第5章 積分法

分数関数の積分
─ 部分分数分解で「バラして」積分する

有理関数(多項式の商)の積分は、一見複雑に見えても、実は体系的な手順で必ず計算できます。その鍵が部分分数分解です。複雑な分数式を「これ以上分解できない」単純な分数の和に分け、一つずつ積分する。この「バラして攻略する」戦略をマスターすれば、分数関数の積分で迷うことはなくなります。

1分数関数の積分の全体像 ─ まず次数を確認する

$\dfrac{P(x)}{Q(x)}$ という分数関数(有理関数)の積分を行うとき、最初に確認すべきことがあります。それは分子の次数と分母の次数の大小関係です。

💡 ここが本質:分数関数の積分は「3ステップ」で攻略する

Step 1(次数の確認):分子の次数 $\ge$ 分母の次数 なら、まず割り算をして「多項式 + 真分数式」に分ける

Step 2(部分分数分解):真分数式を $\dfrac{A}{x-a}$, $\dfrac{B}{(x-a)^2}$, $\dfrac{Cx+D}{x^2+px+q}$ などの和に分解する

Step 3(個別に積分):各項をそれぞれ積分する(すべて公式で処理できる)

この3ステップを踏めば、どんな有理関数でも原理的には積分可能です。代数学の基本定理により、実数係数の多項式は1次式と「判別式が負の2次式」の積に分解できるからです。

処理すべき基本パーツ

部分分数分解の結果として現れる基本パーツは、次の4つのタイプに集約されます。

パーツの型 不定積分 備考
$\dfrac{A}{x-a}$ $A\log|x-a| + C$ 最も基本
$\dfrac{A}{(x-a)^n}$($n \ge 2$) $\dfrac{A}{-(n-1)(x-a)^{n-1}} + C$ $x-a = t$ と置換
$\dfrac{A}{x^2+a^2}$ $\dfrac{A}{a}\arctan\dfrac{x}{a} + C$ $\arctan$ 型
$\dfrac{Bx}{x^2+a^2}$ $\dfrac{B}{2}\log(x^2+a^2) + C$ 分子が微分の定数倍
⚠️ 落とし穴:いきなり部分分数分解を始める

✗ 誤:$\int \dfrac{x^3+1}{x^2-1}\,dx$ をそのまま部分分数分解しようとする

○ 正:まず割り算。$\dfrac{x^3+1}{x^2-1} = x + \dfrac{x+1}{x^2-1} = x + \dfrac{1}{x-1}$

分子の次数 $\ge$ 分母の次数のとき、部分分数分解は使えません。必ず最初に多項式の割り算を行い、真分数式にしてから分解しましょう。

2部分分数分解の原理と手順

部分分数分解とは、真分数式を「これ以上分解できない」単純な分数の和に書き直す操作です。なぜこれが可能なのかを理解しておくと、分解の仕方に迷わなくなります。

💡 ここが本質:部分分数分解 = 通分の逆操作

$\dfrac{1}{x-1} + \dfrac{2}{x+3} = \dfrac{(x+3) + 2(x-1)}{(x-1)(x+3)} = \dfrac{3x+1}{(x-1)(x+3)}$ という通分の計算はおなじみです。

部分分数分解は、この操作を逆に行うものです。$\dfrac{3x+1}{(x-1)(x+3)}$ から出発して、$\dfrac{A}{x-1} + \dfrac{B}{x+3}$ の形に「巻き戻す」のです。

分解のルール

分母を因数分解したとき、各因数に対応する部分分数の形は次の通りです。

分母の因数 対応する部分分数
$x - a$(1次式、1重) $\dfrac{A}{x-a}$
$(x-a)^2$(1次式、2重) $\dfrac{A}{x-a} + \dfrac{B}{(x-a)^2}$
$(x-a)^n$(1次式、$n$ 重) $\dfrac{A_1}{x-a} + \dfrac{A_2}{(x-a)^2} + \cdots + \dfrac{A_n}{(x-a)^n}$
$x^2+px+q$(判別式 $< 0$) $\dfrac{Ax+B}{x^2+px+q}$

