「$2^x = 8$ は簡単だけど、$4^x - 6 \cdot 2^x + 8 = 0$ はどう解けばいい?」── 指数方程式には明確なパターンがあります。
底をそろえる基本型、置き換えで2次方程式に帰着する型、そして $a^x + a^{-x}$ の対称式型。この3つを押さえれば、指数方程式は怖くありません。
これまで学んだ方程式では、$x$ は「底」の側($x^2 + 3x - 4 = 0$ など)にありました。しかし、指数方程式では $x$ が指数(肩)に乗ります。
例えば $2^x = 16$ や $3^{2x} - 10 \cdot 3^x + 9 = 0$ のように、未知数 $x$ が指数部分に現れる方程式を指数方程式といいます。
普通の方程式なら「両辺から引く」「因数分解する」などの代数操作で $x$ を求められます。しかし、$2^x = 16$ を解こうとしても、$x$ が指数にあるので普通の式変形では取り出せません。
そこで鍵になるのが、指数関数 $y = a^x$($a > 0$、$a \neq 1$)が単射(1対1)であるという性質です。つまり、$a^p = a^q$ ならば $p = q$ が成り立ちます。この性質を使って、指数部分を直接比較できるようにするのが指数方程式の基本戦略です。
指数方程式を解く最も基本的な原理は、次の性質です。
$$a > 0, \; a \neq 1 \text{ のとき、} a^p = a^q \iff p = q$$
指数関数は単射なので、底が同じなら指数が等しいことと値が等しいことは同値です。だからこそ、「底をそろえる」ことが最優先の方針になるのです。
指数方程式は、以下の3つの型に分類できます。この分類を頭に入れておくと、問題を見たときにすぐ解法を選べます。
| 型 | 特徴 | 解法の方針 |
|---|---|---|
| 基本型 | $a^{f(x)} = a^{g(x)}$ の形に変形できる | 底をそろえて $f(x) = g(x)$ |
| 置換型 | $a^x$ の2次式になっている | $a^x = t$($t > 0$)とおいて2次方程式 |
| 対称式型 | $a^x$ と $a^{-x}$ が対称的に現れる | $a^x + a^{-x} = s$ とおいて式を整理 |
実は、$2^x = 5$ のような方程式の一般的な解法は対数を使うことです。両辺の対数をとって $x = \log_2 5$ と求めます。しかし、高校数学の指数方程式の問題では、多くの場合「整数解」や「きれいな解」が求められるように設計されています。
次の記事で学ぶ対数方程式と合わせて理解すると、指数と対数が「逆操作」の関係にあることが見えてきます。
指数方程式の最も基本的な解法は、両辺の底を同じ数にそろえて、指数どうしを比較することです。
$a > 0$、$a \neq 1$ のとき、
$$a^{f(x)} = a^{g(x)} \iff f(x) = g(x)$$
底が同じなら、指数が等しいことと値が等しいことは同値。まずは底をそろえることを考える。
底をそろえるには、方程式に現れる数を同じ底のべき乗で表します。よく使う変換は以下の通りです。
具体例 1:$3^{x+2} = 27$ を解きましょう。
右辺を底 $3$ のべき乗に直すと $27 = 3^3$ なので、
$$3^{x+2} = 3^3$$
底が同じ($3$)なので指数を比較して、$x + 2 = 3$、よって $x = 1$ です。
具体例 2:$4^x = 8^{x-1}$ を解きましょう。
$4 = 2^2$、$8 = 2^3$ なので、底を $2$ にそろえます。
$$(2^2)^x = (2^3)^{x-1}$$
$$2^{2x} = 2^{3(x-1)}$$
指数を比較して $2x = 3(x - 1) = 3x - 3$、よって $x = 3$ です。
底をそろえるときに $(a^m)^n = a^{mn}$ を正しく使うことが重要です。
✗ 誤り:$(2^3)^{x-1} = 2^{3 \cdot x - 1} = 2^{3x-1}$
✓ 正しい:$(2^3)^{x-1} = 2^{3(x-1)} = 2^{3x-3}$
指数部分全体にかかることを忘れないようにしましょう。カッコをつけて計算すると安全です。
具体例 3:$2^{x+1} = 3$ のように底をそろえられない場合はどうでしょうか。この場合、「底をそろえる」だけでは解けません。対数を用いて $x + 1 = \log_2 3$、つまり $x = \log_2 3 - 1$ と解きます。ただし、多くの問題は底をそろえられるように設計されています。
$a^p = a^q \Rightarrow p = q$ が成り立つのは $a \neq 1$ のときだけです。$a = 1$ なら $1^p = 1^q = 1$ で、指数が何であっても値は常に $1$ になるので、指数の比較はできません。
