三角形の6つの要素(3辺と3角)のうち、適切な3つがわかれば残りはすべて求まります。
問題は「正弦定理と余弦定理のどちらを使うか」。判断基準を原理から理解すれば、迷いません。
$\triangle ABC$ には6つの要素があります。3つの辺 $a, b, c$ と、3つの角 $A, B, C$ です。 このうち適切な3つの要素が与えられたとき、残りの3つの要素を求めることを 三角形の決定(三角形を解く)といいます。
使う道具は正弦定理と余弦定理の2つ。 しかし、どちらを使えばよいかは問題の条件によって異なります。 まずは両者の「得意分野」を確認しましょう。
正弦定理:$\dfrac{a}{\sin A} = \dfrac{b}{\sin B} = \dfrac{c}{\sin C} = 2R$
「向かい合う辺と角のペア」を結ぶ式。2つの辺とそれぞれの対角の関係。
余弦定理:$a^2 = b^2 + c^2 - 2bc\cos A$
「3辺と1つの角」を結ぶ式。3辺のうち2辺とその間の角がわかれば残り1辺が決まる。
正弦定理の等式 $\dfrac{a}{\sin A} = \dfrac{b}{\sin B}$ に登場するのは $(a, A, b, B)$ の4つ。 この4つのうち3つがわかっていれば、残り1つが求まります。
余弦定理の等式 $a^2 = b^2 + c^2 - 2bc\cos A$ に登場するのは $(a, b, c, A)$ の4つ。 同様に、4つのうち3つがわかっていれば残り1つが求まります。
つまり、与えられた条件の中にどの「4つ組」が含まれるかで、使うべき定理が決まるのです。
| 与えられた条件 | 使う定理 | 理由 |
|---|---|---|
| 1辺と2角 | 正弦定理 | $A + B + C = 180°$ で3角がわかり、辺と対角のペアができる |
| 2辺とその間の角 | 余弦定理 | $b, c, A$ から $a$ を直接計算できる |
| 3辺 | 余弦定理 | $a, b, c$ から $\cos A$ を逆算できる |
| 2辺と1対角 | 正弦定理 or 余弦定理 | 要注意! 解が2つ存在する場合がある |
✕ 誤:「2辺と角がわかっているから余弦定理」と安易に判断する
○ 正:「2辺とその間の角」なら余弦定理。 「2辺とその対角(間の角でない角)」なら状況が異なります。
例えば $a, b, A$ が与えられた場合、$A$ は辺 $a$ の対角であって、辺 $a$ と辺 $b$ の間の角ではありません。 このケースは Section 2 で詳しく扱います。
中学で学んだ三角形の合同条件を思い出しましょう。 三角形が1通りに決まる(合同な三角形が作れる)のは、 (1) 3辺、(2) 2辺とその間の角、(3) 1辺とその両端の角 の3パターンでした。
これらはまさに、正弦定理と余弦定理で「解ける」パターンに対応します。 合同条件は「三角形が一意に定まる条件」であり、 定理はその条件から実際に辺や角の値を計算する道具なのです。
注意すべきは「2辺と1対角」のパターンです。 これは合同条件に含まれておらず、三角形が1通りに決まるとは限りません。
「2辺とその間の角」が与えられた場合は、余弦定理で残りの1辺をすぐに求められます。 しかし、この記事で特に注意したいのは、2辺と1対角が与えられた場合です。
$\triangle ABC$ で $b = \sqrt{6}$, $c = \sqrt{3} - 1$, $A = 45°$ が与えられたとしましょう。 $A$ は辺 $b$ と辺 $c$ の間の角ですから、余弦定理をそのまま使えます。
Step 1:余弦定理で $a$ を求める。
$$a^2 = b^2 + c^2 - 2bc\cos A = 6 + (4 - 2\sqrt{3}) - 2\sqrt{6}(\sqrt{3} - 1) \cdot \frac{\sqrt{2}}{2}$$
計算すると $a^2 = 4$、よって $a = 2$。
Step 2:余弦定理で角 $B$ を求める。
$$\cos B = \frac{a^2 + c^2 - b^2}{2ac} = \frac{4 + (4 - 2\sqrt{3}) - 6}{2 \cdot 2(\sqrt{3} - 1)} = \frac{2 - 2\sqrt{3}}{4(\sqrt{3} - 1)} = -\frac{1}{2}$$
