確率の計算で「どう足せばいいのか」「どう引けばいいのか」に迷ったことはありませんか。
排反事象の加法定理、余事象、ド・モルガンの法則 ── この3つの道具を原理から理解すれば、どんな問題でも方針が立てられます。
7-1では、確率の定義 $P(A) = \dfrac{n(A)}{n(U)}$ を学びました。 ここからは、複数の事象の確率をどう組み合わせて計算するかを考えます。
まず、2つの事象 $A$, $B$ について、$A$ または $B$ が起こる確率(和事象 $A \cup B$ の確率)を求めたいとします。 素朴に $P(A) + P(B)$ と足してしまってよいでしょうか?
答えは「場合による」です。足してよい条件を与えるのが、排反事象と加法定理です。
2つの事象 $A$, $B$ が同時には決して起こらないとき、 すなわち $A \cap B = \emptyset$ であるとき、$A$ と $B$ は互いに排反(排反事象)であるといいます。
たとえば、1個のさいころを投げる試行で、$A$:「1の目が出る」、$B$:「6の目が出る」とすると、 1回の試行で1と6が同時に出ることはないので、$A$ と $B$ は排反です。
一方、$A$:「偶数の目が出る」、$B$:「3の倍数の目が出る」とすると、 6の目は偶数でもあり3の倍数でもあるので $A \cap B \neq \emptyset$、つまり排反ではありません。
排反事象とは、ベン図で $A$ と $B$ の円がまったく重ならない状態です。 重なり($A \cap B$)がないから、$A$ に含まれる根元事象と $B$ に含まれる根元事象は完全に別物。 したがって個数を足しても重複カウントが生じません。
集合の個数の公式 $n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B)$ で、$n(A \cap B) = 0$ の特別な場合が排反です。
排反事象の定義を踏まえると、加法定理は自然に導けます。
$A$ と $B$ が互いに排反($A \cap B = \emptyset$)のとき:
$$P(A \cup B) = P(A) + P(B)$$
3つ以上の事象 $A$, $B$, $C$, $\ldots$ が互いに排反のとき:
$$P(A \cup B \cup C \cup \cdots) = P(A) + P(B) + P(C) + \cdots$$
$A \cap B = \emptyset$ のとき、$A$ と $B$ に共通の根元事象はない。
したがって $n(A \cup B) = n(A) + n(B)$。
両辺を全事象の個数 $n(U)$ で割ると、
$$\frac{n(A \cup B)}{n(U)} = \frac{n(A)}{n(U)} + \frac{n(B)}{n(U)}$$
すなわち $P(A \cup B) = P(A) + P(B)$。
個数の世界の性質が、$n(U)$ で割ることでそのまま確率の世界の性質になる ── これが確率と集合の対応関係です。
さいころを1回投げるとき、「偶数の目」と「3の倍数の目」が出る確率を求めよ。
✕ 誤:$P(\text{偶数}) + P(\text{3の倍数}) = \dfrac{3}{6} + \dfrac{2}{6} = \dfrac{5}{6}$
○ 正:「6の目」は偶数かつ3の倍数なので、2つの事象は排反ではない。足すと6の目を二重にカウントしてしまう。正しくは和事象の公式(Section 2)を使い、$\dfrac{3}{6} + \dfrac{2}{6} - \dfrac{1}{6} = \dfrac{4}{6} = \dfrac{2}{3}$。
「排反かどうか」を確認してから足す ── これが加法定理を使う上での鉄則です。
実際の問題では、求めたい事象を排反な事象に分解してから足すのが基本戦略です。
たとえば、袋の中に赤玉2個、青玉3個、白玉4個があるとき、「3個取り出して色がすべて同じ」の確率を求めるには、 $A$:「3個とも青」と $B$:「3個とも白」に分解します。 赤玉は2個しかないので「3個とも赤」はありえず、$A$ と $B$ は互いに排反です。 よって $P(A \cup B) = P(A) + P(B)$ と安全に足せます。
大学の確率論では、確率を「事象の個数の比」ではなく、コルモゴロフの3つの公理から定義します。 その中で最も重要なのが「可算加法性」:互いに排反な事象 $A_1, A_2, \ldots$ に対して
