2次方程式は、放物線と $x$ 軸の交点を求める問題です。
判別式 $D$ は「交点が何個あるか」を一瞬で見抜く道具。
解の公式、因数分解、判別式 ── すべてが1つの原理でつながります。
2-1で2次関数のグラフ、2-2で最大・最小を学びました。 この記事では、いよいよ2次方程式に踏み込みます。
そもそも「2次方程式を解く」とは何をしているのでしょうか? $ax^2 + bx + c = 0$ を解くとは、2次関数 $y = ax^2 + bx + c$ のグラフが $x$ 軸と交わる点の $x$ 座標を求めることにほかなりません。
$x$ 軸上では $y = 0$ です。だから「$y = 0$ となる $x$ の値を求めよ」 ── これが2次方程式の問題です。
2次方程式 $ax^2 + bx + c = 0$ を解くことは、 放物線 $y = ax^2 + bx + c$ と $x$ 軸($y = 0$)の交点の $x$ 座標を求めることと同じです。
この見方を持っておくと、方程式の問題をグラフで視覚化できます。 「解が2つある」「解がない」という状況が、放物線と $x$ 軸の位置関係として目に見えるのです。
逆に言えば、2次関数のグラフの性質を使って方程式の問題を解くこともできます。 方程式とグラフは、同じものの別の見方なのです。
この「方程式 = グラフの交点」という視点は、2次に限らず数学全体を貫く考え方です。 連立方程式は2つのグラフの交点、不等式はグラフの上下関係 ── すべてがつながります。
放物線が $x$ 軸と2点で交わることも、1点で接することも、まったく交わらないこともあります。 この「交わり方」を決めるのが、後で学ぶ判別式 $D$ です。
まずは、方程式を具体的に解く3つの方法を身につけましょう。
2次方程式 $ax^2 + bx + c = 0$($a \neq 0$)を解くには、3つの方法があります。 それぞれ得意な場面が異なるので、使い分けが重要です。
左辺が因数分解できれば、最も速く解けます。 $AB = 0$ ならば $A = 0$ または $B = 0$ という原理を使います。
たとえば、$x^2 - 5x + 6 = 0$ は $(x - 2)(x - 3) = 0$ と因数分解できるので、 $x = 2$ または $x = 3$。瞬時に解が出ます。
因数分解で方程式を解く原理は、実数の性質 「$AB = 0 \Leftrightarrow A = 0$ または $B = 0$」です。
2つの数の積が0になるのは、少なくとも一方が0のときだけ。 これは当たり前に見えますが、実数でなければ成り立たない場合もあります (例:行列では $AB = O$ でも $A \neq O$ かつ $B \neq O$ がありえます)。
因数分解の利点は計算が速いこと。 欠点はいつでも使えるわけではないことです。 因数分解できない場合は、次の方法に頼ります。
$x^2 = 3x$ を解くとき、両辺を $x$ で割って $x = 3$ としてしまう人がいます。
✕ 誤:$x^2 = 3x$ → 両辺を $x$ で割って $x = 3$
○ 正:$x^2 - 3x = 0$ → $x(x - 3) = 0$ → $x = 0$ または $x = 3$
$x$ で割ると、$x = 0$ という解を見落とします。 方程式では「両辺を $x$ で割る」のではなく「移項して因数分解」が鉄則です。 割る操作は「0で割る」可能性があるため危険なのです。
2-1, 2-2で学んだ平方完成は、方程式を解くためにも使えます。 $ax^2 + bx + c = 0$ を $a(x - p)^2 = q$ の形に変形すれば、 $(x - p)^2 = \dfrac{q}{a}$ から $x - p = \pm\sqrt{\dfrac{q}{a}}$ と求まります。
たとえば、$x^2 - 6x + 7 = 0$ を平方完成すると:
