第6章 場合の数

組分け問題
─ 「区別あり」と「区別なし」を見抜く

「9人を3人ずつ3組に分ける」と「9人をA, B, Cの3組に分ける」は、似ているようで答えが6倍違います。
この違いの正体は「組に名前があるかないか」。原理を理解すれば、組分け問題は怖くありません。

1区別ある箱への分配 ─ 重複順列の視点

組分け問題の出発点は、「分けるもの」と「分ける先」に区別があるかどうかです。 まずは最もシンプルなパターン、「区別あるものを、区別ある箱(組)に入れる」から始めましょう。

たとえば、「6枚のカードをA, Bの2つの箱に入れる方法は何通りか」を考えます。 カード1枚ごとに「Aに入れる」「Bに入れる」の2通りの選択肢があり、6枚それぞれ独立に選べます。 よって $2^6 = 64$ 通りです。

これは6-4で学んだ重複順列そのものです。 $n$ 個のものを $k$ 個の箱に入れる方法は $k^n$ 通り。 各カードにとって「どの箱に入るか」が $k$ 通りの選択で、それが $n$ 枚分あるからです。

💡 ここが本質:「区別ある箱への分配」= 重複順列

区別ある $n$ 個のものを、区別ある $k$ 個の箱に入れる方法は $k^n$ 通り。

これは「各ものに対して $k$ 個の行き先を選ぶ」という見方です。 ものの視点で考えれば重複順列、箱の視点で考えれば分配問題。 同じ操作を2つの角度から見ているだけです。

「少なくとも1つ入る」条件がある場合

「6枚のカードをA, Bの2つの箱に入れる。ただし各箱に少なくとも1枚は入れる」となると、 空箱を許さない条件がつきます。

全体の $2^6 = 64$ 通りから、「Aが空(全部Bに入れる)」と「Bが空(全部Aに入れる)」の2通りを引いて、 $64 - 2 = 62$ 通りです。

⚠️ 落とし穴:空箱の条件を見落とす

✕ 誤:「6枚を2つの箱に入れるから $2^6 = 64$ 通り」と即答する

○ 正:問題文に「少なくとも1枚」「空箱なし」の条件がないか確認する。条件があれば、空箱のパターンを引く

組分け問題では、0個になる組が許されるかどうかを最初に確認しましょう。 これを見落とすと、答えが微妙にズレます。

人数指定がある場合 ─ 組合せで考える

「9人をA組(3人)、B組(3人)、C組(3人)に分ける」のように、 各組の人数が決まっている場合は、順番に選んでいきます。

まず9人からA組の3人を選ぶ:${}_9\mathrm{C}_3$ 通り。 残り6人からB組の3人を選ぶ:${}_6\mathrm{C}_3$ 通り。 残り3人は自動的にC組:${}_3\mathrm{C}_3 = 1$ 通り。

$$\text{A, B, C の3組に分ける方法} = {}_9\mathrm{C}_3 \times {}_6\mathrm{C}_3 \times {}_3\mathrm{C}_3 = 84 \times 20 \times 1 = 1680 \text{ 通り}$$
📐 区別ある組への分配(人数指定あり)

$n$ 人を $p$ 人、$q$ 人、$r$ 人($p + q + r = n$)の3つの区別ある組に分ける方法:

$${}_n\mathrm{C}_p \times {}_{n-p}\mathrm{C}_q \times {}_{n-p-q}\mathrm{C}_r = \frac{n!}{p!\,q!\,r!}$$

※ この式は「多項係数」と呼ばれ、6-9「同じものを含む順列」とも深い関係があります。
▷ $\frac{n!}{p!\,q!\,r!}$ の導出

${}_9\mathrm{C}_3 \times {}_6\mathrm{C}_3 \times {}_3\mathrm{C}_3$ を計算してみましょう。

$$= \frac{9!}{3!\,6!} \times \frac{6!}{3!\,3!} \times \frac{3!}{3!\,0!}$$

分子・分母を整理すると、$6!$ や $3!$ が約分されて:

$$= \frac{9!}{3!\,3!\,3!}$$

一般に、$n$ 個を $p$ 個、$q$ 個、$r$ 個に分けるとき、順に選ぶ組合せの積は $\frac{n!}{p!\,q!\,r!}$ にきれいに整理されます。

