「2定点からの距離の比が一定の点の軌跡は円になる」── これがアポロニウスの円です。
距離の比だけでなく、和・差・角度・面積など、さまざまな条件が生む軌跡を体系的に学びましょう。
2定点 $\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$ からの距離の比が一定である点 $\mathrm{P}$ の軌跡を考えましょう。これは古代ギリシャの数学者アポロニウスにちなんでアポロニウスの円と呼ばれる有名な軌跡です。
2点 $\mathrm{A}(a, 0)$、$\mathrm{B}(b, 0)$ に対して、$\mathrm{PA} : \mathrm{PB} = m : n$($m > 0$、$n > 0$、$m \neq n$)を満たす点 $\mathrm{P}(x, y)$ の軌跡を求めます。
簡単のため $\mathrm{A}(-a, 0)$、$\mathrm{B}(a, 0)$($a > 0$)として導出しましょう。
$\mathrm{PA} : \mathrm{PB} = m : n$ を式で表すと $n \cdot \mathrm{PA} = m \cdot \mathrm{PB}$ です。両辺を2乗して
$$n^2 \cdot \mathrm{PA}^2 = m^2 \cdot \mathrm{PB}^2$$
$\mathrm{A}(-a, 0)$、$\mathrm{B}(a, 0)$、$\mathrm{P}(x, y)$ として距離を代入すると
$$n^2 \{(x + a)^2 + y^2\} = m^2 \{(x - a)^2 + y^2\}$$
左辺を展開すると $n^2(x^2 + 2ax + a^2 + y^2)$、右辺を展開すると $m^2(x^2 - 2ax + a^2 + y^2)$ です。
$$(n^2 - m^2)x^2 + 2a(n^2 + m^2)x + (n^2 - m^2)a^2 + (n^2 - m^2)y^2 = 0$$
$m \neq n$ なので $n^2 - m^2 \neq 0$ です。両辺を $n^2 - m^2$ で割ると
$$x^2 + \frac{2a(n^2 + m^2)}{n^2 - m^2}x + a^2 + y^2 = 0$$
平方完成により、これは円の方程式になります。$\mathrm{A}(0, 0)$、$\mathrm{B}(c, 0)$ の場合で整理すると、中心と半径は次の公式で与えられます。
2点 $\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$ に対し、$\mathrm{PA} : \mathrm{PB} = m : n$($m \neq n$)を満たす点 $\mathrm{P}$ の軌跡は円である。
この円の直径の両端は、線分 $\mathrm{AB}$ を $m : n$ に内分する点と外分する点である。
すなわち、内分点を $\mathrm{C}$、外分点を $\mathrm{D}$ とすれば、アポロニウスの円は線分 $\mathrm{CD}$ を直径とする円です。
例題:$\mathrm{A}(0, 0)$、$\mathrm{B}(6, 0)$ に対して $\mathrm{PA} : \mathrm{PB} = 1 : 2$ を満たす点 $\mathrm{P}$ の軌跡を求めよ。
解:$\mathrm{PA} : \mathrm{PB} = 1 : 2$ より $2\mathrm{PA} = \mathrm{PB}$ です。$\mathrm{P}(x, y)$ として両辺を2乗すると
$$4(x^2 + y^2) = (x - 6)^2 + y^2$$
$$4x^2 + 4y^2 = x^2 - 12x + 36 + y^2$$
$$3x^2 + 3y^2 + 12x - 36 = 0$$
$$x^2 + y^2 + 4x - 12 = 0$$
$$(x + 2)^2 + y^2 = 16$$
これは中心 $(-2, 0)$、半径 $4$ の円です。
内分・外分点との対応:線分 $\mathrm{AB}$ を $1 : 2$ に内分する点は $(2, 0)$、外分する点は $(-6, 0)$ です。この2点の中点は $(-2, 0)$ で確かに中心と一致し、2点間の距離は $8$ で直径と一致します。
アポロニウスの円の最も重要なポイントは、その直径の両端が内分点と外分点であることです。
$\mathrm{PA} : \mathrm{PB} = m : n$ を満たす点のうち、直線 $\mathrm{AB}$ 上にあるものは内分点 $\mathrm{C}$ と外分点 $\mathrm{D}$ の2つです。アポロニウスの円は、この $\mathrm{C}$、$\mathrm{D}$ を直径の両端とする円にほかなりません。
