第8章 図形の性質

コンパスと定規だけで描く
─ 作図の基本と応用

作図問題は「与えられた条件を満たす図形を、コンパスと定規だけで正確に描く」問題です。
基本作図を道具箱に揃え、「作図できたと仮定して逆算する」戦略を身につけましょう。

1基本作図 ─ すべての作図の部品となる4つの操作

作図とは、目盛りのない定規(直線を引くだけ)とコンパス(円や弧を描くだけ) を使って図形を描くことです。 分度器や物差しの目盛りは使えません。

どんなに複雑な作図も、以下の4つの基本作図の組み合わせでできています。 基本作図は「部品」であり、これを自在に使えることがすべての出発点です。

📐 4つの基本作図

(1) 線分の垂直二等分線:線分 $AB$ の中点を通り、$AB$ に垂直な直線を引く

(2) 角の二等分線:$\angle AOB$ を二等分する半直線を引く

(3) 直線上の点を通る垂線:直線 $\ell$ 上の点 $O$ を通り、$\ell$ に垂直な直線を引く

(4) 直線外の点から垂線:直線 $\ell$ 外の点 $P$ から $\ell$ に垂線を下ろす

※ (1) を使えば「2点から等距離にある点の集合(垂直二等分線)」が得られる。 (2) を使えば「角の2辺から等距離にある点の集合(角の二等分線)」が得られる。
💡 ここが本質:基本作図は「等距離にある点の集合」を引くこと

4つの基本作図のうち、最も重要なのは (1) 垂直二等分線と (2) 角の二等分線です。 それぞれの幾何学的意味を理解しましょう。

垂直二等分線:$PA = PB$ を満たす点 $P$ の集合。 「2点から等しい距離にある点」を引いている。

角の二等分線:角の2辺からの距離が等しい点の集合。 三角形の内心は3つの角の二等分線の交点であり、3辺から等距離にある。

作図問題を解くとき、求める点がどんな「等距離条件」を満たすかを考え、 対応する基本作図を選ぶのが基本戦略です。

(1) 垂直二等分線の作図手順

▷ 垂直二等分線の作図

Step 1:$A$ を中心として適当な半径の円弧を描く。

Step 2:$B$ を中心として同じ半径の円弧を描く。

Step 3:2つの円弧の交点を $P$, $Q$ とする。直線 $PQ$ が垂直二等分線。

なぜ正しいか:$P$ は $A$, $B$ から等距離(同じ半径)なので垂直二等分線上。 $Q$ も同様。2点を通る直線が垂直二等分線。

(2) 角の二等分線の作図手順

▷ 角の二等分線の作図

Step 1:頂点 $O$ を中心として円弧を描き、角の2辺との交点を $P$, $Q$ とする。

Step 2:$P$, $Q$ をそれぞれ中心として同じ半径の円弧を描き、交点を $R$ とする。

Step 3:半直線 $OR$ が角の二等分線。

なぜ正しいか:$OP = OQ$(Step 1で同じ半径)、$PR = QR$(Step 2で同じ半径)、 $OR$ は共通。よって $\triangle OPR \equiv \triangle OQR$(3辺相等)。 $\angle POR = \angle QOR$ なので $OR$ は角の二等分線。

⚠️ 落とし穴:コンパスの幅を途中で変えてしまう

基本作図では、「同じ半径」であることが証明の根拠です。 コンパスの幅を途中で変えると、等距離の条件が崩れます。

✕ 誤:垂直二等分線で $A$ を中心に半径3の弧、$B$ を中心に半径4の弧を描く

○ 正:$A$ と $B$ で必ず同じ半径の弧を描く。半径は $AB/2$ より大きければ何でもよい。

⚠️ 落とし穴:作図の「なぜ正しいか」を説明できない

入試では作図の手順だけでなく、「なぜその作図で正しい図形が得られるか」の証明を求められることがあります。

✕ 誤:「こうすればこうなるから」(手順の再述)

○ 正:三角形の合同条件や、垂直二等分線の性質を使って、 作図した点や直線が条件を満たすことを論理的に示す。

🔬 深掘り:ユークリッドの『原論』と公理

作図は古代ギリシャの数学者ユークリッドが『原論』で体系化しました。 『原論』では「定規で直線を引ける」「コンパスで円を描ける」の2つを公理(証明なしに認める前提)とし、 すべての幾何学の定理をこの2つの操作から導きました。