また、$a > 0$ も必要です。底が負の数やゼロの場合は指数関数として定義されません。
$4^x - 6 \cdot 2^x + 8 = 0$ のような方程式は、一見複雑に見えます。しかし、$4^x = (2^2)^x = (2^x)^2$ であることに気づけば、$2^x$ をひとかたまりと見なせます。
つまり、$2^x = t$ とおけば、方程式は $t^2 - 6t + 8 = 0$ という見慣れた2次方程式になるのです。
置換型の核心は、指数の世界の問題を、多項式の世界の問題に翻訳することです。$a^x = t$ とおくことで、指数方程式は $t$ の2次方程式に変わります。2次方程式なら、因数分解や解の公式で解けます。
ただし、翻訳の際に$t > 0$ という条件が付くことを忘れてはいけません。$a^x$ は常に正だからです。
Step 1:底をそろえて $a^x = t$($t > 0$)とおく
Step 2:$t$ の2次方程式を解く
Step 3:$t > 0$ を満たす解のみを採用する
Step 4:$a^x = t$ から $x$ を求める
$4^x = (2^x)^2 = t^2$、$8^x = (2^x)^3 = t^3$ などの変換がポイント。
具体例 4:$4^x - 6 \cdot 2^x + 8 = 0$ を解きましょう。
$4^x = (2^x)^2$ なので、$2^x = t$($t > 0$)とおきます。
$$t^2 - 6t + 8 = 0$$
$$(t - 2)(t - 4) = 0$$
$$t = 2 \text{ または } t = 4$$
いずれも $t > 0$ を満たします。
$t = 2$ のとき:$2^x = 2^1$ より $x = 1$
$t = 4$ のとき:$2^x = 2^2$ より $x = 2$
よって $x = 1, \, 2$ です。
$3^x + 3^{-x} = \dfrac{10}{3}$ のように $a^x$ と $a^{-x}$ が混在する場合も、置き換えで解けます。
具体例 5:$3^x + 3^{1-x} = 4$ を解きましょう。
$3^{1-x} = 3^1 \cdot 3^{-x} = \dfrac{3}{3^x}$ なので、$3^x = t$($t > 0$)とおくと、
$$t + \frac{3}{t} = 4$$
両辺に $t$ を掛けて、
$$t^2 + 3 = 4t$$
$$t^2 - 4t + 3 = 0$$
$$(t - 1)(t - 3) = 0$$
$t = 1$ または $t = 3$(いずれも $t > 0$ を満たす)。
$t = 1$ のとき:$3^x = 3^0$ より $x = 0$
$t = 3$ のとき:$3^x = 3^1$ より $x = 1$
よって $x = 0, \, 1$ です。
$a^x = t$ とおいたとき、$a^x > 0$(指数関数は常に正)なので $t > 0$ です。2次方程式を解いた後、負の解は必ず除外しなければなりません。
✗ 誤り:$(t + 4)(t - 8) = 0$ より $t = -4, 8$ → $x$ は2つ
✓ 正しい:$t > 0$ より $t = -4$ は不適。$t = 8$ のみ → $x$ は1つ
$2^x \cdot 5^x = 10^x = (2 \cdot 5)^x$ のように、底の積に注目して変形することもあります。また、$6^x = 2^x \cdot 3^x$ のように分解して $2^x = s$、$3^x = t$ のように2つの変数を置くこともあります。
$a^x = t$ という置き換えは、関数 $f(x) = a^x$ の値域が $(0, \infty)$ であることを反映しています。$t$ は $f$ の値域の中を動くので、$t > 0$ でなければなりません。
大学数学では、このような「変数変換における値域の制限」が厳密に議論されます。置き換えの範囲を正しく把握することは、正しい答えを得るための必須条件です。
$a^x + a^{-x}$ や $a^x - a^{-x}$ のように、$a^x$ と $a^{-x}$ が対称的(または反対称的)に現れる式を扱う問題があります。これは、$a^x \cdot a^{-x} = a^0 = 1$(積が定数)であることを利用して解きます。
$a^x = t$ とおくと $a^{-x} = \dfrac{1}{t}$ です。つまり $a^x$ と $a^{-x}$ は積が $1$ の2数の対です。
