第8章 平面上の曲線

双曲線
─ 「距離の差」が描く2つの枝

楕円が「距離の和が一定」なら、双曲線は「距離の差が一定」で定まる曲線です。2つの独立した枝を持ち、遠方では漸近線に限りなく近づくという特徴的な形をしています。反比例のグラフ $y = k/x$ が実は双曲線であることをご存じでしょうか。2次曲線の最後のピースとして、双曲線の世界に踏み込みましょう。

1双曲線の定義 ─「距離の差が一定」の意味

楕円では「2つの焦点からの距離のが一定」でしたが、双曲線では「の絶対値が一定」です。

📐 双曲線の定義

平面上の2つの定点 $\mathrm{F}(c, 0)$ と $\mathrm{F'}(-c, 0)$(焦点)に対して、

$$|\mathrm{PF} - \mathrm{PF'}| = 2a \quad (0 < a < c)$$

を満たす点 $\mathrm{P}$ の軌跡を双曲線という。

💡 ここが本質:「和」vs「差」で形が劇的に変わる

楕円(和が一定)は閉じた1つの曲線ですが、双曲線(差が一定)は2つの枝に分かれます。これは「差」の条件のためです。

$\mathrm{PF} - \mathrm{PF'} = 2a$ を満たす点は $\mathrm{F}$ から遠い側(右枝)に、$\mathrm{PF'} - \mathrm{PF} = 2a$ を満たす点は $\mathrm{F'}$ から遠い側(左枝)にあります。この2つを合わせて双曲線の全体が構成されます。

定義から方程式を導く

楕円のときと同様に、等距離条件を式にして整理します。$\mathrm{PF} - \mathrm{PF'} = \pm 2a$ から出発し、根号を外す操作を2回行うと:

▷ 双曲線の方程式の導出

$\sqrt{(x-c)^2 + y^2} - \sqrt{(x+c)^2 + y^2} = \pm 2a$ の一方の根号を移項して2乗し、楕円と同じ計算手順で整理すると:

$(c^2 - a^2)x^2 - a^2 y^2 = a^2(c^2 - a^2)$

$c > a > 0$ なので $c^2 - a^2 > 0$。$b^2 = c^2 - a^2$ とおくと:

$$\frac{x^2}{a^2} - \frac{y^2}{b^2} = 1$$

⚠️ 落とし穴:楕円と双曲線で $a, b, c$ の関係が逆

✕ 誤:双曲線でも $c^2 = a^2 - b^2$(楕円の公式を流用)

○ 正:楕円は $a^2 = b^2 + c^2$、双曲線は $c^2 = a^2 + b^2$。符号が逆です!

覚え方:双曲線では焦点が頂点より外側にあるので $c > a$、つまり $c^2 > a^2$ です。

⚠️ 落とし穴:$a < c$ の条件を忘れる

✕ 誤:$|距離の差| = 2a$ で $a > c$ でもよい

○ 正:三角不等式より $|\mathrm{PF} - \mathrm{PF'}| < \mathrm{FF'} = 2c$ なので $2a < 2c$、すなわち $a < c$ が必須です。$a = c$ なら軌跡は $x$ 軸上の2つの半直線になります。

2双曲線の標準形 ─ $a, b, c$ の関係

📐 双曲線の標準形

$$\frac{x^2}{a^2} - \frac{y^2}{b^2} = 1 \quad (a > 0,\; b > 0)$$

・焦点:$(\pm c, 0)$(ただし $c = \sqrt{a^2 + b^2}$)
・頂点:$(\pm a, 0)$
・漸近線:$y = \pm\dfrac{b}{a}x$
・$c^2 = a^2 + b^2$

3つの2次曲線の $a, b, c$ 関係の比較

曲線関係式$a$ と $c$ の大小
楕円$a^2 = b^2 + c^2$$a > c$
放物線($a, b, c$ の関係はない)
双曲線$c^2 = a^2 + b^2$$c > a$
💡 ここが本質:双曲線の $b$ は「見えない長さ」

楕円では $b$ は短軸の半分で、グラフ上に直接現れました。しかし双曲線では $b$ は方程式の分母に登場するものの、曲線そのものの上に $b$ の長さが直接見えるわけではありません。

$b$ が実際に「見える」のは漸近線の傾き $\pm\dfrac{b}{a}$ としてです。$b$ は双曲線の「開き具合」を決める量なのです。

焦点が $y$ 軸上にある場合

$\dfrac{y^2}{a^2} - \dfrac{x^2}{b^2} = 1$ とすると焦点は $(0, \pm c)$ で $y$ 軸上に並びます。漸近線は $y = \pm\dfrac{a}{b}x$ です。

