ベクトルはさらに高度な数学分野と密接につながっています。複素数平面では回転と拡大が「掛け算」として統一され、微積分との融合では曲線上の速度や加速度をベクトルで記述できます。そして行列は、ベクトルの変換を体系的に扱う言語です。高校数学の枠を広げ、大学数学への橋渡しとなるテーマに挑戦しましょう。
平面ベクトル $(a, b)$ と複素数 $a + bi$ は、平面上の同じ点を表す二つの言語です。ベクトルでは加法と内積が中心でしたが、複素数では乗法が自然に定義され、回転と拡大が1つの演算で扱えます。
| 操作 | ベクトル | 複素数 |
|---|---|---|
| 平行移動 | $\vec{p} + \vec{v}$ | $z + w$ |
| $r$ 倍拡大 | $r\vec{p}$ | $rz$ |
| 角度 $\theta$ の回転 | 回転公式(2式) | $e^{i\theta}z$(掛け算1回) |
| 回転+拡大 | 回転行列 $\times$ スカラー | $re^{i\theta}z$ |
| 2点間の距離 | $|\vec{p} - \vec{q}|$ | $|z - w|$ |
複素数 $w = re^{i\theta}$ を掛ける操作は、「$r$ 倍に拡大して角度 $\theta$ だけ回転する」という幾何学的操作に対応します。ベクトルの回転公式は2つの式が必要でしたが、複素数なら掛け算1回で済みます。これが複素数の大きな利点です。
ベクトル $\vec{a} = (a_1, a_2)$ と $\vec{b} = (b_1, b_2)$ に対応する複素数を $\alpha = a_1 + a_2 i$, $\beta = b_1 + b_2 i$ とすると:
$$\vec{a} \cdot \vec{b} = \text{Re}(\bar{\alpha}\beta) = a_1 b_1 + a_2 b_2$$
ここで $\bar{\alpha}$ は $\alpha$ の共役複素数です。内積は複素数の共役と積で表せるという事実は、両分野の深い関係を示しています。
✗ 誤:ベクトルの内積 $\vec{a} \cdot \vec{b}$ と複素数の積 $\alpha\beta$ が同じものだと考える
○ 正:$\alpha\beta$ は回転拡大に対応し、内積とは異なる。内積は $\text{Re}(\bar{\alpha}\beta)$
ベクトルの内積はスカラーを返しますが、複素数の積は複素数を返します。目的に応じて使い分けましょう。
✗ 誤:$(1 + i)(1 + i) = 1 + 2i + i^2 = 1 + 2i + 1 = 2 + 2i$
○ 正:$i^2 = -1$ なので $(1 + i)^2 = 1 + 2i - 1 = 2i$
$i^2 = -1$ は複素数計算の基本中の基本ですが、うっかりミスが起きやすい部分です。
複素数は2次元の回転を記述しますが、3次元の回転を扱うには四元数(quaternion)が必要です。四元数は $q = a + bi + cj + dk$($i^2 = j^2 = k^2 = ijk = -1$)という4つの成分をもつ数で、3Dコンピュータグラフィックスやロボット工学で広く使われています。
時刻 $t$ に依存する位置ベクトル $\vec{r}(t) = (x(t), y(t))$ を時間で微分すると速度ベクトルが得られます。さらに微分すると加速度ベクトルです。ベクトルの微分は成分ごとに行えます。
$\vec{r}(t) = (x(t), y(t))$ のとき:
$$\vec{r}'(t) = \frac{d\vec{r}}{dt} = \left(\frac{dx}{dt}, \frac{dy}{dt}\right) = (\dot{x}, \dot{y})$$
$$\vec{r}''(t) = \frac{d^2\vec{r}}{dt^2} = \left(\frac{d^2x}{dt^2}, \frac{d^2y}{dt^2}\right) = (\ddot{x}, \ddot{y})$$
※ 物理学の慣例に従い、時間微分を $\dot{x}$ と書くこともあります。
ベクトルの微分で重要な性質は、スカラーの微分と同じ計算規則が成り立つことです:
$|\vec{r}(t)| = c$(一定)のとき、$|\vec{r}|^2 = \vec{r} \cdot \vec{r} = c^2$ を微分すると $2\vec{r} \cdot \vec{r}' = 0$ より $\vec{r} \perp \vec{r}'$。つまり、大きさが変わらないベクトルの変化(微分)は、元のベクトルに垂直な方向にしか起こりません。円運動で速度が接線方向になるのは、この原理の帰結です。
