第5章の締めくくりとして、定積分と不等式の融合、ウォリスの公式の応用、積分の評価と極限、そして入試頻出の複合問題に取り組みます。これらの問題は微分法と積分法の両方の知識を要求し、解法の発想力が問われます。第6章「積分法の応用」で面積・体積の計算に進む前に、積分法の全技法を統合する力を確認しましょう。
不等式 $f(x) \le g(x)$($a \le x \le b$)から $\displaystyle\int_a^b f(x)\,dx \le \int_a^b g(x)\,dx$ が従います。この積分の単調性は、定積分の値を上下から評価する際の基本原理です。
単調性:$f(x) \le g(x)$($a \le x \le b$)ならば $\displaystyle\int_a^b f(x)\,dx \le \int_a^b g(x)\,dx$
絶対値:$\left|\displaystyle\int_a^b f(x)\,dx\right| \le \int_a^b |f(x)|\,dx$
平均値の定理(積分):$f$ が $[a,b]$ で連続ならば、$\displaystyle\int_a^b f(x)\,dx = f(c)(b-a)$ なる $c \in (a,b)$ が存在する
$x \ge 0$ で $1 \le e^x$ より、両辺を $0$ から $t$ まで積分すると:
$$t \le \int_0^t e^x\,dx = e^t - 1 \quad \Longrightarrow \quad e^t \ge 1 + t$$
この不等式を再び積分すると:
$$\int_0^t e^x\,dx \ge \int_0^t (1+x)\,dx \quad \Longrightarrow \quad e^t - 1 \ge t + \frac{t^2}{2} \quad \Longrightarrow \quad e^t \ge 1 + t + \frac{t^2}{2}$$
この操作を繰り返すことで、$e^t \ge 1 + t + \dfrac{t^2}{2!} + \cdots + \dfrac{t^n}{n!}$ が得られます。
基本的な不等式を積分することで、より精密な不等式が得られます。$1 \le e^x$ から出発して $e^x$ のテイラー多項式による下からの評価が次々と得られるのは、積分が「差の蓄積」を表すことの帰結です。この手法は微分法と積分法を往復する典型的な融合テーマです。
✗ 誤:$f(x) \le g(x)$ ならば常に $\displaystyle\int_a^b f(x)\,dx \le \int_a^b g(x)\,dx$
○ 正:$a \le b$ のときにのみ成立。$a > b$ の場合は不等号が逆転する
$\displaystyle\int_a^b = -\int_b^a$ なので、$a > b$ のときは $\displaystyle\int_a^b f(x)\,dx \ge \int_a^b g(x)\,dx$ になります。
✗ 誤:$f(x) \le g(x)$ から $\displaystyle\int_a^b f(x)\,dx < \int_a^b g(x)\,dx$(厳密な不等号)が言える
○ 正:$f(x) < g(x)$(全ての $x \in [a,b]$)かつ $f, g$ が連続なら厳密な不等号。しかし $f(x) \le g(x)$ では等号の可能性もある
連続関数で $f(x_0) < g(x_0)$ となる点が1つでもあれば、積分の不等式は厳密です。
前記事で扱った漸化式 $I_n = \dfrac{n-1}{n}I_{n-2}$ を繰り返し適用すると得られるのがウォリスの公式です。この公式は定積分の値を具体的に与えるだけでなく、$\pi$ の近似値を求めるウォリスの無限乗積にもつながります。
$$\int_0^{\pi/2}\sin^{2m}x\,dx = \frac{(2m-1)!!}{(2m)!!}\cdot\frac{\pi}{2}, \quad \int_0^{\pi/2}\sin^{2m+1}x\,dx = \frac{(2m)!!}{(2m+1)!!}$$
ここで $(2m)!! = 2 \cdot 4 \cdot 6 \cdots (2m)$、$(2m-1)!! = 1 \cdot 3 \cdot 5 \cdots (2m-1)$ は二重階乗です。
$0 \le x \le \dfrac{\pi}{2}$ で $0 \le \sin x \le 1$ なので、$\sin^{2m+1}x \le \sin^{2m}x \le \sin^{2m-1}x$ が成り立ちます。したがって:
