三角形に続いて、四角形と円をベクトルで扱います。平行四辺形の成立条件、四角形の対角線の性質、そして円のベクトル方程式を学びましょう。「4点が同一円周上にある条件(共円条件)」は入試頻出のテーマです。ベクトルによる記述の統一性と威力を、さらに実感できるはずです。
四角形 $\text{ABCD}$ が平行四辺形であるための条件は、ベクトルで書くと驚くほど簡潔になります。
四角形 $\text{ABCD}$ が平行四辺形 $\Leftrightarrow$ $\overrightarrow{\text{AB}} = \overrightarrow{\text{DC}}$
位置ベクトルで書くと:$\vec{b} - \vec{a} = \vec{c} - \vec{d}$ すなわち $\vec{a} + \vec{c} = \vec{b} + \vec{d}$
※ 最後の形は「対角線の中点が一致する」ことを意味します。$\dfrac{\vec{a}+\vec{c}}{2} = \dfrac{\vec{b}+\vec{d}}{2}$
次の3条件はすべて同値であり、どれか1つを示せば平行四辺形が確定します:
(1) $\overrightarrow{\text{AB}} = \overrightarrow{\text{DC}}$(対辺が平行かつ等長)
(2) $\vec{a} + \vec{c} = \vec{b} + \vec{d}$(対角線の中点が一致)
(3) $\overrightarrow{\text{AB}} = \overrightarrow{\text{DC}}$ かつ $\overrightarrow{\text{AD}} = \overrightarrow{\text{BC}}$(両方の対辺が等しい)
条件 (2) は「中点の一致」を示すだけでよいので、入試では最も使いやすい形です。
ひし形・長方形・正方形は平行四辺形の特殊ケースです。追加条件をベクトルで整理しましょう。
| 図形 | 平行四辺形 + 追加条件 | ベクトルによる条件 |
|---|---|---|
| ひし形 | 隣り合う辺が等しい | $|\overrightarrow{\text{AB}}| = |\overrightarrow{\text{AD}}|$ |
| 長方形 | 1つの角が $90°$ | $\overrightarrow{\text{AB}} \cdot \overrightarrow{\text{AD}} = 0$ |
| 正方形 | ひし形かつ長方形 | $|\overrightarrow{\text{AB}}| = |\overrightarrow{\text{AD}}|$ かつ $\overrightarrow{\text{AB}} \cdot \overrightarrow{\text{AD}} = 0$ |
✗ 誤:$\overrightarrow{\text{AB}} = \overrightarrow{\text{CD}}$ なら平行四辺形(頂点の巡回順がずれている)
○ 正:$\overrightarrow{\text{AB}} = \overrightarrow{\text{DC}}$($\text{AB}$ に対応するのは $\text{DC}$、向きが同じ)
$\overrightarrow{\text{AB}} = \overrightarrow{\text{CD}}$ だと $\text{AB} \parallel \text{CD}$ で向きも同じですが、四角形 $\text{ABCD}$ は平行四辺形にはなりません($\text{ABDC}$ が平行四辺形になります)。頂点の順番を常に意識しましょう。
一般の四角形 $\text{ABCD}$ において、対角線 $\text{AC}$ と $\text{BD}$ の交点 $\text{P}$ を求める問題は、2直線の交点問題に帰着します。
対角線 $\text{AC}$ 上の点:$\vec{p} = (1-s)\vec{a} + s\vec{c}$
対角線 $\text{BD}$ 上の点:$\vec{p} = (1-t)\vec{b} + t\vec{d}$
等しいとおいて $\vec{a}$, $\vec{b}$, $\vec{c}$($\vec{d}$ は $\vec{a}$, $\vec{b}$, $\vec{c}$ で表せる場合が多い)の係数を比較し、$s, t$ を求めます。
四角形 $\text{ABCD}$ の各辺の中点を順に $\text{E}$, $\text{F}$, $\text{G}$, $\text{H}$ とすると、$\text{EFGH}$ は常に平行四辺形になります。
$\vec{e} = \dfrac{\vec{a}+\vec{b}}{2}$, $\vec{f} = \dfrac{\vec{b}+\vec{c}}{2}$, $\vec{g} = \dfrac{\vec{c}+\vec{d}}{2}$, $\vec{h} = \dfrac{\vec{d}+\vec{a}}{2}$
