くじ引きで「先に引いた方が有利」と感じたことはありませんか?
実は、先に引いても後に引いても当たる確率は同じです。この直感に反する事実を、数学的に証明します。
10本のくじの中に当たりが3本あるとしましょう。 $a$, $b$ の2人がこの順に1本ずつくじを引きます(引いたくじは戻しません)。 「先に引く $a$ の方が有利では?」── この疑問に答えるのがくじ引きの公平性です。
結論を先に述べると、$a$ が当たる確率も $b$ が当たる確率も、どちらも $\dfrac{3}{10}$ です。 順番に関係なく、全員の当たる確率は等しい。これがくじ引きの公平性です。
$a$ が当たりくじを引く確率は明らかです。10本中3本が当たりなので、
$$P(a\text{ が当たり}) = \frac{3}{10}$$$b$ の確率を求めるには、$a$ の結果で場合分けする必要があります。 $b$ が引く時点では、$a$ がすでに1本引いた後なので、残りは9本です。
場合1:$a$ が当たりだった場合
$a$ が当たりを引く確率:$\dfrac{3}{10}$
このとき残り9本中、当たりは2本。$b$ が当たる確率:$\dfrac{2}{9}$
場合2:$a$ がはずれだった場合
$a$ がはずれを引く確率:$\dfrac{7}{10}$
このとき残り9本中、当たりは3本。$b$ が当たる確率:$\dfrac{3}{9}$
$b$ が当たる確率(全確率の公式):
$$P(b\text{ が当たり}) = \frac{3}{10} \times \frac{2}{9} + \frac{7}{10} \times \frac{3}{9} = \frac{6}{90} + \frac{21}{90} = \frac{27}{90} = \frac{3}{10}$$
$a$ と全く同じ $\dfrac{3}{10}$ になりました。
なぜ $b$ の確率が $a$ と同じになるのでしょうか。計算のカラクリを見てみましょう。
$b$ が当たる確率は $\dfrac{3}{10} \cdot \dfrac{2}{9} + \dfrac{7}{10} \cdot \dfrac{3}{9}$ でした。 分子を展開すると $3 \times 2 + 7 \times 3 = 6 + 21 = 27$ です。
一方、10本から2本を順に引く全パターンは $10 \times 9 = 90$ 通り。 そのうち $b$ が当たりになるのは $3 \times 2 + 7 \times 3 = 27$ 通り。
実はこれは「10本のくじから $b$ の位置に当たりが来る並べ方」を数えているのと同じです。 10本のうち当たりは3本なので、$b$ の位置に当たりが来る確率は $\dfrac{3}{10}$。 順番に関係なく、各位置に当たりが来る確率は常に $\dfrac{3}{10}$ です。
くじ引きの公平性を最も簡潔に理解する方法は、「全員分のくじをあらかじめ並べておく」という発想です。
10本のくじを横一列に並べる並べ方は $10!$ 通り。 このうち、$k$ 番目の位置に当たりくじが来る並べ方を数えると、 $k$ 番目に当たり3本のいずれかを置く方法が $3$ 通り、残り9本の並べ方が $9!$ 通りなので、$3 \times 9!$ 通り。
$$P(k\text{番目が当たり}) = \frac{3 \times 9!}{10!} = \frac{3}{10}$$
$k$ がどの番号でも同じ値になります。これが公平性の最も本質的な証明です。
✕ 誤:$a$ が当たりを引いたら残りの当たりが減るから、$b$ は不利
○ 正:$a$ が当たりを引いたとき $b$ の条件付き確率は確かに $\dfrac{2}{9}$ に下がります。 しかし、$a$ がはずれを引いたとき $b$ の条件付き確率は $\dfrac{3}{9}$ に上がります。 $a$ の結果を知らない段階では、この2つが加重平均されて $\dfrac{3}{10}$ になるのです。
「条件付き確率が変わること」と「事前の確率が変わること」を混同しないようにしましょう。
上の計算で使った「場合分けして足す」手法は、大学数学では全確率の公式(全確率の法則)と呼ばれます。
事象 $B_1, B_2, \ldots, B_n$ が互いに排反で全体を覆うとき、任意の事象 $A$ に対して $P(A) = \displaystyle\sum_{i=1}^{n} P(B_i) P_{{B_i}}(A)$ が成り立ちます。
