「$y = \log_a x$ のグラフはどんな形?」── 実は、すでに知っている指数関数のグラフを鏡に映すだけで描けます。
対数関数のグラフの形を理解すれば、対数の大小比較や方程式・不等式の解法が直感的にわかるようになります。
指数関数 $y = a^x$($a > 0$、$a \neq 1$)は「$x$ を決めると $y$ が決まる」関数です。では、逆に「$y$ の値を決めたとき、$x$ はいくつか?」を考えるとどうなるでしょうか。
$y = a^x$ を $x$ について解くと $x = \log_a y$ です。ここで $x$ と $y$ の文字を入れ替えると、新しい関数が得られます。
$a > 0$、$a \neq 1$ のとき、
$$y = \log_a x$$
を $a$ を底とする $x$ の対数関数といいます。
定義域は $x > 0$(真数条件)、値域は実数全体です。
$y = \log_a x$ と $y = a^x$ は、$x$ と $y$ の役割を入れ替えた関係(逆関数)にあります。
$$y = a^x \quad \Longleftrightarrow \quad x = \log_a y$$
つまり、指数関数が「指数 $\to$ 値」の変換なら、対数関数は「値 $\to$ 指数」の変換です。この関係が、グラフの形からその性質まで、すべてを支配しています。
$y = a^x$ の値域を思い出しましょう。$a > 0$ のとき、$a^x > 0$ は常に成り立ちます。つまり指数関数の出力は必ず正です。
対数関数は指数関数の入出力を入れ替えたものですから、対数関数の入力($x$)は正でなければなりません。これが真数条件 $x > 0$ の本質的な理由です。
$\log_a 0$ は「$a$ を何乗したら $0$ になるか」を意味しますが、$a^x > 0$ なのでどんな $x$ でも $0$ にはなりません。同様に $\log_a(-3)$ も「$a$ を何乗したら $-3$ になるか」ですが、これも不可能です。
✗ 誤り:$\log_2 0 = 0$ や $\log_3(-9) = -2$
✓ 正しい:$\log_a x$ は $x > 0$ のときのみ定義される
数学IIIでは、1対1対応の関数 $f$ に対して、$y = f(x)$ の $x$ と $y$ を入れ替えた $x = f(y)$ すなわち $y = f^{-1}(x)$ を逆関数と定義します。指数関数 $f(x) = a^x$ は狭義単調なので1対1であり、その逆関数が $f^{-1}(x) = \log_a x$ です。逆関数のグラフは元の関数のグラフと直線 $y = x$ に関して対称になるという一般的な定理があります。
$y = \log_a x$ のグラフを1から描く必要はありません。指数関数 $y = a^x$ のグラフを直線 $y = x$ に関して折り返す(対称移動する)だけです。
$y = a^x$ のグラフ上の任意の点を $\mathrm{P}(t, a^t)$ とします。
$y = \log_a x$ のグラフ上で、$x$ 座標が $a^t$ の点を $\mathrm{Q}$ とすると、$\mathrm{Q}(a^t, \log_a(a^t)) = \mathrm{Q}(a^t, t)$ です。
$\mathrm{P}(t, a^t)$ と $\mathrm{Q}(a^t, t)$ は $x$ 座標と $y$ 座標が入れ替わっています。
線分 $\mathrm{PQ}$ の中点は $\left(\dfrac{t + a^t}{2},\, \dfrac{a^t + t}{2}\right)$ で、これは直線 $y = x$ 上にあります。
また、直線 $\mathrm{PQ}$ の傾きは $\dfrac{t - a^t}{a^t - t} = -1$ なので、$\mathrm{PQ} \perp (y = x)$ です。
よって $\mathrm{P}$ と $\mathrm{Q}$ は直線 $y = x$ に関して対称であり、2つのグラフは $y = x$ に関して対称です。
$a > 1$(例えば $a = 2$)のとき、$y = a^x$ は右上がりに急増する曲線です。これを直線 $y = x$ で折り返すと、$y = \log_a x$ は右上がりにゆるやかに増加する曲線になります。
具体的に $y = \log_2 x$ の値を計算してみましょう。
| $x$ | $\frac{1}{4}$ | $\frac{1}{2}$ | $1$ | $2$ | $4$ | $8$ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| $y = \log_2 x$ | $-2$ | $-1$ | $0$ | $1$ | $2$ | $3$ |
$x$ が $1 \to 2 \to 4 \to 8$ と2倍ずつ増えるとき、$y$ は $0 \to 1 \to 2 \to 3$ と1ずつしか増えません。対数関数は「$x$ の増加に対して $y$ の増加がどんどん鈍くなる」という特徴があります。
