第7章 積分法

面積の応用問題
─ 面積を条件とする問題を攻略

面積を「求める」だけでなく、面積を「条件として使う」問題に挑みます。パラメータを含む面積の最小値、面積を等分する直線、接線の変化と面積の関係など、積分法と他分野(微分・方程式)を融合した応用問題を体系的に学びます。

1面積の最小値問題

パラメータを含む面積を、そのパラメータの関数として表現し、微分を使って最小値を求めます。「積分法で面積を表し、微分法で最適化する」という2つの技法の融合です。

📝 典型例:放物線と直線の面積の最小値

例:放物線 $y = x^2$ と直線 $y = 2tx - t^2 + 1$($t$ は実数)で囲まれた面積 $S(t)$ の最小値を求めよ。

Step 1:交点を求める。$x^2 = 2tx - t^2 + 1$ より $x^2 - 2tx + t^2 - 1 = 0$。

$(x-t)^2 = 1$ より $x = t \pm 1$。よって $\alpha = t-1$, $\beta = t+1$。

Step 2:$\frac{1}{6}$ 公式で面積を求める。$a = 1$, $\beta - \alpha = 2$ より

$$S(t) = \frac{1}{6} \cdot 2^3 = \frac{4}{3}$$

$S(t)$ は $t$ に依存しない(定数)。したがって最小値は $\frac{4}{3}$。

📌 面積がパラメータに依存する場合

上の例では $\beta - \alpha = 2$(定数)だったため、面積も定数になりました。一般には $\beta - \alpha$ がパラメータの関数になり、面積もパラメータの関数になります。

$\frac{1}{6}$ 公式 $S = \frac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3$ を使う場合、$\beta - \alpha$ を判別式から求めると便利です:

$$\beta - \alpha = \frac{\sqrt{D}}{|a|} \quad \text{(2次方程式 } ax^2+bx+c=0 \text{ の解の差)}$$

📝 面積が変化する場合

例:放物線 $y = x^2$ と直線 $y = t$($t > 0$)で囲まれた面積 $S(t)$ を最小にする $t$ は存在するか。

交点:$x^2 = t$ より $x = \pm\sqrt{t}$。$\beta - \alpha = 2\sqrt{t}$。

$$S(t) = \frac{1}{6}(2\sqrt{t})^3 = \frac{1}{6} \cdot 8t\sqrt{t} = \frac{4}{3}t^{3/2}$$

$S(t)$ は $t > 0$ で単調増加なので最小値は存在しない($t \to +0$ で $S \to 0$)。

💡 面積の最小値問題の定石

1. 面積をパラメータ $t$ の関数 $S(t)$ として明示する

2. $S'(t) = 0$ を解いて増減表を作る

3. $S(t)$ の定義域(パラメータの範囲)に注意

$\frac{1}{6}$ 公式を使えば $S(t) = \frac{|a|}{6}(\beta(t)-\alpha(t))^3$ と簡潔に表せます。

2面積を等分する問題

曲線で囲まれた面積を直線で2等分する問題は、入試で頻出のテーマです。「面積の等式」を立てて方程式を解きます。

📝 典型例:放物線の面積を等分する直線

例:$y = x^2$ と $x$ 軸、$x = 2$ で囲まれた面積を、直線 $x = k$($0 < k < 2$)で2等分するとき、$k$ の値を求めよ。

全体の面積:$\int_0^2 x^2\, dx = \left[\frac{x^3}{3}\right]_0^2 = \frac{8}{3}$

条件:$\int_0^k x^2\, dx = \frac{1}{2} \cdot \frac{8}{3} = \frac{4}{3}$

$$\frac{k^3}{3} = \frac{4}{3} \quad \Longrightarrow \quad k^3 = 4 \quad \Longrightarrow \quad k = \sqrt[3]{4}$$

$y = k$ 型の等分線

水平線 $y = k$ で面積を等分する問題もあります。

📝 水平線による等分

例:$y = x^2$($0 \leq x \leq 1$)と $x$ 軸、$x = 1$ で囲まれた面積を、直線 $y = k$($0 < k < 1$)で2等分するとき、$k$ の値を求めよ。

全体の面積:$\int_0^1 x^2\, dx = \frac{1}{3}$

$y = k$ より下の面積:$x^2 = k$ の正の解は $x = \sqrt{k}$。$[0, \sqrt{k}]$ では曲線は $y = k$ の下にあり、$[\sqrt{k}, 1]$ では上にある。

