「$2$ を何乗したら $8$ になるか?」── 答えは $3$ です。この「何乗?」を表す記号が対数 $\log$ です。
指数の「逆操作」として対数を理解し、その基本性質を指数法則から導きましょう。
指数関数の学習で、$2^3 = 8$ や $3^4 = 81$ のように「底と指数から結果を求める」計算には慣れたはずです。では、逆に問いを立ててみましょう。
$2$ を何乗したら $32$ になるか?
$2^5 = 32$ なので答えは $5$ です。これは簡単でした。では次の問いはどうでしょうか。
$2$ を何乗したら $5$ になるか?
$2^2 = 4$ で $2^3 = 8$ ですから、答えは $2$ と $3$ の間のどこかの実数です。しかし、これを具体的に表す手段がありません。整数でも分数でもない「何か」が答えなのです。
指数の世界には3つの量があります:底、指数、結果です。
$$\underbrace{2}_{\text{底}} {}^{\overbrace{?}^{\text{指数}}} = \underbrace{5}_{\text{結果}}$$
底と結果がわかっているとき、指数(=「何乗か」)を求める操作が対数です。「$2$ を何乗したら $5$ になるか」の答えを $\log_2 5$ と書きます。対数とは、新しい概念ではなく、指数を「反対側から見た」だけのものです。
対数(logarithm)は17世紀初頭、スコットランドの数学者ネイピアによって発明されました。当時の天文学者たちは、天体の位置計算で桁数の大きい数のかけ算を大量にこなす必要がありました。対数を使うと、かけ算を足し算に変換できるため、計算が劇的に楽になったのです。
現代では、地震の規模(マグニチュード)、音の大きさ(デシベル)、酸性度(pH)など、「桁が大きく変わる量」を扱いやすくするために対数が使われています。
コンピュータサイエンスでは $\log_2 n$ が頻繁に登場します。$n$ 個のデータから1つを見つけるとき、二分探索なら $\log_2 n$ 回の比較で済みます。また、「$n$ 通りの状態を区別するには何ビット必要か」の答えも $\log_2 n$ です。対数は「情報の量」を測る道具でもあるのです。
指数関数 $y = a^x$($a > 0$、$a \neq 1$)は、正の数 $M$ に対して $a^p = M$ を満たす実数 $p$ がただ1つ定まります。この $p$ を $a$ を底とする $M$ の対数といい、$\log_a M$ で表します。$M$ をこの対数の真数といいます。
$a > 0$、$a \neq 1$、$M > 0$ のとき、
$$a^p = M \iff p = \log_a M$$
左の指数形式と右の対数形式は、同じ関係を別の書き方で表したものです。
この定義は「$a$ を $p$ 乗すると $M$ になる」ことと「$a$ を底とする $M$ の対数は $p$ である」ことが同じ意味だと述べています。
$2^3 = 8$ と $\log_2 8 = 3$ は、まったく同じ事実を別の言語で書いたものです。指数形式 $a^p = M$ を「$a$ を $p$ 乗すると $M$」と読むなら、対数形式 $p = \log_a M$ は「$a$ を何乗したら $M$ になるか、その答えが $p$」と読みます。
対数の問題で迷ったら、まず指数形式に書き換えてみる。これが最も確実な方法です。
定義に当てはめて、対数の値を確認しましょう。
| 指数形式 $a^p = M$ | 対数形式 $p = \log_a M$ | 読み方 |
|---|---|---|
| $2^3 = 8$ | $\log_2 8 = 3$ | $2$ を $3$ 乗すると $8$ |
| $3^4 = 81$ | $\log_3 81 = 4$ | $3$ を $4$ 乗すると $81$ |
| $5^{-1} = \dfrac{1}{5}$ | $\log_5 \dfrac{1}{5} = -1$ | $5$ を $-1$ 乗すると $\dfrac{1}{5}$ |
| $4^{\frac{1}{2}} = 2$ | $\log_4 2 = \dfrac{1}{2}$ | $4$ を $\dfrac{1}{2}$ 乗すると $2$ |
| $10^0 = 1$ | $\log_{10} 1 = 0$ | $10$ を $0$ 乗すると $1$ |
対数 $\log_a M$ が定義されるためには、次の条件が必要です。
対数を含む方程式・不等式を解くとき、真数 $> 0$ の条件を忘れることが非常に多い間違いです。
✗ 誤り:$\log_2 x = 3$ より $x = 8$(真数条件の確認なし)
✓ 正しい:真数条件 $x > 0$ を確認。$\log_2 x = 3$ より $x = 2^3 = 8$。$x = 8 > 0$ なので適する。
この例では偶然正しい答えになりますが、より複雑な問題では真数条件を確認しないと不適な解を含めてしまいます。