$a^x + a^{-x} = t + \dfrac{1}{t}$ の値がわかれば、$a^{2x} + a^{-2x} = \left(t + \dfrac{1}{t}\right)^2 - 2$ なども求められます。これは「2数の和と積から対称式の値を求める」という数学Iの対称式の考え方と同じです。
$a^x = t$($t > 0$)とおくと $a^{-x} = \dfrac{1}{t}$ なので、$s = t + \dfrac{1}{t}$ とおくと以下が成り立ちます。
$a^x + a^{-x} = s$ のとき、
$$a^{2x} + a^{-2x} = s^2 - 2$$
$$a^{3x} + a^{-3x} = s^3 - 3s$$
$$\left(a^x - a^{-x}\right)^2 = s^2 - 4$$
いずれも $t + \frac{1}{t} = s$、$t \cdot \frac{1}{t} = 1$ から導かれる対称式の性質。
$a^x + a^{-x} = s$ の両辺を2乗すると、
$$(a^x)^2 + 2 \cdot a^x \cdot a^{-x} + (a^{-x})^2 = s^2$$
$$a^{2x} + 2 + a^{-2x} = s^2$$
$$a^{2x} + a^{-2x} = s^2 - 2$$
具体例 6:$2^x + 2^{-x} = 3$ のとき、$4^x + 4^{-x}$ の値を求めましょう。
$4^x + 4^{-x} = 2^{2x} + 2^{-2x} = (2^x + 2^{-x})^2 - 2 = 3^2 - 2 = 7$ です。
具体例 7:$4^x - 3 \cdot 2^x + 2 = 0$ を対称式の視点で見てみましょう。
この方程式は $2^x = t$ とおけば $t^2 - 3t + 2 = 0$ となり、$(t-1)(t-2) = 0$ より $t = 1, 2$ です。よって $x = 0, 1$ です。
$t > 0$ のとき、相加平均・相乗平均の関係から $t + \dfrac{1}{t} \geq 2$ が成り立ちます(等号は $t = 1$ すなわち $x = 0$ のとき)。
したがって、$a^x + a^{-x} = 1$ のような方程式には実数解が存在しません。問題で $a^x + a^{-x} = s$ が与えられたとき、$s \geq 2$ であることを確認しましょう。
大学数学では、$\cosh x = \dfrac{e^x + e^{-x}}{2}$(双曲線余弦)、$\sinh x = \dfrac{e^x - e^{-x}}{2}$(双曲線正弦)という関数が登場します。$e^x + e^{-x}$ の対称性は、三角関数の加法定理に似た美しい性質をもちます。
高校で $a^x + a^{-x}$ を扱うことは、双曲線関数を学ぶ準備にもなっているのです。
指数を含む連立方程式では、$a^x = s$、$a^y = t$ のように置き換えた後、$s$ と $t$ の連立方程式を解きます。
具体例 8:連立方程式 $\begin{cases} 3^x \cdot 3^y = 27 \\ 3^x + 3^y = 12 \end{cases}$ を解きましょう。
$3^x = s$、$3^y = t$($s > 0$、$t > 0$)とおきます。
第1式:$3^x \cdot 3^y = 3^{x+y} = 27 = 3^3$ より $st = 27$
第2式:$s + t = 12$
$s$ と $t$ は「和が $12$、積が $27$」を満たすので、2次方程式 $u^2 - 12u + 27 = 0$ の2解です。
$$(u - 3)(u - 9) = 0$$
$u = 3, \, 9$ なので $(s, t) = (3, 9)$ または $(9, 3)$ です。
$(s, t) = (3, 9)$ のとき:$3^x = 3$ より $x = 1$、$3^y = 9 = 3^2$ より $y = 2$
$(s, t) = (9, 3)$ のとき:$x = 2$、$y = 1$
よって $(x, y) = (1, 2), \, (2, 1)$ です。
連立方程式で「$s + t = A$、$st = B$」の形が見えたら、$s$ と $t$ は $u^2 - Au + B = 0$ の2解です。これは数学IIの解と係数の関係そのものです。
指数方程式に限らず、「2つの未知数の和と積がわかっている」状況は数学のあらゆる場面で登場します。
パラメータ $k$ を含む指数方程式の解の個数を調べる問題は、入試で頻出です。置き換えによって $t$ の2次方程式に帰着させた後、$t > 0$(場合によっては $t > 1$)の範囲で何個の解をもつかを考えます。
考え方:$a^x = t$ の置き換えでは、$x$ と $t$ が1対1に対応する($a > 0$、$a \neq 1$ なら $t > 0$ の各値に $x$ が一意に定まる)ことが重要です。したがって、$t > 0$ の範囲での $t$ の解の個数がそのまま $x$ の解の個数になります。
