第1章 数と式

1次不等式
─ 「不等号の向き」を支配する原理

方程式が「等しい」ことを表す式なら、不等式は「大小関係」を表す式です。
1次不等式の解法はシンプルですが、1つだけ注意すべきルールがあります。
「負の数をかけると不等号の向きが変わる」── なぜそうなるのか、原理から理解しましょう。

1不等式とは何か ─ 方程式との違い

これまで学んできた方程式は、$3x + 1 = 7$ のように「左辺と右辺が等しい」ことを表す式でした。 これに対して、不等式とは、$3x + 1 > 7$ のように不等号($>$, $<$, $\geq$, $\leq$)を使って 数量の大小関係を表した式のことです。

不等号の左側を左辺、右側を右辺、両方あわせて両辺と呼びます。 等式の場合とまったく同じです。

不等号の意味を正確に理解する

4つの不等号の意味を整理しておきましょう。

不等号意味
$a > b$$a$ は $b$ より大きい$5 > 3$
$a < b$$a$ は $b$ より小さい$2 < 7$
$a \geq b$$a$ は $b$ 以上($a > b$ または $a = b$)$5 \geq 5$, $5 \geq 3$
$a \leq b$$a$ は $b$ 以下($a < b$ または $a = b$)$3 \leq 3$, $3 \leq 5$

ここで大切なのは、$\geq$(以上)と $\leq$(以下)は等号を含むという点です。 $5 \geq 5$ は「$5 > 5$ または $5 = 5$」であり、後者が成り立つので正しい式です。

💡 ここが本質:方程式の解は「点」、不等式の解は「範囲」

方程式 $2x + 1 = 5$ の解は $x = 2$ という1つの値(数直線上の1点)です。

一方、不等式 $2x + 1 > 5$ の解は $x > 2$ という値の範囲(数直線上の半直線)です。 $x = 3$ でも $x = 10$ でも $x = 2.001$ でも、$x > 2$ を満たすすべての実数が解です。

不等式を解くとは、「不等式を成り立たせるような $x$ の値の範囲を求める」ことです。 この「範囲」という概念を意識することが、不等式を理解する第一歩です。

⚠️ 落とし穴:$\geq$ と $>$ の混同

✕ 誤:「$x \geq 3$ の解に $x = 3$ は含まれない」

○ 正:$x \geq 3$ は「$x > 3$ または $x = 3$」なので、$x = 3$ は含まれます

数直線上で表すとき、$>$ や $<$ は境界の値を含まない(白丸 $\circ$)、 $\geq$ や $\leq$ は境界の値を含む(黒丸 $\bullet$)で区別します。 入試では、この区別を間違えるだけで不正解になります。

🔬 深掘り:不等式は「順序」の数学

不等式の根底にあるのは、実数の全順序性(どの2つの実数も必ず大小比較できる)です。 任意の実数 $a$, $b$ に対して、$a > b$, $a = b$, $a < b$ のうち、どれか1つだけが成り立ちます。 これを実数の三分律(trichotomy)と呼びます。

大学数学では、複素数のように大小が定義できない数体系も登場します。 たとえば $3 + 2i$ と $1 + 4i$ のどちらが「大きい」かは決められません。 不等式が使えるのは、実数に全順序が備わっているからこそなのです。

2不等式の性質 ─ 負の数をかけると向きが変わる理由

不等式を解くには、等式と同じように「両辺に同じ操作をする」ことで変形していきます。 ただし、等式にはない重要なルールが1つあります。 そのルールを理解するために、まず不等式の基本性質を整理しましょう。

📐 不等式の基本性質

$a < b$ のとき、次のことが成り立つ。

性質1(加減):$a + c < b + c$, $\quad a - c < b - c$

性質2(正の数による乗除):$c > 0$ のとき、$ac < bc$, $\quad \dfrac{a}{c} < \dfrac{b}{c}$

性質3(負の数による乗除):$c < 0$ のとき、$ac \boldsymbol{>} bc$, $\quad \dfrac{a}{c} \boldsymbol{>} \dfrac{b}{c}$

※ 性質3で不等号の向きが逆転する。これが不等式の最重要ポイント。

性質1と性質2は、等式と同じ感覚で使えます。 問題は性質3です。負の数をかける(または割る)と、不等号の向きが逆転する。 なぜこうなるのでしょうか?