くじ引きでは $B_1$($a$ が当たり)と $B_2$($a$ がはずれ)で場合分けし、 $A$($b$ が当たり)の確率を求めたわけです。
くじ引きの問題では、引いたくじをもとに戻すかどうかで確率が大きく変わります。 この条件は見落としやすいので、問題文を注意深く読む必要があります。
引いたくじをもとに戻す場合を復元抽出といいます。 このとき、各回の試行は完全に同じ条件で行われるため、各回の確率は常に一定です。
10本中3本が当たりのくじから、もとに戻して2回引く場合:
復元抽出では、各回の試行は独立です。 前の結果が後の確率に一切影響しません。
引いたくじをもとに戻さない場合を非復元抽出といいます。 通常のくじ引きはこちらです。このとき、各回の条件付き確率は前の結果によって変わります。
しかし、Section 1で証明したように、事前の(条件なしの)確率は変わりません。 これが公平性の核心です。
復元抽出(もとに戻す)
・各回の試行は独立
・$k$ 回目に当たる確率:$\dfrac{r}{n}$(常に一定)
非復元抽出(もとに戻さない)
・各回の試行は従属(前の結果に依存)
・$k$ 回目に当たる確率:$\dfrac{r}{n}$(事前確率は一定)
・条件付き確率は変動するが、加重平均すると同じ値になる
非復元抽出で $b$ が引くとき、残りのくじの構成は $a$ の結果によって変わります。 しかし、$b$ が引く前に $a$ の結果を知らなければ、 $b$ にとっての確率は $a$ の結果で場合分けした加重平均です。
公平性とは「事前に(他の人の結果を知る前に)確率が等しい」ということです。 これは「情報がない状態での確率」が等しいことを意味しています。
問題文に「もとに戻す」「もとに戻さない」のどちらが書かれているかは、確率計算の根幹に関わります。
✕ 誤:「くじ引き」とあるだけで、何も考えず非復元抽出として計算する
○ 正:問題文で「もとに戻す」と指定されていれば復元抽出。 特に指定がなく「くじ引き」とだけあれば、通常は非復元抽出(一般的なくじ引きはもとに戻さない)。
ただし問題によって異なるので、必ず問題文の条件を確認してください。
復元抽出の場合、各回の試行は独立なので、$k$ 番目の当たる確率は「場合分けして足す」までもなく $\dfrac{r}{n}$ です。
✕ 誤:復元抽出なのにわざわざ場合分けして全確率の公式を使う(無駄な計算)
○ 正:復元抽出では各回が独立なので、直接 $\dfrac{r}{n}$ と答えてよい。 場合分けが必要なのは非復元抽出のときです。
くじ引きの公平性は「事前の確率が等しい」ことを述べています。 しかし、もし $a$ の結果を知った後なら、$b$ の確率はどうなるでしょうか。 ここで条件付き確率の考え方が重要になります。
10本中3本が当たりのくじで、$a$ が先に引いた後の $b$ の確率を考えましょう。
$a$ が当たりだったと知った場合:
$$P_{a\text{が当たり}}(b\text{ が当たり}) = \frac{2}{9}$$$a$ がはずれだったと知った場合:
$$P_{a\text{がはずれ}}(b\text{ が当たり}) = \frac{3}{9} = \frac{1}{3}$$このように、$a$ の結果を知れば、$b$ の条件付き確率は $\dfrac{3}{10}$ ではなくなります。 $a$ が当たりなら $b$ にとっては不利($\dfrac{2}{9} < \dfrac{3}{10}$)、 $a$ がはずれなら有利($\dfrac{1}{3} > \dfrac{3}{10}$)です。
くじ引きの公平性とは、「他の人の結果を知らない状態で各人の当たる確率が等しい」ということです。
情報を得れば確率は変わります。それは不公平ではなく、「新しい情報による確率の更新」です。 条件付き確率 $P_A(B)$ は「事象 $A$ という情報を得た後の $B$ の確率」であり、 情報がないときの $P(B)$ とは異なる量です。
公平性の議論では、全員が同じ情報量(=情報なし)の状態で比較することが前提です。
条件付き確率の定義 $P_A(B) = \dfrac{P(A \cap B)}{P(A)}$ を変形すると、 確率の乗法定理が得られます。