$0° < B < 180°$ より $B = 120°$。
Step 3:$C = 180° - (A + B) = 180° - (45° + 120°) = 15°$
余弦定理 $\cos B = \dfrac{a^2 + c^2 - b^2}{2ac}$ を使うと、$\cos B$ の値が1つ定まります。 $0° < B < 180°$ の範囲で $\cos$ の値から角を求めると、答えは常に1つです。
これは $\cos$ が $0°$ から $180°$ で単調減少(1対1対応)だからです。 一方、正弦定理で $\sin B$ の値を求めると、$\sin$ は $0°$ から $180°$ で2つの角に対応するため、 答えの候補が2つ出てしまいます。角を求めるときは余弦定理のほうが安全です。
次に、$a = \sqrt{2}$, $b = 2$, $A = 30°$ のように、$a$ と $b$ と $A$(辺 $a$ の対角)が与えられた場合を考えます。 $A$ は辺 $b$ と辺 $c$ の間の角ではないことに注意してください。
このとき、余弦定理を使って $c$ についての方程式を立てると、$c$ の値が2つ得られる場合があります。 つまり、条件を満たす三角形が2つ存在するのです。
Step 1:余弦定理で $c$ の方程式を立てる。
$$a^2 = b^2 + c^2 - 2bc\cos A$$
$$(\sqrt{2})^2 = 2^2 + c^2 - 2 \cdot 2c \cdot \cos 30°$$
$$2 = 4 + c^2 - 2\sqrt{3}\,c$$
$$c^2 - 2\sqrt{3}\,c + 2 = 0$$
Step 2:$c$ の2次方程式を解く。
$$c = \frac{2\sqrt{3} \pm \sqrt{12 - 8}}{2} = \frac{2\sqrt{3} \pm 2}{2} = \sqrt{3} \pm 1$$
$c > 0$ より、$c = \sqrt{3} + 1$ と $c = \sqrt{3} - 1$ のどちらも有効。
Step 3:それぞれの場合について $B$, $C$ を求める。
[$c = \sqrt{3} + 1$ の場合]
余弦定理で $\cos B$ を計算すると $B = 45°$、$C = 180° - 30° - 45° = 105°$
[$c = \sqrt{3} - 1$ の場合]
余弦定理で $\cos B$ を計算すると $B = 135°$、$C = 180° - 30° - 135° = 15°$
上の問題を正弦定理で解くとどうなるでしょうか。
$\dfrac{a}{\sin A} = \dfrac{b}{\sin B}$ より $\sin B = \dfrac{b \sin A}{a} = \dfrac{2 \cdot \sin 30°}{\sqrt{2}} = \dfrac{1}{\sqrt{2}}$
$\sin B = \dfrac{1}{\sqrt{2}}$ を満たす $B$ は、$B = 45°$ と $B = 135°$ の2つです。
✕ 誤:$\sin B = \dfrac{1}{\sqrt{2}}$ だから $B = 45°$ と即答する
○ 正:$B = 45°$ と $B = 135°$ の両方を検討し、 $A + B < 180°$ を満たすかどうかを確認する。この場合、$30° + 135° = 165° < 180°$ なので $B = 135°$ も有効。
正弦定理を使うと候補が2つ出るので、必ず吟味が必要です。 余弦定理で $c$ の方程式を立てるほうが見落としが少なくなります。
余弦定理から得られた $c$ の2次方程式の解は、$c > 0$ を満たすかどうかを必ず確認してください。
✕ 誤:$c = \sqrt{3} \pm 1$ の2つの解があるが、どちらが正しいか判断せずに1つだけ答える
○ 正:$c = \sqrt{3} + 1 > 0$(有効)、$c = \sqrt{3} - 1 \approx 0.73 > 0$(有効)。 どちらも正なので、解が2組ある。 もし $c$ の一方が負になれば、その解は不適です。
$a, b, A$ が与えられた状況を図で考えてみましょう。 まず頂点 $A$ を固定し、角 $A = 30°$ の2辺を引きます。 一方の辺上に $b = 2$ の距離で頂点 $C$ をとります。 ここから半径 $a = \sqrt{2}$ の円を描くと、もう一方の辺と2箇所で交わることがあります。