$$(x - 3)^2 - 9 + 7 = 0 \quad \Longrightarrow \quad (x - 3)^2 = 2 \quad \Longrightarrow \quad x = 3 \pm \sqrt{2}$$この方法は因数分解できない場合にも使えますが、毎回平方完成するのは手間がかかります。 そこで、平方完成を一般的にやった結果を公式にまとめたのが、次の解の公式です。
$ax^2 + bx + c = 0$($a \neq 0$)の解は
$$x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}$$特に、$b = 2b'$ のとき($b$ が偶数のとき)
$$x = \frac{-b' \pm \sqrt{b'^2 - ac}}{a}$$解の公式はすべての2次方程式に使える万能ツールです。 因数分解ができなくても確実に解が求まります。 ただし計算がやや複雑なので、因数分解できる場合は因数分解を優先するのが賢い選択です。
$ax^2 + bx + c = 0$($a \neq 0$)の両辺を $a$ で割ります。
$$x^2 + \frac{b}{a}x + \frac{c}{a} = 0$$
平方完成します。$x$ の係数 $\dfrac{b}{a}$ の半分 $\dfrac{b}{2a}$ の2乗を足して引きます。
$$\left(x + \frac{b}{2a}\right)^2 - \frac{b^2}{4a^2} + \frac{c}{a} = 0$$
整理すると:
$$\left(x + \frac{b}{2a}\right)^2 = \frac{b^2 - 4ac}{4a^2}$$
$b^2 - 4ac \geq 0$ のとき、両辺の平方根をとります。
$$x + \frac{b}{2a} = \pm \frac{\sqrt{b^2 - 4ac}}{2|a|}$$
$2|a| = 2a$($a > 0$)または $2|a| = -2a$($a < 0$)ですが、 $\pm$ がついているのでいずれの場合も:
$$x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}$$
これが解の公式です。平方完成を $a, b, c$ のまま行った結果にすぎません。
✕ 誤:$x = \dfrac{-b}{2a} \pm \sqrt{b^2 - 4ac}$($\sqrt{\ }$ を $2a$ で割り忘れ)
○ 正:$x = \dfrac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}$(分母の $2a$ は $-b$ と $\sqrt{\ }$ の両方にかかる)
公式を書くとき、分数線を $-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}$ 全体の下に引く習慣をつけましょう。 また、$a$ の符号に注意。$2a$ が分母なので $a < 0$ のとき $2a < 0$ です。 $\pm$ の意味と合わせて慎重に計算してください。
| 解法 | 使う場面 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 因数分解 | 左辺が因数分解できるとき | 最速で解ける | いつでも使えるわけではない |
| 平方完成 | 原理を理解したいとき | 仕組みが見える | 毎回計算が手間 |
| 解の公式 | 因数分解できないとき | 万能。確実に解ける | 計算がやや複雑 |
実戦ではまず因数分解を試み、できなければ解の公式を使うのが効率的です。 平方完成は解の公式の「中身」なので、原理の理解として重要ですが、 実際の計算では解の公式に任せれば十分です。
2次方程式の解の公式は、$a, b, c$ の四則演算と平方根だけで解を表現しています。 では3次・4次はどうでしょうか?