$0 < a < 1$(例えば $a = \frac{1}{2}$)のとき、$y = a^x$ は右下がりの曲線です。これを $y = x$ で折り返すと、$y = \log_a x$ も右下がりの曲線になります。
実際、$y = \log_{1/2} x = -\log_2 x$ なので、$y = \log_2 x$ のグラフを $x$ 軸に関して対称に折り返したものです。
$y = \log_a x$($a > 0$、$a \neq 1$)のグラフは、
(1) 定点 $(1,\, 0)$ を必ず通る($\log_a 1 = 0$)
(2) 定点 $(a,\, 1)$ を通る($\log_a a = 1$)
(3) $y$ 軸(直線 $x = 0$)が漸近線
(4) $a > 1$ のとき右上がり(増加関数)
(5) $0 < a < 1$ のとき右下がり(減少関数)
いずれの場合も、$x \to +0$ で $y \to -\infty$($a > 1$)または $y \to +\infty$($0 < a < 1$)となり、グラフは $y$ 軸に限りなく近づきます。
どんな底 $a$ でも $a^0 = 1$ が成り立ちます。これを対数で書き直せば $\log_a 1 = 0$ です。だからグラフは必ず $(1, 0)$ を通ります。
同様に $a^1 = a$ だから $\log_a a = 1$ で、グラフは $(a, 1)$ も通ります。この2点を打つだけで、グラフの概形がつかめます。
対数関数のグラフは $y$ 軸に限りなく近づきますが、決して $y$ 軸上の点は通りません。$x = 0$ は定義域外だからです。
✗ 誤り:グラフが $y$ 軸と交わると考える
✓ 正しい:$y$ 軸は漸近線。グラフは $x > 0$ の範囲にしか存在しない
指数関数 $y = a^x$ で $x$ 軸($y = 0$)が漸近線であったことの「鏡写し」です。
対数関数の増減は、底 $a$ の値で決まります。これはグラフの形と直結しています。
$a > 1$ のとき(増加関数):
$$0 < p < q \quad \Longleftrightarrow \quad \log_a p < \log_a q$$
真数の大小関係がそのまま保存されます。
$0 < a < 1$ のとき(減少関数):
$$0 < p < q \quad \Longleftrightarrow \quad \log_a p > \log_a q$$
真数の大小関係が反転します。
なぜ底の大小で増減が変わるのでしょうか。指数関数 $y = a^x$ を思い出してください。
$a > 1$ のとき $y = a^x$ は増加関数でした。逆関数 $y = \log_a x$ も増加関数になります。なぜなら、増加関数の「入出力の入れ替え」は、やはり増加関数になるからです。
$0 < a < 1$ のとき $y = a^x$ は減少関数だったので、逆関数 $y = \log_a x$ も減少関数です。
この性質は、対数の大小比較や対数不等式を解く際の根幹になります。
| 指数関数 $y = a^x$ | 対数関数 $y = \log_a x$ | |
|---|---|---|
| 定義域 | 実数全体 | $x > 0$ |
| 値域 | $y > 0$ | 実数全体 |
| 必ず通る点 | $(0,\, 1)$ | $(1,\, 0)$ |
| 漸近線 | $x$ 軸($y = 0$) | $y$ 軸($x = 0$) |
| $a > 1$ のとき | 増加関数 | 増加関数 |
| $0 < a < 1$ のとき | 減少関数 | 減少関数 |
| グラフの関係 | 直線 $y = x$ に関して対称(逆関数の関係) | |
この表を見ると、指数関数と対数関数は「定義域と値域」「通る点の座標」「漸近線の向き」がすべて入れ替わっていることがわかります。これは逆関数の関係から自然に導かれるものです。
$\log_a p < \log_a q$ から真数の大小を結論するとき、底 $a$ の値によって不等号の向きが変わります。
✗ 誤り:$\log_{1/3} 2 < \log_{1/3} 5$ だから $2 < 5$(結論は正しいが推論が逆)
✓ 正しい:底 $\frac{1}{3} < 1$ なので減少関数。$2 < 5$ だから $\log_{1/3} 2 > \log_{1/3} 5$
対数不等式を解くときは、まず底が $1$ より大きいか小さいかを確認してください。
$a > 1$ の場合、$y = \log_a x$ は増加関数ですが、そのペースはきわめて遅いです。例えば $y = \log_2 x$ では $x$ が $2$ 倍になるごとに $y$ は $1$ しか増えません。$x = 1000000$ でも $y \approx 20$ 程度です。