係数の決定法

$\dfrac{3x+1}{(x-1)(x+3)} = \dfrac{A}{x-1} + \dfrac{B}{x+3}$ として、両辺に $(x-1)(x+3)$ を掛けると:

$$3x + 1 = A(x+3) + B(x-1)$$

これは $x$ についての恒等式なので、特定の $x$ の値を代入して係数を決めます。

$x = 1$ を代入:$4 = 4A$ より $A = 1$

$x = -3$ を代入:$-8 = -4B$ より $B = 2$

⚠️ 落とし穴:重根のある場合の分解形

✗ 誤:$\dfrac{1}{(x-1)^2}$ を $\dfrac{A}{x-1} + \dfrac{B}{x-1}$ と分解しようとする

○ 正:$\dfrac{A}{x-1} + \dfrac{B}{(x-1)^2}$ と分解する

重根 $(x-a)^n$ がある場合は、$\dfrac{A_1}{x-a}$ から $\dfrac{A_n}{(x-a)^n}$ まで、すべての「階層」の項を置く必要があります。

🔬 深掘り:ヘヴィサイドの目隠し法(cover-up method)

分母が異なる1次式の積のとき、係数を素早く求める方法があります。$\dfrac{P(x)}{(x-a)(x-b)\cdots}$ の $\dfrac{A}{x-a}$ の係数 $A$ は、元の分数式の分母から $(x-a)$ を「目隠し」して $x = a$ を代入した値です。

例:$\dfrac{3x+1}{(x-1)(x+3)}$ で $A$ を求めるなら、$(x-1)$ を消して $\dfrac{3x+1}{x+3}$ に $x=1$ を代入し $\dfrac{4}{4} = 1$。

3$\frac{1}{x-a}$ 型と $\frac{1}{(x-a)^2}$ 型の積分

部分分数分解で現れる最も基本的なパーツを積分しましょう。

📐 基本パーツの積分公式

$$\int \frac{1}{x-a}\,dx = \log|x-a| + C$$

$$\int \frac{1}{(x-a)^n}\,dx = \frac{-1}{(n-1)(x-a)^{n-1}} + C \quad (n \ge 2)$$

※ $\dfrac{1}{x-a}$ 型は $\log$ になり、$\dfrac{1}{(x-a)^n}$ 型($n \ge 2$)は冪乗則で処理します。

具体例:$\int \frac{3x+1}{(x-1)(x+3)}\,dx$

セクション2で求めた分解 $\dfrac{3x+1}{(x-1)(x+3)} = \dfrac{1}{x-1} + \dfrac{2}{x+3}$ を使って:

$$\int \frac{3x+1}{(x-1)(x+3)}\,dx = \int \frac{1}{x-1}\,dx + 2\int \frac{1}{x+3}\,dx = \log|x-1| + 2\log|x+3| + C$$

具体例:$\int \frac{2x+3}{(x+1)^2}\,dx$

$\dfrac{2x+3}{(x+1)^2} = \dfrac{A}{x+1} + \dfrac{B}{(x+1)^2}$ とおきます。両辺に $(x+1)^2$ を掛けると:

$$2x + 3 = A(x+1) + B$$

$x = -1$ を代入:$1 = B$。係数比較で $A = 2$。よって:

$$\int \frac{2x+3}{(x+1)^2}\,dx = 2\int \frac{1}{x+1}\,dx + \int \frac{1}{(x+1)^2}\,dx = 2\log|x+1| - \frac{1}{x+1} + C$$

⚠️ 落とし穴:絶対値の付け忘れ

✗ 誤:$\int \dfrac{1}{x-a}\,dx = \log(x-a) + C$

○ 正:$\int \dfrac{1}{x-a}\,dx = \log|x-a| + C$

$\log$ の真数は正でなければなりません。$x - a < 0$ の場合にも対応するため、絶対値を付けます。定積分で具体的な値の範囲がわかっている場合は絶対値を外せます。

4$\frac{1}{x^2+a^2}$ 型の積分 ─ $\arctan$ の登場

分母が因数分解できない2次式の場合、$\log$ では処理できません。ここで登場するのが逆正接関数 $\arctan$ です。

📐 $\arctan$ 型の積分公式

$$\int \frac{1}{x^2 + a^2}\,dx = \frac{1}{a}\arctan\frac{x}{a} + C \quad (a > 0)$$

