数列をいくつかのグループ(群)に分けて考える問題を群数列といいます。「第 $n$ 群の最初の項は何番目か」「全体の第100項は何か」といった問いに答えるために、各群の項数の累計や群内の構造を正確に把握する必要があります。
自然数の列 $1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, \ldots$ を次のようにグループ分けします。
$$\underbrace{1}_{第1群}, \underbrace{2, 3}_{第2群}, \underbrace{4, 5, 6}_{第3群}, \underbrace{7, 8, 9, 10}_{第4群}, \ldots$$
第 $n$ 群に $n$ 個の項が入る場合、このようなグループ分けされた数列を群数列といいます。
群数列の問題を解くときは、次の3つの量を把握することが重要です。
(1) 第 $n$ 群に含まれる項数
(2) 第1群から第 $n$ 群までの項数の合計(累計)
(3) 第 $n$ 群の最初の項が元の数列全体で何番目か
奇数の列 $1, 3, 5, 7, 9, 11, 13, 15, \ldots$ を第 $n$ 群に $n$ 個ずつ入れる:
第1群:$1$(1個)
第2群:$3, 5$(2個)
第3群:$7, 9, 11$(3個)
第4群:$13, 15, 17, 19$(4個)
第 $n$ 群の項数:$n$。第1群から第 $n$ 群までの項数の合計:$\dfrac{n(n+1)}{2}$
群数列の問題では、最初の数群を具体的に書き出して構造を確認してから公式を立てましょう。いきなり一般化しようとするとミスの原因になります。
第 $n$ 群に $n$ 個の項が入る場合(最も典型的なパターン)を考えます。
第 $n-1$ 群までの項数の合計:$\displaystyle\sum_{k=1}^{n-1} k = \frac{(n-1)n}{2}$
第 $n$ 群の最初の項は全体で $\dfrac{(n-1)n}{2} + 1$ 番目
第 $n$ 群の最後の項は全体で $\dfrac{n(n+1)}{2}$ 番目
例:自然数 $1, 2, 3, \ldots$ を第 $n$ 群に $n$ 個ずつ入れるとき、第 $n$ 群の最初の項を求めよ。
第 $n$ 群の最初は全体の $\dfrac{(n-1)n}{2} + 1$ 番目。元の数列は $a_k = k$ なので
第 $n$ 群の最初の項 $= \dfrac{(n-1)n}{2} + 1 = \dfrac{n^2 - n + 2}{2}$
確認:$n=1$: $1$、$n=2$: $2$、$n=3$: $4$、$n=4$: $7$ ✓
✗ 第 $n$ 群の最初の項番号 $= \dfrac{n(n+1)}{2} + 1$(第 $n$ 群までの合計を使ってしまった)
✓ 第 $n$ 群の最初の項番号 $= \dfrac{(n-1)n}{2} + 1$(第 $n-1$ 群までの合計 $+ 1$)
最初の項番号は、その群の「前の群まで」の合計に $1$ を足したものです。
「全体の第100番目の項はどの群に属するか」という問題の解き方を学びます。
第1群から第 $n$ 群までの項数の合計を $T_n$ とする。
$$T_{n-1} < N \leq T_n$$
を満たす $n$ を求めれば、第 $N$ 項は第 $n$ 群に属する。
また、第 $n$ 群の中での位置は $N - T_{n-1}$ 番目。
例:自然数を第 $n$ 群に $n$ 個ずつ入れるとき、全体の第50項を求めよ。
$T_n = \dfrac{n(n+1)}{2}$ より
$T_9 = 45$、$T_{10} = 55$ なので $45 < 50 \leq 55$
よって第50項は第10群に属する。第10群の中では $50 - 45 = 5$ 番目。
第10群の最初の項は全体の第46番目、つまり $46$。
第10群の5番目 $= 46 + 4 = 50$
よって全体の第50項は $50$。(自然数の列なので当然 $50$ です。)
例:奇数 $1, 3, 5, 7, \ldots$ を第 $n$ 群に $n$ 個ずつ入れるとき、全体の第50項を求めよ。
