第8章 平面上の曲線

平面上の曲線の融合問題
─ 曲線×微積分の世界

2次曲線と微積分、媒介変数表示と面積・弧長、極座標と面積 ── 第8章の内容が数学IIIの微積分と出会うとき、入試で最も差がつく融合問題が生まれます。この記事では、異なる分野の知識を組み合わせて解く力を養います。「曲線の理解」と「微積分の技法」を橋渡しし、総合的な問題解決能力を高めましょう。

12次曲線と微積分の融合 ─ 面積と体積

2次曲線(楕円・双曲線・放物線)の面積や、それらを回転させた回転体の体積を求める問題は、曲線の性質と積分技法の両方を要求する融合問題の典型です。

楕円の面積

楕円 $\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1$ の面積を、対称性と置換積分で求めます。

▷ 楕円の面積の導出

$y = b\sqrt{1-\dfrac{x^2}{a^2}}$(上半分)より、面積 $S$ は:

$$S = 4\int_0^a b\sqrt{1-\frac{x^2}{a^2}}\,dx$$

$x = a\sin t$ と置換すると $dx = a\cos t\,dt$, $x: 0 \to a$ で $t: 0 \to \pi/2$。

$$S = 4\int_0^{\pi/2} b\cos t \cdot a\cos t\,dt = 4ab\int_0^{\pi/2}\cos^2 t\,dt = 4ab \cdot \frac{\pi}{4} = \pi ab$$

💡 楕円の面積 $\pi ab$ の直感的理解

円 $x^2+y^2 = a^2$(面積 $\pi a^2$)を $y$ 方向に $\dfrac{b}{a}$ 倍に縮小すると楕円 $\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1$ になります。面積も同じ比率で変化するので $\pi a^2 \times \dfrac{b}{a} = \pi ab$ です。

この「アフィン変換による面積の変化」の考え方は、積分を使わずに楕円の面積を理解する最も本質的な方法です。

放物線と直線で囲まれた面積

放物線 $y^2 = 4px$ と直線 $x = a$($a > 0$)で囲まれた面積は:

$$S = 2\int_0^a 2\sqrt{px}\,dx = 4\sqrt{p}\cdot\frac{2}{3}a^{3/2} = \frac{8}{3}\sqrt{p}\,a^{3/2}$$

⚠️ 放物線の面積を「$x$ で積分」か「$y$ で積分」か

✗ 誤:$y^2 = 4px$ を $y$ について解いて常に $x$ で積分する

○ 正:状況に応じて、$y$ で積分する方が楽な場合もある

例えば放物線と接線で囲まれる面積では、$y$ を変数として $\displaystyle\int_{y_1}^{y_2}(x_{\text{直線}}-x_{\text{放物線}})\,dy$ とする方が計算が簡潔になることがあります。

2次曲線の回転体

楕円を長軸のまわりに回転させた回転楕円体の体積は:

$$V = \pi\int_{-a}^{a}y^2\,dx = \pi\int_{-a}^{a}b^2\left(1-\frac{x^2}{a^2}\right)dx = \pi b^2\left[x-\frac{x^3}{3a^2}\right]_{-a}^{a} = \frac{4}{3}\pi ab^2$$

🔬 回転楕円体と地球の形

地球は完全な球ではなく、赤道方向に少し膨らんだ扁平回転楕円体です。赤道半径 $a \approx 6378$ km、極半径 $b \approx 6357$ km で、体積は $\dfrac{4}{3}\pi a^2 b$ です(短軸回転)。離心率は約 $0.0818$ で、地球がほぼ球に近いことがわかります。

2媒介変数表示と面積 ─ なぜ $\int y\,dx$ が使えるのか

曲線が $x = f(t)$, $y = g(t)$ と媒介変数表示されているとき、この曲線と $x$ 軸で囲まれた面積は、$t$ で積分することで求められます。

📐 媒介変数表示による面積公式

$$S = \int_a^b y\,dx = \int_{\alpha}^{\beta} g(t) \cdot f'(t)\,dt$$

ここで $t: \alpha \to \beta$ のとき $x: a \to b$ とします。

※ $f'(t) < 0$ のとき($x$ が減少)は、積分の向きと面積の符号に注意が必要です。

💡 $\int y\,dx$ の置換積分としての理解

$S = \displaystyle\int_a^b y\,dx$ において $x = f(t)$ と置換すると $dx = f'(t)\,dt$ なので、自然に $S = \displaystyle\int_\alpha^\beta g(t)f'(t)\,dt$ が得られます。