媒介変数表示 $\vec{r}(t) = (x(t), y(t))$ で表された曲線の、時刻 $t$ における接線方向は $\vec{r}'(t) = (x'(t), y'(t))$ です。接線の方程式は:
$$\frac{X - x(t)}{x'(t)} = \frac{Y - y(t)}{y'(t)}$$
✗ 誤:$\vec{r}'(t_0) = \vec{0}$ でも接線は定義できると考える
○ 正:$\vec{r}'(t_0) = \vec{0}$ の点は特異点であり、接線が定義できない可能性がある
例えばサイクロイド $\vec{r}(t) = (t - \sin t, 1 - \cos t)$ で $t = 0$ のとき $\vec{r}'(0) = (0, 0)$ となり、尖点(カスプ)が現れます。
物理学での運動の記述は、まさにベクトルの微積分の応用です。高校物理で学ぶ等速円運動や放物運動を、ベクトル微分の観点から見直しましょう。
半径 $R$、角速度 $\omega$ の等速円運動は $\vec{r}(t) = (R\cos\omega t, R\sin\omega t)$ と表されます。
速度ベクトル:$\vec{v}(t) = \vec{r}'(t) = (-R\omega\sin\omega t, R\omega\cos\omega t)$
加速度ベクトル:$\vec{a}(t) = \vec{v}'(t) = (-R\omega^2\cos\omega t, -R\omega^2\sin\omega t) = -\omega^2\vec{r}(t)$
加速度が $-\omega^2\vec{r}$ であること、つまり常に中心に向かうベクトルであることがわかります。これが向心加速度であり、その大きさは $R\omega^2$ です。
速さ:$|\vec{v}| = R\omega$(一定)
加速度の大きさ:$|\vec{a}| = R\omega^2 = \dfrac{v^2}{R}$
$\vec{r} \cdot \vec{v} = 0$(位置ベクトルと速度ベクトルは常に直交)
※ 速さは一定でも、速度(ベクトル)は向きが変わるため一定ではありません。
$\vec{r}'' = -\omega^2\vec{r}$ は2階の線形微分方程式であり、その解が $\vec{r} = (R\cos\omega t, R\sin\omega t)$ です。「ある量の2回微分が元の量の定数倍(負)」という構造は、振動現象に普遍的に現れます。バネの振動、電気回路のLC回路なども同じ方程式に従います。
初速度 $\vec{v}_0 = (v_0\cos\alpha, v_0\sin\alpha)$, 加速度 $\vec{g} = (0, -g)$ の放物運動は:
$$\vec{r}(t) = \vec{v}_0 t + \frac{1}{2}\vec{g}t^2 = (v_0 t\cos\alpha,\; v_0 t\sin\alpha - \frac{1}{2}gt^2)$$
パラメータ $t$ を消去すれば、$y = x\tan\alpha - \dfrac{g}{2v_0^2\cos^2\alpha}x^2$ という放物線の方程式が得られます。
ニュートンの運動方程式 $m\vec{a} = \vec{F}$ はベクトルの等式です。力 $\vec{F}$ がベクトルとして与えられれば、加速度 $\vec{a} = \vec{F}/m$ が定まり、これを2回積分することで位置 $\vec{r}(t)$ が求まります。物理学においてベクトルと微積分は不可分の関係にあるのです。
✗ 誤:「速度が一定」と「速さが一定」を同じ意味だと考える
○ 正:速度はベクトル(向きを含む)、速さはスカラー(大きさのみ)。等速円運動は速さ一定だが速度は変化する
速度が一定 $\Leftrightarrow$ 等速直線運動。速さが一定でも向きが変われば加速度は $0$ ではありません。
行列は「ベクトルの変換規則」をコンパクトに記述する道具です。回転、拡大、鏡映など、これまで個別に扱ってきた操作が、行列という統一的な枠組みで整理されます。
$2 \times 2$ 行列 $A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix}$ をベクトル $\vec{v} = \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}$ に掛けると:
