第3章 集合と命題

逆・裏・対偶
─ 命題の「4つの顔」を見抜く

1つの命題から、逆・裏・対偶という3つの仲間が自動的に生まれます。
これらの真偽の関係を理解すれば、命題の証明や反例の発見が格段にラクになります。

1逆・裏・対偶の定義 ─ 命題の4つの顔

3-5で学んだように、命題とは「$p \Rightarrow q$」($p$ ならば $q$)の形をした主張です。 この命題から、仮定と結論の位置を入れ替えたり、否定をとったりすることで、 3つの「派生命題」が機械的に作れます。

📐 逆・裏・対偶の定義

命題 $p \Rightarrow q$ に対して:

:$q \Rightarrow p$(仮定と結論を入れ替える)

:$\overline{p} \Rightarrow \overline{q}$(仮定と結論をそれぞれ否定する)

対偶:$\overline{q} \Rightarrow \overline{p}$(入れ替えて、それぞれ否定する)

※ $\overline{p}$ は $p$ の否定を表します。4つの命題(元・逆・裏・対偶)が1セットです。

具体例で確認しましょう。命題「$x = 2$ ならば $x^2 = 4$」を考えます。

名前命題の内容真偽
元の命題$x = 2 \Rightarrow x^2 = 4$
$x^2 = 4 \Rightarrow x = 2$偽($x = -2$ が反例)
$x \neq 2 \Rightarrow x^2 \neq 4$偽($x = -2$ が反例)
対偶$x^2 \neq 4 \Rightarrow x \neq 2$

この表から、重要なパターンが見えてきます。 元の命題と対偶の真偽は一致し(ともに真)、逆と裏の真偽も一致しています(ともに偽)。 しかし、元の命題が真でも逆は偽になり得ます。これは偶然ではなく、必然です。

💡 ここが本質:4つの命題は「2組のペア」

4つの命題は次の2組のペアに分かれ、ペア内では真偽が必ず一致します。

ペア1:元の命題($p \Rightarrow q$)と対偶($\overline{q} \Rightarrow \overline{p}$)

ペア2:逆($q \Rightarrow p$)と裏($\overline{p} \Rightarrow \overline{q}$)

一方、ペア間(元の命題と逆、元の命題と裏)では真偽は一致するとは限りません。 「真の命題の逆も真」とは限らないのです。

⚠️ 落とし穴:「逆も真」と思い込む

✕ 誤:「$x = 2$ ならば $x^2 = 4$」が真だから、「$x^2 = 4$ ならば $x = 2$」も真

○ 正:逆は偽。$x = -2$ のとき $x^2 = 4$ だが $x \neq 2$。

日常会話では「AならばB」と言うとき暗に「BならばA」も意味していることが多いですが、 数学ではこの2つは別物です。元の命題が真でも、逆が真かどうかは別途確認が必要です。

🔬 深掘り:逆が真になるとき ── 同値条件と必要十分条件

元の命題 $p \Rightarrow q$ とその逆 $q \Rightarrow p$ がともに真のとき、 $p$ と $q$ は同値であるといい、$p \Leftrightarrow q$ と書きます。 これは $p$ が $q$ の必要十分条件であることを意味します。

大学数学の証明では、「$A \Leftrightarrow B$ を示せ」という問題がよく出ます。 このとき「$A \Rightarrow B$」と「$B \Rightarrow A$」(逆)の両方を示す必要があります。 逆の真偽を意識する習慣は、大学数学でも直接役立ちます。

2対偶の真偽は元の命題と一致する ─ なぜ?

Section 1で「元の命題と対偶の真偽は一致する」と述べました。 これは命題論理における最も重要な定理の1つです。 なぜ一致するのか、集合の包含関係を使って原理から理解しましょう。

集合で考える

条件 $p$ を満たすもの全体の集合を $P$、条件 $q$ を満たすもの全体の集合を $Q$ とします。 3-5で学んだように、命題「$p \Rightarrow q$」が真であることは、集合の言葉で $P \subseteq Q$($P$ は $Q$ の部分集合)と同じです。

では対偶「$\overline{q} \Rightarrow \overline{p}$」はどうでしょうか。 $\overline{q}$ を満たすもの全体は $\overline{Q}$($Q$ の補集合)、 $\overline{p}$ を満たすもの全体は $\overline{P}$($P$ の補集合)です。 対偶が真であることは $\overline{Q} \subseteq \overline{P}$ を意味します。

