「動点の $x$ 座標と $y$ 座標を1つの変数 $t$ で表し、$t$ を消去して軌跡の方程式を得る」── これが媒介変数を利用した軌跡の求め方です。
直接的に軌跡の方程式を立てることが難しい場合でも、媒介変数を導入すると見通しよく解けることが多くあります。
動点 $\mathrm{P}(x, y)$ の座標を、直接 $x$ と $y$ の関係式で表すのではなく、第三の変数 $t$ を用いて $x = f(t)$、$y = g(t)$ と表すことがあります。この $t$ を媒介変数(パラメータ)と呼びます。
媒介変数 $t$ は、動点の「時刻」や「角度」のような役割を果たします。$t$ の値を1つ決めると、$x$ と $y$ がそれぞれ1つずつ定まるので、平面上の点 $\mathrm{P}$ が1つ確定します。$t$ を変化させると、点 $\mathrm{P}$ が平面上を動き、その軌跡が曲線を描きます。
例1(円):$x = \cos t$、$y = \sin t$ ($0 \leq t < 2\pi$)とすると、三角関数の基本公式 $\cos^2 t + \sin^2 t = 1$ より $x^2 + y^2 = 1$ が成り立ちます。これは原点を中心とする半径1の円です。
例2(楕円):$x = 3\cos t$、$y = 2\sin t$ とすると、$\left(\dfrac{x}{3}\right)^2 + \left(\dfrac{y}{2}\right)^2 = \cos^2 t + \sin^2 t = 1$ となり、楕円を表します。
例3(直線):$x = 1 + 2t$、$y = 3 - t$ とすると、$t$ を消去して $x + 2y = 7$ という直線の方程式が得られます。
軌跡の問題で「動点 $\mathrm{P}$ の座標を直接求める」のが難しいとき、媒介変数 $t$ を導入して $x$、$y$ をそれぞれ $t$ の式で表すと、問題が格段に解きやすくなります。
ポイントは次の3ステップです:
(1)動きを支配する変数 $t$ を見つける
(2)$x$、$y$ を $t$ で表す
(3)$t$ を消去して $x$、$y$ の関係式(軌跡の方程式)を得る
動点 $\mathrm{P}(x, y)$ の座標が媒介変数 $t$ を用いて
$$x = f(t), \quad y = g(t)$$
と表されるとき、$t$ を消去して得られる $x$ と $y$ の関係式が軌跡の方程式である。
消去の方法:$t$ について解いて代入する、三角関数の恒等式を用いる、2式を加減するなど。
$t$ を消去する方法は、$x = f(t)$、$y = g(t)$ の式の形によって使い分けます。主な方法は以下の通りです。
方法1:$t$ について解いて代入
一方の式から $t = \ldots$ と解き、他方に代入します。$x$、$y$ が $t$ の1次式のとき特に有効です。
例:$x = 2t + 1$、$y = t - 3$ のとき、第2式から $t = y + 3$、これを第1式に代入して $x = 2(y + 3) + 1 = 2y + 7$。よって $x - 2y - 7 = 0$(直線)。
方法2:三角関数の恒等式を利用
$x$、$y$ が $\cos t$、$\sin t$ で表されているとき、$\cos^2 t + \sin^2 t = 1$ を用いて $t$ を消去します。
例:$x = 2 + 3\cos t$、$y = -1 + 3\sin t$ のとき、
$$\cos t = \frac{x - 2}{3}, \quad \sin t = \frac{y + 1}{3}$$
$\cos^2 t + \sin^2 t = 1$ に代入して $(x - 2)^2 + (y + 1)^2 = 9$(中心 $(2, -1)$、半径3の円)。
方法3:2式の加減・積を利用
$x + y$ や $xy$ を計算すると $t$ が消えることがあります。対称式のときに有効です。
例:$x = t + \dfrac{1}{t}$、$y = t - \dfrac{1}{t}$ のとき、$x^2 - y^2 = \left(t + \dfrac{1}{t}\right)^2 - \left(t - \dfrac{1}{t}\right)^2 = 4$。よって $x^2 - y^2 = 4$(双曲線)。
例題:$t$ を媒介変数として $x = t^2 + 1$、$y = 2t$ で表される点 $\mathrm{P}(x, y)$ の軌跡を求めよ。
