第2章 2次関数

2次関数のグラフ
─ 放物線の正体を見抜く

ボールを投げたとき、噴水の水が描くカーブ、そしてパラボラアンテナの形──
これらに共通するのが「放物線」です。
この記事では、2次関数のグラフを「読む」ために必要なすべてを、原理から解説します。

12次関数とは何か ─ 「2乗」が曲線を生む理由

中学で学んだ1次関数 $y = ax + b$ のグラフは「直線」でした。 では、$x$ に「2乗」がつくと、なぜグラフは曲線になるのでしょうか?

2次関数とは、$y = ax^2 + bx + c$($a \neq 0$)の形で表される関数です。 $x$ の最高次数が2なので「2次」と呼びます。 そのグラフは直線ではなく、放物線(パラボラ)と呼ばれる滑らかな曲線になります。

💡 ここが本質:なぜ2乗で曲線になるのか

1次関数 $y = 2x$ では、$x$ が1増えると $y$ は常に2増えます。増え方が一定だから直線です。

2次関数 $y = x^2$ では、$x$ が0→1で $y$ は0→1(+1)、$x$ が1→2で $y$ は1→4(+3)、$x$ が2→3で $y$ は4→9(+5)。 $y$ の増え方自体が変わっていきます。「変化が変化する」── これが曲線の正体です。

たとえば、地面からボールを真上に投げたとき、 「時間」を $x$ 軸、「高さ」を $y$ 軸にとると、ボールの軌跡は放物線を描きます。 ボールは最初は速く上がり、やがて減速し、頂点で一瞬止まり、そして落ちてくる。 この「速さが変わる運動」を表現できるのが2次関数です。

🔬 深掘り:「変化の変化」は微分の世界

「$y$ の増え方自体が変わる」──これは数学IIで学ぶ微分の考え方そのものです。 1次関数の微分は定数($y' = a$)、2次関数の微分は1次関数($y' = 2ax + b$)。 「微分すると次数が1つ下がる」ことが、変化の変化を定量化するという意味を持ちます。

2$y = ax^2$ のグラフ ─ 係数 $a$ が決める「形」と「向き」

まずは最もシンプルな2次関数 $y = ax^2$ から見ていきましょう。 $b = 0$、$c = 0$ の「骨格だけ」の形です。

$y = x^2$ のグラフから読み取れること

$y = x^2$ にいくつかの $x$ を代入してみます。

$x$$-3$$-2$$-1$$0$$1$$2$$3$
$y = x^2$$9$$4$$1$$0$$1$$4$$9$

表を見ると、$x = -2$ と $x = 2$ で $y$ の値が同じです。 これは $(-2)^2 = 2^2 = 4$ だから。 つまり $y = x^2$ のグラフは $y$ 軸について左右対称 です。

💡 ここが本質:「対称」は偶数乗から生まれる

$y = x^2$ が左右対称になるのは、$(-x)^2 = x^2$ が常に成り立つからです。 つまり、$x$ と $-x$ を代入したときに同じ $y$ が出る。 2乗は「符号の情報を消す」演算だから、正と負で同じ結果になるのです。

この性質を持つ関数を数学では偶関数と呼びます($f(-x) = f(x)$)。 対して $y = x^3$ は $f(-x) = -f(x)$ で奇関数(原点対称)。 偶数乗は軸対称、奇数乗は点対称──これは $x^n$ の性質の基本です。

この対称軸を放物線の、 グラフの最も低い点(ここでは原点 $(0, 0)$)を頂点と呼びます。

係数 $a$ は何を決めるのか

$y = ax^2$ の係数 $a$ は、放物線の「向き」と「開き具合」を決めます。

条件グラフの形理由
$a > 0$(正)下に凸(∪型)。頂点が最小値$x^2 \geq 0$ なので $ax^2 \geq 0$。$y$ は頂点より下にならない
$a < 0$(負)上に凸(∩型)。頂点が最大値$ax^2 \leq 0$ なので $y$ は頂点より上にならない
$|a|$ が大きい放物線が狭い(急峻)同じ $x$ の変化に対して $y$ の変化が大きい
$|a|$ が小さい放物線が広い(なだらか)同じ $x$ の変化に対して $y$ の変化が小さい
⚠️ 落とし穴:「$|a|$ が大きいと広い」は逆