$$A\vec{v} = \begin{pmatrix} ax + by \\ cx + dy \end{pmatrix}$$
入力ベクトル $\vec{v}$ が出力ベクトル $A\vec{v}$ に変換されます。この対応 $\vec{v} \mapsto A\vec{v}$ を線形写像と呼びます。
| 変換 | 行列 | 効果 |
|---|---|---|
| 回転(角度 $\theta$) | $\begin{pmatrix} \cos\theta & -\sin\theta \\ \sin\theta & \cos\theta \end{pmatrix}$ | 反時計回りに $\theta$ 回転 |
| 拡大($k$ 倍) | $\begin{pmatrix} k & 0 \\ 0 & k \end{pmatrix}$ | 原点中心に $k$ 倍 |
| $x$ 軸対称 | $\begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & -1 \end{pmatrix}$ | $y$ 座標の符号反転 |
| $y$ 軸対称 | $\begin{pmatrix} -1 & 0 \\ 0 & 1 \end{pmatrix}$ | $x$ 座標の符号反転 |
| 原点対称 | $\begin{pmatrix} -1 & 0 \\ 0 & -1 \end{pmatrix}$ | $180°$ 回転 |
行列の積 $BA$ は「まず $A$ で変換し、次に $B$ で変換する」合成変換を表します。変換の合成が行列の積に対応するという事実が、行列を使う最大の理由です。複雑な変換も、基本変換の行列を掛け合わせるだけで記述できます。
行列 $A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix}$ の行列式 $\det A = ad - bc$ は、変換 $A$ による面積の拡大率を表します。具体的には、単位正方形が $A$ で変換されると、面積は $|\det A|$ 倍になります。
$\det A > 0$ なら向きが保存され、$\det A < 0$ なら向き(裏表)が反転します。$\det A = 0$ の場合は潰れて面積 $0$ になり(1次元に退化)、逆行列が存在しません。
✗ 誤:$AB = BA$ が常に成り立つと考える
○ 正:一般に $AB \neq BA$。行列の積は順序が重要
例えば「回転してから鏡映」と「鏡映してから回転」は結果が異なります。これは日常の操作でも同じで、「右に回ってから前進」と「前進してから右に回る」は別の結果になりますね。
行列 $A$ で変換したとき、方向が変わらないベクトル $\vec{v}$($A\vec{v} = \lambda\vec{v}$)を固有ベクトル、$\lambda$ を固有値と呼びます。固有値と固有ベクトルは行列の「本質的な性質」を表し、振動の解析、量子力学、Google のページランクなど、現代の科学技術で中心的な役割を果たしています。
ベクトルの加法とスカラー倍が定義された集合をベクトル空間と呼びます。大学の線形代数では、座標ベクトル $(x, y, z)$ だけでなく、多項式の集合 $\{ax^2 + bx + c\}$ や関数の集合 $\{\sin x, \cos x\}$ もベクトル空間として統一的に扱います。高校のベクトルはこの壮大な理論の出発点です。
ベクトル・複素数・行列・微積分は、一見異なる分野に見えますが、実は深く結びついています。この節では、分野間のつながりを俯瞰します。
| 操作 | ベクトル | 複素数 | 行列 |
|---|---|---|---|
| $90°$ 回転 | $(x, y) \to (-y, x)$ | $z \to iz$ | $\begin{pmatrix} 0 & -1 \\ 1 & 0 \end{pmatrix}$ |
| $2$ 倍拡大 | $(x, y) \to (2x, 2y)$ | $z \to 2z$ | $\begin{pmatrix} 2 & 0 \\ 0 & 2 \end{pmatrix}$ |
| $x$ 軸対称 | $(x, y) \to (x, -y)$ | $z \to \bar{z}$ | $\begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & -1 \end{pmatrix}$ |