$$P\left(\bigcup_{i=1}^{\infty} A_i\right) = \sum_{i=1}^{\infty} P(A_i)$$
高校で学ぶ加法定理は、この公理の有限版です。 コルモゴロフの公理は「同様に確からしい」という仮定なしに確率を定義でき、 連続量の確率(正規分布など)も扱えるようになります。
2つの事象 $A$, $B$ が排反でない場合、$P(A) + P(B)$ はどうなるでしょうか。 $A$ と $B$ の両方に含まれる根元事象($A \cap B$ の部分)が二重にカウントされてしまいます。 だから引く必要があるのです。
任意の2つの事象 $A$, $B$ に対して:
$$P(A \cup B) = P(A) + P(B) - P(A \cap B)$$
集合で $n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B)$ が成り立つのと同じ理由で、確率でも $P(A \cup B) = P(A) + P(B) - P(A \cap B)$ が成り立ちます。
両辺を $n(U)$ で割るだけで、集合の公式が確率の公式になる ── 確率の性質はすべて集合の性質から導かれるのです。
集合の個数定理より $n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B)$。
各辺を $n(U)$ で割ると、
$$\frac{n(A \cup B)}{n(U)} = \frac{n(A)}{n(U)} + \frac{n(B)}{n(U)} - \frac{n(A \cap B)}{n(U)}$$
すなわち $P(A \cup B) = P(A) + P(B) - P(A \cap B)$。
1から30までの整数から1つ選ぶとき、$A$:「2の倍数」、$B$:「3の倍数」とします。
$P(A) = \dfrac{15}{30} = \dfrac{1}{2}$、$P(B) = \dfrac{10}{30} = \dfrac{1}{3}$。 $A \cap B$ は「6の倍数」なので $P(A \cap B) = \dfrac{5}{30} = \dfrac{1}{6}$。
よって $P(A \cup B) = \dfrac{1}{2} + \dfrac{1}{3} - \dfrac{1}{6} = \dfrac{3+2-1}{6} = \dfrac{4}{6} = \dfrac{2}{3}$。
検算:2の倍数または3の倍数は $\{2,3,4,6,8,9,10,12,14,15,16,18,20,21,22,24,26,27,28,30\}$ の20個。$\dfrac{20}{30} = \dfrac{2}{3}$。一致しています。
和事象の公式を使うとき、$P(A \cap B)$ の計算を忘れて $P(A) + P(B)$ で終わらせてしまう人がいます。
✕ 誤:「2の倍数または3の倍数」$= \dfrac{1}{2} + \dfrac{1}{3} = \dfrac{5}{6}$ ← 6の倍数を二重カウント
○ 正:$\dfrac{1}{2} + \dfrac{1}{3} - \dfrac{1}{6} = \dfrac{2}{3}$
和事象を求めるときは必ず「積事象は何か?」を先に考える習慣をつけましょう。
3つの事象 $A$, $B$, $C$ の場合は、包除原理(包含と排除の原理)から次が成り立ちます。
$$P(A \cup B \cup C) = P(A) + P(B) + P(C) - P(A \cap B) - P(B \cap C) - P(C \cap A) + P(A \cap B \cap C)$$
足しすぎた分を引き、引きすぎた分を戻す ── 「足す・引く」を交互に繰り返すのが包除原理の特徴です。
包除原理(Inclusion-Exclusion Principle)は $n$ 個の事象に一般化できます。 「足して引いて足して引いて...」を繰り返す構造は、素数の判定に使うエラトステネスの篩と同じ発想です。
組合せ論や数論の重要ツールであり、確率論では「少なくとも1つが起こる確率」を求めるときに登場します。
確率の問題で「少なくとも1つは〜」という条件が出てきたら、 多くの場合、余事象を使うのが最も効率的です。 なぜでしょうか?
