第5章 積分法

定積分の計算
─ 不定積分から「値」を確定する

不定積分は「関数の族」を求める操作でしたが、定積分は具体的な数値を返します。微積分学の基本定理により、定積分は原始関数の差として計算できます。この記事では、定積分の定義・基本性質から、絶対値を含む場合の処理まで、計算の土台を固めます。

1定積分の定義 ─ 面積から始まる発想

不定積分では「微分の逆」として関数の族を求めました。定積分は、それとは異なる出発点を持ちます。もともとは「曲線の下の面積をどう計算するか」という問題から生まれた概念です。

区間を細かく分割して足し合わせる

関数 $f(x)$ が区間 $[a, b]$ で連続であるとき、この区間を $n$ 等分し、各小区間の幅を $\Delta x = \dfrac{b-a}{n}$ とします。分点を $x_k = a + k\Delta x$($k = 0, 1, \ldots, n$)とし、各小区間で $f(x_k)$ の値を取ると、短冊状の長方形の面積の和

$$S_n = \sum_{k=0}^{n-1} f(x_k) \Delta x$$

が得られます。$n \to \infty$ としたときの極限値が定積分です。

📐 定積分の定義

$$\int_a^b f(x)\,dx = \lim_{n \to \infty} \sum_{k=0}^{n-1} f(x_k) \Delta x$$

$a$ を下端、$b$ を上端と呼びます。$f(x)$ を被積分関数、$x$ を積分変数といいます。

💡 ここが本質:定積分は「無限に細かい足し算」

定積分の記号 $\int$ は、Sum(和)の頭文字 S を引き伸ばしたものです。$dx$ は「無限小の幅」を意味します。つまり $\int_a^b f(x)\,dx$ は「$f(x)$ の値と微小幅 $dx$ の積を、$a$ から $b$ まで足し合わせる」という操作を表しています。

この「分割して足す」という発想こそが、積分の原点です。面積・体積・弧長・仕事量など、さまざまな量がこの枠組みで計算できます。

⚠️ 落とし穴:定積分は「面積」そのものではない

✗ 誤:$\int_a^b f(x)\,dx$ は $y = f(x)$ と $x$ 軸の間の面積

○ 正:$f(x) \ge 0$ のときに限り面積と一致する。$f(x) < 0$ の区間では負の値を返す

面積を求めるには $\int_a^b |f(x)|\,dx$ とする必要があります。定積分はあくまで「符号付き面積」です。

2微積分学の基本定理 ─ なぜ原始関数で計算できるのか

定積分を定義通りに極限で計算するのは大変です。しかし、微積分学の基本定理のおかげで、原始関数を求めるだけで定積分の値を計算できます。

📐 微積分学の基本定理

$f(x)$ が区間 $[a, b]$ で連続で、$F'(x) = f(x)$ であるとき:

$$\int_a^b f(x)\,dx = F(b) - F(a) = \Big[F(x)\Big]_a^b$$

$\Big[F(x)\Big]_a^b$ は「$F(x)$ に $x = b$ を代入した値から $x = a$ を代入した値を引く」という意味です。

この定理が成り立つ理由を直感的に理解しましょう。$F(x)$ は $f(x)$ の原始関数、つまり $F'(x) = f(x)$ です。$F(x)$ の「$a$ から $b$ までの変化量」は $F(b) - F(a)$ ですが、変化量はまさに変化率 $f(x)$ の累積(足し合わせ)にほかなりません。

▷ 微積分学の基本定理の証明の概要

$G(x) = \int_a^x f(t)\,dt$ と定義すると、$f$ が連続のとき $G'(x) = f(x)$ が成り立ちます(微分と積分の関係)。

$F'(x) = f(x)$ も成り立つので、$G(x) - F(x) = C$(定数)。

$x = a$ を代入すると $G(a) - F(a) = C$ で、$G(a) = \int_a^a f(t)\,dt = 0$ より $C = -F(a)$。