ベクトル・複素数・行列は「同じ幾何学的操作を異なる言語で記述する」道具です。問題によって最も効率的な言語が異なるため、3つの表現を自在に行き来できる力が入試や大学数学で求められます。
微積分の導入により、「静的な幾何学」から「動的な解析」への飛躍が起こります。ベクトルが時間の関数になると、運動の軌跡だけでなく、速度・加速度・曲率・仕事といった物理量がすべてベクトルの微積分で記述できます。
この視点は大学1年の微積分学・力学で本格的に展開され、やがてマクスウェル方程式(電磁気学)やシュレーディンガー方程式(量子力学)へとつながっていきます。
ベクトル:内積を使った角度・距離の計算、位置関係の証明
複素数:回転・拡大を伴う問題、正多角形の頂点、ド・モアブルの定理
行列:複数の変換の合成、$n$ 回の変換(行列の $n$ 乗)
微積分:曲線の長さ、囲む面積、運動の解析
✗ 誤:回転を含む問題をすべてベクトルの回転公式で解こうとする
○ 正:回転の繰り返しなら複素数 $z \to wz$ の方が圧倒的に効率的
「どの言語で解くか」を最初の30秒で判断できるようになることが、入試での時間管理の鍵です。
Q1. 複素数 $z$ に $i$ を掛ける操作は、幾何学的にはどんな変換?
Q2. $\vec{r}(t) = (3\cos 2t, 3\sin 2t)$ の速さは?
Q3. $|\vec{r}(t)| = R$(一定)のとき、$\vec{r}(t) \cdot \vec{r}'(t) = ?$
Q4. 行列 $\begin{pmatrix} 2 & 0 \\ 0 & 3 \end{pmatrix}$ で変換すると、面積はどうなる?
Q5. 行列 $A$ と $B$ について、一般に $AB = BA$ は成り立つか?
複素数平面上の点 $A(2 + i)$, $B(4 + 3i)$ について、$\overrightarrow{AB}$ に対応する複素数を求め、$\overrightarrow{AB}$ の大きさと偏角を求めよ。
$\overrightarrow{AB}$ に対応する複素数は $\beta - \alpha = (4 + 3i) - (2 + i) = 2 + 2i$
大きさ:$|2 + 2i| = \sqrt{4 + 4} = 2\sqrt{2}$
偏角:$\arg(2 + 2i) = \arctan\dfrac{2}{2} = \arctan 1 = \dfrac{\pi}{4}$
曲線 $\vec{r}(t) = (t^2, t^3)$ について、
(1) $t = 1$ における接線ベクトルと接線の方程式を求めよ。
(2) $t = 0$ から $t = 1$ までの曲線の長さを求めよ。
(1) $\vec{r}'(t) = (2t, 3t^2)$。$t = 1$ で $\vec{r}'(1) = (2, 3)$, $\vec{r}(1) = (1, 1)$。
接線の方程式:$\dfrac{x - 1}{2} = \dfrac{y - 1}{3}$ すなわち $3x - 2y - 1 = 0$
(2) 曲線の長さ:
$$L = \int_0^1 |\vec{r}'(t)|\,dt = \int_0^1 \sqrt{4t^2 + 9t^4}\,dt = \int_0^1 t\sqrt{4 + 9t^2}\,dt$$
$u = 4 + 9t^2$ とおくと $du = 18t\,dt$ より $t\,dt = \dfrac{du}{18}$
$t: 0 \to 1$ で $u: 4 \to 13$
$$L = \int_4^{13} \frac{\sqrt{u}}{18}\,du = \frac{1}{18}\left[\frac{2}{3}u^{3/2}\right]_4^{13} = \frac{1}{27}(13\sqrt{13} - 8)$$
回転行列 $R(\theta) = \begin{pmatrix} \cos\theta & -\sin\theta \\ \sin\theta & \cos\theta \end{pmatrix}$ について、
(1) $R(\alpha)R(\beta) = R(\alpha + \beta)$ を示せ。
(2) $R(\theta)$ の逆行列を求めよ。
(1)
$R(\alpha)R(\beta) = \begin{pmatrix} \cos\alpha & -\sin\alpha \\ \sin\alpha & \cos\alpha \end{pmatrix}\begin{pmatrix} \cos\beta & -\sin\beta \\ \sin\beta & \cos\beta \end{pmatrix}$