※ $(\arctan u)' = \dfrac{1}{1+u^2}$ から導かれます。$u = \dfrac{x}{a}$ と置換すれば確認できます。

▷ 公式の導出

$x = a\tan\theta$ と置換すると、$dx = \dfrac{a}{\cos^2\theta}\,d\theta$ であり:

$$x^2 + a^2 = a^2\tan^2\theta + a^2 = \frac{a^2}{\cos^2\theta}$$

$$\int \frac{1}{x^2+a^2}\,dx = \int \frac{1}{\frac{a^2}{\cos^2\theta}} \cdot \frac{a}{\cos^2\theta}\,d\theta = \int \frac{1}{a}\,d\theta = \frac{\theta}{a} + C = \frac{1}{a}\arctan\frac{x}{a} + C$$

分子に $x$ が含まれる場合

$\dfrac{Ax+B}{x^2+a^2}$ の形は、$\dfrac{Ax}{x^2+a^2}$ と $\dfrac{B}{x^2+a^2}$ に分けます。

$\dfrac{x}{x^2+a^2}$ の積分は、分子が分母の微分の定数倍であることに着目します。$(x^2+a^2)' = 2x$ なので:

$$\int \frac{x}{x^2+a^2}\,dx = \frac{1}{2}\log(x^2+a^2) + C$$

($x^2 + a^2 > 0$ なので絶対値は不要です。)

具体例:$\int \frac{2x+5}{x^2+4}\,dx$

$$\int \frac{2x+5}{x^2+4}\,dx = \int \frac{2x}{x^2+4}\,dx + 5\int \frac{1}{x^2+4}\,dx = \log(x^2+4) + \frac{5}{2}\arctan\frac{x}{2} + C$$

💡 ここが本質:$\frac{Ax+B}{x^2+a^2}$ は「$\log$ パーツ」+「$\arctan$ パーツ」

分母が因数分解できない2次式のとき、分子を「分母の微分に比例する部分($\to \log$)」と「定数部分($\to \arctan$)」に分けるのが定石です。

$$\frac{Ax+B}{x^2+a^2} = \frac{A}{2} \cdot \frac{2x}{x^2+a^2} + \frac{B}{x^2+a^2}$$

🔬 深掘り:高校範囲での $\arctan$ の扱い

高校数学IIIの教科書によっては $\arctan$ を扱わないものもあります。その場合、$\int \dfrac{1}{x^2+1}\,dx = \arctan x + C$ は「公式」として与えられることが多いです。

大学の微積分では、$\arcsin$, $\arccos$, $\arctan$ はいずれも基本的な積分公式として頻繁に登場します。逆三角関数は「三角関数の置換積分の結果を表す記号」として自然に現れるのです。

5分子の次数が分母以上の場合 ─ 多項式の割り算

$\dfrac{P(x)}{Q(x)}$ で分子の次数が分母の次数以上のとき、そのままでは部分分数分解できません。まず多項式の割り算(筆算)を行います。

📐 多項式の割り算

$$\frac{P(x)}{Q(x)} = S(x) + \frac{R(x)}{Q(x)}$$

ここで $S(x)$ は商の多項式、$R(x)$ は余りで $\deg R < \deg Q$(真分数式)。

※ 商の多項式 $S(x)$ はそのまま項別に積分し、真分数式 $\dfrac{R(x)}{Q(x)}$ を部分分数分解して積分します。

具体例:$\int \frac{x^3 + 2x}{x^2 - 1}\,dx$

割り算を行います。$x^3 + 2x = (x^2-1) \cdot x + 3x$ より:

$$\frac{x^3+2x}{x^2-1} = x + \frac{3x}{x^2-1}$$

$\dfrac{3x}{x^2-1} = \dfrac{3x}{(x-1)(x+1)} = \dfrac{A}{x-1} + \dfrac{B}{x+1}$ とおくと:

$3x = A(x+1) + B(x-1)$。$x=1$ で $A = \dfrac{3}{2}$、$x=-1$ で $B = \dfrac{3}{2}$。

$$\int \frac{x^3+2x}{x^2-1}\,dx = \int x\,dx + \frac{3}{2}\int \frac{1}{x-1}\,dx + \frac{3}{2}\int \frac{1}{x+1}\,dx$$

$$= \frac{x^2}{2} + \frac{3}{2}\log|x-1| + \frac{3}{2}\log|x+1| + C = \frac{x^2}{2} + \frac{3}{2}\log|x^2-1| + C$$