「なぜ定規とコンパスだけなのか?」── それは、直線と円が最も基本的な図形であり、 「2点を結ぶ」と「1点からの等距離」という最もシンプルな条件に対応するからです。 この制約のもとで何ができるかを探る営みが、2000年以上にわたる幾何学の歴史を作ってきました。

2接線の作図 ─ 直角を作るために円を使う

円の外部の点から円に接線を引く作図は、高校数学で頻出です。 「接線は接点での半径に垂直」という性質をどう作図に活かすかがポイントです。

💡 ここが本質:「作図できたと仮定して逆算する」のが作図の戦略

作図問題を解く鍵は、解析(analysis)と呼ばれる逆算の思考法です。 まず求める図形が作図できたと仮定し、その図形が満たす条件を分析します。 条件を基本作図で実現できる形に翻訳できれば、作図の手順が見えてきます。

作図問題の3ステップ:

(I) 解析:作図できたと仮定して、求める点の条件を調べる

(II) 作図:条件を満たす点を基本作図で実際に描く

(III) 証明:描いた図形が条件を満たすことを証明する

円外の点から接線を引く作図

円 $O$(半径 $r$)の外部に点 $A$ があるとき、$A$ から円 $O$ に接線を作図しましょう。

▷ 接線の作図手順と証明

(I) 解析:接点を $T$ とすると $OT \perp AT$(接線と半径は垂直)。 つまり $\angle OTA = 90°$。$OA$ を直径とする円を描けば、 その円周上の点で $\angle OTA = 90°$ が成り立つ(直径に対する円周角)。 $T$ は「$OA$ を直径とする円」と「円 $O$」の交点。

(II) 作図:

Step 1:線分 $OA$ の中点 $M$ を作図する(垂直二等分線を使う)。

Step 2:$M$ を中心、$MA$ を半径とする円を描く($OA$ を直径とする円)。

Step 3:この円と円 $O$ の交点を $T$, $T'$ とする。

Step 4:直線 $AT$, $AT'$ が求める接線。

(III) 証明:$T$ は $OA$ を直径とする円の上にあるので $\angle OTA = 90°$。 $T$ は円 $O$ の上にあるので $OT = r$(半径)。 $OT \perp AT$ より、直線 $AT$ は円 $O$ の接線。■

⚠️ 落とし穴:「$OA$ を直径とする円」の中心が $O$ だと勘違いする

$OA$ を直径とする円の中心は $O$ ではなく、$OA$ の中点 $M$ です。

✕ 誤:$O$ を中心に $OA$ を半径として円を描く → これは $O$ 中心の大きい円であり、直径の円ではない

○ 正:まず $OA$ の中点 $M$ を作図し、$M$ を中心に $MA (= OA/2)$ を半径として円を描く

長さが与えられた線分の作図

長さ $\sqrt{ab}$($a$, $b$ は正の数)の線分を作図できます。 これは「方べきの定理の逆」を利用します。

線分 $AB$ 上に $AC = a$, $CB = b$ となる点 $C$ をとり、$AB$ を直径とする円を描きます。 $C$ を通り $AB$ に垂直な直線と円の交点を $D$ とすると、方べきの定理より $CD^2 = CA \cdot CB = ab$。よって $CD = \sqrt{ab}$。

🔬 深掘り:作図で四則演算と平方根ができる

コンパスと定規で作図できる長さは、与えられた長さに対して 加減乗除と平方根の操作を繰り返して得られる長さに限られます。

加法・減法はコンパスで長さを移すだけ。 乗法・除法は相似な三角形で比を移す。 平方根は上記の方べきの定理を使う。

これを代数的に言うと、作図可能な長さは 「有理数から出発して、加減乗除と平方根を有限回繰り返して得られる数」です。 これが作図不可能問題(Section 4)の理論的基盤になります。

3共通接線の作図 ─ 2つの円をつなぐ直線を描く

8-9 で学んだ2つの円の共通接線を、実際に作図する方法を考えます。 「既知の問題に帰着する」のが作図の基本的な考え方です。

💡 ここが本質:共通接線の作図は「1つの円の接線」に帰着させる

共通外接線の作図の着想は、一方の円を「縮めて点にする」ことです。 半径 $r$ の円 $O$ と半径 $r'$ の円 $O'$($r > r'$)の共通外接線は、 「半径 $r - r'$ の円 $O$」と「点 $O'$」の接線に対応します。

つまり、$O$ を中心とする半径 $r - r'$ の円を描き、$O'$ からその円に接線を引けば、 それを平行移動($r'$ だけずらす)することで元の共通外接線が得られます。