💡 ここが本質:負の数をかけると数直線上で「左右が反転する」

$2 < 5$ は明らかに成り立ちます。両辺に $-1$ をかけてみましょう。

$2 \times (-1) = -2$、$5 \times (-1) = -5$ です。数直線上で見ると、 $2$ は $5$ より左にありますが、$-2$ は $-5$ よりにあります。

つまり、負の数をかけると数直線上の位置関係が反転するのです。 もともと左にあった数が右に、右にあった数が左にくる。 だから大小関係(不等号の向き)が逆転します。

これは「$-1$ をかける = 数直線を原点中心に裏返す」と考えれば直感的です。 裏返せば左右が入れ替わるので、大小が逆になるのは当然です。

▷ 性質3の証明

$a < b$ かつ $c < 0$ のとき、$ac > bc$ を示します。

$a < b$ より $b - a > 0$(正の数)です。

$c < 0$ より $-c > 0$(正の数)です。

正の数どうしの積は正なので $(b - a) \cdot (-c) > 0$。

展開すると $-bc + ac > 0$、すなわち $ac > bc$。

以上より、$a < b$ かつ $c < 0$ ならば $ac > bc$ が成り立ちます。$\square$

数直線で具体的に確認する

$3 < 6$ の両辺にいろいろな数をかけて確かめましょう。

かける数 $c$左辺 $3c$右辺 $6c$大小関係不等号
$2$(正)$6$$12$$6 < 12$変わらない
$-1$(負)$-3$$-6$$-3 > -6$逆転!
$-2$(負)$-6$$-12$$-6 > -12$逆転!
$0$$0$$0$$0 = 0$(等号に)
⚠️ 落とし穴:$0$ で割ってはいけない(不等式でも同じ)

等式と同様に、不等式の両辺を $0$ で割ることはできません。 また、両辺に $0$ をかけると左辺も右辺も $0$ になり、大小関係の情報が失われます。

✕ 誤:$2x > 6$ の両辺を $0$ で割って...... → 意味がない

性質2・性質3は、$c \neq 0$ が前提です。$c = 0$ の場合は別途考える必要があります。

⚠️ 落とし穴:文字で割るとき、正か負かわからない

$ax > b$ を解くとき、「両辺を $a$ で割る」と考えたくなります。 しかし $a$ の符号がわからなければ、不等号の向きを変えるべきかどうかわかりません。

✕ 誤:$ax > b$ より $x > \dfrac{b}{a}$($a$ の符号を確認していない)

○ 正:$a > 0$ のとき $x > \dfrac{b}{a}$、$a < 0$ のとき $x < \dfrac{b}{a}$、$a = 0$ のとき別途考える。

文字を含む式で割るときは、必ず符号で場合分けする必要があります。

📐 不等式の性質 ── 不等号の向きの変化まとめ

不等号の向きが変わらない操作:

・両辺に同じ数を加える / 引く

・両辺に正の数をかける / 割る

不等号の向きが変わる操作:

・両辺に負の数をかける / 割る

※ 「向きが変わる」のは負の数をかける / 割るときだけ。これを忘れなければ大丈夫です。

31次不等式の解法 ─ 基本手順

不等式の性質を理解したところで、いよいよ1次不等式を解きましょう。 1次不等式とは、変数 $x$ について1次($x$ の最高次数が1)の不等式のことです。 たとえば $3x - 5 > 7$ や $2x + 1 \leq 4x - 3$ が1次不等式です。

1次不等式の解法は、1次方程式と基本的に同じです。 ただし、負の数で割る(かける)ときに不等号の向きを変えることだけ注意すれば、 方程式と同じ要領で解けます。

💡 ここが本質:1次不等式の解法 = 1次方程式の解法 + 符号チェック

1次不等式を解く手順は、1次方程式とほぼ同じです。

Step 1:$x$ の項を左辺に、定数項を右辺に移項する

Step 2:両辺をまとめて $ax > b$(または $ax < b$ 等)の形にする

Step 3:両辺を $a$ で割る。$a > 0$ なら不等号はそのまま、$a < 0$ なら不等号を逆にする

方程式との唯一の違いは Step 3 の「符号チェック」だけです。

基本の解法:具体例で確認

$5x - 3 > 2x + 9$ を解いてみましょう。

▷ 解法のステップ

Step 1:$x$ の項を左辺に、定数項を右辺に移項する。

$$5x - 2x > 9 + 3$$

Step 2:両辺をまとめる。

$$3x > 12$$

Step 3:両辺を $3$(正の数)で割る。不等号の向きは変わらない。

$$x > 4$$

答え:$x > 4$

次に、負の数で割る場合を見てみましょう。$-2x + 5 \leq 11$ を解きます。

▷ 解法のステップ(不等号が逆転する例)