交点が2つ → 三角形が2通り。交点が1つ → 三角形が1通り。交点がない → 三角形は存在しない。
具体的には、辺 $a$(対辺)が「短すぎる」と三角形ができず、「ちょうど」だと1つ、 「中間の長さ」だと2つ、「十分長い」と1つです。 この判定は $a$ と $b\sin A$ の大小で決まります。
三角形の決定は、古くから測量の基本技術として使われてきました。 遠くの山までの距離を直接測ることはできませんが、 2地点間の距離(基線)と2つの角度を測定すれば、 正弦定理で山までの距離を計算できます。
この手法は三角測量と呼ばれ、18世紀の地図作成から現代のGPSまで、 あらゆる位置測定の基礎になっています。 「1辺と2角から三角形を解く」という数学的操作が、地球の大きさの測定にまで使われているのです。
1辺と2角が与えられた場合は、最も素直に解けるパターンです。 三角形の内角の和が $180°$ であることから3つ目の角がわかり、 あとは正弦定理で残りの辺を求めるだけです。
$\triangle ABC$ で $a = \sqrt{3}$, $A = 45°$, $B = 60°$ のとき、残りの辺と角を求めてみましょう。
Step 1:内角の和から $C$ を求める。
$$C = 180° - (A + B) = 180° - (45° + 60°) = 75°$$
Step 2:正弦定理で $b$ を求める。
$$\frac{a}{\sin A} = \frac{b}{\sin B}$$
$$b = \frac{a \sin B}{\sin A} = \frac{\sqrt{3} \cdot \sin 60°}{\sin 45°} = \frac{\sqrt{3} \cdot \frac{\sqrt{3}}{2}}{\frac{\sqrt{2}}{2}} = \frac{\frac{3}{2}}{\frac{\sqrt{2}}{2}} = \frac{3}{\sqrt{2}} = \frac{3\sqrt{2}}{2}$$
Step 3:正弦定理で $c$ を求める。
$$c = \frac{a \sin C}{\sin A} = \frac{\sqrt{3} \cdot \sin 75°}{\sin 45°}$$
$\sin 75° = \sin(45° + 30°) = \dfrac{\sqrt{6} + \sqrt{2}}{4}$ を使って
$$c = \frac{\sqrt{3} \cdot \frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}}{\frac{\sqrt{2}}{2}} = \frac{\sqrt{3}(\sqrt{6}+\sqrt{2})}{2\sqrt{2}} = \frac{\sqrt{18}+\sqrt{6}}{2\sqrt{2}} = \frac{3\sqrt{2}+\sqrt{6}}{2\sqrt{2}} = \frac{3+\sqrt{3}}{2}$$
結論:$b = \dfrac{3\sqrt{2}}{2}$, $c = \dfrac{3+\sqrt{3}}{2}$, $C = 75°$
1辺と2角(両端の角でなくてもよい)が与えられた場合、 三角形は常に1通りに決まります。 解が2つになる心配がなく、正弦定理だけで完結する、最も安全なパターンです。
手順は決まりきっています: (1) $A + B + C = 180°$ で3つ目の角を求める → (2) 正弦定理で残りの2辺を求める。
$30°, 45°, 60°$ 以外の角の三角比が出てきたとき、「求められない」と思い込んでしまう人がいます。
✕ 誤:$\sin 75°$ は表にないから計算できない
○ 正:$\sin 75° = \sin(45° + 30°)$ と分解し、加法定理を使います。 $$\sin 75° = \sin 45° \cos 30° + \cos 45° \sin 30° = \frac{\sqrt{6} + \sqrt{2}}{4}$$
$15°, 75°, 105°, 135°, 150°$ などの角は、加法定理で $30°, 45°, 60°$ の組合せに帰着できます。