🔬 深掘り:多項係数と多項定理

$\frac{n!}{p!\,q!\,r!}$ は多項係数と呼ばれ、数学IIで学ぶ多項定理に登場します。 $(a + b + c)^n$ を展開したとき、$a^p b^q c^r$($p+q+r=n$)の係数がちょうどこの多項係数です。

「$n$ 個のものを3グループに分ける方法の数」と「多項式の展開の係数」が一致するのは偶然ではありません。 $(a+b+c)^n$ の展開は、$n$ 個の因子からそれぞれ $a, b, c$ のどれかを選ぶ操作に対応しているからです。

2区別ない箱への組分け ─ 割り算で「重複」を消す

ここからが組分け問題の核心です。 「9人をA, B, Cの3組に分ける」と「9人を3人ずつ3組に分ける」は、何が違うのでしょうか。

違いは組に名前(区別)があるかないかです。 A, B, Cの名前がついている場合、たとえば「A組が{太郎, 花子, 次郎}、B組が{三郎, 四郎, 五郎}」と 「B組が{太郎, 花子, 次郎}、A組が{三郎, 四郎, 五郎}」は別の分け方です。

しかし「3人ずつ3組に分ける」(名前なし)の場合、この2つは同じ分け方として数えるべきです。 組に名前がないので、メンバーが同じならどの組を「第1組」と呼ぼうが区別できません。

💡 ここが本質:なぜ同じ人数のグループ分けで $\div k!$ するのか

名前付きのA, B, C 3組への分け方は $\frac{9!}{3!\,3!\,3!} = 1680$ 通りでした。

この1680通りの中で、「同じメンバー構成なのに、名前の割り当てだけが違う」ものが何組あるかを考えます。

たとえば、グループ $\{1,2,3\}$, $\{4,5,6\}$, $\{7,8,9\}$ という分け方があるとき、 名前A, B, Cの割り当て方は $3! = 6$ 通りあります。 名前を外せば、この6通りは全部同じ分け方です。

つまり、名前なしの分け方1つに対して、名前ありの分け方が $3!$ 個ずつ対応しています。 だから $\div 3!$ すれば名前なしの数が求まるのです。

$$\frac{9!}{3!\,3!\,3!} \div 3! = \frac{1680}{6} = 280 \text{ 通り}$$

📐 区別ない組への分配(同じ人数 $\times k$ 組)

$n$ 人を $m$ 人ずつ $k$ 組に分ける方法($n = mk$、組に区別なし):

$$\frac{n!}{(m!)^k \cdot k!}$$

※ $(m!)^k$ は各組内の並び順を消す分(組合せにする分)。$k!$ は組同士の区別を消す分。
⚠️ 落とし穴:「3人ずつ2組に分ける」で $\div 2!$ を忘れる

6人を3人ずつ2組に分ける問題を考えます。

✕ 誤:${}_6\mathrm{C}_3 \times {}_3\mathrm{C}_3 = 20 \times 1 = 20$ 通り

○ 正:${}_6\mathrm{C}_3 \times {}_3\mathrm{C}_3 \div 2! = 20 \div 2 = 10$ 通り

なぜ $\div 2!$ が必要なのか? ${}_6\mathrm{C}_3 = 20$ 通りの中で、「{1,2,3}を選ぶ → 残り{4,5,6}」と「{4,5,6}を選ぶ → 残り{1,2,3}」は、 名前なしの組分けでは同じ分け方です。

20通りの全てにこのようなペアが存在するので、$20 \div 2 = 10$ 通りが正解です。

人数が異なる場合は $\div k!$ 不要

「9人を5人、3人、1人の3組に分ける」場合はどうでしょうか。 この場合、5人の組と3人の組と1人の組は人数が異なるので自動的に区別できます。 5人の組を見れば「あれが5人組だ」とわかるので、名前がなくても混同しません。

