第5章 指数関数と対数関数

対数の定義と基本性質
─ $\log_a b$ は「$a$ を何乗したら $b$ になるか」

「$2$ を何乗したら $8$ になるか?」── 答えは $3$ です。この「何乗?」を表す記号が対数 $\log$ です。
指数の「逆操作」として対数を理解し、その基本性質を指数法則から導きましょう。

1対数はなぜ必要か ─ 指数の「逆」を求めたい

「何乗すれば?」という問い

指数関数の学習で、$2^3 = 8$ や $3^4 = 81$ のように「底と指数から結果を求める」計算には慣れたはずです。では、逆に問いを立ててみましょう。

$2$ を何乗したら $32$ になるか?

$2^5 = 32$ なので答えは $5$ です。これは簡単でした。では次の問いはどうでしょうか。

$2$ を何乗したら $5$ になるか?

$2^2 = 4$ で $2^3 = 8$ ですから、答えは $2$ と $3$ の間のどこかの実数です。しかし、これを具体的に表す手段がありません。整数でも分数でもない「何か」が答えなのです。

💡 ここが本質:対数は「指数の逆操作」に名前をつけたもの

指数の世界には3つの量があります:指数結果です。

$$\underbrace{2}_{\text{底}} {}^{\overbrace{?}^{\text{指数}}} = \underbrace{5}_{\text{結果}}$$

底と結果がわかっているとき、指数(=「何乗か」)を求める操作が対数です。「$2$ を何乗したら $5$ になるか」の答えを $\log_2 5$ と書きます。対数とは、新しい概念ではなく、指数を「反対側から見た」だけのものです。

対数の歴史的背景

対数(logarithm)は17世紀初頭、スコットランドの数学者ネイピアによって発明されました。当時の天文学者たちは、天体の位置計算で桁数の大きい数のかけ算を大量にこなす必要がありました。対数を使うと、かけ算を足し算に変換できるため、計算が劇的に楽になったのです。

現代では、地震の規模(マグニチュード)、音の大きさ(デシベル)、酸性度(pH)など、「桁が大きく変わる量」を扱いやすくするために対数が使われています。

🔬 深掘りTips:対数と情報量

コンピュータサイエンスでは $\log_2 n$ が頻繁に登場します。$n$ 個のデータから1つを見つけるとき、二分探索なら $\log_2 n$ 回の比較で済みます。また、「$n$ 通りの状態を区別するには何ビット必要か」の答えも $\log_2 n$ です。対数は「情報の量」を測る道具でもあるのです。

2対数の定義 ─ $\log_a M$ の正体

定義の確認

指数関数 $y = a^x$($a > 0$、$a \neq 1$)は、正の数 $M$ に対して $a^p = M$ を満たす実数 $p$ がただ1つ定まります。この $p$ を $a$ をとする $M$ の対数といい、$\log_a M$ で表します。$M$ をこの対数の真数といいます。

📐 対数の定義

$a > 0$、$a \neq 1$、$M > 0$ のとき、

$$a^p = M \iff p = \log_a M$$

左の指数形式と右の対数形式は、同じ関係を別の書き方で表したものです。

この定義は「$a$ を $p$ 乗すると $M$ になる」ことと「$a$ を底とする $M$ の対数は $p$ である」ことが同じ意味だと述べています。

💡 ここが本質:対数の定義は「翻訳」にすぎない

$2^3 = 8$ と $\log_2 8 = 3$ は、まったく同じ事実を別の言語で書いたものです。指数形式 $a^p = M$ を「$a$ を $p$ 乗すると $M$」と読むなら、対数形式 $p = \log_a M$ は「$a$ を何乗したら $M$ になるか、その答えが $p$」と読みます。