$$P(A \cap B) = P(A) \cdot P_A(B)$$Section 1の計算を乗法定理で書き直してみましょう。 「$a$ が当たり かつ $b$ が当たり」の確率は:
$$P(a\text{当} \cap b\text{当}) = P(a\text{当}) \cdot P_{a\text{当}}(b\text{当}) = \frac{3}{10} \times \frac{2}{9} = \frac{6}{90}$$「$a$ がはずれ かつ $b$ が当たり」の確率は:
$$P(a\text{外} \cap b\text{当}) = P(a\text{外}) \cdot P_{a\text{外}}(b\text{当}) = \frac{7}{10} \times \frac{3}{9} = \frac{21}{90}$$$b$ が当たる確率はこの2つの和ですから:
$$P(b\text{当}) = \frac{6}{90} + \frac{21}{90} = \frac{27}{90} = \frac{3}{10}$$$P(A \cap B) = P(A) \cdot P_A(B)$ の右辺で、「$A$ の確率」と「$A$ が起きたときの $B$ の条件付き確率」を掛けます。
✕ 誤:$P(a\text{当} \cap b\text{当}) = P(b\text{当}) \times P(a\text{当})$(これは独立のときしか成り立たない)
○ 正:$P(a\text{当} \cap b\text{当}) = P(a\text{当}) \times P_{a\text{当}}(b\text{当}) = \dfrac{3}{10} \times \dfrac{2}{9}$
乗法定理は「先に起きる方の確率 $\times$ それが起きたときの条件付き確率」の積です。 時間順に沿って掛ければ間違えにくくなります。
$b$ が当たりくじを引いたと判明したとき、$a$ が当たりだった確率はいくらでしょうか。 これは「結果($b$ が当たり)から原因($a$ の結果)を推定する」問題で、 ベイズの定理を使って計算できます。
$$P_{b\text{当}}(a\text{当}) = \frac{P(a\text{当}) \cdot P_{a\text{当}}(b\text{当})}{P(b\text{当})} = \frac{\frac{3}{10} \times \frac{2}{9}}{\frac{3}{10}} = \frac{2}{9}$$
ベイズの定理は医学診断、スパムフィルタ、AI(機械学習)など、 あらゆる分野で「観測結果から原因の確率を更新する」基本ツールとして使われています。
くじ引きの公平性を学ぶと、「確率が等しいなら各回は独立ではないか」と思うかもしれません。 しかし、公平性と独立性は全く別の概念です。この区別は非常に重要です。
2つの事象 $A$, $B$ が独立であるとは、 $P(A \cap B) = P(A) \cdot P(B)$ が成り立つことです。 これは「$A$ が起きても起きなくても、$B$ の確率は変わらない」ことを意味します。
10本中3本が当たりのくじで、$a$ と $b$ がこの順に引く(非復元)とき:
もし独立なら $P(a\text{当}) \times P(b\text{当}) = \dfrac{3}{10} \times \dfrac{3}{10} = \dfrac{9}{100}$ のはずです。 しかし $P(a\text{当} \cap b\text{当}) = \dfrac{1}{15} = \dfrac{6}{90}$ であり、 $\dfrac{9}{100} \neq \dfrac{6}{90}$ なので、独立ではありません。
公平性:各人の「事前の」確率が等しい
$P(a\text{ が当たり}) = P(b\text{ が当たり}) = \dfrac{r}{n}$
独立性:一方の結果が他方の確率に影響しない
$P(A \cap B) = P(A) \cdot P(B)$
✕ 誤:公平だから $P(a\text{当} \cap b\text{当}) = \dfrac{3}{10} \times \dfrac{3}{10}$ と計算する
○ 正:非復元抽出では $P(a\text{当} \cap b\text{当}) = \dfrac{3}{10} \times \dfrac{2}{9}$