▷ 証明:$P \subseteq Q \Leftrightarrow \overline{Q} \subseteq \overline{P}$

($\Rightarrow$):$P \subseteq Q$ と仮定します。

$x \in \overline{Q}$ とすると、$x \notin Q$ です。 もし $x \in P$ なら $P \subseteq Q$ より $x \in Q$ となり矛盾。 よって $x \notin P$、すなわち $x \in \overline{P}$。

これで $\overline{Q} \subseteq \overline{P}$ が示されました。

($\Leftarrow$):$\overline{Q} \subseteq \overline{P}$ と仮定します。

$x \in P$ とすると、$x \notin \overline{P}$ です。 $\overline{Q} \subseteq \overline{P}$ なので、$x \notin \overline{Q}$(もし $x \in \overline{Q}$ なら $x \in \overline{P}$ となり矛盾)。 よって $x \in Q$。

これで $P \subseteq Q$ が示されました。

以上より、$P \subseteq Q$ と $\overline{Q} \subseteq \overline{P}$ は同値です。 つまり、元の命題と対偶の真偽は必ず一致します。

💡 ここが本質:対偶は「補集合の包含関係」

命題 $p \Rightarrow q$ は「$P \subseteq Q$」。対偶 $\overline{q} \Rightarrow \overline{p}$ は「$\overline{Q} \subseteq \overline{P}$」。

「$P$ が $Q$ に含まれる」ことと「$Q$ の外側が $P$ の外側に含まれる」ことは、 同じことを裏表から見ているだけです。だから真偽が一致するのは当然なのです。

ベン図を描けば一目瞭然です。$P$ の円が $Q$ の円の内部にあるとき、 $Q$ の外側は自動的に $P$ の外側に含まれています。

⚠️ 落とし穴:対偶の否定の作り方を間違える

対偶を作るには、仮定と結論の両方を正しく否定する必要があります。 特に「かつ」「または」を含む条件の否定(ド・モルガンの法則)でミスが多発します。

✕ 誤:「$x > 0$ かつ $y > 0$」の否定を「$x < 0$ かつ $y < 0$」とする

○ 正:「$x > 0$ かつ $y > 0$」の否定は「$x \leq 0$ または $y \leq 0$」

ド・モルガンの法則($\overline{p \text{ かつ } q} = \overline{p} \text{ または } \overline{q}$)を正確に適用しましょう。 また、$>$ の否定は $<$ ではなく $\leq$ であることにも注意してください。

🔬 深掘り:対偶律と論理学の「トートロジー」

「元の命題と対偶の真偽は一致する」という法則は、論理学では対偶律(contrapositive law)と呼ばれます。 記号で書くと $(p \Rightarrow q) \Leftrightarrow (\overline{q} \Rightarrow \overline{p})$ です。

これはトートロジー(恒真式)の一例で、$p$ や $q$ の真偽に関係なく常に成り立ちます。 大学の論理学では真理値表を使って機械的にトートロジーかどうかを判定する方法を学びます。 高校で学ぶ対偶の性質は、論理学の体系の中で最も基本的な法則の1つです。

3逆と裏は一致する ─ 互いに対偶

Section 1の表で、逆と裏の真偽が一致していました。 これも偶然ではありません。理由は驚くほどシンプルです。

💡 ここが本質:逆と裏は「互いに対偶の関係」

逆は $q \Rightarrow p$、裏は $\overline{p} \Rightarrow \overline{q}$ です。

裏を作るには「$p$ と $q$ をそれぞれ否定する」のでした。 逆($q \Rightarrow p$)の対偶を取ると、仮定 $q$ と結論 $p$ をそれぞれ否定して入れ替えて $\overline{p} \Rightarrow \overline{q}$ となります。これはまさに裏そのものです。

つまり裏は逆の対偶です。 対偶どうしは真偽が一致するので、逆と裏の真偽も自動的に一致します。

4つの命題の関係を整理する

命題対偶の相手
元の命題$p \Rightarrow q$対偶($\overline{q} \Rightarrow \overline{p}$)
対偶$\overline{q} \Rightarrow \overline{p}$元の命題($p \Rightarrow q$)
$q \Rightarrow p$裏($\overline{p} \Rightarrow \overline{q}$)
$\overline{p} \Rightarrow \overline{q}$逆($q \Rightarrow p$)

4つの命題は、「元⇔対偶」「逆⇔裏」の2つのペアで結ばれています。 ペア内では真偽が一致し、ペア間では一致するとは限りません。 この構造を覚えておけば、真偽の判定がとてもラクになります。