対数の問題で迷ったら、まず指数形式に書き換えてみる。これが最も確実な方法です。

具体例で慣れる

定義に当てはめて、対数の値を確認しましょう。

指数形式 $a^p = M$ 対数形式 $p = \log_a M$ 読み方
$2^3 = 8$ $\log_2 8 = 3$ $2$ を $3$ 乗すると $8$
$3^4 = 81$ $\log_3 81 = 4$ $3$ を $4$ 乗すると $81$
$5^{-1} = \dfrac{1}{5}$ $\log_5 \dfrac{1}{5} = -1$ $5$ を $-1$ 乗すると $\dfrac{1}{5}$
$4^{\frac{1}{2}} = 2$ $\log_4 2 = \dfrac{1}{2}$ $4$ を $\dfrac{1}{2}$ 乗すると $2$
$10^0 = 1$ $\log_{10} 1 = 0$ $10$ を $0$ 乗すると $1$

底と真数の条件

対数 $\log_a M$ が定義されるためには、次の条件が必要です。

  • 底の条件:$a > 0$ かつ $a \neq 1$
  • 真数の条件:$M > 0$
⚠️ 落とし穴:真数条件を忘れる

対数を含む方程式・不等式を解くとき、真数 $> 0$ の条件を忘れることが非常に多い間違いです。

✗ 誤り:$\log_2 x = 3$ より $x = 8$(真数条件の確認なし)

✓ 正しい:真数条件 $x > 0$ を確認。$\log_2 x = 3$ より $x = 2^3 = 8$。$x = 8 > 0$ なので適する。

この例では偶然正しい答えになりますが、より複雑な問題では真数条件を確認しないと不適な解を含めてしまいます。

⚠️ 落とし穴:底が $1$ のときは定義されない

$a = 1$ のとき、$1^p = 1$(どんな $p$ でも $1$)なので、$M \neq 1$ に対しては指数が存在せず、$M = 1$ に対しては指数が一意に定まりません。したがって $\log_1 M$ は定義できません。

底の条件 $a \neq 1$ を見落とす問題が入試でも出題されるので注意しましょう。

$a^{\log_a M} = M$ という重要な等式

対数の定義 $\log_a M = p \iff a^p = M$ において、$p$ に $\log_a M$ を代入すると、次の等式が得られます。

$$a^{\log_a M} = M$$

これは「$a$ を $\log_a M$ 乗すると $M$ に戻る」ということです。対数が指数の逆操作であることを端的に示す式であり、計算でも頻繁に使います。

🔬 深掘りTips:逆関数の視点

$f(x) = a^x$ と $g(x) = \log_a x$ は互いに逆関数の関係にあります。逆関数とは「操作を元に戻す関数」のことで、$f(g(x)) = a^{\log_a x} = x$、$g(f(x)) = \log_a(a^x) = x$ が成り立ちます。大学の解析学では、この逆関数の考え方を一般化して、指数関数と対数関数の微分・積分の関係を導きます。

3対数の基本性質 ─ 指数法則の「翻訳」

対数の性質は、すべて指数法則から導かれます。暗記ではなく、「なぜその性質が成り立つのか」を理解しましょう。

基本性質一覧

📐 対数の基本性質

$a > 0$、$a \neq 1$、$M > 0$、$N > 0$、$k$ は実数とする。

$$(1) \quad \log_a 1 = 0, \quad \log_a a = 1$$

$$(2) \quad \log_a MN = \log_a M + \log_a N \quad \text{(積の対数 = 対数の和)}$$

$$(3) \quad \log_a \frac{M}{N} = \log_a M - \log_a N \quad \text{(商の対数 = 対数の差)}$$

$$(4) \quad \log_a M^k = k \log_a M \quad \text{(累乗の対数 = 対数の定数倍)}$$

これら4つの性質は、指数法則 $a^m \cdot a^n = a^{m+n}$、$\dfrac{a^m}{a^n} = a^{m-n}$、$(a^m)^k = a^{mk}$ をそれぞれ対数の言葉に翻訳したものです。