実は、3次方程式にはカルダノの公式(16世紀)、 4次方程式にはフェラーリの公式が存在します。 しかし5次以上の方程式には、一般的な「解の公式」が存在しないことが アーベルとガロアによって19世紀に証明されました。
これは「まだ見つかっていない」のではなく、 「四則演算と根号だけでは原理的に書けない」という深い定理です。 この問題を解決する過程で生まれたのが群論(ガロア理論)であり、 現代数学の基礎となっています。
解の公式 $x = \dfrac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}$ をよく見てください。 解が実数として存在するかどうかは、ルートの中身 $b^2 - 4ac$ の符号で決まります。
ルートの中身が正なら2つの実数解、0なら重解(1つ)、負なら実数解なし。 この「ルートの中身」に名前をつけたのが判別式です。
2次方程式 $ax^2 + bx + c = 0$ に対して
$$D = b^2 - 4ac$$を判別式(discriminant)と呼ぶ。
・$D > 0$ :異なる2つの実数解をもつ
・$D = 0$ :ただ1つの実数解(重解)をもつ
・$D < 0$ :実数解をもたない
放物線 $y = ax^2 + bx + c$ を平方完成すると:
$$y = a\left(x + \frac{b}{2a}\right)^2 - \frac{b^2 - 4ac}{4a}$$
頂点の $y$ 座標は $-\dfrac{b^2 - 4ac}{4a} = -\dfrac{D}{4a}$ です。
$a > 0$(下に凸)のとき、放物線が $x$ 軸と交わるかどうかは、 頂点が $x$ 軸より下にあるか($-\dfrac{D}{4a} < 0$、すなわち $D > 0$)で決まります。
つまり、判別式 $D$ の符号を調べることは、 頂点が $x$ 軸のどちら側にあるかを調べることと同じなのです。 「公式を暗記する」のではなく、「放物線の頂点の位置で考える」と本質が見えます。
$a > 0$(下に凸)の場合で考えます。
$D > 0$ のとき:頂点が $x$ 軸より下にある。 放物線は $x$ 軸を突き抜けるので、異なる2点で交わる。 → 異なる2つの実数解。
$D = 0$ のとき:頂点がちょうど $x$ 軸上にある。 放物線は $x$ 軸に接する(1点で接する)。 → 重解(2つの解が一致)。
$D < 0$ のとき:頂点が $x$ 軸より上にある。 放物線全体が $x$ 軸より上にあるので、交わらない。 → 実数解なし。
$a < 0$(上に凸)のとき、$D > 0$ は「頂点が $x$ 軸より上にある」ことを意味します ($-\dfrac{D}{4a}$ で $a < 0$ なので符号が反転)。
✕ 誤:$a < 0$ のとき $D > 0$ だから「頂点が $x$ 軸より下」→ 解なし
○ 正:$D > 0$ なら $a$ の符号に関係なく常に異なる2つの実数解。 グラフの向きが変わっても、$D$ の符号と解の個数の対応は変わりません。
判別式の結論($D > 0$ → 2解、$D = 0$ → 重解、$D < 0$ → 解なし)は $a$ の正負に依存しないことを覚えておきましょう。
解の公式 $x = \dfrac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}$ で、解が実数であるための条件は ルートの中身が0以上であること、すなわち $b^2 - 4ac \geq 0$ です。
$b^2 - 4ac > 0$ のとき、$\pm$ により2つの異なる値が得られます。
$b^2 - 4ac = 0$ のとき、$\pm\sqrt{0} = 0$ なので $x = -\dfrac{b}{2a}$ の1つだけ(重解)。
$b^2 - 4ac < 0$ のとき、負の数の平方根は実数の範囲で存在しないので、実数解なし。
このように、$D = b^2 - 4ac$ は解の公式のルートの中身そのものであり、 解の存在を「判別」する量だから判別式と呼ばれます。
$b$ が偶数のとき、$b = 2b'$ とおくと $D = (2b')^2 - 4ac = 4(b'^2 - ac)$ なので、 $D/4 = b'^2 - ac$ で符号を判定できます。