第2式から $t = \dfrac{y}{2}$ を求め、第1式に代入します。
$$x = \left(\frac{y}{2}\right)^2 + 1 = \frac{y^2}{4} + 1$$
整理して $y^2 = 4(x - 1)$。
これは頂点 $(1, 0)$、焦点が $x$ 軸の正の方向にある放物線です。
$t$ は任意の実数をとるので、$y = 2t$ も任意の実数値をとります。よって軌跡は放物線 $y^2 = 4(x - 1)$ の全体です。
媒介変数 $t$ を消去した後、得られた方程式が示す曲線全体が軌跡になるとは限りません。$t$ の変域に制限がある場合、軌跡は曲線の一部にとどまります。
✗ 誤り:$t$ を消去しただけで「これが軌跡」と結論づける
✓ 正しい:$t$ を消去した後、$t$ の変域から $x$、$y$ の取りうる範囲を確認する
例えば $x = t^2$、$y = t^2 + t$ で $t \geq 0$ のとき、$t$ を消去して得た式の全体ではなく $x \geq 0$ の部分のみが軌跡です。
点 $\mathrm{P}$ がある曲線上を動くとき、$\mathrm{P}$ に連動して定められる点 $\mathrm{Q}$ の軌跡を求める問題が頻出します。典型的なパターンとしては次のようなものがあります。
連動する点の軌跡を求めるには、次の手順に従います。
例題:点 $\mathrm{P}$ が円 $x^2 + y^2 = 4$ 上を動くとき、$\mathrm{A}(4, 0)$ と $\mathrm{P}$ の中点 $\mathrm{Q}$ の軌跡を求めよ。
$\mathrm{P}$ は円上の点なので、媒介変数 $t$ を用いて $\mathrm{P}(2\cos t, 2\sin t)$ と表せます。
中点 $\mathrm{Q}(X, Y)$ の座標は
$$X = \frac{4 + 2\cos t}{2} = 2 + \cos t, \quad Y = \frac{0 + 2\sin t}{2} = \sin t$$
ここから $\cos t = X - 2$、$\sin t = Y$ を得ます。$\cos^2 t + \sin^2 t = 1$ に代入して
$$(X - 2)^2 + Y^2 = 1$$
$t$ が $0 \leq t < 2\pi$ の全体を動くので、$\mathrm{Q}$ は円全体を描きます。
よって、軌跡は中心 $(2, 0)$、半径 $1$ の円。
$\mathrm{P}$ の座標を $(p, q)$、$\mathrm{Q}$ の座標を $(X, Y)$ とするとき、「$\mathrm{Q}$ は $\mathrm{AP}$ の中点」のような条件は $X = \dfrac{a + p}{2}$、$Y = \dfrac{b + q}{2}$ と書けます。
これを変形すると $p = 2X - a$、$q = 2Y - b$ となり、$\mathrm{P}$ の満たす方程式に代入すれば $\mathrm{Q}$ の軌跡が得られます。
媒介変数 $t$ を使わずに $p$、$q$ を直接 $X$、$Y$ で置き換える方法も有効です。
2つの直線がそれぞれ媒介変数 $t$ に依存して動くとき、その交点がどのような曲線を描くかを求める問題です。
例題:$t$ を媒介変数とする2直線 $\ell_1 : x + ty = t^2$、$\ell_2 : tx - y = 2t$ の交点 $\mathrm{P}$ の軌跡を求めよ。
$\ell_1$ より $x = t^2 - ty$ …(1)
$\ell_2$ より $y = tx - 2t$ …(2)
(2) を (1) に代入:$x = t^2 - t(tx - 2t) = t^2 - t^2 x + 2t^2 = 3t^2 - t^2 x$
$x = 3t^2 - t^2 x$ より $x(1 + t^2) = 3t^2$ ゆえに $x = \dfrac{3t^2}{1 + t^2}$
(2) に代入:$y = t \cdot \dfrac{3t^2}{1 + t^2} - 2t = \dfrac{3t^3 - 2t(1 + t^2)}{1 + t^2} = \dfrac{3t^3 - 2t - 2t^3}{1 + t^2} = \dfrac{t^3 - 2t}{1 + t^2}$
ここで $x = \dfrac{3t^2}{1 + t^2}$ より $1 + t^2 = \dfrac{3t^2}{x}$($x \neq 0$ のとき)、つまり $t^2 = \dfrac{x}{3 - x}$。
