数列とは、ある規則に従って並べられた数の列のことです。日常生活にも「1, 3, 5, 7, ...」のような規則的な並びは多く現れます。この記事では、数列の基本的な定義、項の呼び方、そして第 $n$ 項を $n$ の式で表す「一般項」の概念を学びます。一般項を求めることは、数列の章全体を通じて最も重要なスキルです。
ある規則に従って一列に並べられた数の列を数列といいます。数列を構成する一つ一つの数を項と呼びます。
自然数 $n$ に対して値 $a_n$ が定まる規則があるとき、$n = 1, 2, 3, \ldots$ の順に並べたもの
$$a_1,\ a_2,\ a_3,\ \ldots,\ a_n,\ \ldots$$
を数列といい、$\{a_n\}$ と書く。
たとえば次のような数の並びは、すべて数列です。
数列 $\{a_n\}$ は、自然数の集合 $\{1, 2, 3, \ldots\}$ を定義域とする関数と考えることができます。
すなわち $a_n = f(n)$ のように、自然数 $n$ を入力すると値 $a_n$ が出力される仕組みです。
この見方を持つと、数列のグラフは $x$ 軸上の自然数に対応する「離散的な点の集まり」になります。
数列に関する基本用語を整理しましょう。
| 用語 | 意味 | 例($2, 5, 8, 11, 14$) |
|---|---|---|
| 第 $n$ 項 | 先頭から $n$ 番目の項 $a_n$ | $a_3 = 8$ |
| 初項(第1項) | 最初の項 $a_1$ | $a_1 = 2$ |
| 末項 | 最後の項(有限数列の場合) | $a_5 = 14$ |
| 項数 | 数列に含まれる項の個数 | $5$ |
✗ $a_3$ は「$a$ の3乗」ではない
✓ $a_3$ は「数列 $\{a_n\}$ の第3項」= 先頭から3番目の項
数列では下付き添え字は項の番号を示します。指数(べき乗)とは意味が異なるので注意しましょう。
多くの教科書では初項を $a_1$ としますが、問題によっては $a_0$ から始めることもあります。
たとえば「$a_0 = 1$ を初項とする数列」と書かれている場合、添え字は $0, 1, 2, \ldots$ で始まります。問題文をよく読みましょう。
数列の第 $n$ 項 $a_n$ を $n$ の式で表したものを一般項といいます。一般項がわかれば、どの項でもすぐに値を求めることができます。
数列 $\{a_n\}$ の第 $n$ 項 $a_n$ が $n$ の式で表されるとき、その式を一般項という。
$$a_n = f(n) \quad (n = 1, 2, 3, \ldots)$$
※ 一般項は数列を定義する最も基本的な方法です。
例1:$2, 4, 6, 8, \ldots$ → $a_n = 2n$
確認:$a_1 = 2 \cdot 1 = 2$, $a_2 = 2 \cdot 2 = 4$, $a_3 = 2 \cdot 3 = 6$ ✓
例2:$1, 4, 9, 16, \ldots$ → $a_n = n^2$
確認:$a_1 = 1$, $a_2 = 4$, $a_3 = 9$, $a_4 = 16$ ✓
例3:$\frac{1}{2}, \frac{2}{3}, \frac{3}{4}, \frac{4}{5}, \ldots$ → $a_n = \frac{n}{n+1}$
確認:$a_1 = \frac{1}{2}$, $a_2 = \frac{2}{3}$, $a_3 = \frac{3}{4}$ ✓
例4:$1, -1, 1, -1, \ldots$ → $a_n = (-1)^{n+1}$
確認:$a_1 = (-1)^2 = 1$, $a_2 = (-1)^3 = -1$, $a_3 = (-1)^4 = 1$ ✓
一般項 $a_n = f(n)$ が与えられれば、$n$ に任意の自然数を代入するだけで、その項の値がわかります。
たとえば $a_n = 2n$ なら $a_{100} = 200$、$a_{1000} = 2000$ がすぐに求まります。
数列の章では「一般項を求めよ」が最も多い出題パターンです。
数列の最初のいくつかの項が与えられたとき、規則性を見つけて一般項を推定する方法を学びます。
例1:$3, 7, 11, 15, 19, \ldots$
階差:$7-3 = 4$, $11-7 = 4$, $15-11 = 4$(一定!)→ 等差数列
$a_n = 3 + (n-1) \cdot 4 = 4n - 1$
例2:$2, 6, 12, 20, 30, \ldots$
階差:$4, 6, 8, 10$(等差!)→ $a_n$ は $n$ の2次式
$a_n = n(n+1)$ と推定。確認:$1 \cdot 2 = 2$, $2 \cdot 3 = 6$, $3 \cdot 4 = 12$ ✓
例3:$-1, 4, -9, 16, -25, \ldots$
絶対値:$1, 4, 9, 16, 25 = 1^2, 2^2, 3^2, 4^2, 5^2$、符号が交代
$a_n = (-1)^n \cdot n^2$
✗ 有限個の項から一般項は一通りに決まる