💡 ここが本質:対数の性質は指数法則の「書き換え」

対数の性質を丸暗記する必要はありません。対数は指数の逆操作なので、指数法則がそのまま対数の性質になります。

「かけ算 → 足し算」「割り算 → 引き算」「累乗 → 定数倍」に変換されるのがポイントです。

これこそが対数の最大の特徴であり、対数が発明された理由でもあります。複雑なかけ算を、より簡単な足し算に変換できるのです。

性質(1)の確認

$\log_a 1 = 0$ は $a^0 = 1$ の翻訳です。どんな正の数も $0$ 乗すれば $1$ なので、$1$ の対数は常に $0$ です。

$\log_a a = 1$ は $a^1 = a$ の翻訳です。$a$ を $1$ 乗すれば $a$ 自身なので、底と真数が等しい対数は常に $1$ です。

性質(2)の証明

▷ 積の対数 = 対数の和の証明

$\log_a M = p$、$\log_a N = q$ とおくと、定義より $M = a^p$、$N = a^q$ です。

$$MN = a^p \cdot a^q = a^{p+q}$$

これを対数形式に書き換えると、

$$\log_a MN = p + q = \log_a M + \log_a N$$

指数法則 $a^p \cdot a^q = a^{p+q}$ を使っただけです。性質(3)、(4)も同様に、指数法則の $\dfrac{a^p}{a^q} = a^{p-q}$、$(a^p)^k = a^{pk}$ から導けます。

性質を使った計算例

$\log_2 12$ を $\log_2 2$ と $\log_2 3$ を使って表してみましょう。

$$\log_2 12 = \log_2 (4 \cdot 3) = \log_2 4 + \log_2 3 = \log_2 2^2 + \log_2 3 = 2 + \log_2 3$$

このように、真数を素因数分解して性質を適用するのが基本的な計算方針です。

⚠️ 落とし穴:対数の足し算と真数の足し算を混同する

対数の性質 $\log_a MN = \log_a M + \log_a N$ を逆に適用するとき、次のような間違いが頻発します。

✗ 誤り:$\log_2 3 + \log_2 5 = \log_2 8$(真数を足してしまう)

✓ 正しい:$\log_2 3 + \log_2 5 = \log_2 (3 \times 5) = \log_2 15$

対数の和は真数の、対数の差は真数のです。真数を足したり引いたりするのではありません。

指数と対数の往復

性質(4)の特別な場合として、次の2つを覚えておくと便利です。

$$\log_a \frac{1}{M} = \log_a M^{-1} = -\log_a M$$

$$\log_a \sqrt{M} = \log_a M^{\frac{1}{2}} = \frac{1}{2} \log_a M$$

いずれも性質(4)で $k = -1$、$k = \frac{1}{2}$ とした場合にすぎません。

⚠️ 落とし穴:$\log_a M^k = k \log_a M$ を使うときの真数条件

$\log_a x^2 = 2\log_a x$ と変形できるのは $x > 0$ のときだけです。

$\log_a x^2$ は $x^2 > 0$($x \neq 0$)で定義されますが、$2\log_a x$ は $x > 0$ でしか定義されません。$x < 0$ の場合、左辺は定義されるのに右辺は定義されないので、この変形は同値ではありません。

✗ 危険:$\log_3 x^2 = 2$ → $2\log_3 x = 2$ → $\log_3 x = 1$ → $x = 3$

✓ 安全:$\log_3 x^2 = 2$ → $x^2 = 3^2 = 9$ → $x = \pm 3$

🔬 深掘りTips:対数法則と群論

「かけ算を足し算に変換する」写像を、大学数学では準同型写像(homomorphism)と呼びます。対数関数 $\log_a$ は、正の実数のかけ算の群 $(\mathbb{R}^+, \times)$ から実数の足し算の群 $(\mathbb{R}, +)$ への準同型写像です。$\log_a(MN) = \log_a M + \log_a N$ はまさにこの準同型の性質を表しています。

