2次不等式は、放物線が $x$ 軸の上にあるか下にあるかを読み取る問題です。
グラフと代数を融合させることで、判別式による場合分けも自然に理解できます。
1次不等式 $2x - 3 > 0$ は、移項して $x > \dfrac{3}{2}$ と機械的に解けます。 しかし2次不等式 $x^2 - 5x + 6 > 0$ になると、単純な移項では $x$ の範囲が出ません。 左辺が $x$ の2次式なので、$x$ の値によって正になったり負になったりするからです。
ここで力を発揮するのが2次関数のグラフです。 $y = x^2 - 5x + 6$ のグラフ(放物線)を描けば、 $y > 0$ となる $x$ の範囲、つまり放物線が $x$ 軸より上にある部分が 不等式の解になります。
2次不等式 $ax^2 + bx + c > 0$ の解とは、2次関数 $y = ax^2 + bx + c$ のグラフが $x$ 軸より上にある部分($y > 0$ の部分)の $x$ の範囲です。
同様に、$ax^2 + bx + c < 0$ の解は、グラフが$x$ 軸より下にある部分($y < 0$ の部分)。
つまり、2次不等式を解くとは「放物線と $x$ 軸の位置関係を読み取る」ことにほかなりません。 だからこそ、$x$ 軸との交点(2次方程式の解)と放物線の開く向き($a$ の符号)が決定的に重要なのです。
$x^2 - 5x + 6 > 0$ を因数分解すると $(x - 2)(x - 3) > 0$ です。 「2つの数の積が正になるのは、両方とも正か、両方とも負のとき」という場合分けで解けます。
しかし、この方法には限界があります。$x^2 - 2x + 1 > 0$ のように重解をもつ場合、 あるいは $x^2 + x + 1 > 0$ のように実数解をもたない場合、 因数分解による場合分けでは対処しにくくなります。
グラフを使えば、これらすべてのケースを統一的に扱えます。 放物線が $x$ 軸と2点で交わるか、接するか、交わらないかの3パターンに帰着するだけです。 この3パターンは、2-3で学んだ判別式 $D = b^2 - 4ac$ で完全に分類できます。
2次不等式は $a > 0$(下に凸)の形で考えるのが基本です。
✕ 誤:$-x^2 + 3x - 2 > 0$ をそのまま上に凸の放物線で考えようとする(混乱しやすい)
○ 正:両辺に $-1$ をかけて $x^2 - 3x + 2 < 0$ に変換。不等号の向きが逆になることに注意。 これで下に凸の放物線で考えられます。
不等式の両辺に負の数をかけると、不等号の向きが逆になるのは1次不等式と同じルールです。
2次不等式 $f(x) > 0$ の解の集合を $S$ とすると、$S = \{x \in \mathbb{R} \mid f(x) > 0\}$ です。 これはグラフ $y = f(x)$ の$x$ 軸より上にある部分の $x$ 座標の集合と一致します。
大学数学では、関数の符号が変わる点(零点)で実数直線を区間に分割し、 各区間での符号を調べる符号表(sign chart)の手法を使います。 高校で学ぶ「グラフから読み取る」方法は、この符号表を視覚的に行っていることになります。
まず最も基本的なパターンから始めましょう。 2次方程式 $ax^2 + bx + c = 0$($a > 0$)が異なる2つの実数解 $\alpha, \beta$($\alpha < \beta$)をもつ場合です。 このとき判別式 $D = b^2 - 4ac > 0$ です。
下に凸の放物線 $y = ax^2 + bx + c$ は、$x = \alpha$ と $x = \beta$ で $x$ 軸と交わります。 放物線の形から、次のことが読み取れます。
$ax^2 + bx + c > 0$ の解:$x < \alpha$ または $x > \beta$
$ax^2 + bx + c < 0$ の解:$\alpha < x < \beta$
$ax^2 + bx + c \geq 0$ の解:$x \leq \alpha$ または $x \geq \beta$