下の面積 $= \int_0^{\sqrt{k}} x^2\, dx + k(1-\sqrt{k})$

$= \frac{(\sqrt{k})^3}{3} + k - k\sqrt{k} = \frac{k\sqrt{k}}{3} + k - k\sqrt{k} = k - \frac{2k\sqrt{k}}{3}$

条件:$k - \frac{2}{3}k^{3/2} = \frac{1}{6}$

$t = \sqrt{k}$ とおくと $t^2 - \frac{2}{3}t^3 = \frac{1}{6}$、すなわち $4t^3 - 6t^2 + 1 = 0$。

$(2t-1)(2t^2-2t-1) = 0$ より $t = \frac{1}{2}$ または $t = \frac{1 \pm \sqrt{3}}{2}$。

$0 < t < 1$ より $t = \frac{1}{2}$。$k = t^2 = \frac{1}{4}$。

⚠️ 等分線の方向に注意

✗ 垂直線 $x = k$ と水平線 $y = k$ を混同する

✓ 問題文をよく読み、「$x = k$ で等分」か「$y = k$ で等分」かを確認する

垂直線の場合:$\int_a^k f(x)\,dx = \frac{1}{2}\int_a^b f(x)\,dx$ を解く

水平線の場合:領域の形を正確に把握して面積を立式する必要がある

3接線と面積

放物線上の点における接線が変化するとき、曲線と接線で囲まれた面積がどう変化するかを調べます。接点の座標をパラメータとして面積を表現するのがポイントです。

📝 接線のパラメータ表示と面積

例:$y = x^2$ 上の点 $(t, t^2)$ における接線と $y = x^2$、$x$ 軸で囲まれた面積を $t$ の関数として表せ($t > 0$)。

接線:$y = 2t(x - t) + t^2 = 2tx - t^2$

接線と $x$ 軸の交点:$2tx - t^2 = 0$ より $x = \frac{t}{2}$

放物線と $x$ 軸で囲まれた面積から、接線と $x$ 軸の三角形を引く方法:

放物線と接線の面積($\frac{1}{6}$ 公式):$x^2 - (2tx-t^2) = (x-t)^2$ なので交点は $x = t$ のみ(接する)。

ここでは別の方法で考えます。$[0, t]$ で $y = x^2$ と $x$ 軸の面積は $\frac{t^3}{3}$。

$[\frac{t}{2}, t]$ で接線と $x$ 軸の三角形の面積は $\frac{1}{2} \cdot \frac{t}{2} \cdot t^2 = \frac{t^3}{4}$。

$[0, \frac{t}{2}]$ で放物線と $x$ 軸の面積は $\frac{1}{3}\left(\frac{t}{2}\right)^3 = \frac{t^3}{24}$。

求める面積 $= \frac{t^3}{3} - \frac{t^3}{4} - \frac{t^3}{24} = \frac{8t^3 - 6t^3 - t^3}{24} = \frac{t^3}{24}$

📐 接線と面積の基本結果

$y = ax^2$($a > 0$)上の点 $(t, at^2)$ における接線と放物線で囲まれた面積を $S(t)$ とすると、接線と放物線は接点 $x = t$ で接するのみであり、「囲まれた面積」は直接的には定義されません。

ただし、接線と放物線と別の境界($x$ 軸、別の直線など)で囲まれた面積は $t$ の関数として表現でき、入試問題の定番テーマです。

※ 接線が変化すると交点が変化し、面積も変化します。$\frac{1}{6}$ 公式を活用して $S(t)$ を $t$ の多項式として表しましょう。

📌 「面積をパラメータで表す」思考法

接線と面積の問題では、次の手順で考えます:

1. 接点 $(t, f(t))$ を設定($t$ がパラメータ)

2. 接線の方程式を $t$ で表す

3. 必要な交点を $t$ で表す

4. 面積を $t$ の関数 $S(t)$ として積分で求める

5. 必要に応じて $S(t)$ を微分して最大・最小を調べる

4面積の比の問題

放物線に関する有名な面積比の結果を紹介します。これらは入試で「知っていると有利」な定理です。

📐 放物線の弦と面積の比

放物線 $y = ax^2 + bx + c$ の弦(2点を結ぶ直線)と放物線で囲まれた面積を $S_1$ とする。

同じ弦を底辺とする内接三角形(頂点が弦の中点に対応する放物線上の点)の面積を $S_2$ とすると:

$$S_1 : S_2 = 2 : 3 \qquad \text{すなわち} \quad S_2 = \frac{3}{2}S_1$$

※ 正確には $S_1 = \frac{2}{3}S_2$。放物線で囲まれた面積は、外接する三角形(弦と2本の接線)の面積の $\frac{2}{3}$ になります。