$a = 1$ のとき、$1^p = 1$(どんな $p$ でも $1$)なので、$M \neq 1$ に対しては指数が存在せず、$M = 1$ に対しては指数が一意に定まりません。したがって $\log_1 M$ は定義できません。
底の条件 $a \neq 1$ を見落とす問題が入試でも出題されるので注意しましょう。
対数の定義 $\log_a M = p \iff a^p = M$ において、$p$ に $\log_a M$ を代入すると、次の等式が得られます。
$$a^{\log_a M} = M$$
これは「$a$ を $\log_a M$ 乗すると $M$ に戻る」ということです。対数が指数の逆操作であることを端的に示す式であり、計算でも頻繁に使います。
$f(x) = a^x$ と $g(x) = \log_a x$ は互いに逆関数の関係にあります。逆関数とは「操作を元に戻す関数」のことで、$f(g(x)) = a^{\log_a x} = x$、$g(f(x)) = \log_a(a^x) = x$ が成り立ちます。大学の解析学では、この逆関数の考え方を一般化して、指数関数と対数関数の微分・積分の関係を導きます。
対数の性質は、すべて指数法則から導かれます。暗記ではなく、「なぜその性質が成り立つのか」を理解しましょう。
$a > 0$、$a \neq 1$、$M > 0$、$N > 0$、$k$ は実数とする。
$$(1) \quad \log_a 1 = 0, \quad \log_a a = 1$$
$$(2) \quad \log_a MN = \log_a M + \log_a N \quad \text{(積の対数 = 対数の和)}$$
$$(3) \quad \log_a \frac{M}{N} = \log_a M - \log_a N \quad \text{(商の対数 = 対数の差)}$$
$$(4) \quad \log_a M^k = k \log_a M \quad \text{(累乗の対数 = 対数の定数倍)}$$
これら4つの性質は、指数法則 $a^m \cdot a^n = a^{m+n}$、$\dfrac{a^m}{a^n} = a^{m-n}$、$(a^m)^k = a^{mk}$ をそれぞれ対数の言葉に翻訳したものです。
対数の性質を丸暗記する必要はありません。対数は指数の逆操作なので、指数法則がそのまま対数の性質になります。
「かけ算 → 足し算」「割り算 → 引き算」「累乗 → 定数倍」に変換されるのがポイントです。
これこそが対数の最大の特徴であり、対数が発明された理由でもあります。複雑なかけ算を、より簡単な足し算に変換できるのです。
$\log_a 1 = 0$ は $a^0 = 1$ の翻訳です。どんな正の数も $0$ 乗すれば $1$ なので、$1$ の対数は常に $0$ です。
$\log_a a = 1$ は $a^1 = a$ の翻訳です。$a$ を $1$ 乗すれば $a$ 自身なので、底と真数が等しい対数は常に $1$ です。
$\log_a M = p$、$\log_a N = q$ とおくと、定義より $M = a^p$、$N = a^q$ です。
$$MN = a^p \cdot a^q = a^{p+q}$$
これを対数形式に書き換えると、
$$\log_a MN = p + q = \log_a M + \log_a N$$
指数法則 $a^p \cdot a^q = a^{p+q}$ を使っただけです。性質(3)、(4)も同様に、指数法則の $\dfrac{a^p}{a^q} = a^{p-q}$、$(a^p)^k = a^{pk}$ から導けます。
$\log_2 12$ を $\log_2 2$ と $\log_2 3$ を使って表してみましょう。
$$\log_2 12 = \log_2 (4 \cdot 3) = \log_2 4 + \log_2 3 = \log_2 2^2 + \log_2 3 = 2 + \log_2 3$$
このように、真数を素因数分解して性質を適用するのが基本的な計算方針です。
対数の性質 $\log_a MN = \log_a M + \log_a N$ を逆に適用するとき、次のような間違いが頻発します。
✗ 誤り:$\log_2 3 + \log_2 5 = \log_2 8$(真数を足してしまう)
✓ 正しい:$\log_2 3 + \log_2 5 = \log_2 (3 \times 5) = \log_2 15$
対数の和は真数の積、対数の差は真数の商です。真数を足したり引いたりするのではありません。
性質(4)の特別な場合として、次の2つを覚えておくと便利です。
$$\log_a \frac{1}{M} = \log_a M^{-1} = -\log_a M$$
$$\log_a \sqrt{M} = \log_a M^{\frac{1}{2}} = \frac{1}{2} \log_a M$$