事象 $A$ に対して、「$A$ が起こらない」という事象を $A$ の余事象といい、$\overline{A}$ で表します。 $A$ と $\overline{A}$ は互いに排反で、$A \cup \overline{A} = U$(全事象)です。
$$P(\overline{A}) = 1 - P(A)$$
「少なくとも1つは〜」の否定は「1つも〜ない」です。
$$P(\text{少なくとも1つは〜}) = 1 - P(\text{1つも〜ない})$$
なぜ余事象が有効なのか? 「少なくとも1つ」を直接求めようとすると、「1個だけ」「2個だけ」「3個だけ」……と多くの場合分けが必要です。 一方、「1つもない」は場合分けなしの1通りで計算できる。 場合分けが多い側を避け、少ない側で計算するのが余事象の戦略です。
A, B, Cの3人がある試験を受けます。合格する確率はそれぞれ $\dfrac{1}{2}$, $\dfrac{2}{3}$, $\dfrac{3}{4}$ です。 少なくとも1人が合格する確率を求めましょう。
直接求めるなら、「1人だけ合格」「2人だけ合格」「3人全員合格」の3パターンを計算して足す必要があります。 余事象なら、「3人とも不合格」の1パターンだけ計算すればよいのです。
各人の不合格確率は $\dfrac{1}{2}$, $\dfrac{1}{3}$, $\dfrac{1}{4}$。 3人の合否は互いに独立なので(独立試行については7-3で学びます)、
$$P(\text{3人とも不合格}) = \frac{1}{2} \times \frac{1}{3} \times \frac{1}{4} = \frac{1}{24}$$
よって、$$P(\text{少なくとも1人が合格}) = 1 - \frac{1}{24} = \frac{23}{24}$$
✕ 非効率:「1人合格」+「2人合格」+「3人合格」を場合分けして全部計算する
○ 効率的:$1 - P(\text{全員不合格})$ を計算する
直接計算が間違いというわけではありませんが、場合分けが増えるほどミスの確率も上がります。 「少なくとも」を見たら、まず余事象を検討するのが鉄則です。
余事象が威力を発揮するのは、次のようなキーワードが問題文に現れたときです。
| 問題文の表現 | 余事象 | 余事象を使う理由 |
|---|---|---|
| 「少なくとも1つは〜」 | 「1つも〜ない」 | 場合分けが1通りで済む |
| 「〜でない確率」 | 「〜である確率」 | 直接のほうが計算しやすい場合 |
| 「$X > k$」(大きい値) | 「$X \leq k$」(小さい値) | 小さい方が場合の数が少ない |
余事象は万能ではありません。「ちょうど2個」のような条件では、余事象を使うとかえって面倒になります。
余事象の「1つも〜ない」= 0個のケースしか排除できません。 「ちょうど2個」の余事象は「0個、1個、3個、4個、...」と多くの場合が含まれるため、直接計算のほうが速いことが多いです。
余事象のターゲットは「少なくとも1つ」型の問題と覚えておきましょう。
余事象の操作は、論理学の否定(NOT)に対応します。 $A \cup B$ は「$A$ OR $B$」、$A \cap B$ は「$A$ AND $B$」、$\overline{A}$ は「NOT $A$」です。
コンピュータ科学では、これらの操作をブール代数として体系化し、 デジタル回路の設計やプログラミングの条件分岐に使います。 高校で学ぶ集合・確率の操作は、コンピュータの論理回路と同じ構造を持っています。
集合の章(第3章)で学んだド・モルガンの法則は、確率の計算でも強力な道具です。 特に、「2つの事象がともに起こらない確率」を求めるときに活躍します。
集合のド・モルガンの法則は次の2つです。
$$\overline{A \cup B} = \overline{A} \cap \overline{B}$$
$$\overline{A \cap B} = \overline{A} \cup \overline{B}$$
確率の問題で「$A$ と $B$ がともに起こらない確率」を求めたいとき、これは $P(\overline{A \cup B})$ のことです。
ド・モルガンの法則を使うと、
$$P(\overline{A \cup B}) = P(\overline{A} \cap \overline{B})$$
あるいは、余事象の公式と組み合わせて、