よって $\frac{9!}{5!\,3!\,1!} = 504$ 通り。$\div k!$ は不要です。

⚠️ 落とし穴:人数が異なるのに $\div k!$ してしまう

✕ 誤:9人を5人、3人、1人に分ける → $\frac{9!}{5!\,3!\,1!} \div 3! = 84$ 通り

○ 正:人数が全て異なるので組は自動的に区別できる → $\frac{9!}{5!\,3!\,1!} = 504$ 通り

$\div k!$ が必要なのは「同じ人数の組が $k$ 個ある」場合のみです。 人数が違えば組は区別できるので割りません。

3同じ人数の組分けと $\div k!$ ─ なぜ割るのか

Section 2で $\div k!$ の理由を直感的に説明しましたが、 ここではもう少し厳密に、なぜ割り算で正しい答えが出るのかを理解しましょう。

💡 ここが本質:「名前をつけて数え、名前を外す」テクニック

区別なしの場合の数を直接数えるのは難しい。 そこで、次の2ステップで求めます:

Step 1:仮に名前をつけて数える(区別ありとして数える)

Step 2:同じ分け方が何回重複して数えられたかで割る

同じ人数 $m$ の組が $k$ 個あるとき、名前の入れ替えは $k!$ 通り。 だから $\div k!$ で重複を消せます。

これは6-3で学んだ「組合せ = 順列 $\div$ 並び順」と全く同じ考え方です。 $\mathrm{C}$ が $\mathrm{P}$ を $k!$ で割ったものであるように、 区別なしの組分けは区別ありの組分けを $k!$ で割ったものです。

一部だけ同じ人数の場合

「9人を4人、4人、1人の3組に分ける」場合を考えましょう。 3組のうち、同じ人数(4人)の組が2つあります。

まず区別ありとして数えます:$\frac{9!}{4!\,4!\,1!}$。 次に、同じ人数の2組だけについて $\div 2!$ します(1人の組は他と区別できるので割らない)。

$$\frac{9!}{4!\,4!\,1!} \div 2! = \frac{9!}{4!\,4!\,1! \cdot 2!} = \frac{362880}{24 \times 24 \times 1 \times 2} = 315 \text{ 通り}$$
▷ 具体例で $\div 2!$ を確認する

$\frac{9!}{4!\,4!\,1!} = 630$ 通りの中には、たとえば次の2つが含まれます:

・4人組A $= \{1,2,3,4\}$、4人組B $= \{5,6,7,8\}$、1人組 $= \{9\}$

・4人組A $= \{5,6,7,8\}$、4人組B $= \{1,2,3,4\}$、1人組 $= \{9\}$

この2つは名前A, Bを入れ替えただけで、組のメンバー構成は同じです。 1人組は $\{9\}$ で確定しているので入れ替わりません。

つまり、630通りの中で「同じ構成のペア」が $2! = 2$ 個ずつあるので、 $630 \div 2 = 315$ 通りが正解です。

⚠️ 落とし穴:「何で割るか」を間違える

9人を4人、4人、1人に分けるとき:

✕ 誤:3組あるから $\div 3!$ → $\frac{630}{6} = 105$ 通り

○ 正:同じ人数(4人)の組が2組だけなので $\div 2!$ → $\frac{630}{2} = 315$ 通り

割る数は「組の総数」ではなく、「同じ人数の組の数」の階乗です。 人数が異なる組は区別できるので、入れ替えの対象になりません。

🔬 深掘り:第二種スターリング数 ── 組分けの一般理論

$n$ 個の区別あるものを $k$ 個の区別のない空でないグループに分ける方法の数を、 大学数学では第二種スターリング数 $S(n, k)$ と呼びます。

たとえば $S(4, 2) = 7$ は、「4人を2つの空でないグループに分ける方法は7通り」を意味します。 高校数学では各組の人数を指定して解きますが、人数指定なしで「とにかく $k$ 組に分ける」問題の一般解がスターリング数です。