$\overrightarrow{\text{EF}} = \vec{f} - \vec{e} = \dfrac{\vec{c} - \vec{a}}{2}$
$\overrightarrow{\text{HG}} = \vec{g} - \vec{h} = \dfrac{\vec{c} - \vec{a}}{2}$
$\overrightarrow{\text{EF}} = \overrightarrow{\text{HG}}$ なので $\text{EFGH}$ は平行四辺形です。
さらに $\overrightarrow{\text{EF}} = \dfrac{1}{2}\overrightarrow{\text{AC}}$ なので、中点四角形の辺はもとの対角線の半分に平行です。
凸でも凹でも交差していても、4点が定める「四角形」の各辺の中点を結ぶと平行四辺形が得られます。これは中点連結定理のベクトルによる一般化であり、ベクトルの計算が図形の性質を自動的に証明してくれる好例です。
✗ 誤:4点が一直線上にある場合も四角形として扱う
○ 正:4点のうち3点以上が一直線上にある場合は四角形を成さない
上の定理が成り立つのは4点が「一般の位置」にある場合です。3点以上が共線のときは退化したケースとなります。
円は「ある点(中心)から一定距離(半径)にある点の集合」です。この定義をベクトルで直接表現します。
中心 $\text{C}(\vec{c})$、半径 $r$ の円:
$$|\vec{p} - \vec{c}| = r \quad \Leftrightarrow \quad (\vec{p} - \vec{c}) \cdot (\vec{p} - \vec{c}) = r^2$$
※ 2つ目の形は、大きさの条件を内積に書き換えたものです。座標で展開すると $(x-a)^2 + (y-b)^2 = r^2$ に一致します。
2点 $\text{A}(\vec{a})$, $\text{B}(\vec{b})$ を直径の両端とする円上の点 $\text{P}$ は、$\angle\text{APB} = 90°$ を満たします。これを内積で表すと:
$$\overrightarrow{\text{PA}} \cdot \overrightarrow{\text{PB}} = 0 \quad \Leftrightarrow \quad (\vec{a} - \vec{p}) \cdot (\vec{b} - \vec{p}) = 0$$
※ タレスの定理(半円に対する円周角は $90°$)のベクトル表現です。
直径の両端 $\text{A}$, $\text{B}$ が与えられた場合、円の方程式は $\overrightarrow{\text{PA}} \cdot \overrightarrow{\text{PB}} = 0$ という内積の条件で書けます。これは「$\text{P}$ から見て $\text{A}$ と $\text{B}$ が垂直方向にある」ということであり、中心や半径を求めなくても円を表現できる利点があります。
✗ 誤:$\overrightarrow{\text{PA}} \cdot \overrightarrow{\text{PB}} = 0$ を満たす点の集合が「直径 $\text{AB}$ の円」全体
○ 正:$\text{P} = \text{A}$ や $\text{P} = \text{B}$ のときは $\vec{0}$ が含まれるので成り立つが、厳密にはこれらの点で「角度」は定義されない
式としては $\text{A}$, $\text{B}$ を代入すると $\vec{0} \cdot \overrightarrow{\text{AB}} = 0$ で成立します。点の集合としては $\text{A}$, $\text{B}$ を含みますが、幾何学的には直径の端点では円周角が定義されません。
2点 $\text{A}$, $\text{B}$ からの距離の比が一定($\text{PA} : \text{PB} = m : n$, $m \neq n$)である点 $\text{P}$ の軌跡は円になります。これをアポロニウスの円と呼び、ベクトルで $|\vec{p} - \vec{a}|^2 : |\vec{p} - \vec{b}|^2 = m^2 : n^2$ と書けます。展開すると中心と半径が $m, n, \vec{a}, \vec{b}$ で求められ、分点公式との関連も見えてきます。
4点 $\text{A}$, $\text{B}$, $\text{C}$, $\text{D}$ が同一円周上にある(共円である)ことをベクトルで表現する方法を学びます。
4点が共円であることの古典的な判定法は方べきの定理です。対角線の交点 $\text{P}$ について:
$$\text{PA} \cdot \text{PC} = \text{PB} \cdot \text{PD}$$
が成り立つとき、4点は共円です。ベクトルでは内積を使った定式化が有用です。