注意すべきは、「正の項」の変数の軸上に焦点があるということです。$\dfrac{x^2}{a^2} - \dfrac{y^2}{b^2} = 1$ なら $x$ 軸上に、$\dfrac{y^2}{a^2} - \dfrac{x^2}{b^2} = 1$ なら $y$ 軸上に焦点があります。

⚠️ 落とし穴:双曲線で $a > b$ とは限らない

✕ 誤:楕円のように $a > b$ が必ず成り立つ

○ 正:双曲線では $a$ と $b$ の大小関係に制約はありません。$a = b$ の場合を直角双曲線と呼びます。楕円の場合は $a > b$ が定義に含まれていましたが、双曲線は違います。

🔬 深掘り:双曲線の離心率

双曲線の離心率は $e = \dfrac{c}{a} = \dfrac{\sqrt{a^2+b^2}}{a}$ で、常に $e > 1$ です。$e$ が $1$ に近いほど双曲線の2つの枝は「鋭く」開き、$e$ が大きいほど「なだらかに」開きます。

$e \to 1^+$($b \to 0$)のとき漸近線の傾きは $0$ に近づき、$e \to \infty$($b \to \infty$)のとき漸近線は $y$ 軸に近づきます。

3漸近線 ─ なぜ双曲線は直線に近づくのか

双曲線の最も特徴的な性質が漸近線の存在です。$x \to \pm\infty$ のとき、双曲線は2本の直線に限りなく近づきます。

📐 漸近線

双曲線 $\dfrac{x^2}{a^2} - \dfrac{y^2}{b^2} = 1$ の漸近線:

$$y = \pm\frac{b}{a}x$$

※ 方程式の右辺を $1$ から $0$ に変えると漸近線の方程式:$\dfrac{x^2}{a^2} - \dfrac{y^2}{b^2} = 0$
▷ 漸近線の導出 ─ なぜ $y = \pm\dfrac{b}{a}x$ に近づくのか

$\dfrac{x^2}{a^2} - \dfrac{y^2}{b^2} = 1$ より $y^2 = b^2\!\left(\dfrac{x^2}{a^2} - 1\right)$。$x > 0$ の枝で $y > 0$ の部分を考えると:

$$y = \frac{b}{a}\sqrt{x^2 - a^2} = \frac{b}{a} \cdot |x| \sqrt{1 - \frac{a^2}{x^2}}$$

$x \to +\infty$ のとき $\sqrt{1 - \dfrac{a^2}{x^2}} \to 1$ なので $y \to \dfrac{b}{a}x$。

より正確には、双曲線上の点と漸近線の距離を計算すると:

$$\frac{b}{a}x - y = \frac{b}{a}x - \frac{b}{a}\sqrt{x^2 - a^2} = \frac{b}{a} \cdot \frac{x^2 - (x^2 - a^2)}{x + \sqrt{x^2 - a^2}} = \frac{a b}{x + \sqrt{x^2 - a^2}} \to 0$$

💡 ここが本質:「$= 1$ を $= 0$ にすると漸近線」

$\dfrac{x^2}{a^2} - \dfrac{y^2}{b^2} = 1$ の右辺を $0$ にした $\dfrac{x^2}{a^2} - \dfrac{y^2}{b^2} = 0$ を因数分解すると $\left(\dfrac{x}{a} + \dfrac{y}{b}\right)\!\left(\dfrac{x}{a} - \dfrac{y}{b}\right) = 0$ で、2本の漸近線 $y = \pm\dfrac{b}{a}x$ が得られます。

$x^2$ の項が $y^2$ の項に比べて支配的になる $|x| \to \infty$ では、右辺の $1$ は無視できるようになるので、$= 0$ の場合に近づくのです。

漸近線と共役双曲線

$\dfrac{x^2}{a^2} - \dfrac{y^2}{b^2} = 1$ と $\dfrac{x^2}{a^2} - \dfrac{y^2}{b^2} = -1$(すなわち $\dfrac{y^2}{b^2} - \dfrac{x^2}{a^2} = 1$)は、同じ漸近線 $y = \pm\dfrac{b}{a}x$ を共有します。後者を共役双曲線と呼びます。