📝 面積比 $\frac{2}{3}$ の証明

$y = x^2$ と2点 $(\alpha, \alpha^2)$, $(\beta, \beta^2)$ を結ぶ弦を考える($\alpha < \beta$)。

弦の方程式:$y = (\alpha+\beta)x - \alpha\beta$。

弦と放物線で囲まれた面積:$S_1 = \frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3$($\frac{1}{6}$ 公式)。

弦の中点の $x$ 座標は $\frac{\alpha+\beta}{2}$。この $x$ 値での弦上の $y$ 値と放物線上の $y$ 値の差が三角形の高さ。

弦上:$y_{\ell} = (\alpha+\beta)\cdot\frac{\alpha+\beta}{2}-\alpha\beta = \frac{(\alpha+\beta)^2}{2}-\alpha\beta = \frac{\alpha^2+\beta^2}{2}$

放物線上:$y_c = \left(\frac{\alpha+\beta}{2}\right)^2 = \frac{(\alpha+\beta)^2}{4}$

高さ $h = y_\ell - y_c = \frac{\alpha^2+\beta^2}{2} - \frac{(\alpha+\beta)^2}{4} = \frac{(\beta-\alpha)^2}{4}$

三角形の面積:$S_2 = \frac{1}{2}(\beta-\alpha) \cdot \frac{(\beta-\alpha)^2}{4} = \frac{(\beta-\alpha)^3}{8}$

$$\frac{S_1}{S_2} = \frac{\frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3}{\frac{1}{8}(\beta-\alpha)^3} = \frac{8}{6} = \frac{4}{3}$$

よって $S_1 = \frac{4}{3}S_2$、すなわち放物線の弓形の面積は内接三角形の面積の $\frac{4}{3}$ 倍。

💡 アルキメデスの定理

上の面積比 $\frac{4}{3}$ は古代ギリシャのアルキメデスが発見したもので、「放物線の弓形の面積は、それに内接する最大の三角形の面積の $\frac{4}{3}$ 倍」という定理です。

入試では「放物線と弦で囲まれた面積」と「弦を底辺とする三角形の面積」の比を問う問題が出題されます。

⚠️ 面積比の数値を正確に

✗ 放物線の弓形 : 内接三角形 $= 2 : 3$(比の値が逆!)

✓ 放物線の弓形 : 内接三角形 $= 4 : 3$

放物線の弓形の方が内接三角形より大きいことは図から明らかです。比の大小関係を確認しましょう。

5総合問題への対応

入試の面積問題は、ここまで学んだ技法を組み合わせて出題されます。問題の構造を見抜く力が求められます。

総合問題の分類

問題のタイプ 使う技法 キーワード
面積を求める $\frac{1}{6}$, $\frac{1}{12}$ 公式 「面積を求めよ」
面積の最小値 積分 + 微分 「最小となるとき」
面積を条件にする 積分 + 方程式 「面積が〜のとき」
面積を等分する 積分の等式 「2等分する直線」
面積の比 2つの積分の比 「面積の比を求めよ」
📝 総合問題の解法例

例:放物線 $y = x^2 - 2x$ と直線 $y = mx$($m > -2$)で囲まれた面積 $S(m)$ が最小となる $m$ の値と、そのときの面積を求めよ。

Step 1:交点

$x^2 - 2x = mx$ より $x^2 - (m+2)x = 0$、$x(x-(m+2)) = 0$。

$x = 0, m+2$。$m > -2$ より $m+2 > 0$ なので $\alpha = 0$, $\beta = m+2$。

Step 2:面積を $m$ の関数で表す

$$S(m) = \frac{1}{6}(m+2)^3$$

Step 3:最小値を求める

$S'(m) = \frac{1}{6} \cdot 3(m+2)^2 = \frac{(m+2)^2}{2} > 0$($m > -2$)

$S(m)$ は $m > -2$ で単調増加。$m \to -2+0$ で $S \to 0$。

したがって最小値は存在しない(下限 $0$ に近づくが到達しない)。

📌 「最小値が存在しない」ことの理解

上の例では $m \to -2$ で面積が $0$ に近づきますが、$m = -2$ のとき直線 $y = -2x$ は放物線に接するため「囲まれた部分」が消滅します。