$x = b$ を代入すると $G(b) = F(b) + C = F(b) - F(a)$。

よって $\int_a^b f(t)\,dt = F(b) - F(a)$。

💡 ここが本質:微分と積分は「逆演算」

微分は「瞬間の変化率」を求める操作、積分は「変化率の累積」を求める操作です。この2つが逆の関係にあるからこそ、定積分を原始関数の差で計算できます。これは数学で最も重要な発見の一つであり、ニュートンとライプニッツが独立に到達しました。

⚠️ 落とし穴:積分定数 $C$ は消える

✗ 誤:$\int_1^2 x\,dx = \left[\dfrac{x^2}{2} + C\right]_1^2 = \left(\dfrac{4}{2} + C\right) - \left(\dfrac{1}{2} + C\right)$ と書いて混乱

○ 正:定積分では $F(b) - F(a)$ の差を取るので $C$ は必ず打ち消される。書く必要はない

不定積分では $+C$ が必須ですが、定積分では不要です。

🔬 深掘り:リーマン積分とルベーグ積分

ここで紹介した「区間を分割して足す」方法はリーマン積分と呼ばれます。大学ではより一般的なルベーグ積分を学びます。ルベーグ積分では、$x$ 軸方向ではなく $y$ 軸方向に分割するという発想の転換があり、より広いクラスの関数を積分できるようになります。

3定積分の基本性質と計算

定積分には、不定積分と同様の線形性が成り立ちます。加えて、定積分ならではの性質もあります。

📐 定積分の基本性質

線形性:

$$\int_a^b \{k f(x) + l g(x)\}\,dx = k\int_a^b f(x)\,dx + l\int_a^b g(x)\,dx$$

区間の分割:

$$\int_a^b f(x)\,dx = \int_a^c f(x)\,dx + \int_c^b f(x)\,dx \quad (a \le c \le b)$$

上端・下端の交換:

$$\int_a^b f(x)\,dx = -\int_b^a f(x)\,dx, \quad \int_a^a f(x)\,dx = 0$$

基本的な定積分の計算

微積分学の基本定理を使って、具体的に計算してみましょう。

$$\int_1^3 (2x + 1)\,dx = \left[x^2 + x\right]_1^3 = (9 + 3) - (1 + 1) = 10$$

$$\int_0^{\pi} \sin x\,dx = \left[-\cos x\right]_0^{\pi} = (-\cos\pi) - (-\cos 0) = 1 + 1 = 2$$

$$\int_1^e \frac{1}{x}\,dx = \left[\log x\right]_1^e = \log e - \log 1 = 1$$

⚠️ 落とし穴:代入時の符号ミス

✗ 誤:$\left[-\cos x\right]_0^{\pi} = -\cos\pi - \cos 0 = 1 - 1 = 0$

○ 正:$\left[-\cos x\right]_0^{\pi} = (-\cos\pi) - (-\cos 0) = 1 - (-1) = 2$

$\Big[F(x)\Big]_a^b = F(b) - F(a)$ では、$F(x)$ 全体に $b, a$ を代入します。$F(x) = -\cos x$ なら、$F(0) = -\cos 0 = -1$ です。マイナスを含む原始関数の代入では特に注意しましょう。

三角関数・指数関数の定積分

不定積分の結果をそのまま利用して、上端・下端を代入します。

$$\int_0^{\pi/2} \cos x\,dx = \left[\sin x\right]_0^{\pi/2} = 1 - 0 = 1$$

$$\int_0^1 e^x\,dx = \left[e^x\right]_0^1 = e - 1$$

$$\int_1^2 \frac{1}{x^2}\,dx = \int_1^2 x^{-2}\,dx = \left[-\frac{1}{x}\right]_1^2 = -\frac{1}{2} + 1 = \frac{1}{2}$$

🔬 深掘り:定積分の値と面積の関係

$\int_0^{\pi} \sin x\,dx = 2$ は、$y = \sin x$ と $x$ 軸で囲まれる「山」の部分の面積が $2$ であることを意味します。一方、$\int_0^{2\pi} \sin x\,dx = 0$ です。これは $[0, \pi]$ の正の部分と $[\pi, 2\pi]$ の負の部分が打ち消し合うからです。面積として $4$ を求めるには $\int_0^{2\pi} |\sin x|\,dx = 4$ とします。