これは特別な公式ではなく、通常の置換積分そのものです。媒介変数表示の面積公式は、置換積分の特殊ケースにすぎません。

サイクロイドの面積

サイクロイド $x = a(\theta - \sin\theta)$, $y = a(1-\cos\theta)$ の1アーチ($0 \le \theta \le 2\pi$)で囲まれる面積を求めます。

▷ サイクロイド1アーチの面積

$$S = \int_0^{2\pi a} y\,dx = \int_0^{2\pi} a(1-\cos\theta) \cdot a(1-\cos\theta)\,d\theta = a^2\int_0^{2\pi}(1-\cos\theta)^2\,d\theta$$

$(1-\cos\theta)^2 = 1 - 2\cos\theta + \cos^2\theta = \dfrac{3}{2} - 2\cos\theta + \dfrac{\cos 2\theta}{2}$

$$S = a^2\left[\frac{3}{2}\theta - 2\sin\theta + \frac{\sin 2\theta}{4}\right]_0^{2\pi} = a^2 \cdot 3\pi = 3\pi a^2$$

サイクロイド1アーチの面積は、転がる円の面積 $\pi a^2$ のちょうど 3倍 です。この美しい結果は17世紀にロベルヴァルが発見しました。

⚠️ 媒介変数の積分範囲と $x$ の増減方向

✗ 誤:$\theta: 0 \to 2\pi$ で $x$ は常に増加すると思い込む

○ 正:$\dfrac{dx}{d\theta} = a(1-\cos\theta) \ge 0$ を確認。この場合はたまたま常に非負($\theta = 0, 2\pi$ で $0$)

アステロイドなど、$x$ が増減を繰り返す曲線では、面積の計算で符号に注意が必要です。

アステロイドの面積

アステロイド $x = a\cos^3 t$, $y = a\sin^3 t$ の面積は、$t: 0 \to \pi/2$(第1象限)の面積を4倍して:

$$S = 4\int_0^{\pi/2} y \cdot \frac{dx}{dt}\,dt = 4\int_{\pi/2}^{0} a\sin^3 t \cdot (-3a\cos^2 t \sin t)\,dt = 12a^2\int_0^{\pi/2}\sin^4 t\cos^2 t\,dt$$

ベータ関数の公式(ウォリスの積分)を使って $\displaystyle\int_0^{\pi/2}\sin^4 t\cos^2 t\,dt = \dfrac{3\cdot 1\cdot 1}{6\cdot 4\cdot 2}\cdot\dfrac{\pi}{2} = \dfrac{\pi}{32}$

よって $S = 12a^2 \cdot \dfrac{\pi}{32} = \dfrac{3\pi a^2}{8}$

🔬 ウォリスの積分とベータ関数

$\displaystyle\int_0^{\pi/2}\sin^m t\cos^n t\,dt = \dfrac{B\!\left(\frac{m+1}{2},\frac{n+1}{2}\right)}{2}$ はベータ関数 $B(p,q) = \dfrac{\Gamma(p)\Gamma(q)}{\Gamma(p+q)}$ で表されます。入試では漸化式 $I_n = \dfrac{n-1}{n}I_{n-2}$ で計算するのが一般的ですが、ベータ関数を知っていると一発で結果が出ます。

3媒介変数表示と弧長 ─ 曲線の長さを測る

曲線の長さ(弧長)は、微小な線素 $ds$ を足し合わせることで求められます。

📐 弧長の公式

媒介変数表示:$\displaystyle L = \int_\alpha^\beta \sqrt{\left(\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\frac{dy}{dt}\right)^2}\,dt$

陽関数 $y = f(x)$:$\displaystyle L = \int_a^b \sqrt{1+\left(\frac{dy}{dx}\right)^2}\,dx$

極座標 $r = f(\theta)$:$\displaystyle L = \int_\alpha^\beta \sqrt{r^2+\left(\frac{dr}{d\theta}\right)^2}\,d\theta$

💡 弧長公式の本質:ピタゴラスの定理

微小区間で曲線を直線(線素)で近似すると、その長さは $ds = \sqrt{dx^2+dy^2}$ です。これはピタゴラスの定理そのものです。

$dx = f'(t)\,dt$, $dy = g'(t)\,dt$ を代入して $ds = \sqrt{f'(t)^2+g'(t)^2}\,dt$ となります。弧長公式は「微小ピタゴラスの足し合わせ」です。