$$I_{2m+1} \le I_{2m} \le I_{2m-1}$$
各辺を $I_{2m+1}$ で割り、具体的な値を代入すると $\dfrac{I_{2m}}{I_{2m+1}} \to 1$($m \to \infty$)が示され、最終的に:
$$\frac{\pi}{2} = \prod_{k=1}^{\infty}\frac{(2k)(2k)}{(2k-1)(2k+1)} = \frac{2 \cdot 2}{1 \cdot 3}\cdot\frac{4 \cdot 4}{3 \cdot 5}\cdot\frac{6 \cdot 6}{5 \cdot 7}\cdots$$
$\sin^n x$ の定積分($n = 0, 1, 2, \ldots$)は $n$ の偶奇で異なる形をとりますが、$n \to \infty$ で比 $\dfrac{I_{2m}}{I_{2m+1}}$ が $1$ に収束するという事実が、$\pi$ を有理数の無限乗積で表す公式を生み出します。離散的な整数の世界と連続的な $\pi$ がつながる、数学の美しさの象徴です。
1655年にジョン・ウォリスが発見したこの無限乗積は、$\pi$ を解析的に表現した最初の公式の一つです。ニュートンやライプニッツによる微積分の発展と同時期に生まれたこの結果は、積分法が「数の性質」を明らかにする道具であることを示した画期的な成果でした。
定積分を含む数列の極限を求めるとき、積分値を上下から評価してはさみうちの原理を適用する手法は入試の頻出パターンです。
$0 \le x \le 1$ で $\dfrac{1}{2} \le \dfrac{1}{1+x} \le 1$ なので:
$$\frac{1}{2}\int_0^1 x^n\,dx \le \int_0^1\frac{x^n}{1+x}\,dx \le \int_0^1 x^n\,dx$$
$$\frac{1}{2(n+1)} \le \int_0^1\frac{x^n}{1+x}\,dx \le \frac{1}{n+1}$$
$n \to \infty$ で両辺 $\to 0$ より、はさみうちの原理から $\displaystyle\int_0^1\frac{x^n}{1+x}\,dx \to 0$。
✗ 誤:$0 \le x \le 1$ で $0 \le \dfrac{1}{1+x} \le 1$ と評価 → 下からの評価が $0$ では情報が弱すぎる
○ 正:$x = 1$ で $\dfrac{1}{1+x} = \dfrac{1}{2}$ なので、$\dfrac{1}{2} \le \dfrac{1}{1+x} \le 1$ と評価する方が精密
はさみうちの原理を使うには、上下の評価が同じ極限値に収束する必要があります。評価が粗すぎると使えません。
先ほどの評価を $n$ 倍すると:
$$\frac{n}{2(n+1)} \le n\int_0^1\frac{x^n}{1+x}\,dx \le \frac{n}{n+1}$$
$n \to \infty$ で両辺 $\to \dfrac{1}{2}$ と $1$。これでは挟めません。もう少し精密な評価が必要です。
そこで $[0, 1-\varepsilon]$ と $[1-\varepsilon, 1]$ に分けて考えます。$[0, 1-\varepsilon]$ 上の積分は $(1-\varepsilon)^n$ のオーダーで $0$ に収束し、$[1-\varepsilon, 1]$ 上では $\dfrac{1}{1+x} \approx \dfrac{1}{2}$ です。精密な計算で $n\displaystyle\int_0^1\frac{x^n}{1+x}\,dx \to \frac{1}{2}$ が得られます。
$x^n$($0 \le x \le 1$)は $n$ が大きいとき、$x = 1$ の近くでのみ有意な値をもちます。つまり積分の主要な寄与は $x = 1$ の近傍から来るのです。区間を分割して各部分の寄与を別々に評価する手法は、数学の至るところで用いられる重要な技法です。
$\displaystyle\int_a^b e^{n\phi(x)}\,dx$ の $n \to \infty$ での振る舞いを調べる「ラプラスの方法」は、上で述べた「寄与の大きい部分に注目する」アイデアの精密化です。被積分関数が $\phi(x)$ の最大点の近くに集中するという考え方は、統計力学(最も確率の高い状態が支配的)や機械学習(MAP推定)とも通底しています。
$F(x) = \displaystyle\int_a^x f(t)\,dt$ の形で定義される関数は、微積分の基本定理により $F'(x) = f(x)$ を満たします。入試では、この関係を利用して $F(x)$ の増減や極値を求める問題が出題されます。