直感的に「係数が大きい = グラフも大きい = 広い」と思いがちですが、です。

$y = 10x^2$ は $x = 1$ で $y = 10$。$y = 0.1x^2$ は $x = 1$ で $y = 0.1$。 同じ $x$ に対して $y$ が大きいということは、グラフが急に立ち上がるということ。 だから $|a|$ が大きい → 急峻 → 狭い が正解です。

📐 $y = ax^2$ の基本性質

・頂点:原点 $(0, 0)$
・軸:$y$ 軸(直線 $x = 0$)
・$a > 0$ のとき下に凸、$a < 0$ のとき上に凸

🔬 深掘り:放物線はすべて「相似」

$y = x^2$ と $y = 2x^2$ と $y = 100x^2$──開き具合が違って見えますが、 実はすべての放物線は拡大・縮小すると完全に重なります。 すべての放物線は互いに相似です。

これは円がすべて相似であるのと同じです。 楕円には「つぶれ具合(離心率)」という個性がありますが、放物線にはそれがありません。 大学の幾何学では、放物線は「離心率 $e = 1$ の円錐曲線」として位置づけられます。 パラボラアンテナが放物線を使うのは、この「形が1種類しかない」性質と、 焦点に光を集める反射特性のおかげです。

3平行移動 ─ なぜ「$x - p$」で右に動くのか

$y = ax^2$ の放物線は原点が頂点でした。 でも、頂点が原点にない放物線はどう表すのでしょう? ここで登場するのが平行移動です。

平行移動のルールを先に書くと、$y = x^2$ を $x$ 軸方向に $p$、$y$ 軸方向に $q$ 移動すると

$$y = (x - p)^2 + q$$

になります。 ここで多くの人がつまづくのが「なぜ $+p$ に動かすのに $-p$ が出てくるのか」。 これを原理から説明します。

💡 ここが本質:グラフの移動 = 点の移動

座標平面上のすべての図形は、条件を満たす「点の集合」です。 だから、グラフを移動するとは、グラフ上の点を1つずつ移動させることにほかなりません。

$y = x^2$ 上の点 $(t, t^2)$ を右に $p$、上に $q$ 移動すると、点 $(t + p, t^2 + q)$ になります。 この移動後の点を $(X, Y)$ とすると、$X = t + p$、$Y = t^2 + q$。

ここから $t = X - p$ を $Y = t^2 + q$ に代入すると、$Y = (X - p)^2 + q$。

「$x - p$」が出てくるのは、移動後の座標 $X$ から元の座標 $t$ を逆算しているからです。 「$x$ の代わりに $x - p$ を代入する」のではなく、「移動前の点に戻すために $p$ を引いている」のです。

この原理がわかると、$y$ 軸方向の移動で「$+q$」になる理由も自然です。 $Y = t^2 + q$ をそのまま $Y = (X - p)^2 + q$ と書いただけ。 $y$ 方向は結果に直接足すだけなので、符号はそのまま。 $x$ 方向は「入力を逆算する」から符号が逆になる。

⚠️ 落とし穴:$(x + 3)^2$ は「右に3」ではない

✕ 誤:$y = (x + 3)^2$ → 「$x$ 軸方向に $+3$(右に3)移動」

○ 正:$(x + 3) = (x - (-3))$ なので、$p = -3$。つまり左に3移動

確認法:「頂点の $x$ 座標は $p$ の値」なので、$x = -3$ のとき $y = 0$。 頂点は $(-3, 0)$──確かに左にあります。

⚠️ 落とし穴:「公式の符号を覚える」のは危険

「$x$ 方向は逆符号、$y$ 方向はそのまま」と丸暗記する生徒は多いですが、 これだと少しひねった問題で混乱します。

原理(点の集合 → 逆算)を理解していれば、符号は毎回自分で導けます。 暗記する必要がないどころか、暗記に頼ると間違えます。

📐 2次関数の標準形
$$y = a(x - p)^2 + q$$
・頂点:$(p, \, q)$  ・軸:直線 $x = p$
・$a > 0$ → 下に凸、$a < 0$ → 上に凸
・$a$、開き具合(形)は平行移動しても変わらない