公平性は「周辺確率が等しい」こと、独立性は「同時確率が周辺確率の積に等しい」こと。 非復元抽出では公平だが独立ではないので、同時確率を求めるときは乗法定理を使います。
復元抽出(もとに戻す場合)では、各回の試行は独立です。 $a$ が何を引こうが、$b$ が引く時点ではくじは元通りだからです。 よって復元抽出では独立性も公平性も両方成り立ちます。
| 抽出方法 | 公平性 | 独立性 | 同時確率の計算 |
|---|---|---|---|
| 復元抽出 | あり | あり | $P(A) \times P(B)$ |
| 非復元抽出 | あり | なし | $P(A) \times P_A(B)$(乗法定理) |
くじ引きの公平性を大学数学ではどう捉えるのでしょうか。 確率変数の列 $X_1, X_2, \ldots, X_n$ が交換可能(exchangeable)であるとは、 どのように順番を入れ替えても同時分布が変わらないことです。
非復元抽出でくじを引く順番は交換可能です。 だからこそ「順番を入れ替えても確率は同じ」、つまり公平性が成り立ちます。 交換可能性は独立性より弱い条件ですが、対称性に関する多くの結論を導ける強力な概念です。
くじ引きの公平性は、確率の様々な概念が交差する重要なテーマです。 ここまで学んだ内容を整理し、他の単元とのつながりを見ましょう。
| 概念 | くじ引きとの関係 | ポイント |
|---|---|---|
| 全確率の公式 | 場合分けして公平性を証明 | 排反な場合に分けて確率を足す |
| 条件付き確率 | 前の人の結果で確率が変わる | 情報が入ると確率は更新される |
| 乗法定理 | 同時確率の計算 | $P(A \cap B) = P(A) \cdot P_A(B)$ |
| 独立性 | 公平性との違い | 非復元では従属だが公平 |
| 順列・組合せ | 並べ方による証明 | $k$ 番目に当たりが来る場合の数 |
Q1. 10本中2本が当たりのくじを、$a$, $b$, $c$ の3人がこの順に引く(非復元)。$c$ が当たる確率は?
Q2. 復元抽出と非復元抽出の違いを、「独立性」と「公平性」の観点から説明してください。
Q3. 非復元抽出で $a$ が当たりだったことを知った場合、$b$ が当たる確率はいくらか(10本中3本当たり)。
Q4. 「$a$ が当たりを引いたら $b$ は不利」は正しい表現ですか?
Q5. 5本中2本が当たりのくじで、$a$, $b$ が非復元で引くとき、$P(a\text{当} \cap b\text{当})$ を求めよ。
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
12本のくじの中に当たりが4本ある。$a$, $b$, $c$ の3人がこの順に1本ずつ引く(引いたくじは戻さない)。
(1) $a$ が当たりを引く確率を求めよ。
(2) $b$ が当たりを引く確率を求めよ。
(3) $c$ が当たりを引く確率を求めよ。
(1) $\dfrac{4}{12} = \dfrac{1}{3}$ (2) $\dfrac{1}{3}$ (3) $\dfrac{1}{3}$
方針:くじ引きの公平性より、何番目に引いても当たる確率は $\dfrac{4}{12} = \dfrac{1}{3}$。
(1) $P(a\text{当}) = \dfrac{4}{12} = \dfrac{1}{3}$
(2) 公平性より $P(b\text{当}) = \dfrac{4}{12} = \dfrac{1}{3}$
検算:$a$ の結果で場合分けすると、 $P(b\text{当}) = \dfrac{4}{12} \cdot \dfrac{3}{11} + \dfrac{8}{12} \cdot \dfrac{4}{11} = \dfrac{12}{132} + \dfrac{32}{132} = \dfrac{44}{132} = \dfrac{1}{3}$
(3) 公平性より $P(c\text{当}) = \dfrac{1}{3}$
8本のくじの中に当たりが3本ある。$a$, $b$ の2人がこの順に1本ずつ引く(引いたくじは戻さない)。
(1) $a$ と $b$ がともに当たりを引く確率を求めよ。