スターリング数は次の漸化式を満たします:$S(n, k) = k \cdot S(n-1, k) + S(n-1, k-1)$。 直感的には「$n$ 番目の人を既存の $k$ グループのどれかに入れる($k$ 通り)」か 「$n$ 番目の人だけで新しいグループを作る(1通り)」かで場合分けしています。

さらに、「名前の入れ替えで同じになるものを1つと数える」操作は、 大学数学の群論(対称群 $S_k$ の作用による軌道)で厳密に定式化されます。 高校数学の「$\div k!$」は、この壮大な理論の最もシンプルな特殊ケースです。

4玉と箱の4パターン分類 ─ 問題を見抜く力

組分け問題は、「分けるもの(玉)に区別があるか」「分ける先(箱)に区別があるか」の 2つの軸で4パターンに分類できます。 この分類を頭に入れておけば、問題を見た瞬間に「どのパターンか」が判断でき、解法の方針が立ちます。

箱に区別あり箱に区別なし
玉に区別あり 重複順列 $k^n$
または組合せの積
(例:名前付き組への分配)
組合せの積 $\div k!$
(例:名前なしグループ分け)
玉に区別なし 重複組合せ ${}_k\mathrm{H}_n$
(例:同じ玉を名前付き箱に配る)
整数の分割
(例:$n$ を $k$ 個の和に分ける)
💡 ここが本質:「何に区別があるか」で解法が決まる

組分け問題を解く最初の一手は、区別の有無を判定することです。

玉(分けるもの)の区別:「人」「異なるカード」→ 区別あり。「同じ玉」「同種のみかん」→ 区別なし。

箱(組)の区別:「A組, B組」「部屋1, 部屋2」→ 区別あり。「3人ずつ3組」「2つのグループ」→ 区別なし。 ただし、人数が異なれば名前がなくても区別できる

この判定さえ正しくできれば、あとは対応する公式を適用するだけです。

パターン別の具体例

パターン1:玉も箱も区別あり

「5人の生徒をA, B, Cの3つの部屋に入れる」→ 各生徒に3通りの選択肢があるので $3^5 = 243$ 通り。

パターン2:玉に区別あり、箱に区別なし

「6人を3人ずつ2組に分ける」→ ${}_6\mathrm{C}_3 \div 2! = 10$ 通り。

パターン3:玉に区別なし、箱に区別あり

「同じ玉10個をA, B, Cの3つの箱に入れる」→ 重複組合せ ${}_3\mathrm{H}_{10} = {}_{12}\mathrm{C}_{10} = 66$ 通り。

パターン4:玉も箱も区別なし

「10を3つの正の整数の和で表す方法」→ これは整数の分割と呼ばれ、 一般的な公式はなく、個別に数え上げます(高校範囲では出題頻度は低い)。

⚠️ 落とし穴:「部屋に入れる」と「グループに分ける」を混同する

「9人を3つの部屋に入れる」と「9人を3つのグループに分ける」は、答えが全く違います。

✕ 誤:どちらも「3つに分ける」のだから同じ

○ 正: 「部屋」は部屋名で区別できる → 箱に区別あり($3^9$ 通りなど)。 「3つのグループ」は名前がなく区別できない → 箱に区別なし。 部屋に入れる問題は重複順列、グループ分けは組合せ $\div k!$。

問題文の「部屋」「班」「チーム名」は区別ありのサイン、 「グループ」「組」(名前なし)は区別なしのサインです。

🔬 深掘り:整数の分割 ── ラマヌジャンの世界

「$n$ をいくつかの正の整数の和で表す方法の数」を分割数 $p(n)$といいます。 たとえば $p(4) = 5$($4 = 4 = 3+1 = 2+2 = 2+1+1 = 1+1+1+1$)。

分割数には簡潔な公式がなく、数論の深い研究対象です。 インドの天才数学者ラマヌジャンとハーディは、分割数の漸近公式を発見しました。 高校数学では「玉も箱も区別なし」のパターンは発展的ですが、 数え上げの練習としては面白い題材です。