$F'(x) = \dfrac{\sin x}{x}$ なので、$F'(x) = 0$ となるのは $\sin x = 0$、すなわち $x = n\pi$($n = 1, 2, 3, \ldots$)です。
$0 < x < \pi$ で $\sin x > 0$ より $F'(x) > 0$($F$ は増加)。$\pi < x < 2\pi$ で $\sin x < 0$ より $F'(x) < 0$($F$ は減少)。したがって $x = \pi$ で $F$ は極大値をとります。
$$\frac{d}{dx}\int_a^{g(x)} f(t)\,dt = f(g(x))\cdot g'(x)$$
上端が $x$ の関数のときは合成関数の微分が加わります。
※ 下端も $x$ の関数なら $\dfrac{d}{dx}\displaystyle\int_{h(x)}^{g(x)} f(t)\,dt = f(g(x))g'(x) - f(h(x))h'(x)$
✗ 誤:$\dfrac{\sin x}{x}$ は $x = 0$ で定義されないので $F'(0)$ も存在しない
○ 正:$\displaystyle\lim_{x \to 0}\frac{\sin x}{x} = 1$ なので、$f(t) = \dfrac{\sin t}{t}$($t \neq 0$)、$f(0) = 1$ と定めれば $f$ は連続。$F'(0) = f(0) = 1$
取り除ける不連続点は、関数値を定義し直すことで連続にできます。
$F(x) = \displaystyle\int_0^x f(t)\,dt$ に対し $F''(x) = f'(x)$ です。$f'(x) > 0$($f$ が増加関数)ならば $F$ は下に凸になります。定積分で定義された関数の凸性は、不等式の証明にも活用されます。
$F(x) = \displaystyle\int_a^x f(t)\,dt$ は「$f(t)$ の $a$ から $x$ までの累積量」を表します。$F'(x) = f(x)$ は「$x$ における瞬間的な変化率」です。微積分の基本定理は「累積と変化率が逆操作である」ことを述べており、解析学の最も根本的な定理です。
第5章で学んだ積分法の技法は、第6章「積分法の応用」で面積・体積・曲線の長さの計算に直結します。この節では、両者のつながりを意識しながら総合的な視点を整理します。
| 第5章で学んだ技法 | 第6章での活用場面 |
|---|---|
| 置換積分 | 曲線で囲まれた面積、回転体の体積の計算 |
| 部分積分 | $\displaystyle\int x\sin x\,dx$ 型が現れる面積・体積の計算 |
| 三角関数の積分 | 三角関数のグラフと面積、極方程式の面積 |
| 広義積分 | 無限に伸びる曲線と有限な面積 |
| 定積分の不等式 | 面積の評価、数値積分の誤差評価 |
入試で「初見」に見える問題の多くは、第5章で学んだ技法の組み合わせです。対策として最も有効なのは、個々の技法を「なぜ有効なのか」という原理レベルで理解することです。原理を理解していれば、表面的に異なる問題にも同じ考え方を適用できます。
✗ 誤:面積 $= \displaystyle\int_a^b f(x)\,dx$($f(x)$ が負の区間を考慮せず)
○ 正:面積 $= \displaystyle\int_a^b |f(x)|\,dx$($x$ 軸の下側では $f(x) < 0$ なので絶対値が必要)
第6章で最もよくある計算ミスの一つです。定積分の値と面積は異なる概念であることを常に意識しましょう。
大学数学では、リーマン積分をさらに一般化したルベーグ積分が登場します。ルベーグ積分は「関数の値域を分割する」というアイデアに基づき、不連続点の多い関数や確率論における期待値の計算に不可欠です。高校で学ぶリーマン積分は、その出発点として極めて重要な位置を占めています。
Q1. $0 \le x \le 1$ で $x^2 \le x$ より、$\displaystyle\int_0^1 x^2\,dx$ と $\displaystyle\int_0^1 x\,dx$ の大小関係は?
Q2. $\displaystyle\int_0^{\pi/2}\sin^4 x\,dx$ の値をウォリスの公式で求めよ。
Q3. $\displaystyle\lim_{n\to\infty}\int_0^1 nx^n(1-x)\,dx$ の値を求めよ。
Q4. $F(x) = \displaystyle\int_0^{x^2} e^{-t^2}\,dt$ のとき $F'(x)$ は?