$$P(\overline{A} \cap \overline{B}) = P(\overline{A \cup B}) = 1 - P(A \cup B)$$
和事象 $P(A \cup B)$ が既知なら、1から引くだけで「どちらも起こらない確率」が求まります。
たとえば、さいころを1回投げる試行で $A$:「偶数」、$B$:「3以上」とします。 「偶数でも3以上でもない」確率、つまり $P(\overline{A} \cap \overline{B})$ を求めましょう。
ド・モルガンの法則より $\overline{A} \cap \overline{B} = \overline{A \cup B}$ なので、
$P(\overline{A} \cap \overline{B}) = 1 - P(A \cup B)$
$A = \{2, 4, 6\}$、$B = \{3, 4, 5, 6\}$、$A \cup B = \{2, 3, 4, 5, 6\}$ なので $P(A \cup B) = \dfrac{5}{6}$。
よって $P(\overline{A} \cap \overline{B}) = 1 - \dfrac{5}{6} = \dfrac{1}{6}$。
検算:$\overline{A} \cap \overline{B}$ は「奇数かつ3未満」= $\{1\}$ なので $\dfrac{1}{6}$。一致しています。
ド・モルガンの法則を正しく適用しないと、全く異なる事象を計算してしまいます。
✕ 誤:「$A$ かつ $B$」の余事象を $\overline{A} \cap \overline{B}$ だと思う
○ 正:$\overline{A \cap B} = \overline{A} \cup \overline{B}$(「$A$ でない」または「$B$ でない」)
バーが外側から中に入ると、$\cup$ と $\cap$ が入れ替わる ── これがド・モルガンの法則のポイントです。 否定が分配されると、「または」と「かつ」が入れ替わると覚えましょう。
ド・モルガンの法則が最も威力を発揮するのは、余事象と組み合わせるときです。 典型的なパターンをまとめます。
| 求めたい確率 | 変換 | 計算方法 |
|---|---|---|
| $P(\overline{A} \cap \overline{B})$ | $= 1 - P(A \cup B)$ | 和事象を求めて1から引く |
| $P(\overline{A} \cup \overline{B})$ | $= 1 - P(A \cap B)$ | 積事象を求めて1から引く |
| $P(A \cup B)$ | $= 1 - P(\overline{A} \cap \overline{B})$ | 「どちらも起こらない」から逆算 |
特に3番目のパターンは重要です。 独立な試行で「少なくとも1つが起こる確率」を求めるとき、 $P(\overline{A} \cap \overline{B}) = P(\overline{A}) \cdot P(\overline{B})$ と計算できるため(7-3参照)、 余事象 + ド・モルガン + 独立の組み合わせで一気に求まります。
ド・モルガンの法則は、電子回路の設計で日常的に使われています。 論理回路では、NANDゲート(NOT AND)やNORゲート(NOT OR)が基本部品ですが、 ド・モルガンの法則を使うと、ANDゲートとORゲートを相互に変換できます。
$\overline{A \cdot B} = \overline{A} + \overline{B}$(NAND = NOT A OR NOT B)
実は、NANDゲートだけですべての論理回路を作れることが知られています。 これはド・モルガンの法則が保証する「AND/ORの相互変換」のおかげです。
ここまで学んだ確率の基本性質を、全体像として整理しましょう。 確率の問題を解くとき、「どの道具を使うか」を判断するフローチャートです。
| 状況 | 使う道具 | 公式 |
|---|---|---|
| $A$, $B$ が排反 | 加法定理 | $P(A \cup B) = P(A) + P(B)$ |
| $A$, $B$ が排反でない | 和事象の公式 | $P(A \cup B) = P(A) + P(B) - P(A \cap B)$ |
| 「少なくとも1つ」 | 余事象 | $P(A) = 1 - P(\overline{A})$ |