$t = 0$ のとき $x = 0$、$y = 0$ なので原点 $(0, 0)$ を通ります。
$t \neq 0$ のとき、$x = \dfrac{3t^2}{1 + t^2} = 3 - \dfrac{3}{1 + t^2}$ より $0 < x < 3$ であり、$y$ を $x$ で表すと $t$ を消去できます。
$x$ について $\dfrac{x}{3} = \dfrac{t^2}{1 + t^2}$ なので $1 - \dfrac{x}{3} = \dfrac{1}{1 + t^2}$ すなわち $\dfrac{3 - x}{3} = \dfrac{1}{1 + t^2}$。
$y = \dfrac{t(t^2 - 2)}{1 + t^2}$ を2乗して整理すると、$x$、$y$ の関係式が得られます。
このように交点の軌跡の問題では、交点の座標を $t$ で表し、$t$ を消去するという基本方針は同じですが、計算が複雑になることがあります。
例題:直線 $\ell_1 : y = tx$ と直線 $\ell_2 : y = -\dfrac{1}{t}(x - 4)$($t \neq 0$)の交点 $\mathrm{P}$ の軌跡を求めよ。
$\ell_1$ と $\ell_2$ を連立して $tx = -\dfrac{1}{t}(x - 4)$ より $t^2 x = -(x - 4) = -x + 4$
$x(t^2 + 1) = 4$ ゆえに $x = \dfrac{4}{t^2 + 1}$
$y = tx = \dfrac{4t}{t^2 + 1}$
$x = \dfrac{4}{t^2 + 1}$ より $t^2 + 1 = \dfrac{4}{x}$ ゆえに $t^2 = \dfrac{4}{x} - 1 = \dfrac{4 - x}{x}$
$y^2 = t^2 x^2 = \dfrac{4 - x}{x} \cdot x^2 = x(4 - x)$
$$x^2 + y^2 = x^2 + x(4 - x) = x^2 + 4x - x^2 = 4x$$
$$(x - 2)^2 + y^2 = 4$$
$t^2 + 1 \geq 1$ より $0 < x \leq 4$。また $t \neq 0$ のとき $x \neq 4$ だが、$t \to \pm\infty$ で $x \to 0$、$y \to 0$ なので $(0, 0)$ には到達しません。$t \neq 0$ から $y \neq 0$ です。
よって、軌跡は円 $(x - 2)^2 + y^2 = 4$ から点 $(0, 0)$ と点 $(4, 0)$ を除いた部分です。
パラメータ $t$ に依存する2直線 $\ell_1(t)$、$\ell_2(t)$ の交点 $\mathrm{P}(x, y)$ の軌跡:
(1)2直線を連立して $x$、$y$ を $t$ の式で表す
(2)$t$ を消去して $x$、$y$ の方程式を得る
(3)$t$ の存在条件から $x$、$y$ の範囲を確認し、除外点がないか調べる
特に $t = 0$ や分母が $0$ になる $t$ の値のとき、交点が存在するかどうか注意が必要です。
媒介変数 $t$ の変域に制限がある場合、$t$ を消去して得た方程式の表す曲線全体が軌跡になるわけではありません。$t$ の範囲から $x$、$y$ の取りうる範囲を求め、曲線の該当部分だけを軌跡とする必要があります。
例題:$x = 2\cos t$、$y = 2\sin t$($0 \leq t \leq \dfrac{\pi}{2}$)で表される動点の軌跡を求めよ。
$t$ を消去すると $x^2 + y^2 = 4$ で、これは半径2の円です。
しかし $0 \leq t \leq \dfrac{\pi}{2}$ なので、$x = 2\cos t \geq 0$ かつ $y = 2\sin t \geq 0$ です。
よって、軌跡は円 $x^2 + y^2 = 4$ の第1象限の部分($x \geq 0$ かつ $y \geq 0$ の部分、4分の1円弧)です。
$x = f(t)$、$y = g(t)$ において、$t$ がある範囲を動くとき、$x$ と $y$ の取りうる範囲は関数 $f$、$g$ の値域として求まります。
例題:$x = t^2$、$y = 2t$($t$ は任意の実数)で表される動点の軌跡を求めよ。
$y = 2t$ より $t = \dfrac{y}{2}$、これを $x = t^2$ に代入して $x = \dfrac{y^2}{4}$、すなわち $y^2 = 4x$。