4底の変換公式 ─ 底をそろえる技術

底が異なる対数を扱う必要性

対数の性質(2)〜(4)は、底が同じ対数どうしにしか使えません。では、$\log_2 3$ と $\log_3 5$ のように底が異なる対数が混在する式はどう計算すればよいでしょうか。ここで登場するのが底の変換公式です。

📐 底の変換公式

$a$、$b$、$c$ は正の数で、$a \neq 1$、$c \neq 1$ とする。

$$\log_a b = \frac{\log_c b}{\log_c a}$$

特に $b = c$ のとき、

$$\log_a b = \frac{1}{\log_b a}$$

底を $c$ に統一できます。$c$ は $c > 0$、$c \neq 1$ であれば何でもよいですが、計算しやすい底を選びましょう。

底の変換公式の導出

▷ 底の変換公式の証明

$\log_a b = p$ とおくと、定義より $a^p = b$ です。

両辺の $c$ を底とする対数をとると、

$$\log_c a^p = \log_c b$$

性質(4)より左辺は $p \log_c a$ なので、

$$p \log_c a = \log_c b$$

$a \neq 1$ より $\log_c a \neq 0$ なので、両辺を $\log_c a$ で割ると、

$$p = \frac{\log_c b}{\log_c a}$$

すなわち $\log_a b = \dfrac{\log_c b}{\log_c a}$ が示されました。

💡 ここが本質:「両辺の対数をとる」テクニック

底の変換公式の証明で使った「等式の両辺の対数をとる」は、指数・対数の分野全体を貫く重要なテクニックです。指数形式の等式を対数の世界に持ち込むことで、指数の部分を「降ろして」扱えるようになります。

これは、対数が「かけ算を足し算に」「累乗を定数倍に」変換する性質があるからこそ有効な手法です。

底の変換公式の使い方

$\log_2 3 \cdot \log_3 8$ を計算してみましょう。底が $2$ と $3$ で異なるので、底をそろえます。

$$\log_2 3 \cdot \log_3 8 = \log_2 3 \cdot \frac{\log_2 8}{\log_2 3} = \log_2 8 = \log_2 2^3 = 3$$

底の変換公式で $\log_3 8$ の底を $2$ に変換すると、$\log_2 3$ が約分されて計算がきれいにまとまります。

常用対数と自然対数

特別な底を持つ対数には名前がついています。

  • 常用対数:底が $10$ の対数 $\log_{10} M$。高校では $\log M$ と略記することがあります。
  • 自然対数:底がネイピア数 $e \fallingdotseq 2.718\cdots$ の対数 $\log_e M$。大学では $\ln M$ と書きます。

常用対数は桁数の問題で、自然対数は微分・積分で重要な役割を果たします。

🔬 深掘りTips:ネイピア数 $e$ はなぜ「自然」なのか

$e = \lim_{n \to \infty}\left(1 + \frac{1}{n}\right)^n \fallingdotseq 2.718\cdots$ という無理数は、微分の観点から最も「自然」な底です。$y = e^x$ は微分しても $y' = e^x$ のまま変わりません。つまり、$e$ を底とする指数関数は「変化率が自分自身に等しい」という美しい性質を持っています。数学IIIの微分で詳しく学びます。

5対数計算の実践 ─ よくある計算パターン

パターン1:真数を素因数分解して性質を適用

$\log_2 48$ を求めてみましょう。

$$\log_2 48 = \log_2 (16 \times 3) = \log_2 2^4 + \log_2 3 = 4 + \log_2 3$$

$\log_2 3$ の正確な値はわかりませんが、$\log_2 3 \fallingdotseq 1.585$ です。

パターン2:対数を1つにまとめる

$2\log_3 2 + \log_3 \dfrac{9}{4}$ を簡単にしてみましょう。

$$2\log_3 2 + \log_3 \frac{9}{4} = \log_3 2^2 + \log_3 \frac{9}{4} = \log_3 \left(4 \cdot \frac{9}{4}\right) = \log_3 9 = \log_3 3^2 = 2$$