対称移動も同じ原理

実は対称移動も同じ「点の集合」の考え方で統一的に理解できます。

移動の種類点 $(x, y)$ の行き先式の置き換え
$x$ 軸対称$(x, -y)$$y \to -y$
$y$ 軸対称$(-x, y)$$x \to -x$
原点対称$(-x, -y)$$x \to -x$, $y \to -y$

平行移動も対称移動も、「移動後の点が元の関数を満たす条件」として式を書き換える、 これ1つの原理で全部説明できます。

🔬 深掘り:「逆にする」の本当の意味 ── 逆写像

平行移動で「$x - p$ を代入する」のは、大学数学の言葉では逆写像を考えていることに相当します。 移動を写像 $T: (x, y) \mapsto (x + p, y + q)$ と捉えると、 移動後のグラフの方程式は「$T^{-1}$(逆写像)で元に戻した点が元の方程式を満たす」こと。 $T^{-1}: (X, Y) \mapsto (X - p, Y - q)$。だから $X - p$ と $Y - q$ を代入するのです。

この考え方は回転移動やアフィン変換にもそのまま使えます。 高校範囲では平行移動と対称移動だけですが、原理を理解しておけば、 どんな変換が出てきても同じ方法で対処できます。

4平方完成 ─ 一般形を「読める形」に変換する

実際の問題では、2次関数は $y = 2x^2 - 8x + 3$ のような一般形(展開された形)で与えられます。 この形では頂点も軸も見えません。

そこで必要になるのが、一般形を標準形に変換する平方完成という技術です。

💡 ここが本質:なぜ平方完成が必要なのか

頂点を知りたい = $y$ が最小(または最大)になる $x$ を知りたい。

$y = a(x - p)^2 + q$ の形なら、$(x - p)^2 \geq 0$ という性質から、 $a > 0$ のとき $x = p$ で $y$ は最小値 $q$ をとることが一目でわかります。

平方完成とは、「$(何か)^2 \geq 0$」を利用できる形に式を整えることです。 手順を覚えるのではなく、「なぜこの変形をするのか」を意識してください。

平方完成の手順 ── 具体例で追いかける

$y = 2x^2 - 8x + 3$ を標準形に変形してみましょう。

▷ 平方完成のステップ

Step 1:$x^2$ の係数でくくる

$$y = 2(x^2 - 4x) + 3$$

なぜくくるか? $(x - p)^2$ の $x^2$ の係数は1だから、まず1にしておく必要があるのです。

Step 2:カッコ内を完全平方式にする

$x^2 - 4x$ を $(x - ●)^2$ の形にしたい。$(x - 2)^2 = x^2 - 4x + 4$ だから、

$$x^2 - 4x = (x - 2)^2 - 4$$

「$-4$ の半分の $-2$ を2乗して $+4$ を足す。足した分を引く」── これが平方完成の核心です。

Step 3:代入して整理する

$$y = 2\{(x-2)^2 - 4\} + 3 = 2(x-2)^2 - 8 + 3 = 2(x - 2)^2 - 5$$

これで標準形が得られました。頂点 $(2, -5)$、軸は $x = 2$。

⚠️ 落とし穴:くくった係数を忘れる

✕ 誤:$y = 2(x^2 - 4x) + 3 = 2(x-2)^2 + 3$

○ 正:$y = 2\{(x-2)^2 \color{red}{- 4}\} + 3 = 2(x-2)^2 \color{red}{- 8} + 3$

$(x-2)^2 = x^2 - 4x + 4$ なので、$x^2 - 4x = (x-2)^2 - 4$ です。 この「$-4$」を書き忘れると、頂点の $y$ 座標が間違います。 必ず「足して引く」をセットで行ってください。

⚠️ 落とし穴:$a$ が負のときの展開ミス

$y = -x^2 + 6x - 4$ の平方完成でよくある間違い:

✕ 誤:$y = -(x^2 - 6x + 9) - 4 = -(x-3)^2 - 4$

○ 正:$y = -(x^2 - 6x) - 4 = -\{(x-3)^2 - 9\} - 4 = -(x-3)^2 + 9 - 4 = -(x-3)^2 + 5$