$t$ は任意の実数なので $y = 2t$ も任意の実数値をとり、$x = t^2 \geq 0$ です。
$y^2 = 4x$ で $x \geq 0$ は自動的に満たされるので、軌跡は放物線 $y^2 = 4x$ の全体です。
次に、$t$ の範囲が制限された場合を考えます。
例題:$x = t^2$、$y = 2t$($t \geq 1$)で表される動点の軌跡を求めよ。
$t$ を消去すると同じく $y^2 = 4x$ ですが、$t \geq 1$ より $y = 2t \geq 2$ かつ $x = t^2 \geq 1$ です。
よって、軌跡は放物線 $y^2 = 4x$ のうち $y \geq 2$(すなわち $x \geq 1$)の部分です。
軌跡の問題では「$t$ を消去して方程式を出す」だけでなく、$t$ の範囲がどのように軌跡を制限するかを必ず確認しましょう。
✗ 誤り:$x = \cos t$、$y = \sin t$($0 \leq t \leq \pi$)→ 軌跡は $x^2 + y^2 = 1$(円全体)
✓ 正しい:$0 \leq t \leq \pi$ では $y = \sin t \geq 0$ なので、軌跡は上半円 $x^2 + y^2 = 1$($y \geq 0$)
答案には「$t$ の範囲から $x$、$y$ の範囲は …」と明記しましょう。
媒介変数表示は、大学数学やコンピュータグラフィックス(CG)で非常に重要な概念です。
微積分:曲線 $x = f(t)$、$y = g(t)$ の接線の傾きは $\dfrac{dy}{dx} = \dfrac{g'(t)}{f'(t)}$ で求まり、曲線の長さは $\displaystyle\int_a^b \sqrt{f'(t)^2 + g'(t)^2}\,dt$ で計算します。
CG:ベジェ曲線やスプライン曲線などCGで広く使われる曲線は、すべて媒介変数表示で定義されます。「$t$ を $0$ から $1$ に動かすと曲線上の点が始点から終点まで移動する」という考え方は、アニメーションにも直結します。
Q1. $x = 3\cos t$、$y = 3\sin t$ で表される曲線の方程式を $x$、$y$ で表せ。
Q2. $x = t + 1$、$y = 2t - 3$ で表される曲線の方程式を求めよ。
Q3. 点 $\mathrm{P}$ が円 $x^2 + y^2 = 1$ 上を動くとき、$\mathrm{A}(2, 0)$ と $\mathrm{P}$ の中点 $\mathrm{Q}$ の軌跡を求めよ。
Q4. $x = 2\cos t$、$y = 2\sin t$($0 \leq t \leq \pi$)の軌跡を答えよ。
Q5. $x = t^2 - 1$、$y = t$($t \geq 0$)の軌跡を方程式と範囲を含めて答えよ。
$t$ を媒介変数として、$x = 2t + 1$、$y = t^2$ で表される動点 $\mathrm{P}(x, y)$ の軌跡を求めよ。
$x = 2t + 1$ より $t = \dfrac{x - 1}{2}$
$y = t^2$ に代入して $y = \left(\dfrac{x - 1}{2}\right)^2 = \dfrac{(x - 1)^2}{4}$
$t$ は任意の実数をとるので $x = 2t + 1$ も任意の実数値をとる。
よって、軌跡は放物線 $y = \dfrac{(x - 1)^2}{4}$(頂点 $(1, 0)$)の全体。
点 $\mathrm{P}$ が円 $x^2 + y^2 = 9$ 上を動くとき、$\mathrm{A}(6, 0)$ と $\mathrm{P}$ を結ぶ線分 $\mathrm{AP}$ を $1 : 2$ に内分する点 $\mathrm{Q}$ の軌跡を求めよ。
$\mathrm{P}(3\cos t, 3\sin t)$ とおく。$\mathrm{Q}(X, Y)$ は $\mathrm{AP}$ を $1 : 2$ に内分するので
$$X = \frac{2 \cdot 6 + 1 \cdot 3\cos t}{1 + 2} = \frac{12 + 3\cos t}{3} = 4 + \cos t$$
$$Y = \frac{2 \cdot 0 + 1 \cdot 3\sin t}{3} = \sin t$$
$\cos t = X - 4$、$\sin t = Y$ より $\cos^2 t + \sin^2 t = 1$ に代入して