| 「どちらも起こらない」 | ド・モルガン + 余事象 | $P(\overline{A} \cap \overline{B}) = 1 - P(A \cup B)$ |
| 複数の場合がある | 排反に分解 + 加法定理 | 排反な事象に分けて足す |
Q1. 事象 $A$ と $B$ が「排反である」とは、どういう条件ですか? 記号を使って答えてください。
Q2. 事象 $A$, $B$ が排反でないとき、$P(A \cup B)$ を求める公式を書いてください。
Q3. 「少なくとも1個は不良品が含まれる」の余事象を日本語で表してください。
Q4. ド・モルガンの法則 $\overline{A \cup B} = ?$ を完成させてください。
Q5. さいころを1回投げるとき、$A$:「奇数」、$B$:「4以上」について $P(A \cup B)$ を求めてください。
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
袋の中に赤玉3個、青玉4個、白玉5個が入っている。この袋から2個の玉を同時に取り出すとき、2個の玉の色がすべて同じである確率を求めよ。
$\dfrac{19}{66}$
方針:「2個とも赤」「2個とも青」「2個とも白」の3つの排反事象に分解して加法定理を使う。
12個から2個を取り出す総数は ${}_{12}C_2 = 66$ 通り。
$A$:2個とも赤 → ${}_{3}C_2 = 3$ 通り、$P(A) = \dfrac{3}{66}$
$B$:2個とも青 → ${}_{4}C_2 = 6$ 通り、$P(B) = \dfrac{6}{66}$
$C$:2個とも白 → ${}_{5}C_2 = 10$ 通り、$P(C) = \dfrac{10}{66}$
$A$, $B$, $C$ は互いに排反なので、加法定理より
$$P(A \cup B \cup C) = \frac{3 + 6 + 10}{66} = \frac{19}{66}$$
1個のさいころを1回投げるとき、偶数の目または5以上の目が出る確率を求めよ。
$\dfrac{2}{3}$
方針:2つの事象は排反でない(6は偶数かつ5以上)ので、和事象の公式を使う。
$A$:偶数 $= \{2, 4, 6\}$、$P(A) = \dfrac{3}{6}$
$B$:5以上 $= \{5, 6\}$、$P(B) = \dfrac{2}{6}$
$A \cap B = \{6\}$、$P(A \cap B) = \dfrac{1}{6}$
$$P(A \cup B) = \frac{3}{6} + \frac{2}{6} - \frac{1}{6} = \frac{4}{6} = \frac{2}{3}$$
1から9までの数字が1つずつ書かれた9枚のカードがある。この中から同時に3枚のカードを取り出すとき、取り出した3枚の数の積が3の倍数になる確率を求めよ。
$\dfrac{37}{42}$
方針:「積が3の倍数」は「少なくとも1枚は3の倍数」と同値。余事象を使う。
余事象は「積が3の倍数にならない」= 「3枚とも3の倍数でない」。
1〜9のうち3の倍数は $\{3, 6, 9\}$ の3枚。3の倍数でないカードは $9 - 3 = 6$ 枚。
9枚から3枚選ぶ総数:${}_{9}C_3 = 84$
3の倍数でない6枚から3枚選ぶ場合の数:${}_{6}C_3 = 20$
余事象の確率:$P(\overline{A}) = \dfrac{20}{84} = \dfrac{5}{21}$
$$P(A) = 1 - \frac{5}{21} = \frac{16}{21}$$
訂正:計算を確認します。$\dfrac{16}{21}$ ではなく、正しくは
$$P(A) = 1 - \frac{20}{84} = \frac{64}{84} = \frac{16}{21}$$
$\dfrac{16}{21}$ が正解です。分子を確認:$84 - 20 = 64$、$\gcd(64,84) = 4$、$\dfrac{64}{84} = \dfrac{16}{21}$。
1から30までの整数から1つ選ぶ。事象 $A$:「選んだ数が4の倍数」、事象 $B$:「選んだ数が6の倍数」とする。
(1) $P(A \cup B)$ を求めよ。
(2) $P(\overline{A} \cap \overline{B})$ を求めよ。
(1) $\dfrac{2}{5}$ (2) $\dfrac{3}{5}$
方針:(1) 排反でない和事象の公式。(2) ド・モルガンの法則で (1) と結びつける。