この事実を知っていれば、方程式を展開しなくても中心と半径をすぐに求められます。
$\mathrm{PA} : \mathrm{PB} = m : n$ で $m = n$ の場合、すなわち $\mathrm{PA} = \mathrm{PB}$ の場合は円にはならず、線分 $\mathrm{AB}$ の垂直二等分線になります。
✗ 誤り:$m = n$ のときもアポロニウスの円になる
✓ 正しい:$m = n$ のときは垂直二等分線(直線)になる
$m \neq n$ のときだけ円になることに注意しましょう。アポロニウスの円の公式で $m = n$ とすると外分点が存在しなくなる(分母が0)ことからも、この特殊性がわかります。
アポロニウスの円には次のような重要な性質があります。
距離の「比」が一定の軌跡がアポロニウスの円でした。では、距離の「和」や「差」が一定の場合はどうなるでしょうか。
2定点 $\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$ からの距離の和が一定値 $2a$ である点 $\mathrm{P}$ の軌跡、すなわち
$$\mathrm{PA} + \mathrm{PB} = 2a$$
を考えます。ただし $2a > \mathrm{AB}$ とします($2a = \mathrm{AB}$ なら軌跡は線分 $\mathrm{AB}$ そのものです)。
具体例:$\mathrm{A}(-2, 0)$、$\mathrm{B}(2, 0)$ に対し $\mathrm{PA} + \mathrm{PB} = 6$ を満たす $\mathrm{P}(x, y)$ の軌跡を求めます。
$$\sqrt{(x + 2)^2 + y^2} + \sqrt{(x - 2)^2 + y^2} = 6$$
一方の根号を移項して2乗し、整理を繰り返すと
$$\frac{x^2}{9} + \frac{y^2}{5} = 1$$
これは楕円(だ円)の方程式です。楕円は卵のような滑らかな閉曲線で、2つの焦点 $\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$ からの距離の和が一定の点の集まりです。
2定点 $\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$ からの距離の差の絶対値が一定値 $2a$ である点 $\mathrm{P}$ の軌跡、すなわち
$$|\mathrm{PA} - \mathrm{PB}| = 2a$$
を考えます。ただし $2a < \mathrm{AB}$ とします。
具体例:$\mathrm{A}(-3, 0)$、$\mathrm{B}(3, 0)$ に対し $|\mathrm{PA} - \mathrm{PB}| = 4$ を満たす $\mathrm{P}(x, y)$ の軌跡を求めると
$$\frac{x^2}{4} - \frac{y^2}{5} = 1$$
これは双曲線の方程式です。双曲線は2つの枝からなる曲線で、2つの焦点からの距離の差の絶対値が一定の点の集まりです。
円、楕円、双曲線、放物線をまとめて二次曲線(円錐曲線、conic sections)と呼びます。これらは円錐を平面で切ったときの断面として統一的に理解できます。
距離の比:$\mathrm{PA} : \mathrm{PB} = m : n$($m \neq n$)→ 円(アポロニウスの円)
距離の和:$\mathrm{PA} + \mathrm{PB} = 2a$($2a > \mathrm{AB}$)→ 楕円
距離の差:$|\mathrm{PA} - \mathrm{PB}| = 2a$($2a < \mathrm{AB}$)→ 双曲線
定点と定直線からの距離が等しい:→ 放物線
数学IIIで本格的に学びますが、軌跡の考え方はここで身につけておきましょう。
| 条件 | 軌跡 | 備考 |
|---|---|---|
| $\mathrm{PA} : \mathrm{PB} = m : n$($m \neq n$) | 円(アポロニウス) | $m = n$ なら垂直二等分線 |
| $\mathrm{PA} + \mathrm{PB} = 2a$($2a > \mathrm{AB}$) | 楕円 | $2a = \mathrm{AB}$ なら線分 |
| $|\mathrm{PA} - \mathrm{PB}| = 2a$($2a < \mathrm{AB}$) | 双曲線 | $2a = \mathrm{AB}$ なら半直線2本 |
| $\mathrm{PA} = d$(定点からの距離一定) | 円 | 最も基本的な軌跡 |