(2) $a$ が当たりを引き、$b$ がはずれを引く確率を求めよ。
(3) $b$ が当たりを引いたことがわかったとき、$a$ も当たりであった確率を求めよ。
(1) $\dfrac{3}{28}$ (2) $\dfrac{15}{56}$ (3) $\dfrac{2}{7}$
方針:乗法定理を用いて同時確率を求め、(3) はベイズの定理(条件付き確率の定義)で計算。
(1) $P(a\text{当} \cap b\text{当}) = \dfrac{3}{8} \times \dfrac{2}{7} = \dfrac{6}{56} = \dfrac{3}{28}$
(2) $P(a\text{当} \cap b\text{外}) = \dfrac{3}{8} \times \dfrac{5}{7} = \dfrac{15}{56}$
(3) $P_{b\text{当}}(a\text{当}) = \dfrac{P(a\text{当} \cap b\text{当})}{P(b\text{当})} = \dfrac{\frac{3}{28}}{\frac{3}{8}} = \dfrac{3}{28} \times \dfrac{8}{3} = \dfrac{8}{28} = \dfrac{2}{7}$
※ $P(b\text{当}) = \dfrac{3}{8}$(公平性より)
$n$ 本のくじの中に当たりが $r$ 本ある($1 \leq r \leq n$)。$n$ 人がこの順に1本ずつ引く(非復元)。$k$ 番目($1 \leq k \leq n$)に引く人が当たりくじを引く確率が $\dfrac{r}{n}$ であることを、順列を用いて証明せよ。
$\dfrac{r}{n}$(証明は解説参照)
方針:$n$ 本のくじを1列に並べ、$k$ 番目に当たりくじが来る場合を数える。
$n$ 本のくじを1列に並べる方法は $n!$ 通り。
$k$ 番目に当たりくじが来る場合を数える。$k$ 番目に当たり $r$ 本のうち1本を選ぶ方法が $r$ 通り、残り $(n-1)$ 本のくじを他の $(n-1)$ 箇所に並べる方法が $(n-1)!$ 通り。
よって $k$ 番目が当たりになる並べ方は $r \times (n-1)!$ 通り。
$$P(k\text{番目が当たり}) = \frac{r \times (n-1)!}{n!} = \frac{r}{n}$$
$k$ に依存しないので、何番目に引いても当たる確率は $\dfrac{r}{n}$ である。(証明終)
10本のくじの中に当たりが3本ある。$a$ が先に2本引き、その後 $b$ が2本引く(引いたくじは戻さない)。
(1) $b$ が引いた2本のうち、ちょうど1本が当たりである確率を求めよ。
(2) $b$ が引いた2本のうち少なくとも1本が当たりであったとき、$a$ の2本が2本ともはずれであった確率を求めよ。
(1) $\dfrac{7}{15}$ (2) $\dfrac{5}{8}$
方針:(1) は $a$ の結果を無視して「10本から $b$ の位置2つに来る当たりの数」と考える。(2) は条件付き確率。
(1) $b$ が引く2本は10本中の3番目と4番目の位置。 公平性の一般化より、10本から2本を選んだとき当たりがちょうど1本含まれる確率と等しい。
$$P = \frac{\binom{3}{1}\binom{7}{1}}{\binom{10}{2}} = \frac{3 \times 7}{45} = \frac{21}{45} = \frac{7}{15}$$
(2) $B$:$b$ の2本に少なくとも1本当たり、$A$:$a$ の2本が2本ともはずれ。
$P(A) = \dfrac{\binom{7}{2}}{\binom{10}{2}} = \dfrac{21}{45} = \dfrac{7}{15}$
$A$ のとき当たり3本は全て $b$ 以降の位置にある。$b$ の2本にちょうど0本当たりの確率は $\dfrac{\binom{3}{0}\binom{5}{2}}{\binom{8}{2}} = \dfrac{10}{28} = \dfrac{5}{14}$
$P_A(B) = 1 - \dfrac{5}{14} = \dfrac{9}{14}$