4絶対値を含む定積分 ─ 場合分けの技術

被積分関数に絶対値が含まれる場合、絶対値の中身の正負で場合分けして、区間を分割する必要があります。

💡 ここが本質:絶対値は「符号で区間を分ける」

$|g(x)|$ を積分するには、$g(x) = 0$ となる点を境に区間を分割します。$g(x) \ge 0$ の区間ではそのまま $g(x)$ を、$g(x) < 0$ の区間では $-g(x)$ を積分して足し合わせます。

つまり、絶対値を外してから積分するのであって、「積分してから絶対値を付ける」のではありません。

$\int_0^{2\pi} |\sin x|\,dx$ の計算

$\sin x \ge 0$($0 \le x \le \pi$)と $\sin x < 0$($\pi < x \le 2\pi$)で分けます。

$$\int_0^{2\pi} |\sin x|\,dx = \int_0^{\pi} \sin x\,dx + \int_{\pi}^{2\pi} (-\sin x)\,dx$$

$$= \left[-\cos x\right]_0^{\pi} + \left[\cos x\right]_{\pi}^{2\pi} = 2 + 2 = 4$$

$\int_{-1}^{3} |x - 1|\,dx$ の計算

$x - 1 = 0$、すなわち $x = 1$ で符号が変わります。

$$\int_{-1}^{3} |x - 1|\,dx = \int_{-1}^{1} (1 - x)\,dx + \int_{1}^{3} (x - 1)\,dx$$

$$= \left[x - \frac{x^2}{2}\right]_{-1}^{1} + \left[\frac{x^2}{2} - x\right]_{1}^{3}$$

$$= \left(\frac{1}{2}\right) - \left(-\frac{3}{2}\right) + \left(\frac{3}{2}\right) - \left(-\frac{1}{2}\right) = 2 + 2 = 4$$

⚠️ 落とし穴:絶対値を外さずに積分してはいけない

✗ 誤:$\int_{-1}^{3} |x-1|\,dx = \left|\int_{-1}^{3} (x-1)\,dx\right| = |2| = 2$

○ 正:先に $|x-1|$ を場合分けしてから積分する。答えは $4$

$\left|\int f\,dx\right| \neq \int |f|\,dx$ です。絶対値と積分の順序は交換できません。

$\int_0^2 |x^2 - 1|\,dx$ の計算

$x^2 - 1 = 0$ の解は $x = \pm 1$ です。区間 $[0, 2]$ 内では $x = 1$ が境界になります。

$0 \le x \le 1$ で $x^2 - 1 \le 0$、$1 \le x \le 2$ で $x^2 - 1 \ge 0$ ですから:

$$\int_0^2 |x^2 - 1|\,dx = \int_0^1 (1 - x^2)\,dx + \int_1^2 (x^2 - 1)\,dx$$

$$= \left[x - \frac{x^3}{3}\right]_0^1 + \left[\frac{x^3}{3} - x\right]_1^2 = \frac{2}{3} + \frac{2}{3} = \frac{4}{3}$$

5定積分と不等式への接続

定積分には、不等式に関する重要な性質があります。これは後に「定積分の置換積分」「面積・体積の計算」で不可欠になります。

📐 定積分の大小関係

区間 $[a, b]$ で $f(x) \le g(x)$ ならば:

$$\int_a^b f(x)\,dx \le \int_a^b g(x)\,dx$$

特に $f(x) \ge 0$ ならば $\int_a^b f(x)\,dx \ge 0$

この性質は直感的に明らかです。$f(x) \le g(x)$ ならば $y = g(x)$ のグラフの方が上にあり、下の面積は大きくなります。

定積分の評価

$a \le x \le b$ で $m \le f(x) \le M$ ならば:

$$m(b - a) \le \int_a^b f(x)\,dx \le M(b - a)$$

これは被積分関数を定数で上下から評価する方法です。積分の値の範囲を知りたいときに使います。

⚠️ 落とし穴:$a > b$ のときの不等式の向き

✗ 誤:$f(x) \ge 0$ ならば常に $\int_a^b f(x)\,dx \ge 0$

○ 正:$a \le b$ のときに限る。$a > b$ なら $\int_a^b f(x)\,dx = -\int_b^a f(x)\,dx \le 0$ になりうる