計算機科学では、この「増加の遅さ」が大きな意味を持ちます。アルゴリズムの計算量が $O(\log n)$ であるとき、データ量 $n$ が膨大でも計算時間はわずかしか増えません。二分探索がその代表例です。
底が同じ対数の大小比較は、グラフの増減をそのまま使えます。
$a > 1$ のとき、$y = \log_a x$ は増加関数なので、真数が大きいほど対数も大きくなります。
$$a > 1 \text{ のとき:} \quad \log_a 3 < \log_a 5 \quad (\because\; 3 < 5)$$
$0 < a < 1$ のとき、$y = \log_a x$ は減少関数なので、真数が大きいほど対数は小さくなります。
$$0 < a < 1 \text{ のとき:} \quad \log_a 3 > \log_a 5 \quad (\because\; 3 < 5 \text{ だが大小反転})$$
底が異なる場合は、底の変換公式で底をそろえるか、「$0$ や $1$ との比較」を利用します。
$\log_a 1 = 0$ が常に成り立つことを利用すると、$0$ との大小は真数が $1$ より大きいか小さいかで判定できます。
$a > 1$ のとき:
$$\log_a x > 0 \;\Leftrightarrow\; x > 1, \qquad \log_a x < 0 \;\Leftrightarrow\; 0 < x < 1$$
$$\log_a x > 1 \;\Leftrightarrow\; x > a, \qquad \log_a x < 1 \;\Leftrightarrow\; 0 < x < a$$
$0 < a < 1$ のとき:不等号の向きがすべて逆になります。
大小比較の具体的な考え方を、例で見てみましょう。
$\log_2 5$、$\log_3 8$、$2$ の大小を比較します。
$\log_2 5 = \log_2 5$。$2^2 = 4 < 5 < 8 = 2^3$ なので $2 < \log_2 5 < 3$。
$\log_3 8$。$3^1 = 3 < 8 < 9 = 3^2$ なので $1 < \log_3 8 < 2$。
よって $\log_3 8 < 2 < \log_2 5$ です。
$\log_2 5$ と $\log_3 8$ のように底が異なる場合、「真数が大きいから対数も大きい」とは言えません。
✗ 誤り:$5 < 8$ だから $\log_2 5 < \log_3 8$
✓ 正しい:底が異なるので、それぞれの値を評価してから比較する
同じ底に統一するか、$0$、$1$、$2$ などの基準値と比較するのが定石です。
底の変換公式 $\log_a b = \dfrac{\log_c b}{\log_c a}$ は、「どんな底の対数も、1つの基準の底で統一して書ける」ことを意味します。大学の数学や自然科学では底を $e$(ネイピア数)に統一した自然対数 $\ln x = \log_e x$ が標準です。これは微分 $(\ln x)' = \frac{1}{x}$ という美しい性質を持つからです。
$y = \log_a x$ のグラフの平行移動は、2次関数や指数関数と同じルールに従います。
$y = \log_a x$ のグラフを $x$ 軸方向に $p$、$y$ 軸方向に $q$ だけ平行移動すると、
$$y = \log_a(x - p) + q$$
漸近線は $x = 0$ から $x = p$ に移り、定点 $(1, 0)$ は $(1 + p,\, q)$ に移ります。
具体的に $y = \log_2(x - 3) + 1$ のグラフを考えてみましょう。これは $y = \log_2 x$ のグラフを $x$ 軸方向に $3$、$y$ 軸方向に $1$ だけ平行移動したものです。漸近線は $x = 3$、定点は $(4, 1)$ を通ります。
対数の性質を利用すると、見た目が複雑な式も基本グラフの移動として解釈できます。
$y = \log_2 4x$ を変形すると、
$$y = \log_2 4 + \log_2 x = 2 + \log_2 x$$
これは $y = \log_2 x$ のグラフを $y$ 軸方向に $2$ だけ平行移動したものです。
$y = \log_4(4x - 8)$ を変形すると、
$$y = \log_4 4(x - 2) = \log_4 4 + \log_4(x - 2) = 1 + \log_4(x - 2)$$
これは $y = \log_4 x$ のグラフを $x$ 軸方向に $2$、$y$ 軸方向に $1$ だけ平行移動したものです。
$y = \log_2(x - 3)$ の定義域は $x - 3 > 0$、すなわち $x > 3$ です。グラフを描くとき、$x \leq 3$ の部分には何も描いてはいけません。
✗ 誤り:$y = \log_2 x$ のグラフを移動した後、$x \leq 0$ の部分もそのまま残す