共通外接線の作図

▷ 共通外接線の作図手順

円 $O$(半径 $r$)と円 $O'$(半径 $r'$, $r > r'$)が与えられたとします。

(I) 解析:共通外接線が円 $O$ と接点 $A$ で、円 $O'$ と接点 $B$ で接しているとする。 $O$ から接線に垂線 $OH$ を下ろすと、$OH = r$。$O'$ からも垂線を下ろすと長さ $r'$。 $O'$ から直線 $OA$ に垂線 $O'H$ を下ろすと、$OH = r - r'$(同じ側の接線なので)。 $\angle O'HO = 90°$ なので、$O'$ は「$O$ を中心に半径 $r - r'$ の円」に接線を引いた接点の位置にある... ではなく、$H$ が接点になります。

正確には:$O$ を中心とする半径 $r - r'$ の補助円を描き、$O'$ からこの補助円に接線を引きます。 接点を $P$ とすると、$OP = r - r'$ かつ $O'P \perp OP$。 $OP$ の延長上に $OA = r$ となる点 $A$ をとると($A$ は円 $O$ 上)、$A$ を通り $O'P$ に平行な直線が共通外接線。

(II) 作図:

Step 1:$O$ を中心に半径 $r - r'$ の円を描く。

Step 2:$OO'$ の中点 $M$ を作図する。

Step 3:$M$ を中心に $MO'$ を半径とする円を描き、Step 1 の円との交点 $P$ を求める。

Step 4:直線 $OP$ と円 $O$ の交点 $A$ を求める。

Step 5:$A$ を通り $O'P$ に平行な直線を引く。これが共通外接線。

(III) 証明:$P$ は $OO'$ を直径とする円上で、かつ半径 $r - r'$ の円上なので $\angle OPO' = 90°$, $OP = r - r'$。$A$ は $OP$ の延長上で $OA = r$。 共通外接線 $\ell$ は $A$ を通り $O'P$ に平行。$OA \perp \ell$($\angle OPO' = 90°$ と平行性より)。 よって $\ell$ は円 $O$ に $A$ で接する。 $O'$ から $\ell$ への距離 $= O'P \cdot \sin 90° \cdot ...$ ではなく、 平行四辺形 $APBO'$ より $O'B = AP = r'$。$O'B \perp \ell$。 よって $\ell$ は円 $O'$ にも接する。■

共通内接線の作図

共通内接線の場合は、補助円の半径が $r + r'$ になります。 「一方を膨らませ、他方を点にする」イメージです。

$O$ を中心に半径 $r + r'$ の補助円を描き、$O'$ からこの補助円に接線を引きます。 接点を $P$ とすると $OP = r + r'$ で、$OP$ 上に $OA = r$ となる点 $A$(円 $O$ 上)をとります。 $A$ を通り $O'P$ に平行な直線が共通内接線です。

⚠️ 落とし穴:共通外接線と共通内接線で補助円の半径を取り違える

✕ 誤:「共通外接線の補助円は半径 $r + r'$」

○ 正:共通接線 → 補助円の半径は $r - r'$(差)。 共通接線 → 補助円の半径は $r + r'$(和)。

理由を図で考えましょう。外接線では2つの円が同じ側なので半径の差が現れ、 内接線では円が両側に分かれるので半径の和が現れます。 8-9で学んだ共通接線の長さの公式と同じ対応関係です。

⚠️ 落とし穴:$r = r'$(半径が等しい)のとき共通外接線が作図できないと思う

$r = r'$ のとき、$r - r' = 0$ なので補助円は点(中心 $O$)に退化します。

✕ 誤:「補助円が描けないから作図できない」

○ 正:$r = r'$ のとき、共通外接線は $OO'$ に平行。 $OO'$ の垂直二等分線上の任意の点から $OO'$ に平行な線を引けば...ではなく、 $O$ を通り $OO'$ に垂直な直線と円 $O$ の交点 $A$ を求め、$A$ を通り $OO'$ に平行な直線を引く。 これが共通外接線。

🔬 深掘り:作図の「既知の問題への帰着」とポリアの問題解決法

共通接線の作図で「補助円を使って1つの円の接線に帰着させる」手法は、 数学者ポリア(G. Polya)が『いかにして問題をとくか』で述べた 「既知の問題に帰着させよ(reduce to a known problem)」の好例です。