パターン3:底の変換で底をそろえる

$\log_4 5 \cdot \log_{25} 16$ を計算してみましょう。

底を $2$ にそろえると計算がしやすくなります。

$$\log_4 5 \cdot \log_{25} 16 = \frac{\log_2 5}{\log_2 4} \cdot \frac{\log_2 16}{\log_2 25} = \frac{\log_2 5}{2} \cdot \frac{4}{2\log_2 5} = \frac{4}{4} = 1$$

パターン4:$a^{\log_a M} = M$ の活用

$9^{\log_3 5}$ の値を求めましょう。

$$9^{\log_3 5} = (3^2)^{\log_3 5} = 3^{2\log_3 5} = 3^{\log_3 5^2} = 3^{\log_3 25} = 25$$

⚠️ 落とし穴:$\log$ の省略表記

高校の教科書では $\log_{10}$ を $\log$ と略記することがありますが、大学以降では $\log$ は自然対数 $\log_e$(つまり $\ln$)を意味することが多いです。

問題文で底が省略されているときは、文脈から判断する必要があります。常用対数の問題では $\log = \log_{10}$、それ以外の場面では確認しましょう。

対数の性質の比較表

指数法則 対数の性質 変換の方向
$a^0 = 1$ $\log_a 1 = 0$ $0$ 乗 → 対数 $0$
$a^1 = a$ $\log_a a = 1$ $1$ 乗 → 対数 $1$
$a^m \cdot a^n = a^{m+n}$ $\log_a MN = \log_a M + \log_a N$ 積 → 和
$\dfrac{a^m}{a^n} = a^{m-n}$ $\log_a \dfrac{M}{N} = \log_a M - \log_a N$ 商 → 差
$(a^m)^k = a^{mk}$ $\log_a M^k = k\log_a M$ 累乗 → 定数倍
🔬 深掘りTips:対数スケールとグラフ

科学やデータ分析では、値の範囲が広いデータ(例えば $1$ から $10^{12}$ まで)を扱うとき、対数スケールのグラフが使われます。横軸を $\log_{10} x$ にすると、$1, 10, 100, 1000, \ldots$ が等間隔に並びます。指数関数的な増加は対数スケールでは直線になるため、増加の傾向が一目でわかります。

📋まとめ

  • 対数の定義:$a^p = M \iff p = \log_a M$。「$a$ を何乗したら $M$ になるか」が対数の意味。底 $a > 0$、$a \neq 1$、真数 $M > 0$ が条件。
  • 基本性質:$\log_a 1 = 0$、$\log_a a = 1$、$\log_a MN = \log_a M + \log_a N$、$\log_a \dfrac{M}{N} = \log_a M - \log_a N$、$\log_a M^k = k\log_a M$。すべて指数法則の翻訳。
  • 底の変換公式:$\log_a b = \dfrac{\log_c b}{\log_c a}$。底が異なる対数を統一するための公式。$\log_a b \cdot \log_b a = 1$ も重要。
  • 指数と対数の往復:$a^{\log_a M} = M$ と $\log_a a^x = x$。指数と対数は互いに逆操作。迷ったら指数形式に戻す。
  • 計算の心得:真数条件 $M > 0$ の確認を忘れない。対数の和は真数の積(足し算ではない)。$\log_a x^2 = 2\log_a x$ は $x > 0$ のときのみ。

✅ 確認テスト

Q1. $\log_3 81$ の値を求めよ。

▶ クリックして解答を表示 $81 = 3^4$ なので $\log_3 81 = 4$

Q2. $\log_5 \dfrac{1}{25}$ の値を求めよ。

▶ クリックして解答を表示 $\dfrac{1}{25} = 5^{-2}$ なので $\log_5 \dfrac{1}{25} = -2$

Q3. $\log_2 6 + \log_2 \dfrac{8}{3}$ を簡単にせよ。

▶ クリックして解答を表示 $\log_2 6 + \log_2 \dfrac{8}{3} = \log_2 \left(6 \cdot \dfrac{8}{3}\right) = \log_2 16 = \log_2 2^4 = 4$