2つの双曲線は漸近線の「異なる側」に位置し、合わせて漸近線を対角線とする「X字型」の領域を埋めます。

⚠️ 落とし穴:漸近線の傾きと $a, b$ の対応

✕ 誤:$\dfrac{x^2}{9} - \dfrac{y^2}{4} = 1$ の漸近線は $y = \pm\dfrac{3}{2}x$

○ 正:$a^2 = 9,\; b^2 = 4$ なので $a = 3,\; b = 2$。漸近線は $y = \pm\dfrac{b}{a}x = \pm\dfrac{2}{3}x$ です。$a$ と $b$ を逆にしないように注意しましょう。

4双曲線の接線と焦点

双曲線の接線の公式

放物線・楕円と同じ「半分ずつの置き換え」が双曲線でもそのまま成り立ちます。

📐 双曲線の接線の公式

双曲線 $\dfrac{x^2}{a^2} - \dfrac{y^2}{b^2} = 1$ 上の点 $(x_1, y_1)$ における接線:

$$\frac{x_1 x}{a^2} - \frac{y_1 y}{b^2} = 1$$

※ $x^2 \to x_1 x$、$y^2 \to y_1 y$ と置き換えた形(楕円と同じ規則)
▷ 双曲線の接線の公式の導出

$\dfrac{x^2}{a^2} - \dfrac{y^2}{b^2} = 1$ を $x$ で微分:

$$\frac{2x}{a^2} - \frac{2y}{b^2}\cdot\frac{dy}{dx} = 0 \quad \Rightarrow \quad \frac{dy}{dx} = \frac{b^2 x}{a^2 y}$$

点 $(x_1, y_1)$($y_1 \neq 0$)での接線:

$$y - y_1 = \frac{b^2 x_1}{a^2 y_1}(x - x_1)$$

$a^2 y_1$ をかけて整理し、$\dfrac{x_1^2}{a^2} - \dfrac{y_1^2}{b^2} = 1$ を用いると:

$$\frac{x_1 x}{a^2} - \frac{y_1 y}{b^2} = 1$$

焦点距離の公式

双曲線 $\dfrac{x^2}{a^2} - \dfrac{y^2}{b^2} = 1$ 上の点 $(x_0, y_0)$ から焦点までの距離は:

右枝($x_0 > 0$)の場合:$\mathrm{PF} = |ex_0 - a| = ex_0 - a$、$\mathrm{PF'} = ex_0 + a$

左枝($x_0 < 0$)の場合:$\mathrm{PF} = -ex_0 + a$、$\mathrm{PF'} = |ex_0 + a| = -ex_0 - a$

いずれの場合も $|\mathrm{PF} - \mathrm{PF'}| = 2a$ が確認できます。

🔬 深掘り:双曲線の反射性質

双曲線にも反射の性質があります。一方の焦点に向かう光線は、双曲面で反射すると、もう一方の焦点から発散するかのように進みます(楕円ではもう一方の焦点に集まりましたが、双曲線では反射後に焦点から遠ざかる方向に進みます)。

この性質はカセグレン式反射望遠鏡(主鏡が放物面、副鏡が双曲面)に応用されています。

💡 ここが本質:3つの2次曲線の接線は同じ規則

放物線 $y_1 y = 2p(x + x_1)$、楕円 $\dfrac{x_1 x}{a^2} + \dfrac{y_1 y}{b^2} = 1$、双曲線 $\dfrac{x_1 x}{a^2} - \dfrac{y_1 y}{b^2} = 1$ ── いずれも「2次の項を半分ずつに分ける」「1次の項は平均をとる」という同じ規則で得られます。

この統一性は、2次曲線がすべて $ax^2 + bxy + cy^2 + dx + ey + f = 0$ という共通の形をもつことの反映です。

5直角双曲線と反比例のグラフ

$a = b$ の双曲線を直角双曲線(等軸双曲線)と呼びます。漸近線が直交するのが特徴です。

直角双曲線

$\dfrac{x^2}{a^2} - \dfrac{y^2}{a^2} = 1$ すなわち $x^2 - y^2 = a^2$ の漸近線は $y = \pm x$。確かに直交しています。

反比例のグラフは双曲線

中学で学んだ反比例 $y = \dfrac{k}{x}$($k \neq 0$)のグラフは、実は直角双曲線を $45°$ 回転させたものです。

▷ $xy = k$ が双曲線であることの証明

$xy = k$ に $x = \dfrac{X + Y}{\sqrt{2}},\; y = \dfrac{X - Y}{\sqrt{2}}$($45°$ 回転)を代入すると:

$$\frac{(X+Y)(X-Y)}{2} = k \quad \Rightarrow \quad \frac{X^2 - Y^2}{2} = k$$

$$\frac{X^2}{2k} - \frac{Y^2}{2k} = 1 \quad (k > 0)$$

これは $a^2 = b^2 = 2k$ の直角双曲線の標準形そのものです。

⚠️ 落とし穴:$xy = k$ の漸近線を忘れる

✕ 誤:$xy = k$ の漸近線は $y = \pm x$

○ 正:$xy = k$ の漸近線は$x$ 軸と $y$ 軸($x = 0$ と $y = 0$)です。$45°$ 回転前の漸近線 $y = \pm x$ が、回転後に座標軸になります。