4点 $\text{A}$, $\text{B}$, $\text{C}$, $\text{D}$ が共円であるための条件は、円周角の定理を利用して次のように表せます。$\text{A}$, $\text{B}$, $\text{C}$ を通る円に $\text{D}$ が乗る条件として考えます。
3点 $\text{A}$, $\text{B}$, $\text{C}$ を通る円の方程式(中心を $\text{O}'$ とする)は:
$$|\vec{p} - \vec{o}'|^2 = R^2$$
この円上に $\text{D}$ があるとき $|\vec{d} - \vec{o}'|^2 = R^2$
3点から外接円の中心 $\vec{o}'$ を求め、$\text{D}$ との距離が $R$ に等しいか確認します。
※ 実用的には、外接円の中心は垂直二等分線の交点として内積の条件から求めます。
✗ 誤:任意の3点を通る円が存在する
○ 正:3点が一直線上にないとき、かつそのときに限り、3点を通る円がただ1つ存在する
3点が共線の場合、「円」ではなく「直線」が得られます。共円条件を議論する前に、3点が共線でないことを確認しましょう。
実際の計算では、4点の座標を用いて $x^2 + y^2 + Dx + Ey + F = 0$ の形に3点を代入して $D, E, F$ を定め、4点目がこの式を満たすかを確認する方法が効率的です。ベクトルとの使い分けが重要になります。
四角形 $\text{ABCD}$ が円に内接するとき、トレミーの定理 $\text{AC} \cdot \text{BD} = \text{AB} \cdot \text{CD} + \text{AD} \cdot \text{BC}$ が成り立ちます。逆にこの等式が成り立てば4点は共円です。ベクトルの大きさ(ノルム)を使って各辺の長さを計算すれば、共円の別の判定法が得られます。
ここまで学んだ四角形・円のベクトル表現を、入試で使えるパターンとして整理しましょう。
| 図形条件 | ベクトルの条件 | キーワード |
|---|---|---|
| 平行四辺形 | $\overrightarrow{\text{AB}} = \overrightarrow{\text{DC}}$ | 対辺が等しい |
| ひし形 | 平行四辺形 + $|\overrightarrow{\text{AB}}| = |\overrightarrow{\text{AD}}|$ | 隣辺が等長 |
| 長方形 | 平行四辺形 + $\overrightarrow{\text{AB}} \cdot \overrightarrow{\text{AD}} = 0$ | 直交条件 |
| 中心 $\vec{c}$, 半径 $r$ の円 | $|\vec{p} - \vec{c}|^2 = r^2$ | 距離一定 |
| 直径 $\text{AB}$ の円 | $\overrightarrow{\text{PA}} \cdot \overrightarrow{\text{PB}} = 0$ | 直角条件 |
| 線分の垂直二等分線 | $|\vec{p} - \vec{a}| = |\vec{p} - \vec{b}|$ | 等距離 |
ベクトルによる図形問題の解法は、結局のところ次の3つの道具に集約されます:
(1) 平行条件:$\vec{a} = k\vec{b}$(実数倍なら平行)
(2) 垂直条件:$\vec{a} \cdot \vec{b} = 0$(内積 $0$ なら垂直)
(3) 長さの条件:$|\vec{a}|^2 = \vec{a} \cdot \vec{a}$(大きさは内積で計算)
あらゆる図形の性質は、これら3つの組み合わせで表現・証明できます。
✗ 誤:平行四辺形を示すために「$\overrightarrow{\text{AB}} = \overrightarrow{\text{DC}}$ かつ $\overrightarrow{\text{AB}} \parallel \overrightarrow{\text{DC}}$ かつ $|\overrightarrow{\text{AB}}| = |\overrightarrow{\text{DC}}|$」と3つの条件を示す
○ 正:$\overrightarrow{\text{AB}} = \overrightarrow{\text{DC}}$ だけで十分(等しいベクトルは平行かつ等長)
ベクトルが等しいことは、平行かつ等長を自動的に含みます。不必要に多くの条件を示すと減点されることはありませんが、時間の無駄です。
平行四辺形は「対辺が平行な四角形」ですが、射影幾何では「平行」は「無限遠点で交わる」ことと同義です。射影幾何の視点では、平行四辺形の2組の対辺の延長はそれぞれ無限遠点で交わり、2つの無限遠点を結ぶ「無限遠直線」が存在します。大学数学ではこの視点により、ユークリッド幾何の定理が射影幾何の特殊ケースとして統一されます。
Q1. 四角形 $\text{ABCD}$ が平行四辺形であるための位置ベクトルの条件は?