未知の問題を解くとき、問題の構造を変形して既に解き方を知っている問題に 持ち込むのは、数学のあらゆる分野で使われる普遍的な戦略です。 作図問題はこの思考法を鍛えるのに最適な題材です。

4作図不可能問題の理解 ─ なぜできないのか

古代ギリシャ以来、数学者たちは「コンパスと定規でどんな図形でも描ける」と信じてきました。 しかし、19世紀になって、作図不可能な問題が存在することが証明されました。

3大作図不可能問題

以下の3つの問題は、コンパスと定規だけでは不可能であることが証明されています。

問題内容不可能の理由(簡略)
角の三等分任意の角を3等分する一般の角の三等分には3次方程式の解が必要で、平方根の繰り返しでは表せない
立方体の倍積体積が2倍の立方体の一辺を作図する$\sqrt[3]{2}$ が平方根の繰り返しでは表せない
円積問題与えられた円と同じ面積の正方形を作図する$\sqrt{\pi}$ の作図が必要だが、$\pi$ は超越数
💡 ここが本質:作図可能な数は「平方根の有限回の操作」で表せる数

コンパスと定規で作図可能な長さは、代数的に言うと 「有理数から出発して、加減乗除と平方根を有限回繰り返して得られる数」に限られます。

つまり $\sqrt{2}$, $\sqrt{3 + \sqrt{5}}$ などは作図可能ですが、 $\sqrt[3]{2}$(立方根)は平方根の繰り返しでは表せないので作図不可能です。

これはガロア理論という代数学の深い理論と結びついています。 「なぜ作図できないのか」を厳密に証明するには大学の数学が必要ですが、 「作図で使えるのは平方根まで」という直感を持っておくことは重要です。

⚠️ 落とし穴:「角の三等分は不可能」の意味を誤解する

✕ 誤:「すべての角は三等分できない」

○ 正:任意の角を三等分する一般的な方法は存在しない」。 特定の角($90°$, $180°$ など)は三等分できます($90° \div 3 = 30°$ は作図可能)。 不可能なのは「どんな角でも三等分できる万能の手順」であって、 個別の角については作図できることもあります。

正多角形の作図可能性

正$n$角形が作図可能かどうかも、$n$ の値によって決まります。 ガウスは17歳のとき、正17角形が作図可能であることを発見しました。

正 $n$ 角形が作図可能である条件は、$n$ が $n = 2^k \cdot p_1 \cdot p_2 \cdots p_m$($p_i$ は互いに異なるフェルマー素数) の形であることです。フェルマー素数とは $F_k = 2^{2^k} + 1$ の形の素数で、 現在知られているのは $3, 5, 17, 257, 65537$ の5つだけです。

🔬 深掘り:ガロア理論と作図問題

19世紀の数学者エヴァリスト・ガロア(1811-1832)は、 方程式の解の構造を「群」と呼ばれる代数的構造で記述する理論を創りました。 これがガロア理論です。

ガロア理論を使うと、「ある数が平方根の有限回の操作で表せるか」を 代数方程式の性質から判定できます。 角の三等分には $\cos(20°)$ の作図が必要ですが、 $\cos(20°)$ は $8x^3 - 6x - 1 = 0$ の解であり、 この3次方程式は有理数上で既約(これ以上分解できない)です。 既約3次方程式の解は平方根の繰り返しでは表せないことがガロア理論から導かれます。

ガロアは決闘で20歳の若さで命を落としましたが、 前夜に書き残した手紙が近代代数学の礎となりました。

5俯瞰マップ ─ 作図問題の全体像

作図問題を解くための道具と戦略を整理しましょう。

作図問題の解法体系

パターン問題の特徴使う道具・戦略
A:基本作図垂直二等分線・角の二等分線・垂線4つの基本作図をそのまま適用
B:接線の作図円外の点から接線を引く「直径に対する円周角は $90°$」を利用。補助円を描く
C:特定の長さの作図$\sqrt{ab}$ などの長さの線分方べきの定理。直径の円と垂線
D:共通接線の作図2つの円の共通接線補助円で「1つの円の接線」に帰着
E:条件付き作図複数の条件を満たす点の作図「解析 → 作図 → 証明」の3ステップ

つながりマップ

  • ← 8-7 円の接線:接線の作図には「接線は半径に垂直」という基本性質が不可欠。
  • ← 8-8 方べきの定理:特定の長さの線分($\sqrt{ab}$ など)の作図に使う。
  • ← 8-9 2つの円:共通接線の作図は、2つの円の位置関係の理解が前提。
  • ← 8-10 円周角の定理の応用:「直径に対する円周角は $90°$」が接線の作図の核心。
  • → 数学II 式と証明:作図不可能問題の理論は、代数方程式の性質(既約性)と深く関連。