たとえば $2x^2 + 6x + 3 = 0$ なら、$b = 6 = 2 \times 3$ なので $b' = 3$。 $D/4 = 3^2 - 2 \times 3 = 9 - 6 = 3 > 0$ → 異なる2つの実数解。 解は $x = \dfrac{-3 \pm \sqrt{3}}{2}$。
✕ 誤:$x^2 + 3x + 1 = 0$ で $b' = 3/2$ として $D/4 = (3/2)^2 - 1 = 5/4$
この計算自体は間違いではありませんが、$b' = 3/2$ は分数になり計算が楽になりません。
○ 正:$b$ が奇数のときは素直に $D = b^2 - 4ac = 9 - 4 = 5$ を計算する。 $D/4$ は「$b$ が偶数で計算が楽になるとき」に使うテクニックです。
$D < 0$ のとき「実数解がない」と言いましたが、数学IIで学ぶ虚数を導入すると話が変わります。 虚数単位 $i$($i^2 = -1$)を使えば、$\sqrt{-1} = i$ と定義でき、 $D < 0$ でも解の公式はそのまま使えます。
たとえば $x^2 + 1 = 0$ は $D = -4 < 0$ で実数解はありませんが、 $x = \pm i$ という虚数解(複素数解)を持ちます。
実は、複素数の範囲では「$n$ 次方程式は必ず $n$ 個の解を持つ」という 代数学の基本定理が成り立ちます。 2次方程式は複素数の範囲では必ず2つの解を持つのです。 $D < 0$ は「解がない」のではなく「実数の世界では見えない」だけなのです。
2次方程式 $ax^2 + bx + c = 0$ の2つの解を $\alpha, \beta$ とします。 解の公式を使えば $\alpha, \beta$ を具体的に求められますが、 実は解を具体的に求めなくても、解の「和」と「積」がわかるという驚くべき関係があります。
2次方程式 $ax^2 + bx + c = 0$ の2つの解を $\alpha, \beta$ とすると
$$\alpha + \beta = -\frac{b}{a}, \qquad \alpha\beta = \frac{c}{a}$$解の公式より、2つの解は $\alpha = \dfrac{-b + \sqrt{D}}{2a}$、$\beta = \dfrac{-b - \sqrt{D}}{2a}$($D = b^2 - 4ac$)。
和:
$$\alpha + \beta = \frac{-b + \sqrt{D}}{2a} + \frac{-b - \sqrt{D}}{2a} = \frac{-2b}{2a} = -\frac{b}{a}$$
$\sqrt{D}$ の部分が打ち消し合って消えます。
積:
$$\alpha\beta = \frac{(-b + \sqrt{D})(-b - \sqrt{D})}{(2a)^2} = \frac{b^2 - D}{4a^2} = \frac{b^2 - (b^2 - 4ac)}{4a^2} = \frac{4ac}{4a^2} = \frac{c}{a}$$
分子は和と差の積 $(A+B)(A-B) = A^2 - B^2$ を使っています。 $D$ を代入すると $b^2$ が消えて $4ac$ だけが残り、結果は美しく $c/a$ になります。
$ax^2 + bx + c = 0$ の2つの解が $\alpha, \beta$ であるとき、 左辺は $a(x - \alpha)(x - \beta)$ と因数分解できます。
これを展開すると $a(x^2 - (\alpha + \beta)x + \alpha\beta) = ax^2 - a(\alpha + \beta)x + a\alpha\beta$。
もとの式と係数を比較すると:$b = -a(\alpha + \beta)$、$c = a\alpha\beta$。 整理すれば $\alpha + \beta = -b/a$、$\alpha\beta = c/a$ が得られます。
つまり解と係数の関係は、「方程式の解がわかれば因数分解できる」 という当たり前の事実を、係数の言葉で書き直したものです。
解と係数の関係の真価は、$\alpha, \beta$ を個別に求めなくても、 $\alpha + \beta$ と $\alpha\beta$ だけで多くの量が計算できることにあります。
対称式とは、$\alpha$ と $\beta$ を入れ替えても値が変わらない式のことです。 対称式は必ず $\alpha + \beta$ と $\alpha\beta$ で表せるという重要な性質があります。