いずれも性質(4)で $k = -1$、$k = \frac{1}{2}$ とした場合にすぎません。
$\log_a x^2 = 2\log_a x$ と変形できるのは $x > 0$ のときだけです。
$\log_a x^2$ は $x^2 > 0$($x \neq 0$)で定義されますが、$2\log_a x$ は $x > 0$ でしか定義されません。$x < 0$ の場合、左辺は定義されるのに右辺は定義されないので、この変形は同値ではありません。
✗ 危険:$\log_3 x^2 = 2$ → $2\log_3 x = 2$ → $\log_3 x = 1$ → $x = 3$
✓ 安全:$\log_3 x^2 = 2$ → $x^2 = 3^2 = 9$ → $x = \pm 3$
「かけ算を足し算に変換する」写像を、大学数学では準同型写像(homomorphism)と呼びます。対数関数 $\log_a$ は、正の実数のかけ算の群 $(\mathbb{R}^+, \times)$ から実数の足し算の群 $(\mathbb{R}, +)$ への準同型写像です。$\log_a(MN) = \log_a M + \log_a N$ はまさにこの準同型の性質を表しています。
対数の性質(2)〜(4)は、底が同じ対数どうしにしか使えません。では、$\log_2 3$ と $\log_3 5$ のように底が異なる対数が混在する式はどう計算すればよいでしょうか。ここで登場するのが底の変換公式です。
$a$、$b$、$c$ は正の数で、$a \neq 1$、$c \neq 1$ とする。
$$\log_a b = \frac{\log_c b}{\log_c a}$$
特に $b = c$ のとき、
$$\log_a b = \frac{1}{\log_b a}$$
底を $c$ に統一できます。$c$ は $c > 0$、$c \neq 1$ であれば何でもよいですが、計算しやすい底を選びましょう。
$\log_a b = p$ とおくと、定義より $a^p = b$ です。
両辺の $c$ を底とする対数をとると、
$$\log_c a^p = \log_c b$$
性質(4)より左辺は $p \log_c a$ なので、
$$p \log_c a = \log_c b$$
$a \neq 1$ より $\log_c a \neq 0$ なので、両辺を $\log_c a$ で割ると、
$$p = \frac{\log_c b}{\log_c a}$$
すなわち $\log_a b = \dfrac{\log_c b}{\log_c a}$ が示されました。
底の変換公式の証明で使った「等式の両辺の対数をとる」は、指数・対数の分野全体を貫く重要なテクニックです。指数形式の等式を対数の世界に持ち込むことで、指数の部分を「降ろして」扱えるようになります。
これは、対数が「かけ算を足し算に」「累乗を定数倍に」変換する性質があるからこそ有効な手法です。
$\log_2 3 \cdot \log_3 8$ を計算してみましょう。底が $2$ と $3$ で異なるので、底をそろえます。
$$\log_2 3 \cdot \log_3 8 = \log_2 3 \cdot \frac{\log_2 8}{\log_2 3} = \log_2 8 = \log_2 2^3 = 3$$
底の変換公式で $\log_3 8$ の底を $2$ に変換すると、$\log_2 3$ が約分されて計算がきれいにまとまります。
特別な底を持つ対数には名前がついています。
常用対数は桁数の問題で、自然対数は微分・積分で重要な役割を果たします。
$e = \lim_{n \to \infty}\left(1 + \frac{1}{n}\right)^n \fallingdotseq 2.718\cdots$ という無理数は、微分の観点から最も「自然」な底です。$y = e^x$ は微分しても $y' = e^x$ のまま変わりません。つまり、$e$ を底とする指数関数は「変化率が自分自身に等しい」という美しい性質を持っています。数学IIIの微分で詳しく学びます。
$\log_2 48$ を求めてみましょう。
$$\log_2 48 = \log_2 (16 \times 3) = \log_2 2^4 + \log_2 3 = 4 + \log_2 3$$
$\log_2 3$ の正確な値はわかりませんが、$\log_2 3 \fallingdotseq 1.585$ です。
$2\log_3 2 + \log_3 \dfrac{9}{4}$ を簡単にしてみましょう。
$$2\log_3 2 + \log_3 \frac{9}{4} = \log_3 2^2 + \log_3 \frac{9}{4} = \log_3 \left(4 \cdot \frac{9}{4}\right) = \log_3 9 = \log_3 3^2 = 2$$