サイクロイドの弧長

$x = a(\theta-\sin\theta)$, $y = a(1-\cos\theta)$ の1アーチの長さを求めます。

▷ サイクロイド1アーチの弧長

$\dfrac{dx}{d\theta} = a(1-\cos\theta)$, $\dfrac{dy}{d\theta} = a\sin\theta$

$$\left(\frac{dx}{d\theta}\right)^2+\left(\frac{dy}{d\theta}\right)^2 = a^2\{(1-\cos\theta)^2+\sin^2\theta\} = a^2(2-2\cos\theta) = 4a^2\sin^2\frac{\theta}{2}$$

$$L = \int_0^{2\pi}2a\left|\sin\frac{\theta}{2}\right|d\theta = 2a\int_0^{2\pi}\sin\frac{\theta}{2}\,d\theta = 2a\left[-2\cos\frac{\theta}{2}\right]_0^{2\pi} = 2a\cdot 4 = 8a$$

サイクロイド1アーチの長さは、転がる円の直径 $2a$ のちょうど 4倍 = $8a$ です。

⚠️ 弧長計算での半角公式の見落とし

✗ 誤:$\sqrt{2-2\cos\theta}$ を展開しようとして複雑な計算に陥る

○ 正:$2-2\cos\theta = 4\sin^2\dfrac{\theta}{2}$ という半角の公式を使えば $\sqrt{}$ が外れる

弧長計算では $\sqrt{}$ の中身を三角関数の半角公式でまとめるテクニックが頻出です。サイクロイドとカージオイドの弧長は特にこの方法が必須です。

🔬 弧長パラメータと微分幾何学

曲線を「弧長 $s$」そのもので媒介変数表示する(弧長パラメータ化)と、$\left|\dfrac{d\boldsymbol{r}}{ds}\right| = 1$ が常に成り立ちます。これは速さ $1$ で曲線上を移動することに相当し、微分幾何学では曲率の定義に使われる最も自然なパラメータです。

4極座標と面積 ─ 扇形の足し合わせ

極座標での面積計算は、微小扇形の面積 $\dfrac{1}{2}r^2\,d\theta$ の足し合わせです。直交座標の「短冊」に対して「扇形」で面積を覆うイメージです。

📐 極座標の面積公式

$$S = \frac{1}{2}\int_\alpha^\beta r^2\,d\theta$$

2曲線で囲まれた面積:

$$S = \frac{1}{2}\int_\alpha^\beta \left(r_1^2 - r_2^2\right)d\theta \quad (r_1 \ge r_2 \ge 0)$$

カージオイドの面積(極座標法)

$r = a(1+\cos\theta)$ の面積は対称性から:

$$S = 2 \times \frac{1}{2}\int_0^{\pi}a^2(1+\cos\theta)^2\,d\theta = a^2\int_0^{\pi}\left(\frac{3}{2}+2\cos\theta+\frac{\cos 2\theta}{2}\right)d\theta = \frac{3\pi a^2}{2}$$

⚠️ 2曲線の交点と面積の分割

✗ 誤:2曲線の極方程式を連立して交点を求め、そのまま $\frac{1}{2}\int(r_1^2-r_2^2)\,d\theta$ を計算

○ 正:極座標の2曲線は $r=0$(原点)で「見えない交点」を持つことがある。原点を通るかどうかも確認する

例えば $r = 1+\cos\theta$ と $r = 1-\cos\theta$ は、連立しても $\cos\theta = 0$ → $\theta = \pi/2, 3\pi/2$ しか出ませんが、両方とも原点を通るので原点も交点です。

⚠️ 極座標面積で $r < 0$ の範囲を含めてしまう

✗ 誤:$r = \sin 2\theta$ の面積を $\frac{1}{2}\int_0^{2\pi}\sin^2 2\theta\,d\theta$ とする → 面積の2倍になる

○ 正:$r \ge 0$ の範囲($0 \le \theta \le \pi/2$ など)のみ積分し、対称性で全面積を求める

$r^2$ は常に非負なので $r < 0$ の範囲も面積に寄与してしまいます。花弁1枚分を正しく切り出すことが重要です。

💡 極座標面積の直感的理解

$\dfrac{1}{2}r^2\,d\theta$ は中心角 $d\theta$、半径 $r$ の微小扇形の面積です。これを $\alpha$ から $\beta$ まで足し合わせると、原点を頂点とする「パイの一切れ」のような領域の面積になります。

直交座標の $\int y\,dx$ が「短冊の足し合わせ」であるのに対し、極座標は「扇形の足し合わせ」── この違いを図形的に理解しておくと、面積公式を自然に使えます。