よく使う変換公式を覚えておきましょう。
✕ 誤:$\alpha^2 + \beta^2 = (\alpha + \beta)^2$
○ 正:$\alpha^2 + \beta^2 = (\alpha + \beta)^2 - 2\alpha\beta$
$(\alpha + \beta)^2 = \alpha^2 + 2\alpha\beta + \beta^2$ なので、 $\alpha^2 + \beta^2$ を求めるには $2\alpha\beta$ を引く必要があります。
「2乗の和 $\neq$ 和の2乗」── これは対称式の計算で最も多い間違いです。 展開公式に立ち返って確認する癖をつけましょう。
$2x^2 - 5x + 1 = 0$ の2つの解を $\alpha, \beta$ とするとき、 $\alpha^2 + \beta^2$ の値を求めてみましょう。
解と係数の関係より:$\alpha + \beta = \dfrac{5}{2}$、$\alpha\beta = \dfrac{1}{2}$
よって:$\alpha^2 + \beta^2 = (\alpha + \beta)^2 - 2\alpha\beta = \left(\dfrac{5}{2}\right)^2 - 2 \cdot \dfrac{1}{2} = \dfrac{25}{4} - 1 = \dfrac{21}{4}$
解の公式で $\alpha, \beta$ を具体的に求めてから2乗して足すよりも、はるかに簡潔です。
2つの数 $\alpha, \beta$ は、その和 $s = \alpha + \beta$ と積 $p = \alpha\beta$ が決まれば確定します。 なぜなら、$\alpha, \beta$ は $t^2 - st + p = 0$ の2つの解だからです。
これは「2次方程式の解と係数の関係」を逆に使った見方です。 2数を個別に求めなくても、和と積さえわかれば対称的な量はすべて計算できる ── これが解と係数の関係の真のパワーです。
「対称式は基本対称式(和と積)で表せる」という事実は、大学数学では 対称多項式の基本定理として厳密に証明されます。
$n$ 変数の場合、$n$ 個の基本対称式($e_1, e_2, \ldots, e_n$)があり、 すべての対称多項式はこれらの多項式で表現できます。 2変数の場合は $e_1 = \alpha + \beta$、$e_2 = \alpha\beta$ の2つで十分というわけです。
また、$\alpha^k + \beta^k$(べき乗和)を $e_1, e_2$ で表す公式は ニュートンの恒等式と呼ばれ、$k$ が大きくなっても再帰的に計算できます。 高校で扱う $\alpha^2 + \beta^2$ や $\alpha^3 + \beta^3$ はその特殊な場合です。
ここまで2次方程式と判別式を学んできました。 最後に、この内容が第2章全体の中でどう位置づけられるかを俯瞰しましょう。
2次関数の4つの記事(2-1 ~ 2-4)は、実はすべて同じ放物線を異なる角度から見ているのです。
| 記事 | 問いかけ | 数学的操作 |
|---|---|---|
| 2-1 グラフ | 放物線はどんな形? | 平方完成 → 頂点・軸を読み取る |
| 2-2 最大・最小 | $y$ の値はどこまで大きく/小さくなる? | 頂点と端点の比較、場合分け |
| 2-3 方程式(この記事) | $y = 0$ となる $x$ は? | 因数分解・解の公式・判別式 |
| 2-4 不等式 | $y > 0$(または $y < 0$)となる $x$ の範囲は? | グラフの上下関係を読み取る |
方程式($y = 0$)はグラフの「$x$ 軸との交点」、 不等式($y > 0$)はグラフの「$x$ 軸より上の部分」に対応します。 判別式 $D$ は方程式だけでなく不等式の場合分けにも直結します。 4つの記事は互いに密接に結びついた1つの物語なのです。
Q1. 2次方程式 $x^2 - 7x + 12 = 0$ を因数分解で解いてください。
Q2. $2x^2 + 3x - 1 = 0$ の解を解の公式で求めてください。
Q3. $x^2 - 4x + 4 = 0$ の判別式 $D$ を求め、解の個数を答えてください。
Q4. 判別式 $D$ は放物線のどの量と本質的に同じですか?