$ax^2 + bx + c \leq 0$ の解:$\alpha \leq x \leq \beta$
$x^2 - 5x + 6 > 0$ を解いてみましょう。
Step 1:左辺を因数分解(または解の公式)で $x$ 軸との交点を求める。
$x^2 - 5x + 6 = (x - 2)(x - 3) = 0$ より $x = 2, 3$
Step 2:$a = 1 > 0$ なので下に凸の放物線。$x = 2, 3$ で $x$ 軸と交わる。
Step 3:$y > 0$($x$ 軸より上)の範囲を読み取る。
答え:$x < 2$ または $x > 3$
$a > 0$(下に凸)のとき、放物線は2つの解 $\alpha, \beta$ の外側で正、内側で負です。
$ax^2 + bx + c > 0$ → 解は外側($x < \alpha$ または $x > \beta$)
$ax^2 + bx + c < 0$ → 解は内側($\alpha < x < \beta$)
これは暗記する必要はありません。下に凸の放物線は「2つの交点の間で $x$ 軸の下に潜り、 外側では上に出る」という形をしているので、グラフをイメージすれば自然にわかります。
$2x^2 - 3x - 1 > 0$ のように整数で因数分解できない場合は、解の公式を使います。
$2x^2 - 3x - 1 = 0$ の解は $x = \dfrac{3 \pm \sqrt{9 + 8}}{4} = \dfrac{3 \pm \sqrt{17}}{4}$。
$a = 2 > 0$ なので下に凸。$\alpha = \dfrac{3 - \sqrt{17}}{4}$, $\beta = \dfrac{3 + \sqrt{17}}{4}$ として、 $2x^2 - 3x - 1 > 0$ の解は $x < \alpha$ または $x > \beta$。
$x^2 - 5x + 6 > 0$ の解は「$x < 2$ または $x > 3$」です。
✕ 誤:$x < 2$ かつ $x > 3$(これを同時に満たす $x$ は存在しない!)
○ 正:$x < 2$ または $x > 3$
解が2つの区間に分かれるときは「または」、1つの区間のときは不等式で範囲を表します。 グラフで確認すれば、$x$ 軸の上にある部分が左右2か所に分かれていることが見えるので、 「または」が自然だとわかります。
$x^2 - 5x + 6 \geq 0$ と $x^2 - 5x + 6 > 0$ では答えが違います。
✕ 誤:$x^2 - 5x + 6 \geq 0$ の解を「$x < 2$ または $x > 3$」と書く
○ 正:$x^2 - 5x + 6 \geq 0$ の解は「$x \leq 2$ または $x \geq 3$」
等号付きの不等式($\geq, \leq$)では、$x$ 軸との交点($y = 0$ の点)も解に含まれます。 $x = 2, 3$ で $y = 0$ なので、この2点を含めます。
Section 2では $D > 0$(放物線が $x$ 軸と2点で交わる)の場合を扱いました。 しかし、放物線が $x$ 軸と接する場合($D = 0$)や、 交わらない場合($D < 0$)もあります。 判別式の値によって不等式の解がどう変わるかを整理しましょう。
$ax^2 + bx + c = 0$($a > 0$)が重解 $x = \alpha$ をもつとき、 放物線は $x$ 軸と1点で接します。 放物線はこの接点を除いて常に $x$ 軸の上にあります。
たとえば $x^2 - 6x + 9 \geq 0$ を考えます。$x^2 - 6x + 9 = (x - 3)^2$ なので、 $(x - 3)^2$ は2乗ですから常に $0$ 以上。等号は $x = 3$ のとき。 よって答えはすべての実数です。
一方、$x^2 - 6x + 9 > 0$(等号なし)の場合はどうでしょうか。 $(x - 3)^2 > 0$ は $x \neq 3$ のときに成り立ちます。 よって答えは$x = 3$ 以外のすべての実数($x \neq 3$)です。