Q2. 平行四辺形が長方形であるための追加条件をベクトルで書くと?
Q3. 中心 $(1, 2)$、半径 $3$ の円のベクトル方程式は?
Q4. 2点 $\text{A}$, $\text{B}$ を直径とする円上の点 $\text{P}$ が満たすベクトルの条件は?
Q5. 四角形の各辺の中点を結ぶとどのような図形が得られるか?
3点 $\text{A}(1, 3)$, $\text{B}(4, 1)$, $\text{C}(6, 5)$ に対し、四角形 $\text{ABCD}$ が平行四辺形になるように点 $\text{D}$ の座標を求めよ。
$\overrightarrow{\text{AB}} = \overrightarrow{\text{DC}}$ より $\vec{c} - \vec{d} = \vec{b} - \vec{a}$
$\vec{d} = \vec{c} - (\vec{b} - \vec{a}) = (6, 5) - (3, -2) = (3, 7)$
検算:$\vec{a} + \vec{c} = (7, 8)$, $\vec{b} + \vec{d} = (7, 8)$ ✓
よって $\text{D}(3, 7)$
2点 $\text{A}(0, 0)$, $\text{B}(6, 0)$ を直径の両端とする円上の点 $\text{P}(x, y)$ について、
(1) $\overrightarrow{\text{PA}} \cdot \overrightarrow{\text{PB}} = 0$ を座標で展開し、円の方程式を求めよ。
(2) この円上の点で $y > 0$ を満たす点のうち、$\overrightarrow{\text{OA}} + \overrightarrow{\text{OP}}$($\text{O}$ は原点)の大きさが最大になる点 $\text{P}$ を求めよ。
(1) $\overrightarrow{\text{PA}} = (0-x, 0-y) = (-x, -y)$, $\overrightarrow{\text{PB}} = (6-x, -y)$
$\overrightarrow{\text{PA}} \cdot \overrightarrow{\text{PB}} = -x(6-x) + (-y)(-y) = -6x + x^2 + y^2 = 0$
$x^2 + y^2 - 6x = 0$ すなわち $(x-3)^2 + y^2 = 9$
中心 $(3, 0)$、半径 $3$ の円。
(2) $\text{O} = \text{A}$ なので $\overrightarrow{\text{OA}} + \overrightarrow{\text{OP}} = \vec{0} + (x, y) = (x, y)$
大きさ $= \sqrt{x^2 + y^2} = \sqrt{6x}$($\because x^2 + y^2 = 6x$)
$y > 0$ の条件下で $x$ が最大のとき大きさも最大。円上で $x$ が最大になるのは $x = 6$($y = 0$ だが $y > 0$ が必要)なので $x$ は $6$ 未満。
$x = 6$ は不可。$y > 0$ のもとで $x$ を最大化すると $x \to 6$, $y \to 0^+$ に近づきますが到達しません。
ただし大きさの最大値を求める問題なので、$x^2 + y^2 = 6x$ かつ $y > 0$ で $\sqrt{x^2+y^2} = \sqrt{6x}$ の最大値は $x = 6$ のとき $\sqrt{36} = 6$ ですが、$y = 0$ で $y > 0$ を満たしません。
よって上限 $6$ には達せず、最大値は存在しません。
(問題を $y \ge 0$ に修正する場合:$\text{P} = (6, 0) = \text{B}$ で最大値 $6$)
四角形 $\text{ABCD}$ において $\text{A}(\vec{a})$, $\text{B}(\vec{b})$, $\text{C}(\vec{c})$, $\text{D}(\vec{d})$ とする。各辺 $\text{AB}$, $\text{BC}$, $\text{CD}$, $\text{DA}$ の中点をそれぞれ $\text{E}$, $\text{F}$, $\text{G}$, $\text{H}$ とするとき、
(1) $\text{EFGH}$ が平行四辺形であることを示せ。
(2) $\text{EFGH}$ がひし形になる条件を、もとの四角形の対角線を用いて述べよ。
(1) $\overrightarrow{\text{EF}} = \vec{f} - \vec{e} = \dfrac{\vec{b}+\vec{c}}{2} - \dfrac{\vec{a}+\vec{b}}{2} = \dfrac{\vec{c}-\vec{a}}{2}$