具体例:$\int \frac{x^2}{x^2+1}\,dx$

$\dfrac{x^2}{x^2+1} = 1 - \dfrac{1}{x^2+1}$ と変形できます(分子を $x^2 + 1 - 1$ と書く)。よって:

$$\int \frac{x^2}{x^2+1}\,dx = \int 1\,dx - \int \frac{1}{x^2+1}\,dx = x - \arctan x + C$$

⚠️ 落とし穴:割り算を省略して直接計算しようとする

✗ 誤:$\int \dfrac{x^2}{x^2+1}\,dx$ を置換積分で何とかしようとする(うまくいかない)

○ 正:$\dfrac{x^2}{x^2+1} = 1 - \dfrac{1}{x^2+1}$ と変形してから積分する

分子の次数 $\ge$ 分母の次数のときは、まず割り算。これは分数関数の積分の鉄則です。特に「分子と分母の次数が同じ」場合は見落としやすいので注意しましょう。

🔬 深掘り:有理関数は必ず積分できる

代数学の基本定理(すべての多項式は1次式と既約2次式の積に分解できる)と、部分分数分解の理論を組み合わせると、あらゆる有理関数の不定積分は、多項式・$\log$・$\arctan$ の有限個の組み合わせで表せることが証明できます。

これは大学の代数学や解析学で学ぶ美しい結果です。計算が複雑になることはあっても、「原理的に積分不可能」ということは決してありません。

まとめ

✅ 確認テスト

Q1. $\dfrac{5x+3}{(x+1)(x-2)}$ を部分分数分解しなさい。

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$\dfrac{A}{x+1} + \dfrac{B}{x-2}$ とおくと、$5x+3 = A(x-2)+B(x+1)$。$x=2$ で $B = \dfrac{13}{3}$、$x=-1$ で $A = \dfrac{2}{3}$。答:$\dfrac{2}{3(x+1)} + \dfrac{13}{3(x-2)}$

Q2. $\int \dfrac{1}{x^2+9}\,dx$ を計算しなさい。

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$\dfrac{1}{3}\arctan\dfrac{x}{3} + C$(公式 $\int \dfrac{1}{x^2+a^2}\,dx = \dfrac{1}{a}\arctan\dfrac{x}{a} + C$ で $a=3$)

Q3. $\dfrac{x^2+1}{x+2}$ を「多項式 + 真分数式」の形に変形しなさい。

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$x^2+1 = (x+2)(x-2) + 5$ より、$\dfrac{x^2+1}{x+2} = x - 2 + \dfrac{5}{x+2}$

Q4. $\int \dfrac{1}{(x-3)^2}\,dx$ を求めなさい。

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$-\dfrac{1}{x-3} + C$($n=2$ の冪乗則)

Q5. $\int \dfrac{x}{x^2+4}\,dx$ を求めなさい。

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$\dfrac{1}{2}\log(x^2+4) + C$(分子が分母の微分 $2x$ の $\dfrac{1}{2}$ 倍であることに着目)

入試問題演習

問題 1 LEVEL A 部分分数分解

次の不定積分を求めよ。

(1) $\displaystyle\int \frac{1}{x^2 - 4}\,dx$

(2) $\displaystyle\int \frac{x+3}{x^2+3x+2}\,dx$

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解答

(1) $\dfrac{1}{x^2-4} = \dfrac{1}{(x-2)(x+2)} = \dfrac{A}{x-2} + \dfrac{B}{x+2}$

$1 = A(x+2) + B(x-2)$。$x=2$ で $A = \dfrac{1}{4}$、$x=-2$ で $B = -\dfrac{1}{4}$。

$$\int \frac{1}{x^2-4}\,dx = \frac{1}{4}\log|x-2| - \frac{1}{4}\log|x+2| + C = \frac{1}{4}\log\left|\frac{x-2}{x+2}\right| + C$$

(2) $x^2+3x+2 = (x+1)(x+2)$ より $\dfrac{x+3}{(x+1)(x+2)} = \dfrac{A}{x+1} + \dfrac{B}{x+2}$

$x+3 = A(x+2) + B(x+1)$。$x=-1$ で $A = 2$、$x=-2$ で $B = -1$。

$$\int \frac{x+3}{x^2+3x+2}\,dx = 2\log|x+1| - \log|x+2| + C = \log\frac{(x+1)^2}{|x+2|} + C$$