$ax^2 + bx + c > 0$ の解:$x \neq \alpha$ であるすべての実数($\alpha$ 以外のすべての実数)
$ax^2 + bx + c \geq 0$ の解:すべての実数
$ax^2 + bx + c < 0$ の解:解なし
$ax^2 + bx + c \leq 0$ の解:$x = \alpha$(1つの値のみ)
$x^2 - 6x + 9 \leq 0$ の解を「解なし」と答える人がいますが、これは誤りです。
✕ 誤:$(x-3)^2$ は常に正だから $\leq 0$ を満たす $x$ はない
○ 正:$(x-3)^2$ は常に $0$ 以上。$x = 3$ のとき $(x-3)^2 = 0$ であり、 $0 \leq 0$ は真。よって $x = 3$ は解です。
$\leq$ には等号が含まれています。「ちょうど0になる点」も解に含まれることを忘れないでください。
$a > 0$ で $D < 0$ のとき、放物線は $x$ 軸と交点をもちません。 下に凸の放物線が $x$ 軸と交わらないということは、 放物線全体が$x$ 軸の上にあることを意味します。
たとえば $x^2 + x + 1 > 0$ を考えます。 $D = 1 - 4 = -3 < 0$ なので、放物線 $y = x^2 + x + 1$ は $x$ 軸と交わりません。 $a = 1 > 0$(下に凸)なので、放物線は常に $x$ 軸の上。 よって $x^2 + x + 1 > 0$ はすべての実数で成り立ちます。
逆に、$x^2 + x + 1 < 0$ はどうでしょうか。 放物線が常に $x$ 軸の上にあるのだから、$y < 0$ となる $x$ は存在しません。 よって解なしです。
$a > 0$ かつ $D < 0$ のとき、放物線は $x$ 軸の上にしかありません。 つまり $ax^2 + bx + c > 0$ がすべての実数 $x$ で成り立つのです。
これを「絶対不等式」と呼びます。 平方完成すると $a\!\left(x + \dfrac{b}{2a}\right)^{\!2} - \dfrac{D}{4a}$ となり、 $a > 0$ かつ $D < 0$ なら $-\dfrac{D}{4a} > 0$ なので、頂点の $y$ 座標が正。 下に凸の放物線の最低点が正なのだから、全体が正であることは明白です。
$a > 0$ のとき、判別式 $D$ の符号による2次不等式の解を一覧にまとめます。
| $D > 0$(2交点 $\alpha < \beta$) | $D = 0$(接点 $\alpha$) | $D < 0$(交点なし) | |
|---|---|---|---|
| $> 0$ | $x < \alpha$ または $x > \beta$ | $x \neq \alpha$ | すべての実数 |
| $\geq 0$ | $x \leq \alpha$ または $x \geq \beta$ | すべての実数 | すべての実数 |
| $< 0$ | $\alpha < x < \beta$ | 解なし | 解なし |
| $\leq 0$ | $\alpha \leq x \leq \beta$ | $x = \alpha$ | 解なし |
この表を丸暗記する必要はありません。 下に凸の放物線が $x$ 軸とどう交わるかをイメージすれば、すべて導けます。
$f(x) = ax^2 + bx + c$($a > 0$)を平方完成します。
$$f(x) = a\!\left(x + \frac{b}{2a}\right)^{\!2} + \frac{4ac - b^2}{4a} = a\!\left(x + \frac{b}{2a}\right)^{\!2} - \frac{D}{4a}$$
$a > 0$ なので $a\!\left(x + \dfrac{b}{2a}\right)^{\!2} \geq 0$。