2次方程式が $t > 0$ の範囲に解をもつ条件は、判別式、軸の位置、端点の値を組み合わせて求めます。
$2^x = t$ のとき、$t > 0$ の各値に対して $x$ はただ1つ定まります。しかし「$x$ が正の解をもつ」という条件がある場合、$x > 0$ は $2^x > 2^0 = 1$ すなわち $t > 1$ に対応します。
問題の条件をよく読み、$t$ の範囲を正確に設定しましょう。
$4^x - 2^{x+1} + k = 0$ の解の個数を求めるとき、$2^x = t$ とおいて $t^2 - 2t + k = 0$ を得ます。これは $k = -t^2 + 2t = -(t-1)^2 + 1$ と変形できます。
$y = -(t-1)^2 + 1$($t > 0$)のグラフと $y = k$ の交点の個数を考えれば、視覚的に解の個数がわかります。このように、方程式の解の個数 = 2つのグラフの交点の個数と捉える見方は、数学全体を通して非常に強力です。
Q1. 方程式 $2^{3x-1} = 16$ を解け。
Q2. 方程式 $9^x = 27$ を解け。
Q3. 方程式 $4^x - 5 \cdot 2^x + 4 = 0$ を解け。
Q4. $2^x + 2^{-x} = \dfrac{5}{2}$ のとき、$4^x + 4^{-x}$ の値を求めよ。
Q5. 方程式 $3^x + 3^{1-x} = 4$ を解け。
次の方程式を解け。
(1) $16^x = 8^{x+1}$
(2) $27^x - 4 \cdot 3^x + 3 = 0$
(1) $16^x = (2^4)^x = 2^{4x}$、$8^{x+1} = (2^3)^{x+1} = 2^{3(x+1)} = 2^{3x+3}$
底を $2$ にそろえて指数を比較:$4x = 3x + 3$、$x = 3$
(2) $27^x = (3^3)^x = (3^x)^3$ なので、$3^x = t$($t > 0$)とおくと
$t^3 - 4t + 3 = 0$
$t = 1$ を試すと $1 - 4 + 3 = 0$ で成立。$(t - 1)$ で割ると
$(t - 1)(t^2 + t - 3) = 0$
$t^2 + t - 3 = 0$ の解は $t = \dfrac{-1 \pm \sqrt{13}}{2}$。$t > 0$ より $t = \dfrac{-1 + \sqrt{13}}{2}$
$t = 1$ のとき:$3^x = 1$ より $x = 0$
$t = \dfrac{-1 + \sqrt{13}}{2}$ のとき:$x = \log_3 \dfrac{-1 + \sqrt{13}}{2}$
(1) は底をそろえる基本型。(2) は $27^x = (3^x)^3$ に注目して $t$ の3次方程式に帰着します。3次方程式は $t = 1$ が解であることを見抜き、因数分解で処理します。
方程式 $2^x - 3 \cdot 2^{-x} - 2 = 0$ を解け。
$2^x = t$($t > 0$)とおくと $2^{-x} = \dfrac{1}{t}$ なので、
$$t - \frac{3}{t} - 2 = 0$$
両辺に $t$ を掛けて
$$t^2 - 2t - 3 = 0$$
$$(t - 3)(t + 1) = 0$$
$t = 3$ または $t = -1$。$t > 0$ より $t = -1$ は不適。
$t = 3$ のとき:$2^x = 3$ より $x = \log_2 3$
$2^x$ と $2^{-x}$ が混在しているので、$2^x = t$ とおいて $2^{-x} = \frac{1}{t}$ と変換します。分母を払って $t$ の2次方程式にし、$t > 0$ の条件で不適な解を除外します。最終的な答えが対数で表されることに注意しましょう。
$2^x + 2^{-x} = 3$ のとき、次の値を求めよ。
(1) $4^x + 4^{-x}$
(2) $8^x + 8^{-x}$
(3) $2^x - 2^{-x}$(ただし $x > 0$ とする)
$s = 2^x + 2^{-x} = 3$ とおく。
(1) $4^x + 4^{-x} = (2^x)^2 + (2^{-x})^2 = (2^x + 2^{-x})^2 - 2 = 9 - 2 = 7$
(2) $8^x + 8^{-x} = (2^x)^3 + (2^{-x})^3$
$= (2^x + 2^{-x})\{(2^x)^2 - 2^x \cdot 2^{-x} + (2^{-x})^2\}$
$= (2^x + 2^{-x})\{(2^x + 2^{-x})^2 - 3\}$