3辺 $a, b, c$ がすべてわかっている場合は、余弦定理を「逆向き」に使って角を求めます。 正弦定理の出番はありません。
余弦定理 $a^2 = b^2 + c^2 - 2bc\cos A$ を $\cos A$ について解くと、
$$\cos A = \frac{b^2 + c^2 - a^2}{2bc}$$3辺の値を代入すれば $\cos A$ の値が求まり、$0° < A < 180°$ の範囲で $A$ が1通りに決まります。
$\triangle ABC$ で $a = 1 + \sqrt{3}$, $b = \sqrt{6}$, $c = 2$ のとき、3つの角を求めてみましょう。
Step 1:余弦定理で $\cos A$ を求める。
$$\cos A = \frac{b^2 + c^2 - a^2}{2bc} = \frac{6 + 4 - (4 + 2\sqrt{3})}{2 \cdot \sqrt{6} \cdot 2} = \frac{6 - 2\sqrt{3}}{4\sqrt{6}} = \frac{2(3 - \sqrt{3})}{4\sqrt{6}}$$
有理化すると $\cos A = \dfrac{\sqrt{6} - \sqrt{2}}{4}$。これは $\cos 75°$ の値なので $A = 75°$。
Step 2:余弦定理で $\cos B$ を求める。
$$\cos B = \frac{a^2 + c^2 - b^2}{2ac} = \frac{(4 + 2\sqrt{3}) + 4 - 6}{2(1+\sqrt{3}) \cdot 2} = \frac{2 + 2\sqrt{3}}{4(1+\sqrt{3})} = \frac{1}{2}$$
よって $B = 60°$。
Step 3:$C = 180° - (75° + 60°) = 45°$
✕ 誤:余弦定理で $A$ を求めた後、「$B$ は正弦定理のほうが計算が楽」と考えて $\sin B = \dfrac{b \sin A}{a}$ で求める。
$\sin B$ の値からは $B$ の候補が2つ(例えば $60°$ と $120°$)出ます。 「辺の大小から絞れるはず」と油断すると、鈍角の吟味を忘れて間違えます。
○ 正:角を求めるときは、最後まで余弦定理を使うのが最も安全。 $\cos$ は $0°$~$180°$ で1対1なので、角が一意に決まります。 3つ目の角は $A + B + C = 180°$ から引き算で求めましょう。
3辺から角を求めるとき、最も大きい辺の対角から求めるのがよい戦略です。
理由:最大辺の対角が最大角であり、鈍角になる可能性があるのはこの角だけです。 余弦定理なら鈍角でも正しく求められますが、もし正弦定理を併用するなら、 鈍角の可能性がある角を余弦定理で先に確定させ、 残りの角は鈍角でないことが保証された状態で安全に求められます。
あるいは、3つ目の角は $A + B + C = 180°$ から計算するだけなので、 余弦定理は2回使えば十分です。
ここまで、三角形の決定を条件パターンごとに学んできました。 最後に、すべてのパターンを整理し、この章全体の中での位置づけを確認しましょう。
| 条件パターン | 使う定理 | 解の個数 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 1辺と2角 | 正弦定理 | 常に1通り | 最も安全。加法定理が必要になることがある |
| 2辺とその間の角 | 余弦定理 | 常に1通り | 残りの角は余弦定理で求めると安全 |
| 3辺 | 余弦定理 | 常に1通り | 最大辺の対角から求める |
| 2辺と1対角 | 余弦定理 or 正弦定理 | 0, 1, 2通り | 最も注意が必要。$c > 0$ の吟味を忘れずに |
Q1. $b = 4$, $c = 3$, $A = 60°$ のとき、使うべき定理と、まず何を求めるかを答えてください。
Q2. $a = 3$, $A = 30°$, $B = 105°$ のとき、使うべき定理と手順を答えてください。
Q3. 角を求めるとき、正弦定理より余弦定理が「安全」な理由を説明してください。
Q4. 「2辺と1対角」のパターンで三角形が2通りできるのは、図形的にはどういう状況ですか?
Q5. $a = 5$, $b = 7$, $c = 8$ のとき、最初にどの角から求めるのが効率的ですか? その理由は?
