第5章 指数関数と対数関数

底の変換公式
─ 対数の「底」を自由に乗り換える技術

「$\log_2 5 \cdot \log_5 3$ を計算せよ」── 底がバラバラの対数をどう処理すればよいでしょうか。
底の変換公式は、異なる底の対数を統一する「翻訳ツール」です。なぜこの公式が成り立つのかを理解すれば、対数計算の自由度が格段に上がります。

1底の変換公式とは何か ─ なぜ「底を変える」必要があるのか

対数の計算で困る場面

対数の基本性質(積・商・累乗の公式)を使えば、同じ底の対数同士はまとめたり分解したりできます。

$$\log_a MN = \log_a M + \log_a N, \quad \log_a \frac{M}{N} = \log_a M - \log_a N$$

ところが、$\log_2 5 \cdot \log_5 3$ のように底が異なる対数が混在する場面では、これらの性質だけでは手が出ません。底が $2$ と $5$ でバラバラなので、積や商の公式を直接適用できないのです。

💡 ここが本質:底の変換公式は「共通言語への翻訳」

異なる底の対数は、そのままでは「別の言語」で書かれた数のようなものです。底の変換公式は、すべての対数を同じ底(共通言語)に書き換えるためのツールです。

日本語と英語を混ぜた文章では意味が通じにくいように、底が $2$ の対数と底が $5$ の対数が混在したままでは計算が進みません。底の変換公式を使って底を統一すれば、あとは通常の対数の性質で処理できます。

底の変換公式

$a$、$b$、$c$ が正の数で、$a \neq 1$、$c \neq 1$ のとき、次が成り立ちます。

📐 底の変換公式

$$\log_a b = \frac{\log_c b}{\log_c a}$$

底 $a$ の対数を、底 $c$ の対数に「変換」する公式です。$c$ は $c > 0$、$c \neq 1$ であればどんな値でもかまいません。

この公式を使えば、どんな底の対数も、好きな底 $c$ の対数に統一できます。特に底を $10$(常用対数)や底を $e$(自然対数)にそろえることがよく行われます。

⚠️ 落とし穴:変換先の底 $c$ の条件を忘れない

底の変換公式で変換する底 $c$ は、$c > 0$ かつ $c \neq 1$ でなければなりません。この条件を忘れる人が多いので注意しましょう。

✗ 誤り:$c = 1$ として $\log_1 b$ や $\log_1 a$ を使う

✓ 正しい:$c > 0$、$c \neq 1$ を確認してから使う

$c = 1$ だと $\log_1 b$ が定義できないためです($1^x = 1$ なので、$b \neq 1$ のとき $1^x = b$ を満たす $x$ は存在しません)。

2底の変換公式の導出 ─ 指数の世界に「翻訳」する

なぜこの公式が成り立つのか

底の変換公式は「覚えるもの」ではなく、「なぜ成り立つか」を理解すれば自然に導けるものです。カギは、対数を指数に置き換えて、両辺の $c$ を底とする対数をとるという発想にあります。

▷ 導出

$\log_a b = k$ とおきます。対数の定義から、これは $a^k = b$ を意味します。

この等式 $a^k = b$ の両辺について、底を $c$ とする対数をとります。

$$\log_c a^k = \log_c b$$

左辺に累乗の公式 $\log_c a^k = k \log_c a$ を適用すると、

$$k \log_c a = \log_c b$$

$a \neq 1$ かつ $c \neq 1$ より $\log_c a \neq 0$ なので、両辺を $\log_c a$ で割れます。

$$k = \frac{\log_c b}{\log_c a}$$

$k = \log_a b$ を代入して、

$$\log_a b = \frac{\log_c b}{\log_c a}$$

💡 ここが本質:「両辺の対数をとる」という発想

底の変換公式の導出で使った「等式の両辺の対数をとる」という操作は、対数の問題全般で最も重要なテクニックの1つです。

対数の定義 $\log_a b = k \Leftrightarrow a^k = b$ は、「対数の世界」と「指数の世界」を行き来する橋です。対数の式で行き詰まったら、いったん指数の世界に戻り、別の底の対数をとって再び対数の世界に入る。この「世界の乗り換え」が底の変換公式の本質です。