5俯瞰マップ ─ 組分け問題の全体像

ここまで学んだ組分け問題のパターンを整理し、他の単元とのつながりを確認しましょう。

解法選択フローチャート

確認事項判定結果解法
1. 玉に区別はあるか?なし → パターン3 or 4重複組合せ or 分割
2. 箱に区別はあるか?あり → パターン1重複順列 $k^n$ or 組合せの積
3. 同じ人数の組はあるか?なし → 組合せの積で完了$\frac{n!}{p!\,q!\,r!}$
4. 同じ人数の組が $k$ 個$\div k!$ する$\frac{n!}{(m!)^k \cdot k!}$

つながりマップ

  • ← 6-2 順列:区別ある箱への分配は、各ものに「行き先」を割り当てる順列(重複順列)の問題。
  • ← 6-3 組合せ:人数指定の組分けは、組合せ ${}_n\mathrm{C}_r$ を繰り返し適用する問題。$\div k!$ は組合せの考え方の延長。
  • ← 6-5 重複組合せ:玉に区別がない場合の分配は重複組合せに帰着する。
  • → 6-9 同じものを含む順列:多項係数 $\frac{n!}{p!\,q!\,r!}$ は組分けの公式と同じ形。2つの問題は表裏一体。
  • → 7章 確率:「AとBが同じ組になる確率」など、組分けの場合の数が確率計算の分母・分子になる。

📋まとめ

  • 区別ある $n$ 個のものを区別ある $k$ 個の箱に入れる方法は$k^n$ 通り(重複順列)
  • $n$ 人を $p, q, r$ 人の区別ある3組に分ける方法は$\frac{n!}{p!\,q!\,r!}$(多項係数)
  • 同じ人数 $m$ の組が $k$ 個あり、組に区別がないときは$\div k!$ する。理由は「名前の入れ替え $k!$ 通りが同じ分け方」だから
  • 人数が異なる組は自動的に区別できるので $\div k!$ は不要
  • 組分け問題は「玉の区別」$\times$「箱の区別」の4パターンに分類できる
  • 問題を見たら最初に「何に区別があるか」を判定し、対応するパターンに当てはめる

確認テスト

Q1. 「区別ある箱への分配」が重複順列と同じ構造になるのはなぜですか?

▶ クリックして解答を表示各もの($n$ 個)に対して「どの箱に入れるか」を $k$ 個の選択肢から選ぶ操作を $n$ 回繰り返すので、$k^n$ 通り。これは $k$ 種類から $n$ 個取る重複順列と同じ構造。

Q2. 8人を4人ずつ2組に分ける方法は何通りですか?

▶ クリックして解答を表示${}_8\mathrm{C}_4 \div 2! = 70 \div 2 = 35$ 通り。同じ人数の2組に区別がないので $\div 2!$。

Q3. 10人を5人、3人、2人の3組に分けるとき、$\div 3!$ は必要ですか?

▶ クリックして解答を表示不要。人数が全て異なる(5, 3, 2)ので、組は自動的に区別できる。答えは $\frac{10!}{5!\,3!\,2!} = 2520$ 通り。

Q4. 9人を3人、3人、3人の3組に分ける方法は何通りですか?

▶ クリックして解答を表示$\frac{9!}{3!\,3!\,3!} \div 3! = 1680 \div 6 = 280$ 通り。3組とも同じ人数なので $\div 3!$。

Q5. 「玉に区別なし、箱に区別あり」のパターンで使う公式は何ですか?

▶ クリックして解答を表示重複組合せ ${}_k\mathrm{H}_n = {}_{n+k-1}\mathrm{C}_n$。同じ玉 $n$ 個を区別ある $k$ 個の箱に配る問題。

8入試問題演習

この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。

A 基礎レベル

6-8-1 A 基礎 区別あり 人数指定

10人の生徒をA組(4人)、B組(3人)、C組(3人)に分ける方法は何通りか。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

$4200$ 通り

解説

方針:A, B, Cの名前がついた組(区別あり)への分配。組合せの積で求める。

$${}_{10}\mathrm{C}_4 \times {}_6\mathrm{C}_3 \times {}_3\mathrm{C}_3 = 210 \times 20 \times 1 = 4200 \text{ 通り}$$