⚠️ 落とし穴:「裏」と「対偶」を混同する

「否定する」という操作が共通しているため、裏と対偶を混同する人が少なくありません。

✕ 誤:対偶は「仮定と結論を否定したもの」(→ これは裏の定義)

○ 正:対偶は「仮定と結論を入れ替えてから、それぞれ否定したもの」

覚え方:対偶 = 逆 + 裏(入れ替えて否定)。逆(入れ替え)と裏(否定)の両方の操作を合わせたものが対偶です。

⚠️ 落とし穴:「元の命題が偽なら対偶も偽」を忘れる

対偶の性質は「真偽が一致する」です。元の命題が真なら対偶も真、ですが、 元の命題が偽なら対偶も偽です。

✕ 誤:「対偶を使えば何でも証明できる」

○ 正:対偶が使えるのは、元の命題が真であるとき(つまり対偶も真のとき)。 偽の命題の対偶も偽なので、対偶を調べることで「元の命題が偽」だと判定することもできます。

4対偶を利用した真偽の判定

元の命題の真偽を直接判定しにくいとき、対偶を調べるのが有効です。 対偶の真偽は元の命題と一致するので、対偶が真(偽)であれば、元の命題も真(偽)です。

具体例1:対偶が判定しやすいケース

命題「$x^2 + y^2 = 0$ ならば $x = 0$ かつ $y = 0$」($x, y$ は実数)の真偽を調べてみましょう。

この命題自体は $(x^2 + y^2 = 0 \Rightarrow x = 0 \text{ かつ } y = 0)$ で、 $x^2 \geq 0$、$y^2 \geq 0$ より $x^2 + y^2 = 0$ となるのは $x = y = 0$ のときだけ、 と直接示すこともできます。しかし対偶で考えてみましょう。

対偶:「$x \neq 0$ または $y \neq 0$ ならば $x^2 + y^2 \neq 0$」

$x \neq 0$ なら $x^2 > 0$、$y^2 \geq 0$ なので $x^2 + y^2 > 0$。 $y \neq 0$ の場合も同様。よって対偶は真。したがって元の命題も真です。

具体例2:反例を見つけやすくなるケース

命題「$x + y > 2$ ならば $x > 1$ かつ $y > 1$」($x, y$ は実数)の真偽を調べます。

対偶:「$x \leq 1$ または $y \leq 1$ ならば $x + y \leq 2$」

対偶の反例を探しましょう。$x = 0$($\leq 1$ を満たす)、$y = 10$ とすると $x + y = 10 > 2$ なので $x + y \leq 2$ を満たしません。 対偶は偽、よって元の命題も偽です。

このように、対偶の反例がそのまま元の命題の反例になります。 元の命題で直接反例を探すより、対偶の方が条件がシンプルで反例を見つけやすいことがあります。

💡 ここが本質:対偶を使う「2つの場面」

場面1(真を示す):元の命題を直接証明しにくいとき、対偶を証明する。 否定条件の方が扱いやすい場合に有効。これが次の記事で学ぶ「対偶証明法」です。

場面2(偽を示す):元の命題の反例が見つけにくいとき、対偶の反例を探す。 対偶が偽なら元の命題も偽。

いずれも「元の命題と対偶の真偽は一致する」という1つの原理の応用です。

📐 真偽の判定まとめ

真を示す:元の命題 or 対偶のどちらかを証明すればよい

偽を示す:元の命題 or 対偶のどちらかの反例を1つ見つければよい

逆・裏の真偽:逆と裏は互いに対偶なので真偽が一致する。ただし元の命題の真偽とは独立

※ 反例は1つ見つければ十分です。「偽であること」の証明は、反例の提示で完了します。

「逆・裏・対偶を述べ、真偽を答えよ」の解法手順

入試ではこのタイプの問題が頻出です。手順を整理しておきましょう。

  1. Step 1:元の命題の仮定 $p$ と結論 $q$ を明確にする
  2. Step 2:$p$ の否定 $\overline{p}$ と $q$ の否定 $\overline{q}$ を作る(ド・モルガンに注意)
  3. Step 3:逆($q \Rightarrow p$)、裏($\overline{p} \Rightarrow \overline{q}$)、対偶($\overline{q} \Rightarrow \overline{p}$)を書く
  4. Step 4:元の命題の真偽を判定 → 対偶の真偽は自動的に決まる
  5. Step 5:逆の真偽を判定 → 裏の真偽は自動的に決まる