公式の構造を視覚的に理解する

底の変換公式 $\log_a b = \dfrac{\log_c b}{\log_c a}$ の構造を見てみましょう。

  • 分子:$\log_c b$ ── 変換前の真数 $b$ の、新しい底 $c$ での対数
  • 分母:$\log_c a$ ── 変換前の $a$ の、新しい底 $c$ での対数

つまり「真数の対数を、底の対数で割る」という構造です。分数の形に見慣れておくと、公式を間違えにくくなります。

⚠️ 落とし穴:分子と分母を逆にする

底の変換公式で最も多いミスは、分子と分母を取り違えることです。

✗ 誤り:$\log_a b = \dfrac{\log_c a}{\log_c b}$(分子に底、分母に真数を書いてしまう)

✓ 正しい:$\log_a b = \dfrac{\log_c b}{\log_c a}$(分子が真数、分母が底)

覚え方:$\log_a b$ を分数のように見て、「$b$ が上、$a$ が下」と対応させましょう。$\log_{\underset{\text{下}}{a}} \overset{\text{上}}{b} = \dfrac{\log_c b \text{(上)}}{\log_c a \text{(下)}}$

🔬 深掘りTips:対数と「情報量」の関係

コンピュータサイエンスでは $\log_2 n$ を「$n$ を表すのに必要なビット数」と解釈します。底の変換公式 $\log_a b = \frac{\log_c b}{\log_c a}$ は、「底 $c$ での情報量を単位変換して、底 $a$ での情報量に直す」操作に相当します。

これはちょうど「メートルをインチに変換する」のと同じ構造で、$\log_c a$ が変換係数の役割を果たしています。

3底の変換公式から導かれる重要な等式

底の変換公式をもとに、対数計算でよく使う重要な等式を導くことができます。これらは公式として使いこなせるようにしておきましょう。

等式1:底と真数を入れ替える公式

📐 底と真数の入れ替え

$$\log_a b = \frac{1}{\log_b a}$$

$a > 0$、$a \neq 1$、$b > 0$、$b \neq 1$ のとき成立。底と真数を入れ替えると逆数になります。

▷ 導出

底の変換公式で $c = b$ とすると、

$$\log_a b = \frac{\log_b b}{\log_b a} = \frac{1}{\log_b a}$$

$\log_b b = 1$ を使いました。

この等式は「$\log_a b$ と $\log_b a$ の積が $1$」と言い換えることもできます。

$$\log_a b \cdot \log_b a = 1$$

等式2:対数の連鎖(チェーンルール)

📐 対数の連鎖公式

$$\log_a b \cdot \log_b c = \log_a c$$

底が「$a \to b \to c$」と連鎖して、中間の $b$ が消え、$\log_a c$ だけが残ります。

▷ 導出

底の変換公式をそれぞれ底 $a$ に統一すると、

$$\log_a b \cdot \log_b c = \log_a b \cdot \frac{\log_a c}{\log_a b} = \log_a c$$

$\log_a b$ が約分されて $\log_a c$ だけが残ります。

💡 ここが本質:連鎖公式は「中間の底が消える」

$\log_a b \cdot \log_b c = \log_a c$ は、分数の約分と同じ構造をしています。

底の変換公式で $\log_a b = \frac{\log b}{\log a}$、$\log_b c = \frac{\log c}{\log b}$ と書けば、

$$\frac{\log b}{\log a} \cdot \frac{\log c}{\log b} = \frac{\log c}{\log a} = \log_a c$$

$\log b$ が約分されます。3つ以上でも同様に $\log_a b \cdot \log_b c \cdot \log_c d = \log_a d$ が成り立ちます。

等式3:指数部分に対数がある場合

📐 指数に対数を含む等式

$$a^{\log_a b} = b$$

対数の定義そのもの。$\log_a b = k$ ならば $a^k = b$ なので、$a^{\log_a b} = b$ です。

この等式の一般化として、次も覚えておくと便利です。

$$a^{\log_a b} = b \quad \Rightarrow \quad a^{m \log_a b} = b^m$$

重要な等式のまとめ表

等式 意味 使い道
$\log_a b = \dfrac{\log_c b}{\log_c a}$ 底 $a$ を底 $c$ に変換 底をそろえて計算
$\log_a b = \dfrac{1}{\log_b a}$ 底と真数を入れ替えると逆数 式の簡略化
$\log_a b \cdot \log_b c = \log_a c$ 連鎖して中間の底が消える 対数の積の計算
⚠️ 落とし穴:連鎖公式と積の公式を混同する