Q4. $\log_4 8$ の値を求めよ。

▶ クリックして解答を表示 底の変換公式より $\log_4 8 = \dfrac{\log_2 8}{\log_2 4} = \dfrac{3}{2}$

Q5. $\log_a M = p$、$\log_a N = q$ のとき、$\log_a \dfrac{M^3}{N^2}$ を $p$、$q$ で表せ。

▶ クリックして解答を表示 $\log_a \dfrac{M^3}{N^2} = \log_a M^3 - \log_a N^2 = 3\log_a M - 2\log_a N = 3p - 2q$

📝入試問題演習

問題 1 A 基礎

次の対数の値を求めよ。

(1) $\log_8 32$

(2) $\log_9 \dfrac{1}{27}$

(3) $\log_{\frac{1}{2}} 8$

▶ クリックして解答を表示
解答

(1) $\log_8 32 = \dfrac{\log_2 32}{\log_2 8} = \dfrac{5}{3}$

(2) $\log_9 \dfrac{1}{27} = \dfrac{\log_3 \frac{1}{27}}{\log_3 9} = \dfrac{-3}{2} = -\dfrac{3}{2}$

(3) $\log_{\frac{1}{2}} 8 = \dfrac{\log_2 8}{\log_2 \frac{1}{2}} = \dfrac{3}{-1} = -3$

解説

底と真数を共通の底で表すのが基本方針です。(1)は底 $8 = 2^3$、真数 $32 = 2^5$ なので底を $2$ に変換。(2)は底 $9 = 3^2$、真数 $\frac{1}{27} = 3^{-3}$ なので底を $3$ に変換。(3)は底 $\frac{1}{2} = 2^{-1}$、真数 $8 = 2^3$ なので底を $2$ に変換します。

問題 2 B 標準

$\log_{10} 2 = 0.3010$、$\log_{10} 3 = 0.4771$ とするとき、次の値を求めよ。

(1) $\log_{10} 15$

(2) $\log_{10} \sqrt[3]{12}$

(3) $\log_5 6$

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解答

(1) $\log_{10} 15 = \log_{10} \dfrac{30}{2} = \log_{10} 30 - \log_{10} 2 = \log_{10} (3 \times 10) - \log_{10} 2$

$= \log_{10} 3 + \log_{10} 10 - \log_{10} 2 = 0.4771 + 1 - 0.3010 = 1.1761$

(2) $\log_{10} \sqrt[3]{12} = \dfrac{1}{3}\log_{10} 12 = \dfrac{1}{3}(\log_{10} 4 + \log_{10} 3) = \dfrac{1}{3}(2\log_{10} 2 + \log_{10} 3)$

$= \dfrac{1}{3}(2 \times 0.3010 + 0.4771) = \dfrac{1}{3} \times 1.0791 = 0.3597$

(3) $\log_5 6 = \dfrac{\log_{10} 6}{\log_{10} 5} = \dfrac{\log_{10} 2 + \log_{10} 3}{\log_{10} \frac{10}{2}} = \dfrac{0.3010 + 0.4771}{1 - 0.3010} = \dfrac{0.7781}{0.6990} \fallingdotseq 1.1132$

解説

常用対数の問題では、$\log_{10} 2$ と $\log_{10} 3$ の値から他の数の常用対数を導きます。$\log_{10} 5 = \log_{10} \frac{10}{2} = 1 - \log_{10} 2$ という変換がポイントです。(3)は底の変換公式で常用対数に統一して計算します。

採点のポイント
  • 真数を $2$、$3$、$10$ の積・商に分解する方針を示す
  • (3)で底の変換公式を正しく適用する
  • $\log_{10} 5 = 1 - \log_{10} 2$ の変換を正しく行う
問題 3 B 標準