Q5. ウォリスの無限乗積の最初の3つの因数の積 $\dfrac{2\cdot2}{1\cdot3}\cdot\dfrac{4\cdot4}{3\cdot5}\cdot\dfrac{6\cdot6}{5\cdot7}$ の値を計算せよ。
$x > 0$ のとき、次の不等式を示せ。
$$x - \frac{x^2}{2} < \log(1+x) < x$$
右側の不等式:$t > 0$ で $\dfrac{1}{1+t} < 1$ より:
$$\log(1+x) = \int_0^x\frac{1}{1+t}\,dt < \int_0^x 1\,dt = x$$
左側の不等式:$t > 0$ で $\dfrac{1}{1+t} > 1 - t$(∵ $\dfrac{1}{1+t} - (1-t) = \dfrac{t^2}{1+t} > 0$)より:
$$\log(1+x) = \int_0^x\frac{1}{1+t}\,dt > \int_0^x(1-t)\,dt = x - \frac{x^2}{2}$$
$n$ を正の整数とする。次の極限値を求めよ。
$$\lim_{n\to\infty}n\int_0^1 x^n\log(1+x)\,dx$$
$0 \le x \le 1$ で $\dfrac{x}{2} \le \log(1+x) \le x$(前問の不等式が $x \le 1$ では $x - \dfrac{x^2}{2} \ge \dfrac{x}{2}$ より成立)を用いると:
$$\frac{n}{2}\int_0^1 x^{n+1}\,dx \le n\int_0^1 x^n\log(1+x)\,dx \le n\int_0^1 x^{n+1}\,dx$$
$$\frac{n}{2(n+2)} \le n\int_0^1 x^n\log(1+x)\,dx \le \frac{n}{n+2}$$
$n \to \infty$ で左辺 $\to \dfrac{1}{2}$、右辺 $\to 1$。これでは挟めないので、より精密に:
部分積分を用いる。$u = \log(1+x)$、$v' = x^n$ として:
$$\int_0^1 x^n\log(1+x)\,dx = \left[\frac{x^{n+1}}{n+1}\log(1+x)\right]_0^1 - \frac{1}{n+1}\int_0^1\frac{x^{n+1}}{1+x}\,dx$$
$$= \frac{\log 2}{n+1} - \frac{1}{n+1}\int_0^1\frac{x^{n+1}}{1+x}\,dx$$
$0 \le \displaystyle\int_0^1\frac{x^{n+1}}{1+x}\,dx \le \int_0^1 x^{n+1}\,dx = \frac{1}{n+2} \to 0$ より:
$$n\int_0^1 x^n\log(1+x)\,dx = \frac{n}{n+1}\log 2 - \frac{n}{n+1}\cdot\frac{1}{n+1}\int_0^1\frac{x^{n+1}}{1+x}\,dx \to \log 2$$
$I_n = \displaystyle\int_0^{\pi/2}\cos^n x\,dx$($n \ge 0$)とする。
(1) $I_n = \dfrac{n-1}{n}I_{n-2}$($n \ge 2$)を示せ。
(2) $\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{I_{2n}}{I_{2n+1}}$ を求めよ。
(3) (2)の結果を用いて $\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{(2n)!!^2}{(2n-1)!!(2n+1)!!} \cdot (2n+1)$ の値を求めよ。
(1) $\cos^n x = \cos^{n-1}x \cdot \cos x$ として部分積分。$u = \cos^{n-1}x$、$v' = \cos x$ より:
$$I_n = [\cos^{n-1}x\sin x]_0^{\pi/2} + (n-1)\int_0^{\pi/2}\cos^{n-2}x\sin^2 x\,dx$$
$= (n-1)\displaystyle\int_0^{\pi/2}\cos^{n-2}x(1-\cos^2 x)\,dx = (n-1)(I_{n-2} - I_n)$
$nI_n = (n-1)I_{n-2}$ より $I_n = \dfrac{n-1}{n}I_{n-2}$。
(2) $0 \le x \le \dfrac{\pi}{2}$ で $0 \le \cos x \le 1$ より $\cos^{2n+1}x \le \cos^{2n}x \le \cos^{2n-1}x$。
積分して $I_{2n+1} \le I_{2n} \le I_{2n-1}$。各辺を $I_{2n+1}$ で割ると:
$$1 \le \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} \le \frac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}} = \frac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}}$$
漸化式より $\dfrac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}} = \dfrac{2n+1}{2n}$ なので $\dfrac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}} \to 1$。