このように、4つの真偽のうち独立に判定するのは2つだけです。 残りの2つは「対偶ペア」から自動的に決まります。

5つながりマップ ─ 他の単元との接続

逆・裏・対偶の概念は、命題の証明方法や条件の分析と密接につながっています。

  • ← 3-2 命題と条件:命題「$p \Rightarrow q$」の基本概念、真偽の定義、反例の考え方がこの記事の前提。
  • ← 3-4 条件の否定:対偶・裏を正しく作るにはド・モルガンの法則による否定が不可欠。否定を間違えると対偶自体が間違う。
  • ← 3-5 必要条件・十分条件:$p \Rightarrow q$ が真のとき $p$ は $q$ の十分条件。逆 $q \Rightarrow p$ も真なら必要十分条件(同値)。
  • → 3-7 対偶証明と背理法:対偶の性質を使った証明法(対偶証明法)と、「仮定して矛盾を導く」背理法。この記事の直接的な応用。
  • → 数学II 数列の証明:数列の性質の証明で対偶を使うことがある。「$a_n$ が○○でないならば…」の形で攻める。

📋まとめ

  • 命題 $p \Rightarrow q$ から、($q \Rightarrow p$)・($\overline{p} \Rightarrow \overline{q}$)・対偶($\overline{q} \Rightarrow \overline{p}$)が機械的に作れる
  • 元の命題と対偶の真偽は一致する。理由:$P \subseteq Q \Leftrightarrow \overline{Q} \subseteq \overline{P}$
  • 逆と裏の真偽は一致する。理由:裏は逆の対偶だから
  • 元の命題が真でも、逆は真とは限らない。逆も真なら $p \Leftrightarrow q$(同値)
  • 真偽を判定するとき、4つのうち独立に調べるのは2つだけ。残りは対偶ペアから自動決定
  • 対偶の否定を作るとき、ド・モルガンの法則(「かつ」⇔「または」の入れ替え)に注意

確認テスト

Q1. 命題「$n$ が偶数ならば $n^2$ は偶数」の逆・裏・対偶をそれぞれ述べてください。

▶ クリックして解答を表示逆:「$n^2$ が偶数ならば $n$ は偶数」。裏:「$n$ が奇数ならば $n^2$ は奇数」。対偶:「$n^2$ が奇数ならば $n$ は奇数」。この場合、元の命題・逆・裏・対偶のすべてが真です。

Q2. 元の命題と真偽が必ず一致するのは、逆・裏・対偶のどれですか?

▶ クリックして解答を表示対偶です。逆と裏は互いに真偽が一致しますが、元の命題とは一致するとは限りません。

Q3. 逆と裏の真偽が一致するのはなぜですか? 理由を一言で答えてください。

▶ クリックして解答を表示裏は逆の対偶だから。対偶どうしは真偽が一致するので、逆と裏も一致します。

Q4. 「$x > 1$ かつ $y > 1$ ならば $xy > 1$」の対偶を述べてください。

▶ クリックして解答を表示「$xy \leq 1$ ならば $x \leq 1$ または $y \leq 1$」。結論「$x > 1$ かつ $y > 1$」の否定にド・モルガンの法則を使い、「$x \leq 1$ または $y \leq 1$」とします。

Q5. 命題「$x = 3$ ならば $x^2 = 9$」は真です。逆は真ですか偽ですか? 偽なら反例を示してください。

▶ クリックして解答を表示逆は「$x^2 = 9$ ならば $x = 3$」で、偽です。反例:$x = -3$ のとき $x^2 = 9$ だが $x \neq 3$。

8入試問題演習

この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。

A 基礎レベル

3-6-1 A 基礎 逆・裏・対偶 真偽判定

次の命題の逆・裏・対偶を述べ、それぞれの真偽を答えよ。ただし、$x$ は実数とする。

「$x = 2$ ならば $x^2 - 4 = 0$」

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

逆:「$x^2 - 4 = 0$ ならば $x = 2$」 → 偽(反例:$x = -2$)

裏:「$x \neq 2$ ならば $x^2 - 4 \neq 0$」 → 偽(反例:$x = -2$)