$\overrightarrow{\text{HG}} = \vec{g} - \vec{h} = \dfrac{\vec{c}+\vec{d}}{2} - \dfrac{\vec{d}+\vec{a}}{2} = \dfrac{\vec{c}-\vec{a}}{2}$
$\overrightarrow{\text{EF}} = \overrightarrow{\text{HG}}$ なので $\text{EFGH}$ は平行四辺形。□
(2) $\overrightarrow{\text{EF}} = \dfrac{\vec{c}-\vec{a}}{2} = \dfrac{1}{2}\overrightarrow{\text{AC}}$、$\overrightarrow{\text{EH}} = \vec{h} - \vec{e} = \dfrac{\vec{d}-\vec{b}}{2} = \dfrac{1}{2}\overrightarrow{\text{BD}}$
$\text{EFGH}$ がひし形 $\Leftrightarrow$ $|\overrightarrow{\text{EF}}| = |\overrightarrow{\text{EH}}|$ $\Leftrightarrow$ $|\overrightarrow{\text{AC}}| = |\overrightarrow{\text{BD}}|$
すなわち、もとの四角形の2本の対角線の長さが等しいことが条件です。
$\triangle\text{ABC}$ において $|\overrightarrow{\text{AB}}| = 5$, $|\overrightarrow{\text{AC}}| = 4$, $\overrightarrow{\text{AB}} \cdot \overrightarrow{\text{AC}} = 10$ とする。辺 $\text{AB}$ を $2 : 3$ に内分する点を $\text{D}$、辺 $\text{AC}$ を $1 : 3$ に内分する点を $\text{E}$ とするとき、4点 $\text{B}$, $\text{C}$, $\text{D}$, $\text{E}$ が同一円周上にあるかどうか判定せよ。
$\overrightarrow{\text{AB}} = \vec{b}$, $\overrightarrow{\text{AC}} = \vec{c}$ とおきます。
$\text{D}$ は $\text{AB}$ 上で $\text{AD} : \text{DB} = 2 : 3$ なので $\overrightarrow{\text{AD}} = \dfrac{2}{5}\vec{b}$
$\text{E}$ は $\text{AC}$ 上で $\text{AE} : \text{EC} = 1 : 3$ なので $\overrightarrow{\text{AE}} = \dfrac{1}{4}\vec{c}$
$\text{B}$, $\text{C}$, $\text{D}$, $\text{E}$ が共円であるための条件として、方べきの定理を用います。
直線 $\text{AB}$ と直線 $\text{AC}$ は点 $\text{A}$ で交わり、$\text{A}$ から見た4点の位置を考えます。
方べきの定理:4点が共円 $\Leftrightarrow$ $\text{AD} \cdot \text{AB} = \text{AE} \cdot \text{AC}$
$\text{AD} \cdot \text{AB} = \dfrac{2}{5} \cdot 5 \cdot 5 = \dfrac{2}{5} \times 25$ いや、$\text{AD} = \dfrac{2}{5} \times 5 = 2$, $\text{AB} = 5$ なので $\text{AD} \cdot \text{AB} = 2 \times 5 = 10$
$\text{AE} = \dfrac{1}{4} \times 4 = 1$, $\text{AC} = 4$ なので $\text{AE} \cdot \text{AC} = 1 \times 4 = 4$
$\text{AD} \cdot \text{AB} = 10 \neq 4 = \text{AE} \cdot \text{AC}$
方べきの定理の条件を満たさないので、4点 $\text{B}$, $\text{C}$, $\text{D}$, $\text{E}$ は同一円周上にない。
方べきの定理(の逆)は共円条件の判定に非常に便利です。点 $\text{A}$ を通る2直線がそれぞれ円と2点で交わるとき、$\text{A}$ からの距離の積が等しいことが共円の必要十分条件です。ベクトルの大きさの計算と組み合わせることで、内積の情報から共円を判定できます。