2定点 $\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$ に対して $\angle \mathrm{APB} = 90°$ を満たす点 $\mathrm{P}$ の軌跡を求めましょう。
設定:$\mathrm{A}(a_1, a_2)$、$\mathrm{B}(b_1, b_2)$、$\mathrm{P}(x, y)$ とします。
$\angle \mathrm{APB} = 90°$ の条件は、ベクトル $\overrightarrow{\mathrm{PA}}$ と $\overrightarrow{\mathrm{PB}}$ が直交することです。
$$\overrightarrow{\mathrm{PA}} \cdot \overrightarrow{\mathrm{PB}} = 0$$
$$(a_1 - x)(b_1 - x) + (a_2 - y)(b_2 - y) = 0$$
具体例:$\mathrm{A}(-1, 0)$、$\mathrm{B}(3, 0)$ のとき
$$(-1 - x)(3 - x) + (0 - y)(0 - y) = 0$$
$$-(−1 - x)(3 - x) - y^2 = 0$$
展開すると $(-1 - x)(3 - x) = -3 + x + 3x - x^2 = -x^2 + 4x - 3$ なので
$$-x^2 + 4x - 3 + y^2 = 0$$
これを整理すると
$$x^2 - 4x + 3 - y^2 = 0$$
ではなく、もう一度丁寧に計算しましょう。$(-1-x)(3-x) + (-y)(-y) = 0$ より
$$(-1-x)(3-x) + y^2 = 0$$
$$-3 + x - 3x + x^2 + y^2 = 0$$
$$x^2 - 2x - 3 + y^2 = 0$$
$$(x - 1)^2 + y^2 = 4$$
これは中心 $(1, 0)$、半径 $2$ の円です。中心 $(1, 0)$ は線分 $\mathrm{AB}$ の中点であり、半径 $2$ は $\mathrm{AB}/2$ に等しい。
2点 $\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$ に対して $\angle \mathrm{APB} = 90°$ を満たす点 $\mathrm{P}$ の軌跡は
線分 $\mathrm{AB}$ を直径とする円(ただし $\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$ 自身を除く)
これは「直径に対する円周角は $90°$」(タレスの定理)の逆に相当します。
$\angle \mathrm{APB} = \theta$($0° < \theta < 180°$)を満たす点 $\mathrm{P}$ の軌跡はどうなるでしょうか。
円周角の定理により、同一弧に対する円周角は等しいことから、$\angle \mathrm{APB} = \theta$ を満たす点 $\mathrm{P}$ の軌跡は 弧(円弧)になります。
$\mathrm{AB}$ を弦とする弧のうち、$\angle \mathrm{APB} = \theta$ となるような弧は直線 $\mathrm{AB}$ の両側に1つずつ、合計2つの弧からなります。
$\angle \mathrm{APB}$ は $\mathrm{P}$ が $\mathrm{A}$ または $\mathrm{B}$ と一致するときに定義されません。軌跡を答えるときは「$\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$ を除く」と明記しましょう。
✗ 誤り:軌跡は中心 $\mathrm{M}$、半径 $\mathrm{AB}/2$ の円
✓ 正しい:軌跡は中心 $\mathrm{M}$、半径 $\mathrm{AB}/2$ の円(ただし $\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$ を除く)
2定点 $\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$ と動点 $\mathrm{P}$ からなる三角形 $\mathrm{ABP}$ の面積が一定値 $S$ であるとき、点 $\mathrm{P}$ の軌跡を考えます。
三角形の面積は「底辺 $\times$ 高さ $\div 2$」です。底辺を $\mathrm{AB}$ とすると、$\mathrm{AB}$ は定数なので、面積が一定であるためには高さが一定でなければなりません。
$$S = \frac{1}{2} \cdot \mathrm{AB} \cdot h \quad \Longrightarrow \quad h = \frac{2S}{\mathrm{AB}}$$