対偶:「$x^2 - 4 \neq 0$ ならば $x \neq 2$」 → 真

解説

方針:まず元の命題の真偽を判定し、対偶の真偽を自動決定。次に逆の真偽を調べ、裏も決定。

元の命題は真($x = 2$ のとき $x^2 - 4 = 4 - 4 = 0$)。よって対偶も真。

逆は偽($x^2 - 4 = 0$ を解くと $x = \pm 2$ なので $x = -2$ が反例)。よって裏も偽。

逆と裏が同じ反例 $x = -2$ を持つことも確認できます。

3-6-2 A 基礎 対偶 否定

次の命題の対偶を述べよ。ただし、$x, y$ は実数とする。

「$x + y > 2$ ならば $x > 1$ または $y > 1$」

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

「$x \leq 1$ かつ $y \leq 1$ ならば $x + y \leq 2$」

解説

方針:仮定と結論を入れ替え、それぞれ否定する。「または」の否定は「かつ」。

結論「$x > 1$ または $y > 1$」の否定:ド・モルガンより「$x \leq 1$ かつ $y \leq 1$」(新しい仮定)

仮定「$x + y > 2$」の否定:「$x + y \leq 2$」(新しい結論)

この対偶は真です。$x \leq 1$ かつ $y \leq 1$ なら辺々を加えて $x + y \leq 2$。

B 標準レベル

3-6-3 B 標準 逆・裏・対偶 論述

$x, y$ を実数とする。次の命題の逆・裏・対偶を述べ、それぞれの真偽を答えよ。偽の場合は反例を示せ。

「$xy > 2$ ならば $x > 1$ かつ $y > 1$」

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

元の命題:偽(反例:$x = 6, y = \frac{1}{2}$ のとき $xy = 3 > 2$ だが $y \leq 1$)

逆:「$x > 1$ かつ $y > 1$ ならば $xy > 2$」 → 偽(反例:$x = 1.1, y = 1.1$ のとき $xy = 1.21 \leq 2$)

裏:「$xy \leq 2$ ならば $x \leq 1$ または $y \leq 1$」 → 偽(反例:$x = 1.1, y = 1.1$ のとき $xy = 1.21 \leq 2$ だが $x > 1$ かつ $y > 1$)

対偶:「$x \leq 1$ または $y \leq 1$ ならば $xy \leq 2$」 → 偽(反例:$x = 6, y = \frac{1}{2}$)

解説

方針:元の命題の真偽を判定し、対偶は自動決定。逆を調べ、裏は自動決定。

元の命題は偽($x = 6, y = \frac{1}{2}$ が反例)→ 対偶も偽。

逆も偽($x = 1.1, y = 1.1$ が反例)→ 裏も偽。

この問題は4つすべてが偽になる例です。「元が偽でも逆が真」のこともあれば、「すべて偽」のこともあります。

採点ポイント
  • 逆・裏・対偶を正しく述べている(3点)
  • 否定の作り方(ド・モルガン)が正しい(2点)
  • 真偽の判定が正しい(2点)
  • 偽の場合に適切な反例を示している(3点)

C 発展レベル

3-6-4 C 発展 対偶 整数 論述

整数 $n$ に関する次の命題の対偶を述べ、対偶の真偽を利用して元の命題の真偽を判定せよ。

「$n^2$ が3の倍数ならば、$n$ は3の倍数である」

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

対偶:「$n$ が3の倍数でないならば、$n^2$ は3の倍数でない」

対偶は真。よって元の命題も真。

解説

方針:「$n^2$ が3の倍数」から直接 $n$ の性質を言うのは難しい。対偶では「$n$ が3の倍数でない」が仮定なので、$n$ を具体的に表現できる。

$n$ が3の倍数でないとき、整数 $k$ を用いて $n = 3k + 1$ または $n = 3k + 2$ と表せる。

(i) $n = 3k + 1$ のとき:$n^2 = 9k^2 + 6k + 1 = 3(3k^2 + 2k) + 1$

$3k^2 + 2k$ は整数なので、$n^2$ を3で割った余りは1。3の倍数でない。

(ii) $n = 3k + 2$ のとき:$n^2 = 9k^2 + 12k + 4 = 3(3k^2 + 4k + 1) + 1$

$3k^2 + 4k + 1$ は整数なので、$n^2$ を3で割った余りは1。3の倍数でない。

いずれの場合も $n^2$ は3の倍数でないので、対偶は真。よって元の命題も真。

採点ポイント
  • 対偶を正しく述べている(2点)
  • 3の倍数でない整数を $3k+1, 3k+2$ で場合分け(3点)
  • 各場合で $n^2$ が3の倍数でないことを示す(3点)
  • 対偶の真偽から元の命題の真偽を結論(2点)