最小値を問う問題では、パラメータの範囲と端点での振る舞いを確認することが重要です。答えが「最小値は存在しない」になる場合もあります。

💡 総合問題を解く際のチェックリスト

1. 図を描いて領域の形を確認する

2. 交点をパラメータで表す

3. 使える公式($\frac{1}{6}$, $\frac{1}{12}$ など)があるか確認する

4. 面積をパラメータの関数で表す

5. 問われていること(最小値、等分、比)に応じて微分・方程式を立てる

6. パラメータの定義域と端点を確認する

まとめ

  • 面積の最小値 ─ 面積を $S(t)$ として微分。$S'(t) = 0$ と定義域の端点を確認
  • 面積の等分 ─ $\int_a^k f(x)\,dx = \frac{1}{2}\int_a^b f(x)\,dx$ の方程式を解く
  • 接線と面積 ─ 接点 $t$ をパラメータとして面積を $t$ の関数で表現する
  • 面積の比 ─ 放物線の弓形は内接三角形の $\frac{4}{3}$ 倍(アルキメデスの定理)
  • 総合問題 ─ 積分法(面積)と微分法(最適化)・方程式の融合

確認テスト

Q1. $y = x^2$ と $x$ 軸、$x = 3$ で囲まれた面積を直線 $x = k$($0 < k < 3$)で2等分する $k$ の値を求めよ。

▶ クリックして解答を表示 全体の面積:$\int_0^3 x^2\,dx = 9$。条件:$\frac{k^3}{3} = \frac{9}{2}$ より $k^3 = \frac{27}{2}$、$k = \frac{3}{\sqrt[3]{2}} = \frac{3\sqrt[3]{4}}{2}$

Q2. $y = x^2$ と直線 $y = a$($a > 0$)で囲まれた面積を $a$ の関数で表せ。

▶ クリックして解答を表示 交点:$x = \pm\sqrt{a}$。$\frac{1}{6}$ 公式:$S = \frac{1}{6}(2\sqrt{a})^3 = \frac{4}{3}a\sqrt{a} = \frac{4}{3}a^{3/2}$

Q3. 放物線の弓形の面積が内接三角形の面積の何倍か述べよ。

▶ クリックして解答を表示 $\frac{4}{3}$ 倍。放物線の弦と放物線で囲まれた面積は、弦の中点に対応する放物線上の点を頂点とする三角形の面積の $\frac{4}{3}$ 倍である(アルキメデスの定理)。

Q4. 面積の最小値を求める問題で、「最小値が存在しない」場合はどのような状況か。

▶ クリックして解答を表示 パラメータの範囲が開区間で、端点に近づくと面積が $0$ に近づくが、端点では2曲線が接して囲まれた部分が消滅する場合。$S(t) > 0$ だが $\inf S(t) = 0$ で最小値は達成されない。

Q5. $y = x^2$ 上の点 $(t, t^2)$($t > 0$)における接線と $y = x^2$、$y$ 軸で囲まれた面積を $t$ で表せ。

▶ クリックして解答を表示 接線:$y = 2tx - t^2$。$y$ 軸との交点は $(0, -t^2)$(ただし $y$ 軸上)。$[0, t]$ で放物線と接線の差を積分する。$\int_0^t (x^2-(2tx-t^2))\,dx = \int_0^t (x-t)^2\,dx = \left[\frac{(x-t)^3}{3}\right]_0^t = 0-\frac{(-t)^3}{3} = \frac{t^3}{3}$

入試問題演習

問題 1 A 基礎 面積の等分

$y = 4 - x^2$ と $x$ 軸で囲まれた面積を、直線 $y = k$($0 < k < 4$)で2等分するとき、$k$ の値を求めよ。

解答

$4 - x^2 = 0$ より $x = \pm 2$。全体の面積:$S = \frac{1}{6}(2-(-2))^3 = \frac{32}{3}$

$y = k$ と放物線の交点:$4-x^2 = k$ より $x = \pm\sqrt{4-k}$。

$y = k$ より上の部分の面積(放物線と $y = k$ で囲まれた部分):

$S_{\text{上}} = \frac{1}{6}(2\sqrt{4-k})^3 = \frac{4}{3}(4-k)^{3/2}$

条件:$\frac{4}{3}(4-k)^{3/2} = \frac{16}{3}$

$(4-k)^{3/2} = 4$ より $4-k = 4^{2/3} = \sqrt[3]{16}$。$k = 4 - \sqrt[3]{16}$

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問題 2 B 標準 面積の最小値

放物線 $y = x^2 + 1$ と直線 $y = 2tx + 1 - t^2$ で囲まれた面積 $S(t)$ を求め、$t$ が実数全体を動くとき $S(t)$ の最小値を求めよ。