マイナスでくくった後、カッコ内の「$-9$」にもマイナスがかかるので $+9$ になります。 $a < 0$ のときは符号のミスが起きやすいので、展開して検算する習慣をつけましょう。

一般形の頂点公式 ── 覚える必要はない

一般形 $y = ax^2 + bx + c$ に対して平方完成すると、以下の結果が得られます。

📐 一般形 → 標準形の変換

$y = ax^2 + bx + c$ のグラフは:

・頂点:$\left(-\dfrac{b}{2a},\; -\dfrac{b^2 - 4ac}{4a}\right)$
・軸:直線 $x = -\dfrac{b}{2a}$

※ この公式を丸暗記する必要はありません。平方完成の手順を身につければ、毎回導けます。 「$x$ の1次の係数の半分」── これだけ覚えておけば十分です。

2次関数の3つの表現形式

ここで、2次関数の3つの「書き方」を整理しておきましょう。 問題の条件に応じて、どの形を使うかを判断することが重要です。

名前読み取れること使う場面
一般形$y = ax^2 + bx + c$$y$ 切片 $c$展開された式が与えられたとき
標準形$y = a(x - p)^2 + q$頂点 $(p, q)$、軸 $x = p$頂点や軸の情報があるとき
分解形$y = a(x - \alpha)(x - \beta)$$x$ 切片 $\alpha, \beta$$x$ 軸との交点が与えられたとき
⚠️ 落とし穴:条件に合わない形で立式する

「頂点が $(1, 3)$ で点 $(0, 5)$ を通る2次関数を求めよ」── この問題で $y = ax^2 + bx + c$ とおくと、 未知数が3つ($a, b, c$)で条件が2つ。足りません。

標準形 $y = a(x - 1)^2 + 3$ とおけば、未知数は $a$ だけ。$(0, 5)$ を代入して一発です。

条件を見て、最も少ない未知数で表せる形を選ぶのが鉄則です。

🔬 深掘り:平方完成と「解の公式」は同じ操作

中学で学んだ2次方程式の解の公式 $x = \dfrac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}$ は、 $ax^2 + bx + c = 0$ を平方完成して $x$ について解いたものです。 つまり、解の公式は平方完成の「自動化」にすぎません。

さらに、$D = b^2 - 4ac$(判別式)は頂点の $y$ 座標 $-\dfrac{D}{4a}$ と直結しています。 $D > 0$ → 頂点が $x$ 軸を越える → 2つの実数解。 $D = 0$ → 頂点が $x$ 軸上 → 重解。 $D < 0$ → 頂点が $x$ 軸に届かない → 実数解なし。 平方完成は「代数」と「グラフ」をつなぐ架け橋なのです。

5この章を俯瞰する ─ 2次関数の全体像

ここまで、2次関数のグラフの描き方を学んできました。 基本形 $y = ax^2$ → 標準形 $y = a(x-p)^2 + q$(平行移動)→ 一般形 $y = ax^2 + bx + c$(平方完成で逆変換)。 最後に、この知識が今後どこで活きてくるのかを見渡しましょう。

「グラフ × 方程式 × 不等式」── 三位一体の関係

次の記事で学びますが、2次関数のグラフ・2次方程式・2次不等式は同じものの3つの見方です。 放物線と $x$ 軸の交点は2次方程式の解であり、 放物線が $x$ 軸より上の範囲は2次不等式の解です。 グラフを描ける力が、方程式・不等式を「目で見て解く」力に直結します。

他の章とのつながりマップ

  • → 2-2 最大・最小:平方完成で頂点を求め、定義域との関係で場合分け。この記事の内容がそのまま土台になる。
  • → 2-3 2次方程式:判別式 $D = b^2 - 4ac$ は、平方完成で導いた頂点の $y$ 座標と表裏一体。グラフの $x$ 切片 = 方程式の解。
  • → 2-4 2次不等式:「$ax^2 + bx + c > 0$ の解」=「放物線が $x$ 軸より上にある $x$ の範囲」。グラフが描ければ不等式は見える。
  • → 第4章 図形と計量:$\sin\theta$, $\cos\theta$ を変数として2次関数に代入する融合問題が頻出。平方完成が必須。
  • → 数学II 微分:$y' = 0$ で頂点を求めるのは、平方完成の「解析版」。2つのアプローチが同じ答えに至る。