定積分の不等式を使うときは、必ず $a \le b$(下端 $\le$ 上端)を確認しましょう。

🔬 深掘り:積分の平均値定理

$f(x)$ が $[a, b]$ で連続ならば、$\int_a^b f(x)\,dx = f(c)(b-a)$ を満たす $c \in (a, b)$ が存在します。これは積分の平均値定理と呼ばれ、$\dfrac{1}{b-a}\int_a^b f(x)\,dx$ が $f$ の平均値であることを示しています。大学の解析学で重要な役割を果たします。

まとめ

✅ 確認テスト

Q1. $\int_0^2 (3x^2 - 2x)\,dx$ の値を求めよ。

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$\left[x^3 - x^2\right]_0^2 = (8 - 4) - 0 = 4$

Q2. $\int_0^{\pi/2} \sin x\,dx$ の値を求めよ。

▶ 答えを見る
$\left[-\cos x\right]_0^{\pi/2} = 0 - (-1) = 1$

Q3. $\int_a^b f(x)\,dx = -\int_b^a f(x)\,dx$ が成り立つ理由を説明せよ。

▶ 答えを見る
$\int_a^b f(x)\,dx = F(b) - F(a)$、$\int_b^a f(x)\,dx = F(a) - F(b) = -(F(b)-F(a))$ より成立。上端と下端を入れ替えると符号が反転する。

Q4. $\int_{-2}^{2} |x|\,dx$ の値を求めよ。

▶ 答えを見る
$\int_{-2}^{0}(-x)\,dx + \int_0^2 x\,dx = \left[-\dfrac{x^2}{2}\right]_{-2}^{0} + \left[\dfrac{x^2}{2}\right]_0^2 = 2 + 2 = 4$

Q5. 定積分で積分定数 $C$ を書かなくてよい理由を述べよ。

▶ 答えを見る
$\Big[F(x) + C\Big]_a^b = (F(b) + C) - (F(a) + C) = F(b) - F(a)$ となり、$C$ が打ち消されるため。

入試問題演習

問題 1 LEVEL A 定積分の計算

次の定積分を求めよ。

(1) $\displaystyle\int_1^4 \left(\sqrt{x} + \frac{1}{\sqrt{x}}\right)dx$

(2) $\displaystyle\int_0^{\pi} (1 + \cos x)^2\,dx$

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解答

(1) $\int_1^4 (x^{1/2} + x^{-1/2})\,dx = \left[\dfrac{2}{3}x^{3/2} + 2x^{1/2}\right]_1^4$

$= \left(\dfrac{2}{3}\cdot 8 + 2\cdot 2\right) - \left(\dfrac{2}{3} + 2\right) = \dfrac{16}{3} + 4 - \dfrac{2}{3} - 2 = \dfrac{14}{3} + 2 = \dfrac{20}{3}$

(2) $(1+\cos x)^2 = 1 + 2\cos x + \cos^2 x = 1 + 2\cos x + \dfrac{1+\cos 2x}{2} = \dfrac{3}{2} + 2\cos x + \dfrac{\cos 2x}{2}$

$\int_0^{\pi}\left(\dfrac{3}{2} + 2\cos x + \dfrac{\cos 2x}{2}\right)dx = \left[\dfrac{3x}{2} + 2\sin x + \dfrac{\sin 2x}{4}\right]_0^{\pi} = \dfrac{3\pi}{2}$

採点ポイント
  • 指数を正しく書き換えての積分 … 3点
  • $\cos^2 x$ の半角公式の利用 … 3点
  • 代入計算の正確さ … 4点
問題 2 LEVEL B 絶対値の定積分