解答

交点:$x^2+1 = 2tx+1-t^2$ より $x^2-2tx+t^2 = 0$、$(x-t)^2 = 0$。

接する!($x = t$ が重解)→ 囲まれた面積は $0$。

実は直線 $y = 2tx + 1 - t^2$ は放物線 $y = x^2+1$ の $x = t$ における接線そのもの。

接線は放物線と接するだけなので囲まれた面積は $S(t) = 0$(すべての $t$ に対して)。

よって最小値は $0$。

解説

与えられた直線の式を見て「$t$ をパラメータとする直線群」だと認識しましょう。$y = x^2+1$ の接線は $y = 2t(x-t)+t^2+1 = 2tx - t^2+1$ なので、まさに問題の直線に一致します。交点を求める計算で重解が出たら「接している」と判断し、面積が $0$ であることに気づくことが大切です。

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問題 3 B 標準 パラメータと面積

放物線 $y = x^2$ と直線 $y = 2ax - a^2 + a$($a > 0$)で囲まれた面積を $S(a)$ とする。

(1) $S(a)$ を $a$ の式で表せ。

(2) $S(a)$ が最小となる $a$ の値とそのときの面積を求めよ。

解答

(1) 交点:$x^2 = 2ax - a^2 + a$ より $x^2 - 2ax + a^2 - a = 0$。

判別式:$D = 4a^2 - 4(a^2-a) = 4a > 0$($a > 0$ より常に2交点)。

$x = a \pm \sqrt{a}$。$\beta - \alpha = 2\sqrt{a}$。

$$S(a) = \frac{1}{6}(2\sqrt{a})^3 = \frac{1}{6} \cdot 8a\sqrt{a} = \frac{4}{3}a^{3/2}$$

(2) $S'(a) = \frac{4}{3} \cdot \frac{3}{2}a^{1/2} = 2\sqrt{a} > 0$($a > 0$)

$S(a)$ は $a > 0$ で単調増加。$a \to +0$ で $S \to 0$。

したがって最小値は存在しない。ただし、もし $a \geq 1$ など制約があれば $a = 1$ で最小値 $\frac{4}{3}$。

解説

$S(a)$ が単調増加であるため、$a > 0$ の範囲では最小値が存在しません。問題に追加の制約($a \geq c$ など)がある場合は、端点で最小値を取ります。「最小値を求めよ」と問われても、常に最小値が存在するとは限らない点に注意しましょう。

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問題 4 C 発展 接線と面積の融合

曲線 $C: y = x^3 - 3x$ について、次の問いに答えよ。

(1) $C$ 上の点 $(t, t^3-3t)$ における接線の方程式を求めよ。

(2) この接線と $C$ のもう一つの交点の $x$ 座標を $t$ で表せ。

(3) 接線と $C$ で囲まれた面積 $S(t)$ を求め、$t = 1$ のときの面積を計算せよ。

解答

(1) $f'(x) = 3x^2 - 3$ より $f'(t) = 3t^2-3$。

接線:$y = (3t^2-3)(x-t) + t^3-3t = (3t^2-3)x - 2t^3$

(2) $f(x) - \ell(x) = x^3 - 3x - (3t^2-3)x + 2t^3 = x^3 - 3t^2 x + 2t^3$

$= (x-t)^2(x+2t)$($x=t$ が重解であることを利用して因数分解)

もう一つの交点:$x = -2t$

(3) $\frac{1}{12}$ 公式:$a = 1$, $\beta = -2t$, 接点 $= t$ より

$$S(t) = \frac{1}{12}|-2t-t|^4 = \frac{1}{12} \cdot 81t^4 = \frac{27t^4}{4}$$

$t = 1$ のとき:$S(1) = \frac{27}{4}$

解説

$x^3 - 3t^2x + 2t^3$ の因数分解は、$x = t$ が重解であることから $(x-t)^2$ を因数にもちます。$x^3-3t^2x+2t^3 \div (x-t)^2 = (x+2t)$ で確認できます。$\frac{1}{12}$ 公式を使うと $S(t) = \frac{27t^4}{4}$ と簡潔に求まり、$t$ の4乗に比例することがわかります。

採点のポイント
  • 接線の方程式の正確な導出
  • $(x-t)^2(x+2t)$ の因数分解
  • $\frac{1}{12}$ 公式の正しい適用($|\beta - t|^4$ の計算)
  • $t = 1$ の代入と計算
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