📋まとめ

  • 2次関数 $y = ax^2 + bx + c$($a \neq 0$)のグラフは放物線。2乗が「変化の変化」を生み、曲線になる
  • $y = ax^2$:頂点は原点、軸は $y$ 軸。$a > 0$ → 下に凸、$a < 0$ → 上に凸。$|a|$ が大きいほど狭い
  • 平行移動の原理:グラフ = 点の集合。移動後の点から元の座標を逆算するから「$x - p$」になる
  • 標準形 $y = a(x - p)^2 + q$:頂点 $(p, q)$、軸 $x = p$
  • 平方完成:一般形 → 標準形の変換。$a$ でくくる → 半分の2乗を足して引く → 整理
  • 3つの表現形式:一般形($y$ 切片)・標準形(頂点)・分解形($x$ 切片)── 条件に応じて使い分ける
  • 平方完成は解の公式・判別式の基盤であり、2次関数の全分野の出発点

確認テスト

Q1. 1次関数のグラフが直線で、2次関数のグラフが曲線になる理由を、「変化」という言葉を使って説明してください。

▶ クリックして解答を表示1次関数は $y$ の変化が一定(変化が変わらない)だから直線。2次関数は $y$ の変化量自体が変化する(変化が変化する)から曲線になる。

Q2. $y = (x + 5)^2 - 3$ の頂点と軸を答えてください。

▶ クリックして解答を表示$(x + 5) = (x - (-5))$ なので $p = -5$, $q = -3$。頂点は $(-5, -3)$、軸は直線 $x = -5$。

Q3. 平行移動で「$x$ 軸方向に $+p$ 動かすのに式では $x - p$ になる」理由を、一言で言うと?

▶ クリックして解答を表示移動後の座標から移動前の座標を逆算しているから($p$ を引いて元に戻している)。

Q4. $y = 3x^2 + 12x + 7$ を平方完成してください。

▶ クリックして解答を表示$y = 3(x^2 + 4x) + 7 = 3\{(x + 2)^2 - 4\} + 7 = 3(x+2)^2 - 12 + 7 = 3(x + 2)^2 - 5$。頂点は $(-2, -5)$。

Q5. 「頂点が $(3, -1)$ を通り、点 $(5, 7)$ を通る」2次関数を求めるとき、一般形・標準形・分解形のどれでおくべきですか? 理由も答えてください。

▶ クリックして解答を表示標準形 $y = a(x - 3)^2 - 1$。頂点の情報が直接使えるので未知数が $a$ の1つだけになる。一般形でおくと未知数が3つで条件が足りない。

8入試問題演習

この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。

A 基礎レベル

2-1-1 A 基礎 平方完成

次の2次関数のグラフの頂点と軸を求めよ。

(1) $y = x^2 - 6x + 5$

(2) $y = -2x^2 + 12x - 13$

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(1) $y = (x - 3)^2 - 4$。頂点 $(3, -4)$、軸 $x = 3$

(2) $y = -2(x - 3)^2 + 5$。頂点 $(3, 5)$、軸 $x = 3$

解説

方針:平方完成して標準形に変形する。

(1) $y = (x^2 - 6x) + 5 = (x^2 - 6x + 9 - 9) + 5 = (x - 3)^2 - 4$

(2) $y = -2(x^2 - 6x) - 13 = -2\{(x-3)^2 - 9\} - 13 = -2(x-3)^2 + 18 - 13 = -2(x-3)^2 + 5$

⚠️ (2)は $a = -2$ でくくったあと、$-9$ にも $-2$ がかかることに注意。$-2 \times (-9) = +18$。

B 標準レベル

2-1-2 B 標準 平行移動 論述

放物線 $C_1: y = 2x^2 + 4x - 1$ を $x$ 軸方向に $3$、$y$ 軸方向に $-2$ だけ平行移動した放物線 $C_2$ の方程式を求めよ。