高さ $h$ が一定 ということは、点 $\mathrm{P}$ から直線 $\mathrm{AB}$ までの距離が一定であることを意味します。
$\triangle \mathrm{ABP}$ の面積が $S$ で一定のとき、点 $\mathrm{P}$ の軌跡は
直線 $\mathrm{AB}$ に平行な2本の直線(直線 $\mathrm{AB}$ から距離 $\dfrac{2S}{\mathrm{AB}}$ の位置)
直線 $\mathrm{AB}$ の上側と下側にそれぞれ1本ずつ平行線が引かれます。ただし直線 $\mathrm{AB}$ 上の点は除きます(面積0になるため)。
例題:$\mathrm{A}(0, 0)$、$\mathrm{B}(4, 0)$ に対し、$\triangle \mathrm{ABP}$ の面積が $6$ となる点 $\mathrm{P}(x, y)$ の軌跡を求めよ。
解:$\mathrm{AB} = 4$($x$ 軸上)なので、$h = \frac{2 \times 6}{4} = 3$ です。
点 $\mathrm{P}$ から $x$ 軸(直線 $\mathrm{AB}$)までの距離が $3$ なので $|y| = 3$、すなわち
$$y = 3 \quad \text{または} \quad y = -3$$
軌跡は $x$ 軸に平行な2本の直線 $y = 3$、$y = -3$ です。
面積条件だけでは軌跡が直線になりますが、他の条件と組み合わせると有限個の点や曲線の一部に絞り込まれることがあります。
例えば「$\triangle \mathrm{ABP}$ の面積が $6$ で、かつ $\mathrm{PA} = \mathrm{PB}$」のように条件を追加すると、軌跡は2本の直線と垂直二等分線の交点に限定されます。
入試では単一条件の軌跡より、複数の条件が絡む問題が出題されます。そのときの基本戦略を整理しましょう。
例題:2点 $\mathrm{A}(0, 0)$、$\mathrm{B}(4, 0)$ に対し、$\mathrm{PA} : \mathrm{PB} = 1 : 2$ かつ $y > 0$ を満たす点 $\mathrm{P}$ の軌跡上で、$\angle \mathrm{APB}$ が最大になる点を求めよ。
解:$\mathrm{PA} : \mathrm{PB} = 1 : 2$ の軌跡は、セクション1で学んだようにアポロニウスの円です。
内分点:$\mathrm{AB}$ を $1 : 2$ に内分 → $\left(\dfrac{4}{3}, 0\right)$
外分点:$\mathrm{AB}$ を $1 : 2$ に外分 → $(-4, 0)$
中心:$\left(\dfrac{\frac{4}{3} + (-4)}{2}, 0\right) = \left(-\dfrac{4}{3}, 0\right)$、半径:$\dfrac{|-4 - \frac{4}{3}|}{2} = \dfrac{\frac{16}{3}}{2} = \dfrac{8}{3}$
アポロニウスの円($y > 0$ 部分、上半円)上で $\angle \mathrm{APB}$ が最大になるのは、$\mathrm{A}$, $\mathrm{B}$ を通る円の半径が最小のとき、すなわち $\mathrm{P}$ が上半円の最上点のときです。
最上点は $\mathrm{P}\left(-\dfrac{4}{3}, \dfrac{8}{3}\right)$ です。
例題:$\mathrm{A}(0, 0)$、$\mathrm{B}(6, 0)$ に対し、$\triangle \mathrm{ABP}$ の面積が $9$ かつ $\mathrm{PA} = \mathrm{PB}$ を満たす点 $\mathrm{P}$ の座標を求めよ。
解:
条件1(面積):$h = \frac{2 \times 9}{6} = 3$ より $|y| = 3$、すなわち $y = 3$ または $y = -3$
条件2(等距離):$\mathrm{PA} = \mathrm{PB}$ より $\mathrm{P}$ は $\mathrm{AB}$ の垂直二等分線上。$\mathrm{AB}$ の中点は $(3, 0)$ で $\mathrm{AB}$ は $x$ 軸上なので、垂直二等分線は $x = 3$
連立すると $\mathrm{P}(3, 3)$ または $\mathrm{P}(3, -3)$ です。
最後に、軌跡問題全般に共通する解法手順をまとめます。
軌跡問題で最も大切なのは、必要条件として方程式を導いた後、十分条件の確認を忘れないことです。
「$\mathrm{P}$ が条件を満たす → 方程式が成り立つ」(必要性)を示した後、「方程式を満たす点は確かに条件を満たす」(十分性)を確認します。途中で2乗したり、パラメータを消去したりすると、余分な点が混入する可能性があるためです。