$\displaystyle\int_0^3 |x^2 - 2x|\,dx$ を求めよ。

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解答

$x^2 - 2x = x(x-2) = 0$ より $x = 0, 2$。

$0 \le x \le 2$ で $x^2 - 2x \le 0$、$2 \le x \le 3$ で $x^2 - 2x \ge 0$。

$$\int_0^3 |x^2-2x|\,dx = \int_0^2 (2x-x^2)\,dx + \int_2^3 (x^2-2x)\,dx$$

$$= \left[x^2 - \frac{x^3}{3}\right]_0^2 + \left[\frac{x^3}{3} - x^2\right]_2^3$$

$$= \left(4 - \frac{8}{3}\right) + \left(9 - 9 - \frac{8}{3} + 4\right) = \frac{4}{3} + \frac{4}{3} = \frac{8}{3}$$

採点ポイント
  • $x(x-2) = 0$ の解から区間を正しく分割 … 3点
  • 各区間で符号を正しく処理 … 4点
  • 計算結果 $\dfrac{8}{3}$ … 3点
問題 3 LEVEL B 定積分と不等式

$0 \le x \le \dfrac{\pi}{2}$ で $\sin x \le x$ が成り立つことを利用して、次の不等式を示せ。

$$1 \le \int_0^{\pi/2} \frac{x}{\sin x}\,dx$$

(ただし $x = 0$ における被積分関数の値は極限値 $1$ で定めるものとする。)

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解答

$0 < x \le \dfrac{\pi}{2}$ で $\sin x \le x$ より $\dfrac{x}{\sin x} \ge 1$。

$x = 0$ では極限値が $1$ であるから、$0 \le x \le \dfrac{\pi}{2}$ で $\dfrac{x}{\sin x} \ge 1$。

定積分の不等式より:

$$\int_0^{\pi/2} \frac{x}{\sin x}\,dx \ge \int_0^{\pi/2} 1\,dx = \frac{\pi}{2} > 1$$

よって示された。

採点ポイント
  • $\sin x \le x$ から $\dfrac{x}{\sin x} \ge 1$ の導出 … 3点
  • $x = 0$ での極限値の処理 … 2点
  • 定積分の不等式の適用と結論 … 5点
問題 4 LEVEL C 定積分の評価

$n$ を正の整数とするとき、次の不等式を示せ。

$$\frac{1}{n+1} < \int_0^1 \frac{x^n}{1+x}\,dx < \frac{1}{n+1}$$

ただし、正しくは次の不等式を示せ。

$$\frac{1}{2(n+1)} \le \int_0^1 \frac{x^n}{1+x}\,dx \le \frac{1}{n+1}$$

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解答

$0 \le x \le 1$ で $1 \le 1 + x \le 2$ より $\dfrac{1}{2} \le \dfrac{1}{1+x} \le 1$。

$x^n \ge 0$ と合わせて $\dfrac{x^n}{2} \le \dfrac{x^n}{1+x} \le x^n$。

各辺を $0$ から $1$ まで積分すると:

$$\frac{1}{2}\int_0^1 x^n\,dx \le \int_0^1 \frac{x^n}{1+x}\,dx \le \int_0^1 x^n\,dx$$

$$\frac{1}{2} \cdot \frac{1}{n+1} \le \int_0^1 \frac{x^n}{1+x}\,dx \le \frac{1}{n+1}$$

解説

被積分関数を上下から評価し、各辺を積分する方法は定積分の不等式の証明の基本です。$\dfrac{1}{1+x}$ の部分を定数で評価するのがポイントです。

$n \to \infty$ とすると両辺 $\to 0$ なので、はさみうちの原理から $\int_0^1 \dfrac{x^n}{1+x}\,dx \to 0$ も示せます。

採点ポイント
  • $\dfrac{1}{1+x}$ の評価 … 3点
  • $x^n$ を掛けて積分する過程 … 3点
  • $\int_0^1 x^n\,dx = \dfrac{1}{n+1}$ の計算 … 2点
  • 不等式の完成 … 2点