$P(A \cap B) = P(A) \cdot P_A(B) = \dfrac{7}{15} \times \dfrac{9}{14} = \dfrac{63}{210} = \dfrac{3}{10}$
$P(B)$:$b$ の2本に少なくとも1本当たり $= 1 - \dfrac{\binom{7}{2}}{\binom{10}{2}} \cdot \dfrac{\binom{3}{0}\binom{5}{2}}{\binom{8}{2}} \cdots$ これは $a$ の結果で場合分けが必要。
別解として直接計算:$P(B) = 1 - P(\bar{B})$。$\bar{B}$:$b$ の2本がともにはずれ。
$P(\bar{B}) = \dfrac{\binom{7}{2}}{\binom{10}{2}} = \dfrac{7}{15}$(公平性の一般化:$b$ の2本ともはずれ = 10本から2本選んで両方はずれの確率)
$P(B) = 1 - \dfrac{7}{15} = \dfrac{8}{15}$
よって $P_B(A) = \dfrac{P(A \cap B)}{P(B)} = \dfrac{\frac{3}{10}}{\frac{8}{15}} = \dfrac{3}{10} \times \dfrac{15}{8} = \dfrac{45}{80} = \dfrac{9}{16}$
再計算:$A \cap B$ を直接求める。$a$ が2本ともはずれで $b$ に少なくとも1本当たり。
$a$ が2本ともはずれの選び方:$\binom{7}{2} = 21$ 通り。残り8本から $b$ が2本引いて少なくとも1本当たり:$\binom{8}{2} - \binom{5}{2} = 28 - 10 = 18$ 通り。
全体:$\binom{10}{2} \times \binom{8}{2} = 45 \times 28 = 1260$
$P(A \cap B) = \dfrac{21 \times 18}{1260} = \dfrac{378}{1260} = \dfrac{3}{10}$
$P_B(A) = \dfrac{P(A \cap B)}{P(B)} = \dfrac{3/10}{8/15} = \dfrac{3}{10} \times \dfrac{15}{8} = \dfrac{9}{16}$
再検討。$P(\bar{B})$ を正確に計算。$b$ が2本引いてともにはずれ。$a$ の結果で場合分け:
$a$ が当たり0本:$P = \dfrac{\binom{7}{2}}{\binom{10}{2}} = \dfrac{21}{45}$、このとき $b$ 2本ともはずれ:$\dfrac{\binom{5}{2}}{\binom{8}{2}} = \dfrac{10}{28}$
$a$ が当たり1本:$P = \dfrac{\binom{3}{1}\binom{7}{1}}{\binom{10}{2}} = \dfrac{21}{45}$、このとき $b$ 2本ともはずれ:$\dfrac{\binom{5}{2}}{\binom{8}{2}} = \dfrac{\binom{6}{2}}{\binom{8}{2}} = \dfrac{15}{28}$
$a$ が当たり2本:$P = \dfrac{\binom{3}{2}}{\binom{10}{2}} = \dfrac{3}{45}$、このとき $b$ 2本ともはずれ:$\dfrac{\binom{7}{2}}{\binom{8}{2}} = \dfrac{21}{28}$
$P(\bar{B}) = \dfrac{21}{45} \cdot \dfrac{10}{28} + \dfrac{21}{45} \cdot \dfrac{15}{28} + \dfrac{3}{45} \cdot \dfrac{21}{28} = \dfrac{210 + 315 + 63}{1260} = \dfrac{588}{1260} = \dfrac{7}{15}$
よって $P(B) = 1 - \dfrac{7}{15} = \dfrac{8}{15}$(公平性の一般化で直接出せる)。
$P_B(A) = \dfrac{3/10}{8/15} = \dfrac{3}{10} \times \dfrac{15}{8} = \dfrac{45}{80} = \dfrac{9}{16}$
答え:(2) $\dfrac{9}{16}$