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
$\triangle ABC$ において、$a = 2$, $A = 30°$, $B = 45°$ のとき、$b$, $c$, $C$ を求めよ。
$C = 105°$, $b = \sqrt{2} \cdot 2 = 2\sqrt{2} \cdot \dfrac{1}{\sqrt{2}} \cdot \sqrt{2}$
正弦定理より $b = \dfrac{a\sin B}{\sin A} = \dfrac{2 \cdot \frac{\sqrt{2}}{2}}{\frac{1}{2}} = 2\sqrt{2}$
$c = \dfrac{a\sin C}{\sin A} = \dfrac{2 \cdot \sin 105°}{\frac{1}{2}} = 4 \cdot \dfrac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4} = \sqrt{6} + \sqrt{2}$
方針:1辺と2角 → 正弦定理で解く。
$C = 180° - (30° + 45°) = 105°$
$\sin 105° = \sin(60° + 45°) = \sin 60°\cos 45° + \cos 60°\sin 45° = \dfrac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}$
$\dfrac{a}{\sin A} = \dfrac{2}{\sin 30°} = 4$ より、$b = 4\sin 45° = 2\sqrt{2}$、$c = 4\sin 105° = \sqrt{6}+\sqrt{2}$
$\triangle ABC$ において、$b = 4$, $c = 3$, $A = 60°$ のとき、$a$, $B$, $C$ を求めよ。
$a = \sqrt{13}$, $\cos B = \dfrac{13 + 9 - 16}{2\sqrt{13} \cdot 3} = \dfrac{6}{6\sqrt{13}} = \dfrac{1}{\sqrt{13}}$ より $B = \cos^{-1}\dfrac{1}{\sqrt{13}}$
$C = 180° - 60° - B$
方針:2辺とその間の角 → 余弦定理で $a$ を求め、さらに余弦定理で $B$ を求める。
$a^2 = b^2 + c^2 - 2bc\cos A = 16 + 9 - 2 \cdot 4 \cdot 3 \cdot \frac{1}{2} = 13$ より $a = \sqrt{13}$
$\cos B = \dfrac{a^2 + c^2 - b^2}{2ac} = \dfrac{13 + 9 - 16}{2\sqrt{13} \cdot 3} = \dfrac{6}{6\sqrt{13}} = \dfrac{1}{\sqrt{13}} = \dfrac{\sqrt{13}}{13}$
$C = 180° - (60° + B)$
※ 数値がきれいにならない場合でも、余弦定理を使う手順は同じです。
$\triangle ABC$ において、$a = \sqrt{2}$, $b = 2$, $A = 30°$ のとき、$c$, $B$, $C$ を求めよ。
$c = \sqrt{3} + 1$, $B = 45°$, $C = 105°$
または $c = \sqrt{3} - 1$, $B = 135°$, $C = 15°$
方針:2辺と1対角($a, b, A$)→ 余弦定理で $c$ の方程式を立て、解の吟味を行う。
$a^2 = b^2 + c^2 - 2bc\cos A$ より
$2 = 4 + c^2 - 2 \cdot 2c \cdot \cos 30° = 4 + c^2 - 2\sqrt{3}\,c$
$c^2 - 2\sqrt{3}\,c + 2 = 0$
解の公式より $c = \sqrt{3} \pm 1$。どちらも正なので有効。
$c = \sqrt{3} + 1$ の場合:
$\cos B = \dfrac{a^2 + c^2 - b^2}{2ac} = \dfrac{2 + (4+2\sqrt{3}) - 4}{2\sqrt{2}(\sqrt{3}+1)} = \dfrac{2+2\sqrt{3}}{2\sqrt{2}(\sqrt{3}+1)} = \dfrac{1}{\sqrt{2}}$
$B = 45°$, $C = 180° - 30° - 45° = 105°$
$c = \sqrt{3} - 1$ の場合:
$\cos B = \dfrac{2 + (4-2\sqrt{3}) - 4}{2\sqrt{2}(\sqrt{3}-1)} = \dfrac{2-2\sqrt{3}}{2\sqrt{2}(\sqrt{3}-1)} = -\dfrac{1}{\sqrt{2}}$
$B = 135°$, $C = 180° - 30° - 135° = 15°$
$\triangle ABC$ において $\sin A : \sin B : \sin C = 3 : 5 : 7$ が成り立つとき、最大角の大きさを求めよ。
$C = 120°$
方針:正弦定理で辺の比に変換し、余弦定理で角を求める。
正弦定理 $\dfrac{a}{\sin A} = \dfrac{b}{\sin B} = \dfrac{c}{\sin C} = 2R$ より
$a : b : c = \sin A : \sin B : \sin C = 3 : 5 : 7$
$a = 3k$, $b = 5k$, $c = 7k$($k > 0$)とおく。
最大辺は $c = 7k$ なので、最大角はその対角 $C$。
余弦定理より
$$\cos C = \frac{a^2 + b^2 - c^2}{2ab} = \frac{9k^2 + 25k^2 - 49k^2}{2 \cdot 3k \cdot 5k} = \frac{-15k^2}{30k^2} = -\frac{1}{2}$$
$0° < C < 180°$ より $C = 120°$
※ $\sin$ の比を辺の比に変換するテクニックは頻出。正弦定理の「比の性質」を使う。