Q1. $\mathrm{A}(0, 0)$、$\mathrm{B}(8, 0)$ に対し、$\mathrm{PA} : \mathrm{PB} = 1 : 3$ を満たす点 $\mathrm{P}$ の軌跡の中心と半径を求めよ。
Q2. $\mathrm{PA} : \mathrm{PB} = 1 : 1$ のとき、点 $\mathrm{P}$ の軌跡はどのような図形か。
Q3. $\mathrm{A}(-2, 0)$、$\mathrm{B}(2, 0)$ に対し、$\angle \mathrm{APB} = 90°$ を満たす点 $\mathrm{P}$ の軌跡の方程式を求めよ。
Q4. $\mathrm{A}(0, 0)$、$\mathrm{B}(6, 0)$ に対し、$\triangle \mathrm{ABP}$ の面積が $12$ となる点 $\mathrm{P}$ の軌跡を求めよ。
Q5. $\mathrm{A}(0, 0)$、$\mathrm{B}(4, 0)$ に対し、$\mathrm{PA}^2 + \mathrm{PB}^2 = 20$ を満たす点 $\mathrm{P}$ の軌跡を求めよ。
2点 $\mathrm{A}(1, 0)$、$\mathrm{B}(4, 0)$ に対して、$\mathrm{PA} : \mathrm{PB} = 2 : 1$ を満たす点 $\mathrm{P}$ の軌跡を求めよ。
$\mathrm{PA} : \mathrm{PB} = 2 : 1$ より $\mathrm{PA} = 2\mathrm{PB}$ なので $\mathrm{PA}^2 = 4\mathrm{PB}^2$。
$\mathrm{P}(x, y)$ として
$$(x-1)^2 + y^2 = 4\{(x-4)^2 + y^2\}$$
$$x^2 - 2x + 1 + y^2 = 4x^2 - 32x + 64 + 4y^2$$
$$3x^2 - 30x + 63 + 3y^2 = 0$$
$$x^2 - 10x + 21 + y^2 = 0$$
$$(x - 5)^2 + y^2 = 4$$
軌跡は中心 $(5, 0)$、半径 $2$ の円。
検算:内分点は $\mathrm{AB}$ を $2:1$ に内分して $(3, 0)$、外分点は $2:1$ に外分して $(7, 0)$。中点は $(5, 0)$、距離の半分は $2$。確かに一致。
2点 $\mathrm{A}(-1, 0)$、$\mathrm{B}(3, 0)$ に対し、$\angle \mathrm{APB} = 90°$ かつ $\triangle \mathrm{ABP}$ の面積が $4$ となる点 $\mathrm{P}$ の座標をすべて求めよ。
条件1:$\angle \mathrm{APB} = 90°$ より $\mathrm{P}$ は $\mathrm{AB}$ を直径とする円上にある。中点 $(1, 0)$、半径 $2$ なので
$$(x-1)^2 + y^2 = 4 \quad \cdots (*)$$
条件2:$\mathrm{AB} = 4$ なので $h = \frac{2 \times 4}{4} = 2$、$|y| = 2$ すなわち $y = 2$ または $y = -2$
$(*)$ に $y = 2$ を代入:$(x-1)^2 + 4 = 4$、$(x-1)^2 = 0$、$x = 1$
$(*)$ に $y = -2$ を代入:同様に $x = 1$
よって $\mathrm{P}(1, 2)$ または $\mathrm{P}(1, -2)$。
2つの条件が「円」と「2本の平行線」という軌跡を与え、その交点が解です。$y = \pm 2$ はちょうど円の最上点・最下点に対応し、$\mathrm{P}$ は $\mathrm{AB}$ の中点の真上・真下にあります。このとき $\triangle \mathrm{ABP}$ は $\mathrm{PA} = \mathrm{PB}$ の直角二等辺三角形です。
2点 $\mathrm{A}(0, 0)$、$\mathrm{B}(6, 0)$ に対し、$\mathrm{PA}^2 - \mathrm{PB}^2 = 12$ を満たす点 $\mathrm{P}(x, y)$ の軌跡を求めよ。
$$\mathrm{PA}^2 - \mathrm{PB}^2 = (x^2 + y^2) - \{(x-6)^2 + y^2\}$$
$$= x^2 - (x^2 - 12x + 36) = 12x - 36$$
$12x - 36 = 12$ より $12x = 48$、$x = 4$
軌跡は直線 $x = 4$。