$(1,1)$ 成分:$\cos\alpha\cos\beta - \sin\alpha\sin\beta = \cos(\alpha + \beta)$
$(1,2)$ 成分:$-\cos\alpha\sin\beta - \sin\alpha\cos\beta = -\sin(\alpha + \beta)$
$(2,1)$ 成分:$\sin\alpha\cos\beta + \cos\alpha\sin\beta = \sin(\alpha + \beta)$
$(2,2)$ 成分:$-\sin\alpha\sin\beta + \cos\alpha\cos\beta = \cos(\alpha + \beta)$
よって $R(\alpha)R(\beta) = R(\alpha + \beta)$ □
(2) $R(\theta)$ の逆変換は $-\theta$ の回転なので $R(\theta)^{-1} = R(-\theta)$
$$R(\theta)^{-1} = \begin{pmatrix} \cos\theta & \sin\theta \\ -\sin\theta & \cos\theta \end{pmatrix}$$
検算:$R(\theta)R(-\theta) = R(0) = \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{pmatrix}$ ✓
平面上の点 $P$ が $\vec{r}(t) = (e^{-t}\cos t, e^{-t}\sin t)$($t \ge 0$)に従って運動する。
(1) 速度ベクトル $\vec{v}(t)$ と速さ $|\vec{v}(t)|$ を求めよ。
(2) $\vec{r}(t)$ と $\vec{v}(t)$ のなす角が一定であることを示し、その角度を求めよ。
(3) $t = 0$ から $t = \infty$ までの道のりを求めよ。
(1)
$\dot{x} = -e^{-t}\cos t - e^{-t}\sin t = -e^{-t}(\cos t + \sin t)$
$\dot{y} = -e^{-t}\sin t + e^{-t}\cos t = e^{-t}(\cos t - \sin t)$
$\vec{v}(t) = e^{-t}(-\cos t - \sin t, \cos t - \sin t)$
$|\vec{v}|^2 = e^{-2t}[(\cos t + \sin t)^2 + (\cos t - \sin t)^2] = e^{-2t}[1 + 2\sin t\cos t + 1 - 2\sin t\cos t] = 2e^{-2t}$
$$|\vec{v}(t)| = \sqrt{2}\,e^{-t}$$
(2) $\vec{r} \cdot \vec{v}$ を計算:
$\vec{r} \cdot \vec{v} = e^{-2t}[\cos t(-\cos t - \sin t) + \sin t(\cos t - \sin t)]$
$= e^{-2t}[-\cos^2 t - \sin t\cos t + \sin t\cos t - \sin^2 t] = -e^{-2t}$
$|\vec{r}| = e^{-t}$, $|\vec{v}| = \sqrt{2}\,e^{-t}$ より:
$\cos\phi = \dfrac{\vec{r} \cdot \vec{v}}{|\vec{r}||\vec{v}|} = \dfrac{-e^{-2t}}{e^{-t} \cdot \sqrt{2}\,e^{-t}} = -\dfrac{1}{\sqrt{2}}$
$\phi = \dfrac{3\pi}{4}$(一定) □
(3)
$$L = \int_0^{\infty}|\vec{v}|\,dt = \int_0^{\infty}\sqrt{2}\,e^{-t}\,dt = \sqrt{2}\left[-e^{-t}\right]_0^{\infty} = \sqrt{2}$$
$\vec{r}(t) = e^{-t}(\cos t, \sin t)$ は原点に向かって渦巻き状に近づく対数螺旋です。位置ベクトルと速度ベクトルのなす角が一定($\dfrac{3\pi}{4} = 135°$)であるのは、対数螺旋の等角性の表れです。有限の道のり $\sqrt{2}$ で無限回原点を周回するという興味深い性質を持ちます。