$\log_a b \cdot \log_b c = \log_a c$ は異なる底の対数の積の公式です。同じ底の対数の積 $\log_a M \cdot \log_a N$ はこれとは別物であり、$\log_a MN$ にはなりません。

✗ 誤り:$\log_2 3 \cdot \log_2 5 = \log_2 15$(同じ底の対数の積は和にならない)

✓ 正しい:$\log_2 3 + \log_2 5 = \log_2 15$(足し算で積になる)

✓ 正しい:$\log_2 3 \cdot \log_3 5 = \log_2 5$(底が連鎖するときだけ使える)

🔬 深掘りTips:自然対数と底の変換公式

大学数学では底 $e$(ネイピア数 $e \approx 2.718\ldots$)の自然対数 $\ln x = \log_e x$ がほぼ唯一の対数として使われます。底の変換公式を $c = e$ として使えば、

$$\log_a b = \frac{\ln b}{\ln a}$$

となり、あらゆる対数を自然対数に帰着できます。大学で「対数」といえば自然対数であり、底の変換公式がその橋渡しをしてくれるのです。

4底の変換公式の活用 ─ 計算テクニック

テクニック1:底を素数にそろえる

底の変換公式で底をそろえるとき、慣れるまでは底を同じ素数($2$、$3$、$5$ など)にそろえると計算がスムーズです。

計算例:$\log_2 5 \cdot \log_5 2$ を計算します。

連鎖公式を使うなら、$\log_2 5 \cdot \log_5 2 = \log_2 2 = 1$ と一発です。

底を $2$ にそろえる方法でも確認してみましょう。

$$\log_2 5 \cdot \log_5 2 = \log_2 5 \cdot \frac{\log_2 2}{\log_2 5} = \log_2 5 \cdot \frac{1}{\log_2 5} = 1$$

テクニック2:真数を素因数分解してから底をそろえる

真数が大きい場合は、まず素因数分解してから対数の性質で分解し、底の変換を行うとよいです。

計算例:$(\log_2 27)(\log_3 4 + \log_3 16)$ を計算します。

まず、$\log_3 4 + \log_3 16 = \log_3 (4 \cdot 16) = \log_3 64 = \log_3 2^6 = 6\log_3 2$ です。

底を $2$ にそろえると、$\log_2 27 = \log_2 3^3 = 3\log_2 3$ より、

$$3\log_2 3 \cdot 6\log_3 2 = 18 \cdot \log_2 3 \cdot \log_3 2 = 18 \cdot 1 = 18$$

テクニック3:$\log_{10} 2 = a$、$\log_{10} 3 = b$ とおく問題

大学入試では「$\log_{10} 2 = a$、$\log_{10} 3 = b$ とおくとき、次の値を $a$、$b$ で表せ」という形式がよく出題されます。

計算例:$\log_{10} 2 = a$、$\log_{10} 3 = b$ のとき、$\log_6 5$ を $a$、$b$ で表します。

底の変換公式で底を $10$ にそろえます。

$$\log_6 5 = \frac{\log_{10} 5}{\log_{10} 6}$$

ここで $\log_{10} 5 = \log_{10} \frac{10}{2} = 1 - a$、$\log_{10} 6 = \log_{10} (2 \cdot 3) = a + b$ なので、

$$\log_6 5 = \frac{1 - a}{a + b}$$

⚠️ 落とし穴:$\log_{10} 5$ を直接文字に置かない

$\log_{10} 2 = a$、$\log_{10} 3 = b$ が与えられたとき、$\log_{10} 5$ を新たに文字で置く必要はありません。

✓ コツ:$5 = \frac{10}{2}$ なので $\log_{10} 5 = \log_{10} 10 - \log_{10} 2 = 1 - a$

同様に $\log_{10} 7$ のように $2$、$3$、$5$ の積・商で表せない数は、$a$、$b$ だけでは表せません。問題文をよく読んで、表せるかどうかを判断しましょう。

テクニック4:変換する底 $c$ の選び方

変換先の底 $c$ は問題に応じて使い分けます。

場面 推奨する底 $c$ 理由
底がすべて $2, 4, 8, \ldots$ 系 $c = 2$ $2$ のべき乗で統一
底がすべて $3, 9, 27, \ldots$ 系 $c = 3$ $3$ のべき乗で統一
$\log_{10} 2 = a$ 等の文字指定 $c = 10$ 常用対数に統一
底が混在して判断しにくい $c = 10$ または真数に現れる素数 汎用的
🔬 深掘りTips:関数電卓と底の変換