$D < 0$ かつ $a > 0$ なので $-\dfrac{D}{4a} > 0$。
よって $f(x) \geq 0 + (-\dfrac{D}{4a}) > 0$。
つまり、$f(x)$ はすべての実数 $x$ に対して厳密に正です。
この証明は、頂点の $y$ 座標 $q = -\dfrac{D}{4a}$ が正であることを示しているのと同じです。 下に凸の放物線の最も低い点(頂点)が $x$ 軸より上にあれば、全体が上にあるのは当然です。
頂点の $y$ 座標は $q = -\dfrac{D}{4a}$ です。つまり、$D$ は頂点の高さと直結しています。
$D > 0$ → $q < 0$($a > 0$ のとき)→ 頂点が $x$ 軸の下 → 放物線が $x$ 軸を貫く → 2交点
$D = 0$ → $q = 0$ → 頂点が $x$ 軸上 → 接する → 1接点
$D < 0$ → $q > 0$($a > 0$ のとき)→ 頂点が $x$ 軸の上 → 交わらない → 常に正
判別式を「方程式が解をもつかどうかの指標」としてだけ捉えるのではなく、 「放物線の頂点がどの高さにあるか」として捉えると、2次不等式の全パターンが一気に見通せます。
$a > 0$ かつ $D < 0$ のとき、$f(x) = ax^2 + bx + c > 0$ がすべての $x$ で成り立ちます。 このような2次式を正定値(positive definite)と呼びます。
大学の線形代数では、2変数の2次式 $f(x, y) = ax^2 + 2bxy + cy^2$ が正定値である条件を、 行列 $\begin{pmatrix} a & b \\ b & c \end{pmatrix}$ の固有値がすべて正であること として扱います。1変数の判別式の条件 $a > 0$, $D < 0$ は、 この一般理論の最も簡単な場合です。
基本パターンを理解したら、入試で頻出の応用問題に進みましょう。 大きく3つのパターンに分類できます。
2つの不等式を同時に満たす $x$ の範囲を求める問題です。 それぞれの不等式を解いてから、数直線上で共通部分をとります。
たとえば、$x^2 - 4x + 3 > 0$ かつ $x^2 - x - 6 \leq 0$ を同時に満たす $x$ の範囲を求めましょう。
1つ目:$x^2 - 4x + 3 = (x - 1)(x - 3) > 0$ より $x < 1$ または $x > 3$。
2つ目:$x^2 - x - 6 = (x - 3)(x + 2) \leq 0$ より $-2 \leq x \leq 3$。
数直線上でこの2つの範囲の共通部分をとると、$-2 \leq x < 1$ が答えです。 ($x > 3$ の部分は $x \leq 3$ と矛盾するので消える。$x < 1$ と $-2 \leq x \leq 3$ の共通部分が $-2 \leq x < 1$。)
連立不等式は「かつ」(AND)です。すべての不等式を同時に満たす範囲を求めます。
✕ 誤:それぞれの解の和集合(「または」)をとる
○ 正:それぞれの解の共通部分(「かつ」)をとる
数直線を描いて、すべての条件が重なっている区間を読み取るのが確実です。
「$ax^2 + bx + c > 0$ がすべての実数 $x$ で成り立つための条件を求めよ」という問題は、 Section 3の結果を直接使います。
$ax^2 + bx + c > 0$ がすべての実数 $x$ で成り立つ条件は:
$a > 0$ かつ $D = b^2 - 4ac < 0$
直感的に言えば、「下に凸の放物線が $x$ 軸と交わらない」ことです。
$\geq 0$ の場合は $a > 0$ かつ $D \leq 0$ です(接してもよい)。
注意:$a = 0$ の場合(1次式になる場合)は別途検討が必要です。
具体的に見てみましょう。「$x^2 + 2kx + k + 2 > 0$ がすべての実数 $x$ で成り立つような $k$ の範囲を求めよ。」