元の数列は $a_k = 2k - 1$(全体の第 $k$ 項は $2k-1$)
$T_9 = 45$、$T_{10} = 55$ より、第50項は第10群の $50 - 45 = 5$ 番目。
全体の第50項 $= 2(50) - 1 = 99$
Step 1:不等式 $T_{n-1} < N \leq T_n$ を解いて、所属する群 $n$ を特定する。
Step 2:群の中での位置 $p = N - T_{n-1}$ を求める。
Step 3:第 $n$ 群の $p$ 番目の項の値を求める。
第 $n$ 群に含まれるすべての項の和を求める問題も頻出です。
例:自然数を $1 | 2, 3 | 4, 5, 6 | 7, 8, 9, 10 | \ldots$ のように第 $n$ 群に $n$ 個ずつ入れるとき、第 $n$ 群の和を求めよ。
第 $n$ 群の最初の項 $= \dfrac{(n-1)n}{2} + 1 = \dfrac{n^2 - n + 2}{2}$
第 $n$ 群は公差 $1$ の $n$ 個の連続自然数なので、最後の項 $= \dfrac{n^2 - n + 2}{2} + (n-1) = \dfrac{n^2 + n}{2}$
第 $n$ 群の和 $= \dfrac{n}{2}\left(\dfrac{n^2-n+2}{2} + \dfrac{n^2+n}{2}\right) = \dfrac{n}{2} \cdot \dfrac{2n^2+2}{2} = \dfrac{n(n^2+1)}{2}$
確認:$n=1$: $\dfrac{1 \cdot 2}{2} = 1$、$n=2$: $\dfrac{2 \cdot 5}{2} = 5 = 2+3$、$n=3$: $\dfrac{3 \cdot 10}{2} = 15 = 4+5+6$ ✓
全体の和 $S_N$ が使える場合:
$$(\text{第 } n \text{ 群の和}) = S_{T_n} - S_{T_{n-1}}$$
ここで $T_n$ は第1群から第 $n$ 群までの項数の合計です。
第 $n$ 群が等差数列の一部であることが多いので、第 $n$ 群の初項・末項・項数がわかれば等差数列の和の公式 $S = \dfrac{(\text{項数})(\text{初項} + \text{末項})}{2}$ で計算するのが効率的です。
入試で出題される群数列の代表的なパターンを整理します。
$$\underbrace{1}_{第1群},\; \underbrace{2, 2}_{第2群},\; \underbrace{3, 3, 3}_{第3群},\; \underbrace{4, 4, 4, 4}_{第4群},\; \ldots$$
第 $n$ 群は数 $n$ が $n$ 個並んでいます。第 $n$ 群の和 $= n \cdot n = n^2$。
$$\frac{1}{1},\; \frac{1}{2}, \frac{2}{2},\; \frac{1}{3}, \frac{2}{3}, \frac{3}{3},\; \frac{1}{4}, \frac{2}{4}, \frac{3}{4}, \frac{4}{4},\; \ldots$$
第 $n$ 群には分母が $n$ の分数 $\dfrac{1}{n}, \dfrac{2}{n}, \ldots, \dfrac{n}{n}$ の $n$ 個が入ります。
例:上の分数の列で全体の第30項を求めよ。
$T_n = \dfrac{n(n+1)}{2}$ より $T_7 = 28$、$T_8 = 36$
$28 < 30 \leq 36$ なので第8群に属し、群の中では $30 - 28 = 2$ 番目。
第8群の2番目 $= \dfrac{2}{8} = \dfrac{1}{4}$
✗ すべての群数列で第 $n$ 群の項数が $n$ だと思い込む
✓ 群の項数が $2n-1$(奇数個)、$2^{n-1}$(指数的に増加)などのパターンもある
問題文をよく読み、各群の項数の規則を正しく把握することが出発点です。
Q1. 自然数を第 $n$ 群に $n$ 個ずつ入れるとき、第5群の最初の項を求めよ。