採点ポイント
  • (1) 因数分解と部分分数分解 … 3点
  • (1) 最終結果($\log$ の商の形も可) … 2点
  • (2) 係数の決定 … 2点
  • (2) 積分結果の整理 … 3点
問題 2 LEVEL B 重根・$\arctan$

$\displaystyle\int \frac{x^2+1}{x(x^2+4)}\,dx$ を求めよ。

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解答

$\dfrac{x^2+1}{x(x^2+4)} = \dfrac{A}{x} + \dfrac{Bx+C}{x^2+4}$ とおく。

$x^2+1 = A(x^2+4) + (Bx+C)x = (A+B)x^2 + Cx + 4A$

係数比較:$A+B = 1$, $C = 0$, $4A = 1$ より $A = \dfrac{1}{4}$, $B = \dfrac{3}{4}$, $C = 0$。

$$\int \frac{x^2+1}{x(x^2+4)}\,dx = \frac{1}{4}\int \frac{1}{x}\,dx + \frac{3}{4}\int \frac{x}{x^2+4}\,dx$$

$$= \frac{1}{4}\log|x| + \frac{3}{4} \cdot \frac{1}{2}\log(x^2+4) + C = \frac{1}{4}\log|x| + \frac{3}{8}\log(x^2+4) + C$$

採点ポイント
  • 部分分数の正しい設定($\dfrac{Bx+C}{x^2+4}$ の形) … 3点
  • 係数 $A$, $B$, $C$ の決定 … 3点
  • $\int \dfrac{x}{x^2+4}\,dx$ の正確な計算 … 2点
  • 最終結果 … 2点
問題 3 LEVEL B 割り算+分解

$\displaystyle\int \frac{x^3}{x^2 - x - 2}\,dx$ を求めよ。

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解答

分子の次数(3)$>$ 分母の次数(2)なので、まず割り算:

$x^3 = (x^2-x-2)(x+1) + (3x+2)$ より

$$\frac{x^3}{x^2-x-2} = x + 1 + \frac{3x+2}{x^2-x-2}$$

$x^2-x-2 = (x-2)(x+1)$ と因数分解し、$\dfrac{3x+2}{(x-2)(x+1)} = \dfrac{A}{x-2} + \dfrac{B}{x+1}$ とおくと

$3x+2 = A(x+1)+B(x-2)$。$x=2$ で $A = \dfrac{8}{3}$、$x=-1$ で $B = \dfrac{1}{3}$。

$$\int \frac{x^3}{x^2-x-2}\,dx = \frac{x^2}{2} + x + \frac{8}{3}\log|x-2| + \frac{1}{3}\log|x+1| + C$$

採点ポイント
  • 多項式の割り算の実行 … 3点
  • 真分数部分の部分分数分解 … 3点
  • 各項の正確な積分 … 2点
  • 最終結果 … 2点
問題 4 LEVEL C 複合型

$\displaystyle\int \frac{x^2+2}{x^3+x}\,dx$ を求めよ。

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解答

$x^3 + x = x(x^2+1)$ と因数分解する。$\dfrac{x^2+2}{x(x^2+1)} = \dfrac{A}{x} + \dfrac{Bx+C}{x^2+1}$ とおく。

$x^2+2 = A(x^2+1) + (Bx+C)x = (A+B)x^2 + Cx + A$

係数比較:$A+B = 1$, $C = 0$, $A = 2$。よって $B = -1$, $C = 0$。

$$\int \frac{x^2+2}{x^3+x}\,dx = 2\int \frac{1}{x}\,dx - \int \frac{x}{x^2+1}\,dx$$

$$= 2\log|x| - \frac{1}{2}\log(x^2+1) + C$$

解説

分母に $x$(1次式)と $x^2+1$(既約2次式)が含まれる複合型です。部分分数分解では、既約2次式に対して分子を $Bx+C$ の形で置くことがポイントです。結果として $C = 0$ となり、$\arctan$ の項は現れませんでした。

検算として、得られた結果を微分して元の被積分関数に戻ることを確認するとよいでしょう。

採点ポイント
  • $x^3+x = x(x^2+1)$ の因数分解 … 2点
  • 部分分数の正しい設定 … 2点
  • $A = 2$, $B = -1$, $C = 0$ の決定 … 3点
  • $\int \dfrac{x}{x^2+1}\,dx = \dfrac{1}{2}\log(x^2+1)$ の計算 … 3点