$a = 1 > 0$ は常に成り立つので、$D < 0$ を求めます。
$$D = (2k)^2 - 4 \cdot 1 \cdot (k + 2) = 4k^2 - 4k - 8 < 0$$$k^2 - k - 2 < 0$ つまり $(k - 2)(k + 1) < 0$。よって $-1 < k < 2$。
パラメータ $k$ についての2次不等式を解くことになるのが面白いところです。 「2次不等式の条件を求めるために、別の2次不等式を解く」という入れ子構造が現れます。
「$ax^2 + bx + c > 0$ の解が $p < x < q$ であるとき、$a, b, c$ の値を求めよ」のように、 解の情報から元の不等式の係数を逆算する問題です。
$a > 0$ で $D > 0$ のとき、$ax^2 + bx + c < 0$ の解は2つの解の間($\alpha < x < \beta$)でした。 しかし、この問題では「$> 0$ の解が $p < x < q$」と言っています。 $a > 0$ なら $> 0$ の解は「外側」のはず。「内側」が $> 0$ の解になるということは、$a < 0$(上に凸)です。
ここで重要なのは、不等号の向きと解の形から $a$ の符号を判断することです。
大学の最適化理論では、不等式の条件を満たす領域を実行可能領域(feasible region)と呼びます。 2次不等式の解は1次元の実行可能領域に相当します。
2変数に拡張すると $ax^2 + bxy + cy^2 + dx + ey + f \leq 0$ のような2次不等式は、 $xy$-平面上の領域を定めます。これが2次錐計画(SOCP)や 半正定値計画(SDP)へと発展し、機械学習や制御理論の基盤となっています。 1変数の2次不等式を数直線で解く経験は、多変数の不等式を図形的に扱うための第一歩です。
「すべての実数 $x$ で $f(x) > 0$ が成り立つ」は全称命題($\forall x$)、 「ある実数 $x$ で $f(x) > 0$ が成り立つ」は存在命題($\exists x$)です。
全称命題は「反例が1つもない」こと、存在命題は「例が1つあればよい」こと。 2次不等式で言えば、$\forall x, f(x) > 0$ は「グラフ全体が $x$ 軸の上」、 $\exists x, f(x) > 0$ は「グラフの一部でも $x$ 軸の上にある部分がある」ことに対応します。
この全称と存在の区別は、第3章「集合と命題」で詳しく学びます。
2-4は第2章「2次関数」の最終節です。 ここで、2-1から2-4までに学んだ内容を鳥の目で俯瞰し、つながりを確認しましょう。
| 節 | テーマ | 核心 |
|---|---|---|
| 2-1 グラフ | 放物線の形と位置を理解する | 平方完成 → 標準形 $a(x-p)^2 + q$ |
| 2-2 最大・最小 | $y$ の値の範囲を求める | 頂点・端点の比較、場合分け |
| 2-3 2次方程式 | $y = 0$ となる $x$ を求める | 判別式 $D$ と解の公式 |
| 2-4 2次不等式 | $y > 0$ / $y < 0$ の $x$ の範囲を求める | グラフと $x$ 軸の位置関係 |
すべての出発点は2-1の平方完成です。 平方完成によってグラフの形がわかり、そこから最大・最小(2-2)、 $x$ 軸との交点(2-3)、$x$ 軸との上下関係(2-4)と展開していきます。
2-3(方程式)と2-4(不等式)は特に密接です。 2次方程式の解が $x$ 軸との交点を与え、 その交点をもとに放物線の上下を読み取るのが2次不等式です。 つまり、2次不等式は2次方程式の解を「使う」側なのです。
Q1. $x^2 - 7x + 10 > 0$ を解いてください。
Q2. $x^2 - 4x + 4 > 0$ を解いてください。
Q3. $x^2 + 2x + 5 < 0$ を解いてください。
Q4. $x^2 + 2kx + k + 6 > 0$ がすべての実数 $x$ で成り立つための $k$ の範囲は?