別解として $\frac{10!}{4!\,3!\,3!} = 4200$ でも同じ。

A, B, Cの名前があるので $\div k!$ は不要。

6-8-2 A 基礎 区別なし 同人数

12人を4人ずつ3組に分ける方法は何通りか。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

$5775$ 通り

解説

方針:同じ人数の3組で、組に名前がない → $\div 3!$ が必要。

$$\frac{{}_{12}\mathrm{C}_4 \times {}_8\mathrm{C}_4 \times {}_4\mathrm{C}_4}{3!} = \frac{495 \times 70 \times 1}{6} = \frac{34650}{6} = 5775 \text{ 通り}$$

確認:$\frac{12!}{(4!)^3 \cdot 3!} = \frac{479001600}{24^3 \times 6} = \frac{479001600}{82944} = 5775$。一致。

B 標準レベル

6-8-3 B 標準 一部同人数 組分け

9人を次のように分ける方法はそれぞれ何通りか。

(1) 5人、2人、2人の3組に分ける。

(2) A組(5人)、B組(2人)、C組(2人)に分ける。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(1) $378$ 通り  (2) $756$ 通り

解説

方針:(1)と(2)で「組に名前があるか」が異なることに注目。

(2) 名前あり:$\frac{9!}{5!\,2!\,2!} = \frac{362880}{120 \times 2 \times 2} = 756$ 通り

(1) 名前なし:同じ人数(2人)の組が2つあるので $\div 2!$ する。 5人の組は他と人数が違うので区別できる。

$$\frac{9!}{5!\,2!\,2!} \div 2! = \frac{756}{2} = 378 \text{ 通り}$$

ポイント:(2)は(1)の2倍。名前をつけると2人組の入れ替えが区別されるため。

採点ポイント
  • 組合せの積(多項係数)を正しく立式(3点)
  • (1)で $\div 2!$ する理由を明記(3点)
  • 5人組は割らない理由の言及(2点)
  • 計算正確(2点)

C 発展レベル

6-8-4 C 発展 条件付き 組分け 論述

男子5人、女子4人の計9人を3人ずつ3組に分けるとき、どの組にも女子が少なくとも1人いるような分け方は何通りか。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

$180$ 通り

解説

方針:「名前をつけて数え、最後に $\div 3!$」で処理する。余事象を利用。

Step 1:仮に3組をX, Y, Zと名前をつける。名前付き全体は $\frac{9!}{3!\,3!\,3!} = 1680$ 通り。

Step 2:余事象(女子0人の組が存在する場合)を数える。

女子0人の組を1つ選ぶ:$3$ 通り(X, Y, Zのどれか)。 その組を男子3人で構成:${}_5\mathrm{C}_3 = 10$ 通り。 残り6人(男子2人+女子4人)を3人ずつ名前付き2組に分ける:${}_6\mathrm{C}_3 = 20$ 通り。

女子0人の組が2つ以上になるには男子6人以上が必要ですが、男子は5人しかいないので不可能。よって包除の補正は不要。

余事象:$3 \times 10 \times 20 = 600$ 通り。

Step 3:名前付きで条件を満たす場合の数 $= 1680 - 600 = 1080$ 通り。

Step 4:名前を外す。$1080 \div 3! = 1080 \div 6 = 180$ 通り。

検算:女子の各組への配分は $(2,1,1)$ のみが条件を満たす。名前付きで数えると、 女子2人の組の選び方 $3$ 通り $\times$ 女子の分け方 ${}_4\mathrm{C}_2 \cdot {}_2\mathrm{C}_1 = 12$ 通り $\times$ 男子の分け方 ${}_5\mathrm{C}_1 \cdot {}_4\mathrm{C}_2 = 30$ 通り $= 3 \times 12 \times 30 = 1080$。$\div 6 = 180$。一致。

採点ポイント
  • 名前付きで処理する方針の明示(2点)
  • 余事象の正しい計算(3点)
  • 包除の補正が不要であることの確認(2点)
  • $\div 3!$ の処理と最終解答(3点)