📋まとめ

  • 4つの基本作図:垂直二等分線、角の二等分線、直線上の点を通る垂線、直線外の点からの垂線
  • 基本作図の本質は「等距離にある点の集合」を引くこと
  • 接線の作図:「$OA$ を直径とする補助円」を使い、直径に対する円周角 $= 90°$ を利用
  • 共通接線の作図:補助円で「1つの円の接線」に帰着。外接線は半径の差、内接線は半径の和
  • 作図問題の3ステップ:解析(逆算)→ 作図 → 証明
  • 作図可能な長さは「有理数 + 平方根の有限回の操作」。立方根や $\pi$ は作図不可能

確認テスト

Q1. 4つの基本作図をすべて挙げてください。

▶ クリックして解答を表示(1) 線分の垂直二等分線、(2) 角の二等分線、(3) 直線上の点を通る垂線、(4) 直線外の点から直線への垂線。

Q2. 円外の点 $A$ から円 $O$ に接線を作図するとき、どんな補助円を描きますか?

▶ クリックして解答を表示$OA$ を直径とする円($OA$ の中点を中心、$OA/2$ を半径とする円)を描く。この円と元の円の交点が接点。

Q3. 長さ $\sqrt{6}$ の線分を作図するには、直径がいくつの半円を描き、どの位置に垂線を立てればよいですか?

▶ クリックして解答を表示長さ $2 + 3 = 5$(または $1 + 6 = 7$)の線分を直径とする半円を描き、端から $2$(または $1$)の位置で垂線を立てる。方べきの定理より $\sqrt{2 \times 3} = \sqrt{6}$(または $\sqrt{1 \times 6} = \sqrt{6}$)。

Q4. 「角の三等分は不可能」とは、正確にはどういう意味ですか?

▶ クリックして解答を表示「任意の角をコンパスと定規だけで三等分する一般的な方法は存在しない」ということ。特定の角($90°$ など)の三等分は可能。不可能なのは「すべての角に適用できる万能の手順」。

Q5. 作図問題の3ステップを述べてください。

▶ クリックして解答を表示(I) 解析:作図できたと仮定して、求める点の条件を調べる。(II) 作図:条件を満たす点を基本作図で実際に描く。(III) 証明:描いた図形が条件を満たすことを論理的に示す。

8入試問題演習

この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。

A 基礎レベル

8-11-1 A 基礎 基本作図 垂線

直線 $\ell$ 外の点 $P$ から $\ell$ に垂線を引く作図の手順を述べ、その正しさを証明せよ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

以下の手順と証明を参照。

解説

作図手順:

Step 1:$P$ を中心として、$\ell$ と2点 $A$, $B$ で交わるような円弧を描く。

Step 2:$A$, $B$ をそれぞれ中心として同じ半径の円弧を描き、 $P$ と反対側の交点を $Q$ とする。

Step 3:直線 $PQ$ が求める垂線。

証明:$PA = PB$(Step 1)、$QA = QB$(Step 2)、$PQ$ は共通。 $\triangle PAQ \equiv \triangle PBQ$(3辺相等)。 $\angle APM = \angle BPM$($M$ は $PQ$ と $\ell$ の交点)。 $\triangle PAM \equiv \triangle PBM$(2辺夾角)。 $\angle PMA = \angle PMB = 90°$。よって $PQ \perp \ell$。■

B 標準レベル

8-11-2 B 標準 接線の作図 論述

円 $O$(半径 $r$)の外部の点 $A$ から、円 $O$ に接線を作図する方法を述べよ。 また、接点 $T$ と $A$ の距離が $\sqrt{OA^2 - r^2}$ であることを示せ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

以下の解説参照。

解説

作図:

Step 1:$OA$ の中点 $M$ を作図する。

Step 2:$M$ を中心、$MA$ を半径の円を描く。

Step 3:この円と円 $O$ の交点 $T$ を求める。直線 $AT$ が接線。

距離の証明:$\angle OTA = 90°$($OA$ を直径とする円の円周角)。 直角三角形 $OTA$ で三平方の定理より

$AT^2 = OA^2 - OT^2 = OA^2 - r^2$

$\therefore \quad AT = \sqrt{OA^2 - r^2}$

これは円外の点から円に引いた接線の長さの公式です。

採点ポイント
  • $OA$ を直径とする円の作図手順(3点)
  • $\angle OTA = 90°$ の理由(直径の円周角)(3点)
  • 三平方の定理の適用(2点)
  • 接線の長さの式の導出(2点)
8-11-3 B 標準 長さの作図 方べき