Q2. 自然数を第 $n$ 群に $n$ 個ずつ入れるとき、第 $n$ 群の和を求めよ。
Q3. 奇数を第 $n$ 群に $n$ 個ずつ入れるとき、第3群の最後の項を求めよ。
Q4. 全体の第20項がどの群に属するか求めよ(各群 $n$ 個)。
Q5. 数列 $1 | 2,2 | 3,3,3 | 4,4,4,4 | \ldots$ の第 $n$ 群の和を求めよ。
自然数を次のように群に分ける。
$1 \mid 2, 3 \mid 4, 5, 6 \mid 7, 8, 9, 10 \mid \cdots$
第 $n$ 群の最初の項と、第 $n$ 群の和をそれぞれ求めよ。
第 $n-1$ 群までの項数 $= \dfrac{(n-1)n}{2}$
第 $n$ 群の最初の項 $= \dfrac{(n-1)n}{2} + 1 = \dfrac{n^2-n+2}{2}$
第 $n$ 群の最後の項 $= \dfrac{n(n+1)}{2}$
第 $n$ 群の和 $= \dfrac{n}{2}\left(\dfrac{n^2-n+2}{2} + \dfrac{n^2+n}{2}\right) = \dfrac{n(n^2+1)}{2}$
奇数の列 $1, 3, 5, 7, 9, \ldots$ を第 $n$ 群に $n$ 個ずつ入れるとき、全体の第100項はどの群に属し、その値を求めよ。
$T_n = \dfrac{n(n+1)}{2}$ で $T_{13} = 91$、$T_{14} = 105$
$91 < 100 \leq 105$ より第14群に属する。群の中では $100 - 91 = 9$ 番目。
全体の第100項は奇数列の第100項 $= 2 \times 100 - 1 = 199$
全体の第 $k$ 項の値は $2k-1$(奇数の一般項)なので、所属する群がわかれば値は直ちに求まります。群の中での位置 $p$ は、群ごとの構造をさらに調べる場合に使います。
次のように分数を群に分ける。
$\dfrac{1}{1} \;\Big|\; \dfrac{1}{2},\, \dfrac{2}{2} \;\Big|\; \dfrac{1}{3},\, \dfrac{2}{3},\, \dfrac{3}{3} \;\Big|\; \cdots$
全体で第45項の値を求めよ。
$T_n = \dfrac{n(n+1)}{2}$。$T_8 = 36$、$T_9 = 45$
$36 < 45 \leq 45$ より第9群の最後の項($45 - 36 = 9$ 番目)。
第9群の9番目 $= \dfrac{9}{9} = 1$
自然数の列を第 $n$ 群に $2n - 1$ 個ずつ入れる。
$1 \mid 2, 3, 4 \mid 5, 6, 7, 8, 9 \mid 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16 \mid \cdots$
(1) 第 $n$ 群の最初の項を求めよ。
(2) 第 $n$ 群の和を求めよ。
(1) 第 $n-1$ 群までの項数 $= \sum_{k=1}^{n-1}(2k-1) = (n-1)^2$
第 $n$ 群の最初 $= (n-1)^2 + 1$
確認:$n=1$: $1$, $n=2$: $2$, $n=3$: $5$, $n=4$: $10$ ✓
(2) 第 $n$ 群は $(n-1)^2+1$ から始まる $(2n-1)$ 個の連続自然数。
最後の項 $= (n-1)^2 + (2n-1) = n^2$
和 $= \dfrac{(2n-1)\{(n-1)^2+1+n^2\}}{2} = \dfrac{(2n-1)(2n^2-2n+2)}{2} = (2n-1)(n^2-n+1)$
確認:$n=1$: $1 \cdot 1 = 1$、$n=2$: $3 \cdot 3 = 9 = 2+3+4$、$n=3$: $5 \cdot 7 = 35 = 5+6+7+8+9$ ✓
$\sum_{k=1}^{n}(2k-1) = n^2$ は奇数の和の公式です。第 $n-1$ 群までの項数が $(n-1)^2$ と簡潔な式になるのがポイントです。第 $n$ 群の最後の項が $n^2$ になることも覚えておくと便利です。