$= 3 \cdot (9 - 3) = 3 \cdot 6 = 18$
(3) $(2^x - 2^{-x})^2 = (2^x + 2^{-x})^2 - 4 = 9 - 4 = 5$
$x > 0$ のとき $2^x > 2^0 = 1 > 2^{-x}$ だから $2^x - 2^{-x} > 0$
よって $2^x - 2^{-x} = \sqrt{5}$
対称式型の典型問題です。$a^3 + b^3 = (a+b)(a^2 - ab + b^2)$ の因数分解公式を使うのが(2)のポイント。(3)では $x > 0$ の条件から符号を確定させることが重要です。
$k$ を定数とする。$x$ の方程式 $4^x - 2^{x+1} + k = 0$ について、次の問いに答えよ。
(1) $2^x = t$ とおくとき、$t$ の方程式に書き換えよ。
(2) もとの方程式が異なる2つの実数解をもつような $k$ の値の範囲を求めよ。
(3) もとの方程式が正の解をちょうど1つもつような $k$ の値の範囲を求めよ。
(1) $4^x = (2^x)^2 = t^2$、$2^{x+1} = 2 \cdot 2^x = 2t$ なので
$$t^2 - 2t + k = 0 \quad (t > 0)$$
(2) $x$ と $t$ は $2^x = t$($t > 0$)で1対1に対応するので、もとの方程式が異なる2つの実数解をもつ条件は、$t^2 - 2t + k = 0$ が $t > 0$ の範囲に異なる2つの正の実数解をもつことである。
$f(t) = t^2 - 2t + k$ とおくと、$f(t) = (t-1)^2 + k - 1$ で、軸は $t = 1 > 0$。
条件は以下をすべて満たすこと:
[1] 判別式 $D > 0$:$D/4 = 1 - k > 0$ より $k < 1$
[2] 軸 $t = 1 > 0$:常に成立
[3] $f(0) > 0$:$f(0) = k > 0$
[1]と[3]の共通範囲より $0 < k < 1$
(3) 「正の解をちょうど1つ」とは $x > 0$、すなわち $t > 1$ の範囲の解がちょうど1つであること。
$k = -t^2 + 2t$ とおき、$g(t) = -t^2 + 2t = -(t-1)^2 + 1$ のグラフ($t > 0$)を考える。
$t > 1$ の範囲で $y = k$ との交点がちょうど1つである条件を求める。
$g(t)$ は $t = 1$ で最大値 $1$、$t > 1$ で単調減少し、$t \to \infty$ で $g(t) \to -\infty$。
$t > 1$ の範囲では $g(t) < 1$ なので、$k < 1$ なら必ず交点が1つ存在する。
ただし、$0 < t \leq 1$(すなわち $x \leq 0$)の範囲の解も考慮する必要がある。$g(0) = 0$、$g(1) = 1$ より、$0 < t \leq 1$ では $0 < g(t) \leq 1$。
「正の解がちょうど1つ」とは、$t > 1$ に解が1つ、かつ $0 < t \leq 1$ にも解があってよい($0 < t < 1$ は $x < 0$、$t = 1$ は $x = 0$)。$t > 1$ で交点が1つなので、$k < 1$ のとき常に $t > 1$ に解が1つある。
$k = 0$ のとき:$t^2 - 2t = 0$ より $t(t - 2) = 0$、$t = 2$($t > 0$ より)。正の解は $x = 1$ の1つのみ。
$0 < k < 1$ のとき:(2)より $t > 0$ に2解があり、いずれも $0 < t < 2$ の範囲。$f(1) = k - 1 < 0$ なので2解は $t = 1$ の両側にある。つまり $0 < t_1 < 1 < t_2$ で、$t_2 > 1$ は $x > 0$、$t_1 < 1$ は $x < 0$。よって正の解は1つ。
$k < 0$ のとき:$f(0) = k < 0$ なので $0 < t < 1$ に解はなく、$t > 1$ に解が1つ。正の解は1つ。
$k = 1$ のとき:重解 $t = 1$、$x = 0$ で正の解は0個。
$k > 1$ のとき:$D < 0$ で解なし。
よって、正の解がちょうど1つ存在する $k$ の値の範囲は $k < 1$
解の個数問題では、置き換え後の $t$ の方程式を $k = f(t)$ の形に変形してグラフを描くと見通しがよくなります。$x > 0 \iff t > 1$ の対応を正しく把握することが鍵です。(2)は「$t > 0$ に2解」の標準的な条件問題で、(3)は「$t > 1$ にちょうど1解」という条件をグラフから読み取る発展問題です。