長さ $1$ と長さ $a$($a > 0$)の線分が与えられているとき、長さ $\sqrt{a}$ の線分を作図せよ。 作図の手順を述べ、正しさを証明せよ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

以下の解説参照。

解説

作図:

Step 1:直線上に $AB = 1 + a$ の線分をとり、$AC = 1$, $CB = a$ となる点 $C$ を定める。

Step 2:$AB$ を直径とする半円を描く($AB$ の中点 $M$ を中心、$MA$ を半径)。

Step 3:$C$ を通り $AB$ に垂直な直線と半円の交点を $D$ とする。

Step 4:$CD$ が求める長さ $\sqrt{a}$ の線分。

証明:$D$ は直径 $AB$ の半円上なので $\angle ADB = 90°$(直径の円周角)。 直角三角形 $ADB$ で $DC$ は斜辺 $AB$ への垂線。

方べきの定理(または直角三角形の相似)より

$CD^2 = CA \cdot CB = 1 \cdot a = a$

$\therefore \quad CD = \sqrt{a}$ ■

採点ポイント
  • $AC = 1$, $CB = a$ の配置(2点)
  • $AB$ を直径とする半円の作図(2点)
  • 垂線と半円の交点を求める(2点)
  • 方べきの定理(または相似)による証明(4点)

C 発展レベル

8-11-4 C 発展 共通接線 作図 論述

半径 $r$ の円 $O$ と半径 $r'$($r > r'$)の円 $O'$ が互いに外部にある。 この2つの円の共通外接線を作図する方法を述べ、 作図した直線が確かに共通外接線であることを証明せよ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

以下の解説参照。

解説

作図手順:

Step 1:$O$ を中心に半径 $r - r'$ の円(補助円)を描く。

Step 2:$OO'$ の中点 $M$ を作図する。

Step 3:$M$ を中心に $MO'$ を半径の円を描き、補助円との交点 $P$ を求める。

Step 4:半直線 $OP$ と円 $O$ の交点 $A$ を求める($OA = r$)。

Step 5:$A$ を通り $O'P$ に平行な直線 $\ell$ を引く。$\ell$ が共通外接線。

証明:

$P$ は $OO'$ を直径とする円上にあるので $\angle OPO' = 90°$。 $P$ は補助円上にあるので $OP = r - r'$。

$A$ は半直線 $OP$ 上で $OA = r$ なので $PA = OA - OP = r - (r - r') = r'$。

$\ell \parallel O'P$ より、四角形 $APO'B$($B$ は $\ell$ と円 $O'$ の接点)で $\angle OAB = \angle OPO' = 90°$(平行線の同位角)ではなく...

$OA$ は $O$ から $A$ へ。$\ell$ は $A$ を通り $O'P$ に平行。$\angle OPO' = 90°$ なので $OP \perp O'P$。$\ell \parallel O'P$ かつ $A$ は $OP$ の延長上なので $OA \perp \ell$。 ($OP$ と $O'P$ が直交し、$\ell \parallel O'P$ なので $\ell \perp OP$。$A$ は $OP$ 上なので $\ell \perp OA$。)

$OA \perp \ell$ かつ $OA = r$ なので、$\ell$ は円 $O$ の接線($A$ が接点)。

次に $\ell$ が円 $O'$ にも接することを示す。 $O'$ から $\ell$ への距離を求める。$\ell \parallel O'P$, $A$ は $\ell$ 上, $AP = r'$, $\angle PAH = 90°$($\ell \perp OP$ より)ではなく... $AP = r'$ で $O'P \perp OP$, $\ell \parallel O'P$ なので 四角形 $APO'B$( $B$ は $O'$ から $\ell$ へ下ろした垂線の足)は長方形。 $O'B = AP = r'$。よって $O'$ から $\ell$ への距離は $r'$、つまり $\ell$ は円 $O'$ の接線。■

採点ポイント
  • 補助円(半径 $r - r'$)の導入(2点)
  • $\angle OPO' = 90°$ の理由(直径の円周角)(2点)
  • $OA \perp \ell$ の証明(円 $O$ の接線であること)(3点)
  • $O'$ から $\ell$ への距離が $r'$ の証明(円 $O'$ の接線であること)(3点)