双曲線の媒介変数表示

双曲線 $\dfrac{x^2}{a^2} - \dfrac{y^2}{b^2} = 1$ の媒介変数表示には双曲線関数が自然ですが、高校では三角関数の $\sec$ を用いた表示が便利です。

$$x = \frac{a}{\cos\theta}, \quad y = b\tan\theta$$

確認:$\dfrac{x^2}{a^2} - \dfrac{y^2}{b^2} = \dfrac{1}{\cos^2\theta} - \tan^2\theta = \dfrac{1 - \sin^2\theta}{\cos^2\theta} = 1$。

🔬 深掘り:双曲線関数 $\cosh, \sinh$

大学数学では、双曲線の媒介変数表示に双曲線関数 $\cosh t = \dfrac{e^t + e^{-t}}{2}$、$\sinh t = \dfrac{e^t - e^{-t}}{2}$ を使います。$\cosh^2 t - \sinh^2 t = 1$ が成り立つので、$x = a\cosh t$、$y = b\sinh t$ と書けます。

円の媒介変数表示 $(\cos\theta, \sin\theta)$ と双曲線の $({\cosh t, \sinh t})$ は美しい対を成しています。

📋まとめ

  • 双曲線の定義:2つの焦点からの距離の差の絶対値が一定($= 2a$)な点の軌跡
  • 標準形:$\dfrac{x^2}{a^2} - \dfrac{y^2}{b^2} = 1$。$c^2 = a^2 + b^2$(楕円と符号が逆)
  • 漸近線:$y = \pm\dfrac{b}{a}x$。右辺を $0$ にすると漸近線の方程式になる
  • 接線:点 $(x_1, y_1)$ での接線は $\dfrac{x_1 x}{a^2} - \dfrac{y_1 y}{b^2} = 1$
  • 直角双曲線:$a = b$ のとき漸近線が直交。$xy = k$ は直角双曲線を $45°$ 回転したもの
  • 離心率:$e = c/a > 1$。放物線は $e = 1$、楕円は $e < 1$ との比較を意識

✅ 確認テスト

Q1. 双曲線 $\dfrac{x^2}{16} - \dfrac{y^2}{9} = 1$ の焦点の座標を求めよ。

▶ 答えを見る
$c = \sqrt{16 + 9} = \sqrt{25} = 5$。焦点は $(\pm 5, 0)$。

Q2. 双曲線 $\dfrac{x^2}{4} - \dfrac{y^2}{9} = 1$ の漸近線の方程式を求めよ。

▶ 答えを見る
$a = 2,\; b = 3$ なので漸近線は $y = \pm\dfrac{3}{2}x$。

Q3. 楕円の $a, b, c$ の関係式と双曲線の $a, b, c$ の関係式をそれぞれ書け。

▶ 答えを見る
楕円:$a^2 = b^2 + c^2$($a$ が最大)。双曲線:$c^2 = a^2 + b^2$($c$ が最大)。

Q4. 双曲線 $x^2 - y^2 = 4$ の漸近線は直交するか。

▶ 答えを見る
$\dfrac{x^2}{4} - \dfrac{y^2}{4} = 1$ なので $a = b = 2$。漸近線は $y = \pm x$ で直交する。直角双曲線。

Q5. 双曲線 $\dfrac{x^2}{9} - \dfrac{y^2}{4} = 1$ 上の点 $(3, 0)$ における接線の方程式を求めよ。

▶ 答えを見る
$\dfrac{3x}{9} - \dfrac{0 \cdot y}{4} = 1$ より $\dfrac{x}{3} = 1$、すなわち $x = 3$。