🔬 面積のヤコビアンと座標変換

直交座標の面積要素 $dx\,dy$ と極座標の面積要素 $r\,dr\,d\theta$ の間には $dx\,dy = r\,dr\,d\theta$ の関係があります。これは座標変換のヤコビアン $\left|\dfrac{\partial(x,y)}{\partial(r,\theta)}\right| = r$ に由来します。大学数学の重積分で体系的に学びます。

5融合問題の解法戦略

融合問題では「曲線の知識」と「微積分の技法」の両方が必要です。どちらかが不足していると解けません。ここでは、融合問題に取り組む際の戦略的な考え方を整理します。

解法戦略の3ステップ

  1. 曲線を把握する:まず曲線の種類、概形、対称性を確認する。概形を描けることが出発点
  2. 積分変数を選ぶ:$x$, $y$, $t$(媒介変数), $\theta$(極座標の角度)のうち、最も計算が楽になるものを選ぶ
  3. 積分を実行する:三角関数の半角公式、置換積分、部分積分、ウォリスの積分など、必要な技法を駆使する
⚠️ 「積分範囲」と「面積の正負」の混同

✗ 誤:$\int_\alpha^\beta g(t)f'(t)\,dt$ の結果が負になった → 面積は負?

○ 正:面積は常に正。$f'(t)$ の符号($x$ の増減方向)によって積分値が負になることがある

媒介変数表示の面積計算では、$x$ が減少する区間で符号が反転します。$\int y\,dx$ の「向き」と「面積」を区別し、必要に応じて絶対値をとりましょう。

融合のパターン一覧

融合パターン主な公式注意点
楕円×面積$\pi ab$(直接 or 置換積分)アフィン変換の利用
媒介変数×面積$\int g(t)f'(t)\,dt$$x$ の増減方向
媒介変数×弧長$\int\sqrt{(\dot{x})^2+(\dot{y})^2}\,dt$半角公式で $\sqrt{}$ を外す
極座標×面積$\frac{1}{2}\int r^2\,d\theta$$r \ge 0$ の範囲の確認
極座標×弧長$\int\sqrt{r^2+(\dot{r})^2}\,d\theta$曲線の存在範囲
回転体×体積$\pi\int y^2\,dx$回転軸の確認
🔬 ガウス・グリーンの定理と面積

閉曲線で囲まれた面積は $S = \dfrac{1}{2}\displaystyle\oint(x\,dy - y\,dx)$ でも求められます。これはグリーンの定理の応用で、媒介変数表示 $x=f(t), y=g(t)$ のとき $S = \dfrac{1}{2}\int_\alpha^\beta(f\,g'-g\,f')\,dt$ となります。大学数学ではベクトル解析の基礎として重要な公式です。

まとめ

✅ 確認テスト

Q1. 楕円 $\dfrac{x^2}{9}+\dfrac{y^2}{4}=1$ の面積は?

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$\pi \times 3 \times 2 = 6\pi$

Q2. サイクロイド1アーチの面積は転がる円の面積の何倍か?

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$3$ 倍。$3\pi a^2 / \pi a^2 = 3$。

Q3. サイクロイド1アーチの弧長は?

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$8a$(転がる円の直径の4倍)。

Q4. 極座標の面積公式 $\dfrac{1}{2}\int r^2\,d\theta$ で「$\dfrac{1}{2}$」がつく理由は?

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微小扇形の面積が $\dfrac{1}{2}r^2\,d\theta$(三角形の面積 $\dfrac{1}{2} \times r \times r\,d\theta$)だから。

Q5. 弧長の公式に現れる $\sqrt{dx^2+dy^2}$ は何の定理に基づくか?

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ピタゴラスの定理。微小区間で曲線を直線近似し、その長さを三平方の定理で求めている。

入試問題演習

問題 1 LEVEL A 楕円×回転体

楕円 $\dfrac{x^2}{4}+y^2=1$ を $x$ 軸のまわりに回転してできる回転体の体積を求めよ。

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解答

$y^2 = 1 - \dfrac{x^2}{4}$ より

$$V = \pi\int_{-2}^{2}y^2\,dx = \pi\int_{-2}^{2}\left(1-\frac{x^2}{4}\right)dx = \pi\left[x-\frac{x^3}{12}\right]_{-2}^{2}$$

$$= \pi\left\{\left(2-\frac{8}{12}\right)-\left(-2+\frac{8}{12}\right)\right\} = \pi\left(\frac{4}{3}+\frac{4}{3}\right) = \frac{8\pi}{3}$$

($a=2, b=1$ で $\dfrac{4}{3}\pi ab^2 = \dfrac{8\pi}{3}$ に一致。)

