0$ と $\ell_2 : a_2 x + b_2 y + c_2 = 0$ を連立すると、
$$\begin{cases} a_1 x + b_1 y = -c_1 \\ a_2 x + b_2 y = -c_2 \end{cases}$$
$D = a_1 b_2 - a_2 b_1$ とおくと、連立方程式の解は次の3つの場合に分かれます。
| 場合 | 条件 | 2直線の関係 |
|---|---|---|
| ただ1つの解 | $D \neq 0$ | 1点で交わる |
| 解なし | $D = 0$ かつ $\ell_1 \neq \ell_2$ | 平行(交わらない) |
| 無数の解 | $D = 0$ かつ $\ell_1 = \ell_2$ | 一致(同一直線) |
ここで $D = a_1 b_2 - a_2 b_1$ はセクション1の平行条件に登場した式であり、$D = 0$ が平行条件 $a_1 b_2 = a_2 b_1$ と一致することに注目してください。
例題:2直線 $\ell_1 : 2x - y + 1 = 0$、$\ell_2 : x + 3y - 7 = 0$ の交点を求めよ。
解:連立方程式を解きます。$\ell_1$ より $y = 2x + 1$ を $\ell_2$ に代入すると、
$$x + 3(2x + 1) - 7 = 0 \implies 7x - 4 = 0 \implies x = \frac{4}{7}$$
$$y = 2 \cdot \frac{4}{7} + 1 = \frac{15}{7}$$
よって交点は $\left(\frac{4}{7}, \frac{15}{7}\right)$ です。
2直線 $\ell_1 : f_1(x, y) = a_1 x + b_1 y + c_1 = 0$、$\ell_2 : f_2(x, y) = a_2 x + b_2 y + c_2 = 0$ が1点で交わるとき、その交点を通る直線は次の形で表せます。
$$f_1(x, y) + k \cdot f_2(x, y) = 0 \quad (k \text{ は実数})$$
すなわち
$$(a_1 + k a_2)x + (b_1 + k b_2)y + (c_1 + k c_2) = 0$$
$k$ の値を変えると、交点を通るさまざまな直線が得られます。
$\ell_1$ と $\ell_2$ の交点を $(p, q)$ とすると、$f_1(p, q) = 0$ かつ $f_2(p, q) = 0$ です。したがって
$$f_1(p, q) + k \cdot f_2(p, q) = 0 + k \cdot 0 = 0$$
$k$ の値にかかわらず点 $(p, q)$ は常にこの式を満たすので、$f_1 + k f_2 = 0$ は交点を通る直線です。
$f_1 + k f_2 = 0$ の形では、$k$ をどんな値にしても直線 $\ell_2$ 自身($f_2 = 0$)を表すことはできません。
✗ 誤り:$f_1 + k f_2 = 0$ で「交点を通るすべての直線」を表せる
✓ 正しい:$f_1 + k f_2 = 0$ は交点を通る直線のうち $\ell_2$ を除いたすべてを表す。$\ell_2$ も含めるには別途確認が必要。
形式的に「$k = \infty$ で $f_2 = 0$ になる」とも言えますが、実際の計算では $\ell_2$ を見落としやすいので、答えに $\ell_2$ が該当しないかを必ず別途チェックしましょう。
例題:2直線 $\ell_1 : x - 2y + 3 = 0$、$\ell_2 : 2x + y - 1 = 0$ の交点を通り、点 $(3, 1)$ を通る直線の方程式を求めよ。
解:交点を通る直線を $(x - 2y + 3) + k(2x + y - 1) = 0$ とおきます。点 $(3, 1)$ を代入すると
$$(3 - 2 + 3) + k(6 + 1 - 1) = 0 \implies 4 + 6k = 0 \implies k = -\frac{2}{3}$$
$$(x - 2y + 3) - \frac{2}{3}(2x + y - 1) = 0$$
両辺を3倍して整理すると
$$3(x - 2y + 3) - 2(2x + y - 1) = 0$$
$$3x - 6y + 9 - 4x - 2y + 2 = 0$$
$$-x - 8y + 11 = 0 \implies x + 8y - 11 = 0$$
念のため $\ell_2 : 2x + y - 1 = 0$ と一致しないことを確認します。係数が異なるので一致しません。
よって、求める直線は $x + 8y - 11 = 0$ です。
$f_1 + k f_2 = 0$ の手法の最大の利点は、交点の座標を具体的に求めなくてよいことです。交点が分数になる場合でも、$k$ の値を決めるだけで直線の方程式が得られます。
Q1. 2直線 $y = 3x + 1$ と $y = 3x - 5$ の位置関係を答えよ。