Q5. $3x^2 + 2x - 5 = 0$ の2つの解 $\alpha, \beta$ に対して、$\alpha + \beta$ と $\alpha\beta$ を求めてください。
この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。
次の2次方程式の実数解の個数を判別式を用いて求めよ。
(1) $x^2 - 5x + 3 = 0$
(2) $4x^2 - 12x + 9 = 0$
(3) $2x^2 + x + 1 = 0$
(1) 異なる2つの実数解 (2) 重解(1つ) (3) 実数解なし
方針:各方程式の判別式 $D = b^2 - 4ac$ を計算し、符号を調べる。
(1) $a = 1, b = -5, c = 3$。$D = 25 - 12 = 13 > 0$ → 異なる2つの実数解。
(2) $a = 4, b = -12, c = 9$。$D = 144 - 144 = 0$ → 重解。 実際 $(2x - 3)^2 = 0$ より $x = 3/2$(重解)。
(3) $a = 2, b = 1, c = 1$。$D = 1 - 8 = -7 < 0$ → 実数解なし。
2次方程式 $x^2 - 3x + 1 = 0$ の2つの解を $\alpha, \beta$ とするとき、次の値を求めよ。
(1) $\alpha^2 + \beta^2$
(2) $\dfrac{1}{\alpha} + \dfrac{1}{\beta}$
(1) $7$ (2) $3$
方針:解と係数の関係で $\alpha + \beta$、$\alpha\beta$ を求め、対称式の変換公式を使う。
解と係数の関係より:$\alpha + \beta = 3$、$\alpha\beta = 1$
(1) $\alpha^2 + \beta^2 = (\alpha + \beta)^2 - 2\alpha\beta = 9 - 2 = 7$
(2) $\dfrac{1}{\alpha} + \dfrac{1}{\beta} = \dfrac{\alpha + \beta}{\alpha\beta} = \dfrac{3}{1} = 3$
※ 解を具体的に求めなくても、和と積だけで計算できるのがポイント。
2次方程式 $x^2 + 2kx + k + 2 = 0$ が異なる2つの実数解をもつような定数 $k$ の値の範囲を求めよ。
$k < -1$ または $k > 2$
方針:異なる2つの実数解をもつ条件は $D > 0$。$D$ を $k$ で表して不等式を解く。
$a = 1, b = 2k, c = k + 2$ より
$$D/4 = k^2 - (k + 2) = k^2 - k - 2$$
($b = 2k$ なので $b' = k$ として $D/4 = b'^2 - ac = k^2 - 1 \cdot (k+2)$ を利用)
$D > 0$ より $D/4 > 0$、すなわち $k^2 - k - 2 > 0$。
$(k - 2)(k + 1) > 0$ を解くと $k < -1$ または $k > 2$。
※ $D/4$ の符号と $D$ の符号は一致する($D = 4 \cdot D/4$)ので、$D/4 > 0$ で判定してよい。
2次方程式 $2x^2 - 3x - 1 = 0$ の2つの解を $\alpha, \beta$ とするとき、 $\alpha^2 + \beta^2$ および $\alpha^3 + \beta^3$ の値を求めよ。
$\alpha^2 + \beta^2 = \dfrac{13}{4}$、$\alpha^3 + \beta^3 = \dfrac{45}{8}$
方針:解と係数の関係で和と積を求め、対称式の変換公式を適用する。
解と係数の関係より:$\alpha + \beta = \dfrac{3}{2}$、$\alpha\beta = -\dfrac{1}{2}$
$\alpha^2 + \beta^2$:
$\alpha^2 + \beta^2 = (\alpha + \beta)^2 - 2\alpha\beta = \dfrac{9}{4} - 2 \cdot \left(-\dfrac{1}{2}\right) = \dfrac{9}{4} + 1 = \dfrac{13}{4}$
$\alpha^3 + \beta^3$:
$\alpha^3 + \beta^3 = (\alpha + \beta)^3 - 3\alpha\beta(\alpha + \beta)$
$= \left(\dfrac{3}{2}\right)^3 - 3 \cdot \left(-\dfrac{1}{2}\right) \cdot \dfrac{3}{2} = \dfrac{27}{8} + \dfrac{9}{4} = \dfrac{27}{8} + \dfrac{18}{8} = \dfrac{45}{8}$
※ $\alpha^3 + \beta^3$ の公式は $(\alpha + \beta)(\alpha^2 - \alpha\beta + \beta^2)$ でもよい。 その場合、$\alpha^2 - \alpha\beta + \beta^2 = (\alpha^2 + \beta^2) - \alpha\beta = \dfrac{13}{4} + \dfrac{1}{2} = \dfrac{15}{4}$ として $\dfrac{3}{2} \cdot \dfrac{15}{4} = \dfrac{45}{8}$。