$\mathrm{PA}^2 - \mathrm{PB}^2$ を展開すると $y^2$ が消去され、$x$ のみの1次式になります。したがって軌跡は $y$ 軸に平行な直線です。一般に、2点 $\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$ に対する $\mathrm{PA}^2 - \mathrm{PB}^2 = k$ の軌跡は、直線 $\mathrm{AB}$ に垂直な直線になります。これは距離の2乗の差が1次式に帰着するという重要な性質です。
2点 $\mathrm{A}(0, 0)$、$\mathrm{B}(6, 0)$ に対して、$\mathrm{PA} : \mathrm{PB} = t : 1$($t > 0$、$t \neq 1$)を満たす点 $\mathrm{P}$ の軌跡を $C_t$ とする。
(1) $C_t$ の中心の座標と半径を $t$ を用いて表せ。
(2) $t$ が $0 < t < 1$ の範囲を動くとき、$C_t$ の中心の軌跡を求めよ。
(3) すべての $C_t$($t > 0$、$t \neq 1$)が通る点があれば、その座標を求めよ。
(1) $\mathrm{AB}$ を $t : 1$ に内分する点は $\mathrm{C}\left(\dfrac{6t}{t+1}, 0\right)$、外分する点は $\mathrm{D}\left(\dfrac{6t}{t-1}, 0\right)$。
中心は $\mathrm{C}$、$\mathrm{D}$ の中点なので
$$\text{中心} = \left(\frac{1}{2}\left(\frac{6t}{t+1} + \frac{6t}{t-1}\right), 0\right)$$
$$= \left(\frac{1}{2} \cdot \frac{6t(t-1) + 6t(t+1)}{(t+1)(t-1)}, 0\right) = \left(\frac{1}{2} \cdot \frac{12t^2}{t^2-1}, 0\right) = \left(\frac{6t^2}{t^2-1}, 0\right)$$
半径は $|\mathrm{CD}|/2$ なので
$$r = \frac{1}{2}\left|\frac{6t}{t-1} - \frac{6t}{t+1}\right| = \frac{1}{2} \cdot \frac{|6t \cdot 2|}{|t^2-1|} = \frac{6|t|}{|t^2-1|} = \frac{6t}{|t^2-1|}$$
(2) $X = \dfrac{6t^2}{t^2 - 1}$ とおく。$0 < t < 1$ のとき $t^2 - 1 < 0$ なので $X < 0$。
$X(t^2 - 1) = 6t^2$ より $Xt^2 - X = 6t^2$、$(X - 6)t^2 = X$、$t^2 = \dfrac{X}{X-6}$
$0 < t < 1$ より $0 < t^2 < 1$ なので $0 < \dfrac{X}{X-6} < 1$
$X < 0$ のとき $X - 6 < 0$ なので $\dfrac{X}{X-6} = \dfrac{X}{X-6} > 0$(負/負 = 正)✓
$\dfrac{X}{X-6} < 1$ すなわち $\dfrac{X}{X-6} - 1 < 0$、$\dfrac{6}{X-6} < 0$。$X < 0$ のとき $X - 6 < 0$ なので $\dfrac{6}{X-6} < 0$ ✓
よって $X < 0$ のすべての値が実現可能。中心の軌跡は $x$ 軸上の $x < 0$ の部分、すなわち半直線 $x < 0$、$y = 0$。
(3) すべてのアポロニウスの円は $x$ 軸と交わり、その交点は内分点 $\mathrm{C}$ と外分点 $\mathrm{D}$ です。$t$ の値によってこれらは変化するので、$x$ 軸上に共通の通過点はありません。
$x$ 軸外の点について:$\mathrm{P}(x, y)$($y \neq 0$)がすべての $C_t$ 上にあるとすると、すべての $t$ に対し $\mathrm{PA}/\mathrm{PB} = t$ が成り立つことになりますが、$\mathrm{PA}/\mathrm{PB}$ は定数なので、すべての正の $t$($t \neq 1$)に等しいことはできません。
よって、すべての $C_t$ が通る点は存在しない。
(1) では内分点・外分点を求め、それらの中点と距離から中心・半径を計算します。(2) では中心の $x$ 座標を $t$ の関数として表し、$t$ の範囲に対する値域を求めます。(3) は「すべて」の $C_t$ が通るという強い条件を考える問題で、比の値が点ごとに固定されることから不可能であると判断します。