Q2. 2直線 $y = 2x + 3$ と $y = -\frac{1}{2}x - 1$ は垂直か判定せよ。
Q3. 2直線 $3x + 2y - 1 = 0$ と $x - 3y + 5 = 0$ について、$a_1 a_2 + b_1 b_2$ の値を求め、垂直か判定せよ。
Q4. 2直線 $y = x$ と $y = -x + 4$ のなす角を求めよ。
Q5. 2直線 $x + y - 1 = 0$ と $2x - y + 4 = 0$ の交点の座標を求めよ。
次の2直線の位置関係(平行・垂直・その他)を調べよ。
(1) $\ell_1 : 2x - 3y + 1 = 0$、$\ell_2 : 4x - 6y - 5 = 0$
(2) $\ell_1 : 3x + 4y - 2 = 0$、$\ell_2 : 8x - 6y + 1 = 0$
(3) $\ell_1 : y = -2x + 5$、$\ell_2 : y = 3x - 1$
(1) $a_1 b_2 - a_2 b_1 = 2 \cdot (-6) - 4 \cdot (-3) = -12 + 12 = 0$ より平行。$\ell_2$ を2で割ると $2x - 3y - \frac{5}{2} = 0$ で定数項が異なるので、一致しない。よって平行。
(2) $a_1 a_2 + b_1 b_2 = 3 \cdot 8 + 4 \cdot (-6) = 24 - 24 = 0$ より垂直。
(3) $m_1 = -2$、$m_2 = 3$。$m_1 \neq m_2$ なので平行でない。$m_1 m_2 = -6 \neq -1$ なので垂直でもない。よってその他(斜めに交わる)。
2直線 $\ell_1 : x - 2y + 3 = 0$、$\ell_2 : 2x + y - 1 = 0$ について、次の問いに答えよ。
(1) $\ell_1$ と $\ell_2$ の交点の座標を求めよ。
(2) $\ell_1$ と $\ell_2$ のなす角 $\theta$ を求めよ。
(3) $\ell_1$ と $\ell_2$ の交点を通り、$x$ 軸に平行な直線の方程式を求めよ。
(1) $\ell_1$ より $x = 2y - 3$ を $\ell_2$ に代入:$2(2y - 3) + y - 1 = 0 \implies 5y - 7 = 0 \implies y = \frac{7}{5}$
$x = 2 \cdot \frac{7}{5} - 3 = -\frac{1}{5}$。よって交点は $\left(-\frac{1}{5}, \frac{7}{5}\right)$。
(2) $\ell_1$ の傾き $m_1 = \frac{1}{2}$、$\ell_2$ の傾き $m_2 = -2$。$m_1 m_2 = \frac{1}{2} \cdot (-2) = -1$ なので $\theta = 90°$。
(3) 方法1:交点の $y$ 座標が $\frac{7}{5}$ なので、$x$ 軸に平行な直線は $y = \frac{7}{5}$。
方法2:$(x - 2y + 3) + k(2x + y - 1) = 0$ とおき、$x$ の係数 $1 + 2k = 0$ より $k = -\frac{1}{2}$。代入すると $(x - 2y + 3) - \frac{1}{2}(2x + y - 1) = 0 \implies -\frac{5}{2}y + \frac{7}{2} = 0 \implies y = \frac{7}{5}$。
(2) で $m_1 m_2 = -1$ が成り立つことは、一般形での判定 $a_1 a_2 + b_1 b_2 = 1 \cdot 2 + (-2) \cdot 1 = 0$ とも整合します。(3) は $f_1 + kf_2 = 0$ の手法を使う練習です。$x$ 軸に平行 = $x$ の係数が $0$ という条件から $k$ が決まります。
直線 $\ell : y = ax + 1$ が直線 $m : y = 2x - 3$ と $45°$ の角をなすとき、定数 $a$ の値をすべて求めよ。
$\theta = 45°$ なので $\tan 45° = 1$ です。なす角の公式より
$$\left|\frac{a - 2}{1 + 2a}\right| = 1 \quad (2a \neq -1)$$
絶対値をはずして
$$\frac{a - 2}{1 + 2a} = 1 \quad \text{or} \quad \frac{a - 2}{1 + 2a} = -1$$
第1の場合:$a - 2 = 1 + 2a \implies -a = 3 \implies a = -3$
第2の場合:$a - 2 = -(1 + 2a) \implies a - 2 = -1 - 2a \implies 3a = 1 \implies a = \frac{1}{3}$