多くの関数電卓には $\log$(常用対数 $\log_{10}$)と $\ln$(自然対数 $\log_e$)のボタンしかありません。$\log_3 7$ のような値を求めたいときには、底の変換公式を使って $\log_3 7 = \frac{\log 7}{\log 3} \approx \frac{0.8451}{0.4771} \approx 1.771$ と計算します。底の変換公式は理論だけでなく実用的にも不可欠な公式なのです。

5底の変換公式と対数方程式・不等式

対数方程式への応用

底が異なる対数を含む方程式では、底の変換公式で底を統一することが第一歩です。

考え方の例:$\log_2 x + \log_x 2 = \frac{5}{2}$ を解くことを考えます。

$\log_x 2$ の底は $x$ で変数ですが、底の変換公式で底を $2$ にそろえます。

$$\log_x 2 = \frac{1}{\log_2 x}$$

$\log_2 x = t$ とおくと、方程式は $t + \frac{1}{t} = \frac{5}{2}$ となります。

両辺に $t$ をかけて整理すると $2t^2 - 5t + 2 = 0$、すなわち $(2t - 1)(t - 2) = 0$ で $t = \frac{1}{2}$ または $t = 2$ です。

$t = \log_2 x$ に戻すと、$x = 2^{1/2} = \sqrt{2}$ または $x = 2^2 = 4$ です。

真数条件 $x > 0$ と底の条件 $x > 0$、$x \neq 1$ を確認すると、どちらも適します。

💡 ここが本質:底が変数のときは底の変換公式で変数を消す

$\log_x 2$ のように「底に変数がある対数」は、そのままでは扱いにくいです。底の変換公式で $\log_x 2 = \frac{1}{\log_2 x}$ と書き換えれば、底が定数 $2$ になり、$\log_2 x = t$ という置換で通常の方程式に帰着できます。

「底に変数があったら、底の変換公式で追い出す」── これが鉄則です。

対数不等式への応用

底が異なる対数を含む不等式でも、まず底を統一します。

考え方の例:$\log_4 x > \log_2 3$ を解くことを考えます。

底の変換公式で $\log_4 x$ の底を $2$ に変えると、$\log_4 x = \frac{\log_2 x}{\log_2 4} = \frac{\log_2 x}{2}$ です。

不等式は $\frac{\log_2 x}{2} > \log_2 3$、すなわち $\log_2 x > 2\log_2 3 = \log_2 9$ となります。

底 $2 > 1$ なので大小関係は保存され、$x > 9$ です(真数条件 $x > 0$ も満たす)。

⚠️ 落とし穴:底の条件・真数条件の確認を忘れる

底の変換公式を使って方程式・不等式を解く際、最後に必ず真数条件(真数 $> 0$)と底の条件(底 $> 0$、底 $\neq 1$)を確認しましょう。

特に底に変数が含まれる場合、$\log_x 2$ が定義されるためには $x > 0$ かつ $x \neq 1$ が必要です。解を求めた後に $x = 1$ が含まれていないかチェックを忘れないでください。

大小比較への応用

底が異なる対数の大小を比較するとき、底の変換公式で底を統一すると比較しやすくなります。

考え方の例:$\log_2 3$、$\log_4 7$、$\log_8 20$ の大小を比較します。

すべて底を $2$ にそろえます。

$$\log_2 3, \quad \log_4 7 = \frac{\log_2 7}{2}, \quad \log_8 20 = \frac{\log_2 20}{3}$$

分子をさらに評価すると、$\log_2 7 \approx 2.807$、$\log_2 20 \approx 4.322$ なので、

$$\log_4 7 \approx 1.404, \quad \log_8 20 \approx 1.441, \quad \log_2 3 \approx 1.585$$

よって $\log_4 7 < \log_8 20 < \log_2 3$ です。

🔬 深掘りTips:対数と整数論 ─ 素数の対数は「独立」

$\log_2 3$ は無理数であることが知られています。実はもっと強い性質が成り立ちます。異なる素数 $p$、$q$ に対して $\log_p q$ は必ず無理数です。もし $\log_p q = \frac{m}{n}$(整数比)なら $p^m = q^n$ となりますが、素因数分解の一意性に反します。