(1) $A$:4の倍数 $= \{4,8,12,16,20,24,28\}$ → 7個、$P(A) = \dfrac{7}{30}$
$B$:6の倍数 $= \{6,12,18,24,30\}$ → 5個、$P(B) = \dfrac{5}{30}$
$A \cap B$:12の倍数(4と6の最小公倍数)$= \{12, 24\}$ → 2個、$P(A \cap B) = \dfrac{2}{30}$
$$P(A \cup B) = \frac{7}{30} + \frac{5}{30} - \frac{2}{30} = \frac{10}{30} = \frac{1}{3}$$
確認:$\dfrac{10}{30} = \dfrac{1}{3}$。
(2) ド・モルガンの法則より $\overline{A} \cap \overline{B} = \overline{A \cup B}$。
$$P(\overline{A} \cap \overline{B}) = P(\overline{A \cup B}) = 1 - P(A \cup B) = 1 - \frac{1}{3} = \frac{2}{3}$$
A, B, Cの3人がそれぞれ独立に的に向かってボールを投げる。A, B, Cが的に当てる確率はそれぞれ $\dfrac{1}{2}$, $\dfrac{1}{3}$, $\dfrac{1}{4}$ である。
(1) 3人とも的に当てる確率を求めよ。
(2) 少なくとも1人が的に当てる確率を求めよ。
(3) ちょうど1人だけが的に当てる確率を求めよ。
(1) $\dfrac{1}{24}$ (2) $\dfrac{3}{4}$ (3) $\dfrac{11}{24}$
方針:(1) 独立なので確率を掛ける。(2) 余事象。(3) 排反な3つの場合に分解。
(1) 3人の試行は独立なので、
$$P(\text{3人とも当てる}) = \frac{1}{2} \times \frac{1}{3} \times \frac{1}{4} = \frac{1}{24}$$
(2) 「少なくとも1人が当てる」の余事象は「3人とも外す」。
各人が外す確率:$\dfrac{1}{2}$, $\dfrac{2}{3}$, $\dfrac{3}{4}$
$$P(\text{3人とも外す}) = \frac{1}{2} \times \frac{2}{3} \times \frac{3}{4} = \frac{6}{24} = \frac{1}{4}$$
$$P(\text{少なくとも1人が当てる}) = 1 - \frac{1}{4} = \frac{3}{4}$$
(3) ちょうど1人だけ当てるのは、次の3つの排反事象。
$D_1$:Aだけ当てる → $\dfrac{1}{2} \times \dfrac{2}{3} \times \dfrac{3}{4} = \dfrac{6}{24}$
$D_2$:Bだけ当てる → $\dfrac{1}{2} \times \dfrac{1}{3} \times \dfrac{3}{4} = \dfrac{3}{24}$
$D_3$:Cだけ当てる → $\dfrac{1}{2} \times \dfrac{2}{3} \times \dfrac{1}{4} = \dfrac{2}{24}$
$D_1$, $D_2$, $D_3$ は互いに排反なので、加法定理より
$$P = \frac{6 + 3 + 2}{24} = \frac{11}{24}$$
1から100までの整数から1つ選ぶとき、2の倍数または3の倍数または5の倍数である確率を求めよ。
$\dfrac{37}{50}$
方針:3つの事象の和事象の確率。包除原理 $P(A \cup B \cup C) = P(A) + P(B) + P(C) - P(A \cap B) - P(B \cap C) - P(C \cap A) + P(A \cap B \cap C)$ を使う。
$A$:2の倍数 → 50個、$B$:3の倍数 → 33個、$C$:5の倍数 → 20個
$A \cap B$:6の倍数 → 16個、$B \cap C$:15の倍数 → 6個、$C \cap A$:10の倍数 → 10個
$A \cap B \cap C$:30の倍数 → 3個
$$n(A \cup B \cup C) = 50 + 33 + 20 - 16 - 6 - 10 + 3 = 74$$
$$P(A \cup B \cup C) = \frac{74}{100} = \frac{37}{50}$$