✓ 正しい:真数条件から定義域を求め、その範囲だけにグラフを描く
グラフの対称移動も重要なテクニックです。
特に、$y = \log_{1/a} x = -\log_a x$ なので、底を逆数にしたグラフは $x$ 軸に関する対称移動と同じです。
$y = \log_a x^2 = 2\log_a |x|$ です。この式の定義域は $x^2 > 0$ より $x \neq 0$ です。
$x > 0$ のとき $y = 2\log_a x$、$x < 0$ のとき $y = 2\log_a(-x)$ なので、$y = 2\log_a x$($x > 0$)のグラフと、それを $y$ 軸に関して対称移動したグラフを合わせたものになります。
$\log_a x^2 = 2\log_a |x|$ であり、$2\log_a x$ ではありません。なぜなら $\log_a x^2$ は $x < 0$ でも定義されますが、$2\log_a x$ は $x > 0$ でしか定義されないからです。
対数の法則 $\log_a M^r = r\log_a M$ を使うとき、真数 $M$ は正であることが前提です。$M = x$ とすると $x > 0$ が必要ですが、$M = x^2$ とすると $x \neq 0$ だけで十分です。安易に $\log_a x^2 = 2\log_a x$ と書くと、定義域が狭くなってしまいます。
自然科学や工学では、$y$ 軸を対数目盛にした片対数グラフがよく使われます。指数関数 $y = a^x$ を片対数グラフにプロットすると直線になるため、指数的な増減の分析に便利です。さらに両軸を対数目盛にした両対数グラフではべき関数 $y = x^n$ が直線になります。地震のマグニチュード、音のデシベルなど、日常生活にも対数スケールは溢れています。
Q1. $y = \log_3 x$ のグラフが通る2つの定点の座標を答えよ。
Q2. $\log_2 7$ の値は整数 $n$ と $n+1$ の間にある。$n$ の値を求めよ。
Q3. $\log_{1/2} 3$ は正か負か答えよ。理由も述べよ。
Q4. $y = \log_2(x - 1)$ の漸近線の方程式と定義域を答えよ。
Q5. $\log_3 5$ と $\log_5 3$ の大小を比較せよ。
次の関数のグラフについて、漸近線の方程式、$x$ 軸との交点の座標を求め、グラフの概形を述べよ。
(1) $y = \log_2(x + 4)$
(2) $y = \log_3 x - 2$
(3) $y = \log_{1/2} x$
(1) $y = \log_2(x + 4)$ は $y = \log_2 x$ を $x$ 軸方向に $-4$ だけ平行移動。
漸近線:$x = -4$。$x$ 軸との交点:$\log_2(x + 4) = 0$ より $x + 4 = 1$、$x = -3$。交点 $(-3,\, 0)$。右上がりの曲線。
(2) $y = \log_3 x - 2$ は $y = \log_3 x$ を $y$ 軸方向に $-2$ だけ平行移動。
漸近線:$x = 0$($y$ 軸)。$x$ 軸との交点:$\log_3 x - 2 = 0$ より $\log_3 x = 2$、$x = 9$。交点 $(9,\, 0)$。右上がりの曲線。
(3) $y = \log_{1/2} x = -\log_2 x$。$y = \log_2 x$ を $x$ 軸に関して対称移動。
漸近線:$x = 0$($y$ 軸)。$x$ 軸との交点:$(1,\, 0)$。右下がりの曲線。
次の各組の数の大小を不等号を用いて表せ。
(1) $\log_2 3$、$\log_3 5$、$2$
(2) $\log_{0.5} 3$、$\log_2 0.3$、$0$
(1) $\log_2 3$:$2^1 = 2 < 3 < 4 = 2^2$ より $1 < \log_2 3 < 2$。
$\log_3 5$:$3^1 = 3 < 5 < 9 = 3^2$ より $1 < \log_3 5 < 2$。
さらに精密に評価すると、$\log_2 3 = \dfrac{1}{\log_3 2}$。$\log_3 2 < 1$ なので $\log_2 3 > 1$。
$\log_2 4 = 2$ と $\log_3 9 = 2$ から、$\log_2 3 < 2$ かつ $\log_3 5 < 2$。
$\log_2 3 \approx 1.585$、$\log_3 5 \approx 1.465$ なので、$\log_3 5 < \log_2 3 < 2$。