はさみうちの原理より $\dfrac{I_{2n}}{I_{2n+1}} \to 1$。
(3) $\dfrac{I_{2n}}{I_{2n+1}} = \dfrac{\frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}\cdot\frac{\pi}{2}}{\frac{(2n)!!}{(2n+1)!!}} = \frac{(2n-1)!!(2n+1)!!}{(2n)!!^2}\cdot\frac{\pi}{2}$
(2)より、$n \to \infty$ で $\dfrac{I_{2n}}{I_{2n+1}} \to 1$ なので:
$$\frac{(2n-1)!!(2n+1)!!}{(2n)!!^2}\cdot\frac{\pi}{2} \to 1$$
逆数を取って $(2n+1)$ を掛けると:
$$\frac{(2n)!!^2}{(2n-1)!!(2n+1)!!}\cdot(2n+1) \to \frac{\pi}{2}$$
$n$ を正の整数とする。
(1) $0 \le x \le 1$ のとき $\dfrac{x^n}{1+x} \le x^n$ を示し、$a_n = \displaystyle\int_0^1\frac{x^n}{1+x}\,dx$ とおくとき $0 \le a_n \le \dfrac{1}{n+1}$ を示せ。
(2) $a_n + a_{n+1} = \dfrac{1}{n+1}$ を示せ。
(3) $\displaystyle\sum_{k=0}^{\infty}(-1)^k a_k$ の値を求めよ。(ヒント:$a_n \to 0$ を利用)
(1) $0 \le x \le 1$ で $1 + x \ge 1 > 0$ より $\dfrac{x^n}{1+x} \le x^n$。また $\dfrac{x^n}{1+x} \ge 0$ は明らか。
$$0 \le a_n = \int_0^1\frac{x^n}{1+x}\,dx \le \int_0^1 x^n\,dx = \frac{1}{n+1}$$
(2)
$$a_n + a_{n+1} = \int_0^1\frac{x^n + x^{n+1}}{1+x}\,dx = \int_0^1\frac{x^n(1+x)}{1+x}\,dx = \int_0^1 x^n\,dx = \frac{1}{n+1}$$
(3) (2)より $a_n - a_{n+1} + a_{n+1} - a_{n+2} + \cdots$ ではなく、別の方法で求める。
$a_n = \displaystyle\int_0^1\frac{x^n}{1+x}\,dx$ において $\dfrac{1}{1+x} = \displaystyle\sum_{k=0}^{N-1}(-1)^k x^k + \frac{(-1)^N x^N}{1+x}$ を用いると:
$$\sum_{k=0}^{N-1}(-1)^k a_k = \sum_{k=0}^{N-1}(-1)^k\int_0^1\frac{x^k}{1+x}\,dx$$
一方、$\displaystyle\int_0^1\frac{1}{1+x}\,dx = \log 2$ であり、$\dfrac{1}{1+x} = \sum_{k=0}^{N-1}(-x)^k + \dfrac{(-x)^N}{1+x}$ を積分すると:
$$\log 2 = \sum_{k=0}^{N-1}\frac{(-1)^k}{k+1} + (-1)^N a_N$$
(1)より $a_N \to 0$($N \to \infty$)なので:
$$\log 2 = \sum_{k=0}^{\infty}\frac{(-1)^k}{k+1} = 1 - \frac{1}{2} + \frac{1}{3} - \frac{1}{4} + \cdots$$
これは $\log 2$ のライプニッツ級数ですが、問われているのは $\displaystyle\sum_{k=0}^{\infty}(-1)^k a_k$ です。
(2)の関係 $a_{n+1} = \dfrac{1}{n+1} - a_n$ を繰り返し用いると:
$$S_N = \sum_{k=0}^{N}(-1)^k a_k = a_0 - a_1 + a_2 - \cdots$$
$a_0 = \log 2$、$a_1 = 1 - \log 2$、$a_0 - a_1 = 2\log 2 - 1$
$(-1)^k a_k$ の部分和を計算すると、$S_N \to 2\log 2 - 1 + (2\log 2 - 1) + \cdots$ ではなく、
直接計算で $\displaystyle\sum_{k=0}^{\infty}(-1)^k a_k = \int_0^1\frac{1}{(1+x)^2}\,dx = \left[-\frac{1}{1+x}\right]_0^1 = \frac{1}{2}$
($\displaystyle\sum_{k=0}^{\infty}(-1)^k x^k = \frac{1}{1+x}$ を $\frac{1}{1+x}$ と掛けて積分)
この問題は「定積分で定義された数列の性質を調べ、級数の和を求める」という微積分と無限級数の融合問題です。(2)の関係式が核心で、$\dfrac{x^n(1+x)}{1+x} = x^n$ という見事な消去が全体を支えています。$\displaystyle\sum(-1)^k a_k = \int_0^1\frac{1}{(1+x)^2}\,dx = \frac{1}{2}$ は、$\dfrac{1}{1+x}$ の級数展開を $\dfrac{1}{1+x}$ で掛けて項別積分することで得られます。