$$(X - 4)^2 + Y^2 = 1$$
$t$ は全範囲を動くので、軌跡は中心 $(4, 0)$、半径 $1$ の円。
元の円の半径が3で、$\mathrm{AP}$ を $1 : 2$ に内分するので、$\mathrm{Q}$ は $\mathrm{A}$ から $\mathrm{P}$ に向かって $\dfrac{1}{3}$ だけ進んだ点です。軌跡の円の半径は元の円の半径 $3$ の $\dfrac{1}{3}$ 倍の $1$ になります。
実数 $t$ に対して、2直線 $\ell_1 : y = t(x - 1)$、$\ell_2 : y = -\dfrac{1}{t}(x + 1)$($t \neq 0$)の交点 $\mathrm{P}$ の軌跡を求めよ。
$\ell_1$、$\ell_2$ を連立して $t(x - 1) = -\dfrac{1}{t}(x + 1)$
両辺に $t$ をかけて $t^2(x - 1) = -(x + 1)$
$t^2(x - 1) + (x + 1) = 0$ より $t^2 = -\dfrac{x + 1}{x - 1} = \dfrac{-(x + 1)}{x - 1}$($x \neq 1$)
$t^2 > 0$ なので $\dfrac{-(x + 1)}{x - 1} > 0$、すなわち $-1 < x < 1$ が必要。
$y = t(x - 1)$ より $y^2 = t^2(x - 1)^2 = \dfrac{-(x + 1)}{x - 1} \cdot (x - 1)^2 = -(x + 1)(x - 1) = 1 - x^2$
$$x^2 + y^2 = 1$$
$-1 < x < 1$ かつ $y \neq 0$($t \neq 0$ より)なので、軌跡は円 $x^2 + y^2 = 1$ から2点 $(1, 0)$ と $(-1, 0)$ を除いた部分。
$\ell_1$ は定点 $(1, 0)$ を通る傾き $t$ の直線、$\ell_2$ は定点 $(-1, 0)$ を通る傾き $-\dfrac{1}{t}$ の直線です。$t \cdot \left(-\dfrac{1}{t}\right) = -1$ より2直線は常に直交します。直径の両端 $(1, 0)$、$(-1, 0)$ から見て直角になる点の軌跡は、タレスの定理から直径を $(1, 0)$、$(-1, 0)$ とする円($x^2 + y^2 = 1$)になります。
$t$ を正の実数とする。$x$ 軸上の点 $\mathrm{A}(t, 0)$ と $y$ 軸上の点 $\mathrm{B}(0, \dfrac{1}{t})$ を考える。
(1) 線分 $\mathrm{AB}$ の中点 $\mathrm{M}$ の座標を $t$ で表せ。
(2) $t$ が正の実数全体を動くとき、中点 $\mathrm{M}$ の軌跡の方程式を求めよ。
(3) さらに $t \geq 1$ のとき、中点 $\mathrm{M}$ の軌跡を求めよ。範囲を明示すること。
(1) 中点 $\mathrm{M}(X, Y)$ の座標は
$$X = \frac{t}{2}, \quad Y = \frac{1}{2t}$$
(2) $X = \dfrac{t}{2}$ より $t = 2X$($t > 0$ なので $X > 0$)。
$Y = \dfrac{1}{2t} = \dfrac{1}{2 \cdot 2X} = \dfrac{1}{4X}$
$$XY = \frac{1}{4}$$
$t > 0$ より $X > 0$ かつ $Y > 0$。
よって、軌跡は双曲線 $XY = \dfrac{1}{4}$ の第1象限の部分($X > 0$、$Y > 0$)。
(3) $t \geq 1$ のとき、$X = \dfrac{t}{2} \geq \dfrac{1}{2}$ かつ $Y = \dfrac{1}{2t} \leq \dfrac{1}{2}$。
よって、軌跡は $XY = \dfrac{1}{4}$ のうち $X \geq \dfrac{1}{2}$(すなわち $0 < Y \leq \dfrac{1}{2}$)の部分。
$t$ の範囲制限が軌跡の範囲を制限する典型問題です。(2) では $t > 0$ から $X > 0$、$Y > 0$ が出てきて第1象限に限定され、(3) では $t \geq 1$ からさらに $X$ と $Y$ の範囲が絞られます。$t$ を消去した方程式だけでなく、範囲の確認まで行うことが完答への鍵です。