$a = \log_3 2$ とするとき、次の値を $a$ で表せ。

(1) $\log_3 12$

(2) $\log_4 27$

(3) $\log_{12} 54$

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解答

(1) $\log_3 12 = \log_3 (4 \times 3) = \log_3 4 + \log_3 3 = \log_3 2^2 + 1 = 2a + 1$

(2) 底の変換公式より $\log_4 27 = \dfrac{\log_3 27}{\log_3 4} = \dfrac{3}{\log_3 2^2} = \dfrac{3}{2a}$

(3) 底の変換公式より $\log_{12} 54 = \dfrac{\log_3 54}{\log_3 12}$

$\log_3 54 = \log_3 (2 \times 27) = \log_3 2 + \log_3 3^3 = a + 3$

$\log_3 12 = 2a + 1$((1)の結果)

よって $\log_{12} 54 = \dfrac{a + 3}{2a + 1}$

解説

底を $3$ に統一する方針で進めます。底が $3$ の対数では、$\log_3 2 = a$ と $\log_3 3 = 1$ を基本パーツとして、真数を $2$ と $3$ の積に分解していきます。底が $3$ でない場合は底の変換公式で $3$ にそろえます。

採点のポイント
  • 真数の素因数分解を正しく行う
  • 底の変換公式を正しく適用し、底を $3$ に統一する
  • (3)で(1)の結果を再利用する
問題 4 C 発展

$a$、$b$、$c$ は正の数で、$a \neq 1$、$b \neq 1$、$c \neq 1$ とする。

(1) $\log_a b \cdot \log_b c \cdot \log_c a = 1$ を証明せよ。

(2) $\log_a b = 2$、$\log_b c = 3$ のとき、$\log_c a$ の値を求めよ。

(3) $2^x = 3^y = 6^z$ のとき、$\dfrac{1}{x} + \dfrac{1}{y} = \dfrac{1}{z}$ が成り立つことを証明せよ。

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解答

(1) 底の変換公式を用いて、すべて底 $a$ の対数に統一する。

$$\log_a b \cdot \log_b c \cdot \log_c a = \log_a b \cdot \frac{\log_a c}{\log_a b} \cdot \frac{\log_a a}{\log_a c} = \frac{\log_a b \cdot \log_a c \cdot 1}{\log_a b \cdot \log_a c} = 1$$

(2) (1)より $\log_a b \cdot \log_b c \cdot \log_c a = 1$ なので、

$$2 \cdot 3 \cdot \log_c a = 1 \quad \therefore \ \log_c a = \frac{1}{6}$$

(3) $2^x = 3^y = 6^z = k$($k > 0$、$k \neq 1$)とおく。

対数の定義より $x = \log_2 k$、$y = \log_3 k$、$z = \log_6 k$ ではなく、$2 = k^{1/x}$、$3 = k^{1/y}$、$6 = k^{1/z}$ と表せる。

$6 = 2 \times 3$ より、

$$k^{1/z} = k^{1/x} \cdot k^{1/y} = k^{1/x + 1/y}$$

底 $k \neq 1$ なので、指数を比較して $\dfrac{1}{z} = \dfrac{1}{x} + \dfrac{1}{y}$ が成り立つ。

解説

(1)は底の変換公式で「連鎖的に約分される」パターンです。(2)はこの結果の直接的な応用です。(3)は「等しい値を $k$ とおく」テクニックで、$2^x = 3^y = 6^z = k$ から各変数を $k$ の累乗として表し、$6 = 2 \times 3$ の関係と指数法則を組み合わせます。

採点のポイント
  • (1) 底の変換公式を正しく適用し、約分の過程を示す
  • (2) (1)の結果を正しく活用する
  • (3) $k$ の設定と $2$、$3$、$6$ の関係を正しく用いる