入試問題演習

問題 1 LEVEL A 基本量

漸近線が $y = \pm 2x$ で、焦点が $(\pm\sqrt{5}, 0)$ の双曲線の方程式を求めよ。

▶ 解答を表示
解答

漸近線が $y = \pm\dfrac{b}{a}x = \pm 2x$ より $b = 2a$。

$c^2 = a^2 + b^2 = a^2 + 4a^2 = 5a^2$。$c = \sqrt{5}$ なので $5a^2 = 5$ より $a^2 = 1$、$b^2 = 4$。

$$x^2 - \frac{y^2}{4} = 1$$

問題 2 LEVEL B 漸近線・接線

双曲線 $\dfrac{x^2}{4} - \dfrac{y^2}{1} = 1$ 上の点 $(x_1, y_1)$($x_1 > 0, y_1 > 0$)における接線と、2本の漸近線で囲まれる三角形の面積を求めよ。

▶ 解答を表示
解答

接線:$\dfrac{x_1 x}{4} - y_1 y = 1$。漸近線は $y = \pm\dfrac{1}{2}x$。

接線と $y = \dfrac{x}{2}$ の交点:$\dfrac{x_1 x}{4} - \dfrac{x}{2}y_1 = 1$ より $x = \dfrac{4}{x_1 - 2y_1}$

接線と $y = -\dfrac{x}{2}$ の交点:$\dfrac{x_1 x}{4} + \dfrac{x}{2}y_1 = 1$ より $x = \dfrac{4}{x_1 + 2y_1}$

原点と2つの交点で作る三角形の面積を計算すると、接点の位置によらず一定値 $S = 2$ になります。

(一般に $\dfrac{x^2}{a^2} - \dfrac{y^2}{b^2} = 1$ の場合は $S = ab$)

解説

接線と漸近線で囲まれる三角形の面積が接点によらず一定であるという結果は、双曲線の美しい性質の1つです。面積 $S = ab$ が一定であることは、双曲線のアフィン幾何学的性質を反映しています。

採点ポイント
  • 接線と漸近線の交点の計算 … 4点
  • 三角形の面積の計算 … 3点
  • 面積が一定であることの確認 … 3点
問題 3 LEVEL B 軌跡

2点 $\mathrm{A}(3, 0)$、$\mathrm{B}(-3, 0)$ からの距離の差の絶対値が $4$ である点 $\mathrm{P}$ の軌跡の方程式を求め、焦点と漸近線を答えよ。

▶ 解答を表示
解答

$|\mathrm{PA} - \mathrm{PB}| = 4 = 2a$ より $a = 2$。$c = 3$ なので $b^2 = c^2 - a^2 = 9 - 4 = 5$。

$$\frac{x^2}{4} - \frac{y^2}{5} = 1$$

焦点:$(\pm 3, 0)$($\mathrm{A}$, $\mathrm{B}$ そのもの)

漸近線:$y = \pm\dfrac{\sqrt{5}}{2}x$

採点ポイント
  • $a = 2$, $c = 3$ の特定 … 2点
  • $b^2 = 5$ の計算 … 3点
  • 方程式の導出 … 3点
  • 漸近線の記述 … 2点
問題 4 LEVEL C 共役双曲線・面積

双曲線 $C_1: \dfrac{x^2}{a^2} - \dfrac{y^2}{b^2} = 1$ とその共役双曲線 $C_2: \dfrac{y^2}{b^2} - \dfrac{x^2}{a^2} = 1$ について、

(1) $C_1$ と $C_2$ が共有する漸近線を求めよ。

(2) $C_1$ 上の点 $\mathrm{P}$ における接線と2本の漸近線で囲まれる三角形の面積 $S_1$ と、$C_2$ 上の点 $\mathrm{Q}$ における接線と2本の漸近線で囲まれる三角形の面積 $S_2$ が等しいことを示せ。

▶ 解答を表示
解答

(1) $C_1$ の漸近線:$\dfrac{x^2}{a^2} - \dfrac{y^2}{b^2} = 0$ より $y = \pm\dfrac{b}{a}x$。

$C_2$ の漸近線:$\dfrac{y^2}{b^2} - \dfrac{x^2}{a^2} = 0$ より同じく $y = \pm\dfrac{b}{a}x$。

よって共通の漸近線は $y = \pm\dfrac{b}{a}x$。

(2) $C_1$ の接線と漸近線で囲まれる三角形の面積は $S_1 = ab$(接点によらず一定)。

$C_2$ は $\dfrac{Y^2}{b^2} - \dfrac{X^2}{a^2} = 1$ で、$a$ と $b$ の役割を入れ替えた双曲線なので、$S_2 = ba = ab$。

よって $S_1 = S_2 = ab$。□

採点ポイント
  • 漸近線が共通であることの証明 … 3点
  • $C_1$ の面積 $S_1 = ab$ … 3点
  • $C_2$ の面積 $S_2 = ab$ の導出 … 2点
  • $S_1 = S_2$ の結論 … 2点