このことは、$\log_{10} 2$、$\log_{10} 3$、$\log_{10} 5$ が「独立な無理数」であることを意味しており、だからこそ $\log_{10} 2 = a$、$\log_{10} 3 = b$ という文字置換が有効なのです。

📋まとめ

  • 底の変換公式:$\log_a b = \dfrac{\log_c b}{\log_c a}$。異なる底の対数を共通の底 $c$ に統一する公式。$c > 0$、$c \neq 1$ なら何でもよい。
  • 公式の導出:$\log_a b = k$ とおいて $a^k = b$ の両辺の $c$ を底とする対数をとる。「指数の世界に戻して再翻訳」がポイント。
  • 底と真数の入れ替え:$\log_a b = \dfrac{1}{\log_b a}$。底の変換公式で $c = b$ としたもの。
  • 連鎖公式:$\log_a b \cdot \log_b c = \log_a c$。中間の底 $b$ が約分されて消える。
  • 活用の鉄則:底が異なる対数が混在したら、底の変換公式で底をそろえる。底に変数があるときは「変換して追い出す」。底を素数にそろえると計算がスムーズ。

確認テスト

Q1. 底の変換公式を用いて、$\log_4 8$ の値を求めよ。

▶ クリックして解答を表示 $\log_4 8 = \dfrac{\log_2 8}{\log_2 4} = \dfrac{3}{2}$

Q2. $\log_3 5 \cdot \log_5 9$ の値を求めよ。

▶ クリックして解答を表示 $\log_3 5 \cdot \log_5 9 = \log_3 9 = 2$(連鎖公式)

Q3. $\log_9 4$ を $\log_3 2$ を用いて表せ。

▶ クリックして解答を表示 $\log_9 4 = \dfrac{\log_3 4}{\log_3 9} = \dfrac{2\log_3 2}{2} = \log_3 2$

Q4. $\log_{10} 2 = 0.3010$ のとき、$\log_5 8$ の値を小数第3位まで求めよ。

▶ クリックして解答を表示 $\log_5 8 = \dfrac{\log_{10} 8}{\log_{10} 5} = \dfrac{3\log_{10} 2}{1 - \log_{10} 2} = \dfrac{3 \times 0.3010}{1 - 0.3010} = \dfrac{0.9030}{0.6990} \approx 1.292$

Q5. $\log_2 3 \cdot \log_3 7 \cdot \log_7 4$ の値を求めよ。

▶ クリックして解答を表示 $\log_2 3 \cdot \log_3 7 \cdot \log_7 4 = \log_2 4 = 2$(連鎖公式を2回適用)

📝入試問題演習

問題 1 A 基礎

次の計算をせよ。

(1) $\log_2 5 \cdot \log_5 2$

(2) $4\log_5 3 - \frac{1}{2}\log_5 9 + \log_5 \frac{1}{3}$

(3) $\log_2 9 \cdot \log_3 5 \cdot \log_5 4$

▶ クリックして解答を表示
解答

(1) 底と真数の入れ替えの関係より、$\log_2 5 \cdot \log_5 2 = 1$

(2) $4\log_5 3 - \frac{1}{2}\log_5 9 + \log_5 \frac{1}{3}$

$= 4\log_5 3 - \frac{1}{2} \cdot 2\log_5 3 + (-\log_5 3)$

$= 4\log_5 3 - \log_5 3 - \log_5 3 = 2\log_5 3 = \log_5 9$

(3) 連鎖公式より、$\log_2 9 \cdot \log_3 5 \cdot \log_5 4$

$= \log_2 9 \cdot \log_9 4 \cdot \log_3 9 \cdot \frac{\log_3 5}{\log_3 9} \cdot \log_5 4$

底を $2$ にそろえて計算する方が見通しがよいです。

$= \dfrac{\log_2 9 \cdot \log_2 5 \cdot \log_2 4}{\log_2 3 \cdot \log_2 5} = \dfrac{2\log_2 3 \cdot \log_2 5 \cdot 2}{\log_2 3 \cdot \log_2 5} = 4$

問題 2 B 標準

$\log_{10} 2 = a$、$\log_{10} 3 = b$ とするとき、次の値を $a$、$b$ で表せ。

(1) $\log_5 16$

(2) $\log_6 24$

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解答

(1) 底の変換公式で底を $10$ にそろえます。

$$\log_5 16 = \frac{\log_{10} 16}{\log_{10} 5} = \frac{4\log_{10} 2}{\log_{10} \frac{10}{2}} = \frac{4a}{1 - a}$$