いずれも $2a \neq -1$ を満たすので、$a = -3$ または $a = \frac{1}{3}$。
なす角の公式で絶対値を含むため、場合分けが必要です。2つの $a$ は、直線 $m$ と $45°$ をなす2本の直線の傾きに対応します。$a = \frac{1}{3}$ の直線と $a = -3$ の直線は互いに垂直であることも確認できます($\frac{1}{3} \cdot (-3) = -1$)。
2直線 $\ell_1 : x + 2y - 5 = 0$、$\ell_2 : 3x - y + 1 = 0$ の交点を $\mathrm{A}$ とする。
(1) 点 $\mathrm{A}$ の座標を求めよ。
(2) 点 $\mathrm{A}$ を通り、直線 $4x + 3y - 12 = 0$ に垂直な直線の方程式を $f_1 + kf_2 = 0$ の手法を用いて求めよ。
(3) 点 $\mathrm{A}$ を通り、直線 $\ell_2$ に垂直な直線の方程式を求めよ。このとき $f_1 + kf_2 = 0$ の手法で求められるか検討せよ。
(1) $\ell_1$ より $x = 5 - 2y$ を $\ell_2$ に代入:$3(5 - 2y) - y + 1 = 0 \implies -7y + 16 = 0 \implies y = \frac{16}{7}$
$x = 5 - 2 \cdot \frac{16}{7} = \frac{3}{7}$。よって $\mathrm{A}\left(\frac{3}{7}, \frac{16}{7}\right)$。
(2) 交点を通る直線を $(x + 2y - 5) + k(3x - y + 1) = 0$ とおくと
$$(1 + 3k)x + (2 - k)y + (-5 + k) = 0$$
直線 $4x + 3y - 12 = 0$ に垂直なので、$a_1 a_2 + b_1 b_2 = 0$ より
$$4(1 + 3k) + 3(2 - k) = 0 \implies 4 + 12k + 6 - 3k = 0 \implies 9k + 10 = 0 \implies k = -\frac{10}{9}$$
代入して整理すると
$$\left(1 - \frac{30}{9}\right)x + \left(2 + \frac{10}{9}\right)y + \left(-5 - \frac{10}{9}\right) = 0$$
$$-\frac{21}{9}x + \frac{28}{9}y - \frac{55}{9} = 0 \implies -21x + 28y - 55 = 0$$
両辺を $-7$ で割ると $3x - 4y + \frac{55}{7} = 0$、すなわち $21x - 28y + 55 = 0$。
(3) $\ell_2 : 3x - y + 1 = 0$ に垂直な直線は、方向ベクトルが $(3, -1)$ に垂直で法線ベクトルが $(3, -1)$ に平行、すなわち $x + 3y + c = 0$ の形です。
点 $\mathrm{A}\left(\frac{3}{7}, \frac{16}{7}\right)$ を通るので $\frac{3}{7} + 3 \cdot \frac{16}{7} + c = 0 \implies \frac{51}{7} + c = 0 \implies c = -\frac{51}{7}$。
よって $x + 3y - \frac{51}{7} = 0$、すなわち $7x + 21y - 51 = 0$($x + 3y - \frac{51}{7} = 0$)。
$f_1 + kf_2 = 0$ の手法では $(1 + 3k)x + (2 - k)y + (-5 + k) = 0$ が $\ell_2$ に垂直になる条件は
$$3(1 + 3k) + (-1)(2 - k) = 0 \implies 3 + 9k - 2 + k = 0 \implies 10k + 1 = 0 \implies k = -\frac{1}{10}$$
代入すると $\frac{7}{10}x + \frac{21}{10}y - \frac{51}{10} = 0$、すなわち $7x + 21y - 51 = 0$(同じ結果)。
この場合、求める直線は $\ell_2$ 自身ではないので、$f_1 + kf_2 = 0$ の手法で問題なく求められる。
$f_1 + kf_2 = 0$ の手法が使えないのは、求める直線が $\ell_2$ 自身と一致する場合に限ります。(3) では求める直線が $\ell_2$ に垂直なので $\ell_2$ とは異なり、$f_1 + kf_2 = 0$ で求められます。もし「$\ell_2$ と平行で $\mathrm{A}$ を通る直線」を求める問題なら $\ell_2$ 自身が答えとなりますが、この場合は $f_1 + kf_2 = 0$ では得られないため注意が必要です。