Q5. 連立不等式 $x^2 - 5x + 4 \leq 0$ かつ $x^2 - 2x - 3 > 0$ を解いてください。
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
次の2次不等式を解け。
(1) $2x^2 - 7x + 3 < 0$
(2) $x^2 - 6x + 9 \leq 0$
(3) $x^2 + 4x + 5 > 0$
(1) $\dfrac{1}{2} < x < 3$
(2) $x = 3$
(3) すべての実数
(1) $2x^2 - 7x + 3 = (2x - 1)(x - 3) = 0$ より $x = \dfrac{1}{2}, 3$。 $a = 2 > 0$ で下に凸。$< 0$(内側)の解は $\dfrac{1}{2} < x < 3$。
(2) $x^2 - 6x + 9 = (x - 3)^2$。$D = 0$、重解 $x = 3$。 $(x-3)^2 \leq 0$ は $(x-3)^2 = 0$ のとき、つまり $x = 3$ のみ。
(3) $D = 16 - 20 = -4 < 0$。$a = 1 > 0$ なので放物線全体が $x$ 軸の上。 $> 0$ はすべての $x$ で成り立つ。答え:すべての実数。
連立不等式 $x^2 - 3x - 4 \leq 0$ かつ $x^2 - x - 2 > 0$ を解け。
$2 < x \leq 4$
方針:各不等式を解き、数直線上で共通部分をとる。
1つ目:$x^2 - 3x - 4 = (x - 4)(x + 1) \leq 0$ より $-1 \leq x \leq 4$。
2つ目:$x^2 - x - 2 = (x - 2)(x + 1) > 0$ より $x < -1$ または $x > 2$。
共通部分:$-1 \leq x \leq 4$ と($x < -1$ または $x > 2$)の共通部分。
$-1 \leq x \leq 4$ と $x < -1$ の共通部分は空($x \leq -1$ かつ $x \geq -1$ なので $x = -1$ だが、$x < -1$ は $x = -1$ を含まない)。
$-1 \leq x \leq 4$ と $x > 2$ の共通部分は $2 < x \leq 4$。
よって答えは $2 < x \leq 4$。
2次不等式 $x^2 + 2(k-1)x + k^2 > 0$ がすべての実数 $x$ で成り立つような 定数 $k$ の値の範囲を求めよ。
$k > \dfrac{1}{2}$
方針:$x^2$ の係数は $1 > 0$ で常に正。あとは $D < 0$ を求めればよい。
$$\frac{D}{4} = (k-1)^2 - k^2 = k^2 - 2k + 1 - k^2 = -2k + 1$$
$D < 0$ より $\dfrac{D}{4} < 0$、すなわち $-2k + 1 < 0$。
$-2k < -1$ より $k > \dfrac{1}{2}$。
検算:$k = 1$ のとき $x^2 + 2 \cdot 0 \cdot x + 1 = x^2 + 1 > 0$。✓
$k = 0$ のとき $x^2 - 2x + 0 = x(x - 2)$。$x = 0$ で $0$ となり $> 0$ は成り立たない。✓($k = 0$ は条件を満たさない)
2次不等式 $ax^2 + bx + 3 > 0$ の解が $-1 < x < 3$ であるとき、定数 $a, b$ の値を求めよ。
$a = -1$, $b = 2$
方針:解の形から $a$ の符号を判断し、$x$ 軸との交点から方程式の解を読み取る。
$ax^2 + bx + 3 > 0$ の解が $-1 < x < 3$(内側)です。 もし $a > 0$(下に凸)なら、$> 0$ の解は外側になるはず。 解が内側であるということは、$a < 0$(上に凸)です。
$ax^2 + bx + 3 = 0$ の解が $x = -1, 3$ です。
$ax^2 + bx + 3 = a(x + 1)(x - 3) = a(x^2 - 2x - 3) = ax^2 - 2ax - 3a$
定数項を比較:$-3a = 3$ より $a = -1$。
$x$ の係数を比較:$b = -2a = -2 \times (-1) = 2$。
検算:$-x^2 + 2x + 3 = -(x^2 - 2x - 3) = -(x+1)(x-3)$。 $-(x+1)(x-3) > 0$ は $(x+1)(x-3) < 0$ と同値で、解は $-1 < x < 3$。✓