底を $6$ にそろえて厳密に比較すると、$\log_6 9 = 2\log_6 3$ と $\log_6 25 = 2\log_6 5$ について $\log_2 3 = \frac{\log_6 3}{\log_6 2}$、$\log_3 5 = \frac{\log_6 5}{\log_6 3}$ なので、$\log_2 3 \cdot \log_3 2 = 1$ を使い、$(\log_2 3)^2 = \frac{\log_2 3}{\log_3 2} = (\log_2 3)^2$。$\log_2 9 = 2\log_2 3 < 2\log_2 4 = 4$ から $\log_2 3 < 2$ を確認。$\log_3 5 < \log_3 9 = 2$ を確認。$\log_2 3 > \log_2 2^{3/2} = \frac{3}{2}$ ($\because\; 3 > 2\sqrt{2}$)、$\log_3 5 < \log_3 3^{3/2} = \frac{3}{2}$ ($\because\; 5 < 3\sqrt{3} \approx 5.196$)。
よって $\log_3 5 < \log_2 3 < 2$。
(2) $\log_{0.5} 3$:底 $0.5 < 1$ で真数 $3 > 1$ なので $\log_{0.5} 3 < \log_{0.5} 1 = 0$。
$\log_2 0.3$:底 $2 > 1$ で真数 $0.3 < 1$ なので $\log_2 0.3 < \log_2 1 = 0$。
$\log_{0.5} 3 = -\log_2 3 \approx -1.585$、$\log_2 0.3 \approx -1.737$。
よって $\log_2 0.3 < \log_{0.5} 3 < 0$。
(1) 底が異なる対数の比較では、それぞれの値の範囲を整数で挟んでから、さらに $\frac{3}{2}$ などの基準で絞り込みます。(2) まず正負を判定し、次に絶対値の大小を比較する方針が有効です。
関数 $y = \log_2 x$ のグラフを $x$ 軸方向に $a$、$y$ 軸方向に $b$ だけ平行移動したグラフが $y = \log_2 16x$ のグラフと一致するとき、$a$ と $b$ の値を求めよ。ただし $a = 0$ または $b = 0$ のいずれかが成り立つとする。
$y = \log_2 x$ を平行移動すると $y = \log_2(x - a) + b$。
一方、$y = \log_2 16x = \log_2 16 + \log_2 x = 4 + \log_2 x$。
$a = 0$ の場合:$y = \log_2 x + b = 4 + \log_2 x$ より $b = 4$。
よって $a = 0$、$b = 4$。
$b = 0$ の場合:$y = \log_2(x - a)$。これが $y = \log_2 16x$ と一致するには、すべての $x > 0$ で $\log_2(x - a) = \log_2 16x$ が成り立つ必要があります。つまり $x - a = 16x$ より $a = -15x$ ですが、$a$ は定数なので矛盾。$b = 0$ は不適。
答え:$a = 0$、$b = 4$。
$\log_2 16x = 4 + \log_2 x$ のように対数の性質で式を変形し、基本グラフとの関係を読み取ることが大切です。$y$ 軸方向の平行移動として解釈できることがポイントです。
$a > 0$、$a \neq 1$ とする。関数 $y = \log_a(x^2 - 2x + 4)$ について、次の問いに答えよ。
(1) $t = x^2 - 2x + 4$ の最小値を求めよ。
(2) $a > 1$ のとき、$y$ の最小値を求めよ。
(3) $0 < a < 1$ のとき、$y$ の取りうる値の範囲を求めよ。
(1) $t = x^2 - 2x + 4 = (x - 1)^2 + 3$
$x = 1$ のとき最小値 $t = 3$。$t \geq 3$ です。
(2) $a > 1$ のとき $y = \log_a t$ は $t$ の増加関数です。$t \geq 3$ より、$t = 3$ のとき $y$ は最小値をとります。
$$y_{\min} = \log_a 3$$
($x = 1$ のとき)
(3) $0 < a < 1$ のとき $y = \log_a t$ は $t$ の減少関数です。$t \geq 3$ なので $t$ が大きくなるほど $y$ は小さくなります。
$t = 3$ のとき $y$ は最大値 $\log_a 3$ をとります。$t \to \infty$ のとき $y \to -\infty$ です。
よって $y$ の取りうる値の範囲は $y \leq \log_a 3$。
$y = \log_a(\text{2次式})$ の問題では、まず真数部分の2次式を $t$ とおいて $t$ の範囲を求めます。次に、$y = \log_a t$ と $t$ の関係に持ち込みます。$a > 1$ か $0 < a < 1$ かで $y$ が $t$ の増加関数か減少関数かが変わるので、場合分けが必須です。
なお、真数条件 $x^2 - 2x + 4 > 0$ は判別式 $D = 4 - 16 = -12 < 0$ より常に成り立つため、$x$ の範囲に制限はありません。