$\log_4 5 \cdot \log_{25} 16$ を計算してみましょう。
底を $2$ にそろえると計算がしやすくなります。
$$\log_4 5 \cdot \log_{25} 16 = \frac{\log_2 5}{\log_2 4} \cdot \frac{\log_2 16}{\log_2 25} = \frac{\log_2 5}{2} \cdot \frac{4}{2\log_2 5} = \frac{4}{4} = 1$$
$9^{\log_3 5}$ の値を求めましょう。
$$9^{\log_3 5} = (3^2)^{\log_3 5} = 3^{2\log_3 5} = 3^{\log_3 5^2} = 3^{\log_3 25} = 25$$
高校の教科書では $\log_{10}$ を $\log$ と略記することがありますが、大学以降では $\log$ は自然対数 $\log_e$(つまり $\ln$)を意味することが多いです。
問題文で底が省略されているときは、文脈から判断する必要があります。常用対数の問題では $\log = \log_{10}$、それ以外の場面では確認しましょう。
| 指数法則 | 対数の性質 | 変換の方向 |
|---|---|---|
| $a^0 = 1$ | $\log_a 1 = 0$ | $0$ 乗 → 対数 $0$ |
| $a^1 = a$ | $\log_a a = 1$ | $1$ 乗 → 対数 $1$ |
| $a^m \cdot a^n = a^{m+n}$ | $\log_a MN = \log_a M + \log_a N$ | 積 → 和 |
| $\dfrac{a^m}{a^n} = a^{m-n}$ | $\log_a \dfrac{M}{N} = \log_a M - \log_a N$ | 商 → 差 |
| $(a^m)^k = a^{mk}$ | $\log_a M^k = k\log_a M$ | 累乗 → 定数倍 |
科学やデータ分析では、値の範囲が広いデータ(例えば $1$ から $10^{12}$ まで)を扱うとき、対数スケールのグラフが使われます。横軸を $\log_{10} x$ にすると、$1, 10, 100, 1000, \ldots$ が等間隔に並びます。指数関数的な増加は対数スケールでは直線になるため、増加の傾向が一目でわかります。
Q1. $\log_3 81$ の値を求めよ。
Q2. $\log_5 \dfrac{1}{25}$ の値を求めよ。
Q3. $\log_2 6 + \log_2 \dfrac{8}{3}$ を簡単にせよ。
Q4. $\log_4 8$ の値を求めよ。
Q5. $\log_a M = p$、$\log_a N = q$ のとき、$\log_a \dfrac{M^3}{N^2}$ を $p$、$q$ で表せ。
次の対数の値を求めよ。
(1) $\log_8 32$
(2) $\log_9 \dfrac{1}{27}$
(3) $\log_{\frac{1}{2}} 8$
(1) $\log_8 32 = \dfrac{\log_2 32}{\log_2 8} = \dfrac{5}{3}$
(2) $\log_9 \dfrac{1}{27} = \dfrac{\log_3 \frac{1}{27}}{\log_3 9} = \dfrac{-3}{2} = -\dfrac{3}{2}$
(3) $\log_{\frac{1}{2}} 8 = \dfrac{\log_2 8}{\log_2 \frac{1}{2}} = \dfrac{3}{-1} = -3$
底と真数を共通の底で表すのが基本方針です。(1)は底 $8 = 2^3$、真数 $32 = 2^5$ なので底を $2$ に変換。(2)は底 $9 = 3^2$、真数 $\frac{1}{27} = 3^{-3}$ なので底を $3$ に変換。(3)は底 $\frac{1}{2} = 2^{-1}$、真数 $8 = 2^3$ なので底を $2$ に変換します。
$\log_{10} 2 = 0.3010$、$\log_{10} 3 = 0.4771$ とするとき、次の値を求めよ。
(1) $\log_{10} 15$
(2) $\log_{10} \sqrt[3]{12}$
(3) $\log_5 6$
(1) $\log_{10} 15 = \log_{10} \dfrac{30}{2} = \log_{10} 30 - \log_{10} 2 = \log_{10} (3 \times 10) - \log_{10} 2$
$= \log_{10} 3 + \log_{10} 10 - \log_{10} 2 = 0.4771 + 1 - 0.3010 = 1.1761$
(2) $\log_{10} \sqrt[3]{12} = \dfrac{1}{3}\log_{10} 12 = \dfrac{1}{3}(\log_{10} 4 + \log_{10} 3) = \dfrac{1}{3}(2\log_{10} 2 + \log_{10} 3)$