採点ポイント
  • $y^2$ の正しい表現 … 3点
  • 積分の実行 … 4点
  • 最終答 $\dfrac{8\pi}{3}$ … 3点
問題 2 LEVEL B 媒介変数×面積

アステロイド $x = 2\cos^3 t$, $y = 2\sin^3 t$ で囲まれる面積を求めよ。

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解答

対称性より、第1象限($t: 0 \to \pi/2$)の面積を4倍する。

$\dfrac{dx}{dt} = -6\cos^2 t\sin t$

第1象限の面積:$t: \pi/2 \to 0$ で $x: 0 \to 2$ だから

$$S_1 = \int_{\pi/2}^{0} 2\sin^3 t \cdot (-6\cos^2 t\sin t)\,dt = 12\int_0^{\pi/2}\sin^4 t\cos^2 t\,dt$$

$\displaystyle\int_0^{\pi/2}\sin^4 t\cos^2 t\,dt = \frac{3\cdot 1\cdot 1}{6\cdot 4\cdot 2}\cdot\frac{\pi}{2} = \frac{\pi}{32}$

$$S = 4 \times 12 \times \frac{\pi}{32} = \frac{48\pi}{32} = \frac{3\pi}{2}$$

($a = 2$ のアステロイドなので $\dfrac{3\pi a^2}{8} = \dfrac{3\pi \cdot 4}{8} = \dfrac{3\pi}{2}$ に一致。)

採点ポイント
  • 対称性の利用 … 2点
  • $dx/dt$ の計算 … 2点
  • $\sin^4 t\cos^2 t$ の積分 … 3点
  • 最終答 $\dfrac{3\pi}{2}$ … 3点
問題 3 LEVEL B 極座標×弧長

カージオイド $r = a(1+\cos\theta)$($a > 0$)の全周の長さを求めよ。

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解答

$\dfrac{dr}{d\theta} = -a\sin\theta$

$$r^2+\left(\frac{dr}{d\theta}\right)^2 = a^2(1+\cos\theta)^2+a^2\sin^2\theta = a^2(2+2\cos\theta) = 4a^2\cos^2\frac{\theta}{2}$$

対称性より:

$$L = 2\int_0^{\pi}2a\left|\cos\frac{\theta}{2}\right|d\theta = 4a\int_0^{\pi}\cos\frac{\theta}{2}\,d\theta = 4a\left[2\sin\frac{\theta}{2}\right]_0^{\pi} = 8a$$

採点ポイント
  • $r^2+(dr/d\theta)^2$ の計算 … 3点
  • 半角公式の利用 … 2点
  • 対称性と積分の実行 … 3点
  • 最終答 $8a$ … 2点
問題 4 LEVEL C サイクロイド×回転体

サイクロイド $x = a(\theta-\sin\theta)$, $y = a(1-\cos\theta)$($0 \le \theta \le 2\pi$)の1アーチと $x$ 軸で囲まれた部分を $x$ 軸のまわりに回転した回転体の体積を求めよ。

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解答

$$V = \pi\int_0^{2\pi a}y^2\,dx = \pi\int_0^{2\pi}a^2(1-\cos\theta)^2 \cdot a(1-\cos\theta)\,d\theta = \pi a^3\int_0^{2\pi}(1-\cos\theta)^3\,d\theta$$

$(1-\cos\theta)^3 = 1-3\cos\theta+3\cos^2\theta-\cos^3\theta$

$= 1-3\cos\theta+\dfrac{3}{2}(1+\cos 2\theta)-\cos\theta(1-\sin^2\theta)$

$= \dfrac{5}{2}-4\cos\theta+\dfrac{3}{2}\cos 2\theta+\cos\theta\sin^2\theta$

各項を $0$ から $2\pi$ で積分すると、$\cos\theta$, $\cos 2\theta$, $\cos\theta\sin^2\theta$ の積分はいずれも $0$。

$$V = \pi a^3 \cdot \frac{5}{2}\cdot 2\pi = 5\pi^2 a^3$$

解説

$(1-\cos\theta)^3$ の展開は複雑ですが、周期 $2\pi$ の積分では $\cos\theta$ や $\cos 2\theta$ の項が消える(定数項だけが残る)ことを利用すると効率的です。別法として半角公式 $1-\cos\theta = 2\sin^2\dfrac{\theta}{2}$ を使い、$(1-\cos\theta)^3 = 8\sin^6\dfrac{\theta}{2}$ とする方法もあります。

採点ポイント
  • 置換の立式 … 2点
  • $(1-\cos\theta)^3$ の展開 … 3点
  • 各項の積分の処理 … 3点
  • 最終答 $5\pi^2 a^3$ … 2点