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解答

$y = 2(x - 2)^2 - 5$ (一般形:$y = 2x^2 - 8x + 3$)

解説

方針:まず $C_1$ を平方完成して頂点を求め、頂点を平行移動する。

$y = 2(x^2 + 2x) - 1 = 2\{(x + 1)^2 - 1\} - 1 = 2(x + 1)^2 - 3$

$C_1$ の頂点は $(-1, -3)$。

$x$ 方向に $+3$、$y$ 方向に $-2$ 移動すると、頂点は $(-1+3, -3+(-2)) = (2, -5)$。

$x^2$ の係数は平行移動で変わらないので $a = 2$。よって $C_2: y = 2(x-2)^2 - 5$。

別解(原理から):$C_1$ の式で $x \to x - 3$、$y \to y - (-2) = y + 2$ とすると、 $y + 2 = 2(x-3)^2 + 4(x-3) - 1$。整理すると $y = 2x^2 - 8x + 3$(同じ結果)。

採点ポイント
  • $C_1$ の平方完成(3点)
  • 頂点の移動を正しく計算(3点)
  • $C_2$ の方程式を導出(4点)

C 発展レベル

2-1-3 C 発展 関数の決定 論述

2次関数 $y = ax^2 + bx + c$ のグラフが次の3つの条件をすべて満たすとき、$a, b, c$ の値を求めよ。

・頂点の $x$ 座標が $2$ である

・点 $(0, 3)$ を通る

・点 $(1, 0)$ を通る

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解答

$a = 1,\; b = -4,\; c = 3$

解説

方針:「頂点の $x$ 座標が $2$」→ 標準形 $y = a(x-2)^2 + q$ でおく。これで未知数が $a, q$ の2つに減り、2つの通過条件でちょうど決まる。

条件「点 $(0, 3)$」:$3 = a(0-2)^2 + q = 4a + q$ … ①

条件「点 $(1, 0)$」:$0 = a(1-2)^2 + q = a + q$ … ②

① − ② より $3 = 3a$ → $a = 1$。②に代入して $q = -1$。

よって $y = (x-2)^2 - 1 = x^2 - 4x + 3$。$a = 1, b = -4, c = 3$。

⚠️ もし一般形 $y = ax^2 + bx + c$ でおくと、未知数3つに対して「点の通過」は2条件。 「頂点の $x$ 座標が $2$」を $-\dfrac{b}{2a} = 2$ として3つ目の式にできるが、 連立が面倒になる。条件に合った形でおくことで計算量が大幅に減る。

採点ポイント
  • 標準形 $y = a(x-2)^2 + q$ で立式(3点)
  • 2条件から連立方程式を立て、$a, q$ を正しく求める(4点)
  • 一般形に展開して $a, b, c$ を答える(3点)
2-1-4 C 発展 対称移動 平行移動

放物線 $y = x^2 - 4x + 5$ を $x$ 軸に関して対称移動し、さらに $x$ 軸方向に $1$、$y$ 軸方向に $3$ だけ平行移動した放物線の方程式を求めよ。

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解答

$y = -(x-3)^2 + 4$ (一般形:$y = -x^2 + 6x - 5$)

解説

方針:移動を1つずつ追いかける。まず平方完成 → 対称移動 → 平行移動。

Step 1:平方完成。$y = (x-2)^2 + 1$。頂点 $(2, 1)$。

Step 2:$x$ 軸対称。$y \to -y$ なので $y = -(x-2)^2 - 1$。頂点 $(2, -1)$。

Step 3:平行移動 $(+1, +3)$。頂点 $(2+1, -1+3) = (3, 2)$。$a = -1$ は不変。

よって $y = -(x-3)^2 + 2$。

⚠️ 検算:展開すると $y = -x^2 + 6x - 9 + 2 = -x^2 + 6x - 7$。$x = 0$ で $y = -7$、$x = 3$ で $y = 2$(頂点)。✓

⚠️ 対称移動と平行移動の順番を変えると結果が変わることに注意。移動は指定された順番で行う。

採点ポイント
  • 元の式の平方完成(2点)
  • $x$ 軸対称の処理($y \to -y$)(3点)
  • 平行移動の処理(3点)
  • 最終的な方程式の導出(2点)