$= \dfrac{1}{3}(2 \times 0.3010 + 0.4771) = \dfrac{1}{3} \times 1.0791 = 0.3597$
(3) $\log_5 6 = \dfrac{\log_{10} 6}{\log_{10} 5} = \dfrac{\log_{10} 2 + \log_{10} 3}{\log_{10} \frac{10}{2}} = \dfrac{0.3010 + 0.4771}{1 - 0.3010} = \dfrac{0.7781}{0.6990} \fallingdotseq 1.1132$
常用対数の問題では、$\log_{10} 2$ と $\log_{10} 3$ の値から他の数の常用対数を導きます。$\log_{10} 5 = \log_{10} \frac{10}{2} = 1 - \log_{10} 2$ という変換がポイントです。(3)は底の変換公式で常用対数に統一して計算します。
$a = \log_3 2$ とするとき、次の値を $a$ で表せ。
(1) $\log_3 12$
(2) $\log_4 27$
(3) $\log_{12} 54$
(1) $\log_3 12 = \log_3 (4 \times 3) = \log_3 4 + \log_3 3 = \log_3 2^2 + 1 = 2a + 1$
(2) 底の変換公式より $\log_4 27 = \dfrac{\log_3 27}{\log_3 4} = \dfrac{3}{\log_3 2^2} = \dfrac{3}{2a}$
(3) 底の変換公式より $\log_{12} 54 = \dfrac{\log_3 54}{\log_3 12}$
$\log_3 54 = \log_3 (2 \times 27) = \log_3 2 + \log_3 3^3 = a + 3$
$\log_3 12 = 2a + 1$((1)の結果)
よって $\log_{12} 54 = \dfrac{a + 3}{2a + 1}$
底を $3$ に統一する方針で進めます。底が $3$ の対数では、$\log_3 2 = a$ と $\log_3 3 = 1$ を基本パーツとして、真数を $2$ と $3$ の積に分解していきます。底が $3$ でない場合は底の変換公式で $3$ にそろえます。
$a$、$b$、$c$ は正の数で、$a \neq 1$、$b \neq 1$、$c \neq 1$ とする。
(1) $\log_a b \cdot \log_b c \cdot \log_c a = 1$ を証明せよ。
(2) $\log_a b = 2$、$\log_b c = 3$ のとき、$\log_c a$ の値を求めよ。
(3) $2^x = 3^y = 6^z$ のとき、$\dfrac{1}{x} + \dfrac{1}{y} = \dfrac{1}{z}$ が成り立つことを証明せよ。
(1) 底の変換公式を用いて、すべて底 $a$ の対数に統一する。
$$\log_a b \cdot \log_b c \cdot \log_c a = \log_a b \cdot \frac{\log_a c}{\log_a b} \cdot \frac{\log_a a}{\log_a c} = \frac{\log_a b \cdot \log_a c \cdot 1}{\log_a b \cdot \log_a c} = 1$$
(2) (1)より $\log_a b \cdot \log_b c \cdot \log_c a = 1$ なので、
$$2 \cdot 3 \cdot \log_c a = 1 \quad \therefore \ \log_c a = \frac{1}{6}$$
(3) $2^x = 3^y = 6^z = k$($k > 0$、$k \neq 1$)とおく。
対数の定義より $x = \log_2 k$、$y = \log_3 k$、$z = \log_6 k$ ではなく、$2 = k^{1/x}$、$3 = k^{1/y}$、$6 = k^{1/z}$ と表せる。
$6 = 2 \times 3$ より、
$$k^{1/z} = k^{1/x} \cdot k^{1/y} = k^{1/x + 1/y}$$
底 $k \neq 1$ なので、指数を比較して $\dfrac{1}{z} = \dfrac{1}{x} + \dfrac{1}{y}$ が成り立つ。
(1)は底の変換公式で「連鎖的に約分される」パターンです。(2)はこの結果の直接的な応用です。(3)は「等しい値を $k$ とおく」テクニックで、$2^x = 3^y = 6^z = k$ から各変数を $k$ の累乗として表し、$6 = 2 \times 3$ の関係と指数法則を組み合わせます。