(2) $\log_6 24 = \dfrac{\log_{10} 24}{\log_{10} 6}$

$\log_{10} 24 = \log_{10}(2^3 \cdot 3) = 3a + b$

$\log_{10} 6 = \log_{10}(2 \cdot 3) = a + b$

$$\log_6 24 = \frac{3a + b}{a + b}$$

解説

$\log_{10} 5$ は直接 $a$、$b$ に含まれていませんが、$5 = \frac{10}{2}$ と変形すれば $\log_{10} 5 = 1 - a$ と表せます。真数を $2$、$3$、$5$、$10$ の積・商に分解する力が問われます。

採点のポイント
  • 底の変換公式を正しく適用し、底を $10$ にそろえている
  • $\log_{10} 5 = 1 - a$ の変形ができている
  • 真数の素因数分解が正確に行われている
問題 3 B 標準

$(\log_2 27)(\log_3 4 + \log_3 16)$ の値を求めよ。

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解答

まず括弧内を計算します。

$$\log_3 4 + \log_3 16 = \log_3 (4 \cdot 16) = \log_3 64 = \log_3 2^6 = 6\log_3 2$$

次に $\log_2 27 = \log_2 3^3 = 3\log_2 3$ より、

$$(\log_2 27)(\log_3 4 + \log_3 16) = 3\log_2 3 \cdot 6\log_3 2$$

$$= 18 \cdot \underbrace{\log_2 3 \cdot \log_3 2}_{= 1} = 18$$

解説

真数をべき乗の形に直して $\log_2 3$ と $\log_3 2$ のペアを作り出すのがポイントです。$\log_a b \cdot \log_b a = 1$ という関係が現れる形に変形できれば、きれいに計算が完了します。

採点のポイント
  • $\log_3 4 + \log_3 16 = \log_3 64 = 6\log_3 2$ の変形
  • $\log_2 3 \cdot \log_3 2 = 1$ の適用
問題 4 C 発展

$a > b > 1$ とし、$\log_a b + \log_b a = \dfrac{10}{3}$ とする。

(1) $\log_a b$ の値を求めよ。

(2) $\log_a b - \log_b a$ の値を求めよ。

(3) $\log_{ab} \dfrac{a}{b}$ の値を求めよ。

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解答

(1) $\log_a b = t$ とおくと、$\log_b a = \dfrac{1}{t}$(底と真数の入れ替え)より、

$$t + \frac{1}{t} = \frac{10}{3}$$

両辺に $3t$ をかけて $3t^2 + 3 = 10t$、すなわち $3t^2 - 10t + 3 = 0$ です。

$$(3t - 1)(t - 3) = 0 \quad \Rightarrow \quad t = \frac{1}{3} \text{ または } t = 3$$

$a > b > 1$ より $\log_a b < \log_a a = 1$ なので $0 < t < 1$。よって $\log_a b = \dfrac{1}{3}$。

(2) $\log_a b = \dfrac{1}{3}$、$\log_b a = 3$ より、

$$\log_a b - \log_b a = \frac{1}{3} - 3 = -\frac{8}{3}$$

(3) 底の変換公式で底を $a$ にそろえます。

$$\log_{ab} \frac{a}{b} = \frac{\log_a \frac{a}{b}}{\log_a (ab)} = \frac{\log_a a - \log_a b}{\log_a a + \log_a b} = \frac{1 - \frac{1}{3}}{1 + \frac{1}{3}} = \frac{\frac{2}{3}}{\frac{4}{3}} = \frac{1}{2}$$

解説

(1)では $\log_b a = \frac{1}{\log_a b}$ により $t + \frac{1}{t}$ の2次方程式に帰着させます。$a > b > 1$ から $\log_a b < 1$ という条件で解を絞る点が重要です。(3)では真数・底の両方を $\log_a$ で表す技法がポイントです。

採点のポイント
  • (1) $\log_b a = \frac{1}{\log_a b}$ を用いて2次方程式に帰着
  • (1) $a > b > 1$ の条件から $t = \frac{1}{3}$ を選ぶ理由の記述
  • (3) 底の変換公式で底を $a$ にそろえ、分子・分母を正しく計算