✓ 有限個の項を満たす一般項は無数にある
たとえば $1, 2, 4, \ldots$ に続く数は $8$(公比2の等比数列 $a_n = 2^{n-1}$)とも、$7$($a_n = \frac{n^2-n+2}{2}$)とも考えられます。問題では「もっとも自然な」答えを選ぶか、条件が追加で指定されます。
数列にはいくつかの表記法があり、また有限数列と無限数列の区別があります。
一般項で表す:$a_n = 2n + 1$ $(n = 1, 2, 3, \ldots)$
項を列挙する:$3, 5, 7, 9, 11, \ldots$
中括弧で表す:$\{a_n\} = \{2n + 1\}$
漸化式で表す:$a_1 = 3$, $a_{n+1} = a_n + 2$(後の記事で詳しく学びます)
有限数列は項数が有限個の数列で、無限数列は項が無限に続く数列です。
有限数列:$1, 3, 5, 7, 9$(項数5)
無限数列:$1, 3, 5, 7, 9, \ldots$(奇数が無限に続く)
単に「数列」と言った場合、通常は無限数列を指します。有限数列の場合はその旨が明記されます。
これから学ぶ数列の主要なテーマは次の通りです。
① 等差数列:差が一定の数列(次の記事)
② 等比数列:比が一定の数列
③ 数列の和:$\Sigma$(シグマ)記号
④ 階差数列・漸化式:より複雑な数列を扱う道具
⑤ 数学的帰納法:数列に関する命題の証明法
Q1. 数列 $\{a_n\}$ の一般項が $a_n = 3n - 2$ のとき、$a_{10}$ を求めよ。
Q2. 数列 $1, 3, 5, 7, 9, \ldots$ の一般項を求めよ。
Q3. 数列 $\frac{1}{2}, \frac{1}{4}, \frac{1}{8}, \frac{1}{16}, \ldots$ の一般項を求めよ。
Q4. 数列 $2, 6, 12, 20, 30, \ldots$ の一般項を求めよ。
Q5. 数列 $\{a_n\}$ の一般項が $a_n = n^2 - n + 1$ のとき、$a_n = 91$ となる $n$ を求めよ。
数列 $\{a_n\}$ の一般項が次のように与えられている。$a_5$, $a_{10}$ の値をそれぞれ求めよ。
(1) $a_n = 2n^2 - 3n + 1$
(2) $a_n = \frac{n}{2n+1}$
(1) $a_5 = 2 \cdot 25 - 15 + 1 = 36$、$a_{10} = 2 \cdot 100 - 30 + 1 = 171$
(2) $a_5 = \frac{5}{11}$、$a_{10} = \frac{10}{21}$
次の数列の一般項を推定せよ。
(1) $4, 7, 12, 19, 28, \ldots$
(2) $\frac{1}{1 \cdot 3}, \frac{1}{3 \cdot 5}, \frac{1}{5 \cdot 7}, \frac{1}{7 \cdot 9}, \ldots$
(1) 階差:$3, 5, 7, 9, \ldots$(奇数列)。$a_n = n^2 + 3$ と推定。確認:$1+3=4$, $4+3=7$, $9+3=12$, $16+3=19$, $25+3=28$ ✓
(2) 分母は $(2n-1)(2n+1)$ と推定。$a_n = \frac{1}{(2n-1)(2n+1)}$。確認:$a_1 = \frac{1}{1 \cdot 3}$, $a_2 = \frac{1}{3 \cdot 5}$ ✓
数列 $\{a_n\}$ の一般項が $a_n = pn + q$($p, q$ は定数)で表されるとする。$a_3 = 10$, $a_7 = 22$ のとき、$p$, $q$ の値と $a_{20}$ を求めよ。
$a_3 = 3p + q = 10$ ... ①
$a_7 = 7p + q = 22$ ... ②
②−① より $4p = 12$、$p = 3$。①に代入:$q = 10 - 9 = 1$。
よって $a_n = 3n + 1$。$a_{20} = 3 \cdot 20 + 1 = 61$
数列 $\{a_n\}$ の一般項が $a_n = n^2 - 14n + 50$ で与えられている。
(1) $a_n$ が最小となる $n$ の値を求め、そのときの最小値を求めよ。
(2) $a_n < 10$ を満たす $n$ の値をすべて求めよ。
(1) $a_n = (n-7)^2 + 1$ と変形できる。$n$ は自然数で $(n-7)^2 \geq 0$ より、$(n-7)^2 = 0$ すなわち $n = 7$ のとき最小値 $1$ をとる。
(2) $n^2 - 14n + 50 < 10$ より $n^2 - 14n + 40 < 0$、$(n-4)(n-10) < 0$。
$4 < n < 10$ で $n$ は自然数なので $n = 5, 6, 7, 8, 9$。
(1)は $f(n) = n^2 - 14n + 50$ を平方完成すれば最小値がわかります。$n$ は自然数であることに注意し、頂点の $n$ 座標が自然数でない場合は前後の整数で比較が必要です。この問題では $n = 7$ でちょうど最小になります。