Step 1:定数項を右辺に移項する。

$$-2x \leq 11 - 5$$

Step 2:右辺をまとめる。

$$-2x \leq 6$$

Step 3:両辺を $-2$(負の数)で割る。不等号の向きを逆にする。

$$x \geq -3$$

答え:$x \geq -3$

⚠️ 落とし穴:移項のときに不等号を変えてしまう

移項は「両辺に同じ数を加える / 引く」操作なので、不等号の向きは変わりません。

✕ 誤:$3x - 5 > 7$ → $3x > 7 - 5$ としたのに、移項で不等号を変えてしまう

○ 正:移項で不等号が変わることは絶対にありません。不等号が変わるのは、負の数で両辺を割る(かける)ときだけです。

この2つの操作を混同しないようにしましょう。

連立1次不等式

2つ以上の不等式を同時に満たす $x$ の範囲を求めるのが連立不等式です。 解法は、それぞれの不等式を個別に解いてから、解の共通部分を求めます。

たとえば $\begin{cases} 2x - 1 > 3 \\ 5x + 2 \leq 17 \end{cases}$ を解くと:

第1式:$2x > 4$ より $x > 2$

第2式:$5x \leq 15$ より $x \leq 3$

共通部分は $2 < x \leq 3$ です。 数直線を使って視覚的に確認するとわかりやすいでしょう。

💡 ここが本質:連立不等式の解 = 各不等式の解の「共通部分」

連立不等式の解は、すべての不等式を同時に満たす $x$ の範囲です。 これは集合でいう「共通部分($\cap$)」にあたります。

各不等式の解を数直線上に描き、重なっている部分が連立不等式の解です。 重なる部分がなければ「解なし」です。

🔬 深掘り:不等式と線形計画法

連立不等式で表される条件は、大学で学ぶ線形計画法(Linear Programming)の基礎です。 たとえば「利益を最大化する生産計画」を求める問題では、 原材料や時間の制約条件を連立不等式で表し、その範囲内で目的関数を最適化します。

高校の数学IIでも「領域と最大・最小」の問題として登場します。 連立不等式が表す「範囲」の概念は、最適化問題の出発点なのです。

4不等式の応用 ─ 文章題と整数解

1次不等式は、日常的な場面での「条件を満たす範囲」を求めるツールとして使えます。 ここでは、文章題への応用と整数解の問題を扱います。

文章題の解法手順

不等式の文章題は、次の手順で解きます。

  1. 未知数を設定する:求めたい量を $x$ とおく
  2. $x$ で他の量を表す:問題文の関係を式にする
  3. 大小関係を不等式で表す:「以上」「以下」「より大きい」などの表現に注意
  4. 不等式を解く:1次不等式(または連立不等式)として解く
  5. 条件を確認する:$x$ が自然数、整数などの条件があれば、範囲内から適する値を選ぶ

具体例:配分の問題

何人かの子どもに果物を配ります。1人に4個ずつ配ると26個余りますが、 1人に9個ずつ配っていくと、最後の子どもは果物をもらえるが他の子どもより少なくなります。 子どもの人数と果物の個数を求めましょう。

▷ 解法のステップ

Step 1:子どもの人数を $x$ 人とおく。果物の個数は $4x + 26$ 個。

Step 2:1人に9個ずつ配ると最後の1人は他の子より少なくなるので、 $(x - 1)$ 人には9個ずつ配れるが、残りは $9$ 個未満。

配れる条件:$9(x - 1) < 4x + 26$($(x-1)$ 人に9個ずつは配れる)

足りない条件:$4x + 26 < 9x$($x$ 人全員に9個は配れない)

Step 3:連立不等式を解く。

第1式:$9x - 9 < 4x + 26$ → $5x < 35$ → $x < 7$

第2式:$4x + 26 < 9x$ → $26 < 5x$ → $x > 5.2$

よって $5.2 < x < 7$。$x$ は自然数なので $x = 6$。

結論:子ども $6$ 人、果物 $4 \times 6 + 26 = 50$ 個。

整数解の問題

不等式の解が数値の範囲で求まったあと、「整数解を求めよ」「整数解の個数を求めよ」と問われることがあります。 このときは、求めた範囲に含まれる整数を数え上げます。

たとえば $-3 < x \leq 5$ を満たす整数は $x = -2, -1, 0, 1, 2, 3, 4, 5$ の8個です。 $x = -3$ は含まれません($<$ は等号を含まない)が、$x = 5$ は含まれます($\leq$ は等号を含む)。

⚠️ 落とし穴:整数解の端点で等号を見落とす

✕ 誤:$-3 \leq x < 5$ の整数解を「$-2, -1, 0, 1, 2, 3, 4$」とする($x = -3$ を見落とす)

○ 正:$-3 \leq x$ なので $x = -3$ は含まれる。$x < 5$ なので $x = 5$ は含まれない。整数解は $-3, -2, -1, 0, 1, 2, 3, 4$ の8個。

端点が含まれるかどうかは、$<$ と $\leq$ の違いだけで決まります。 不等号の等号の有無を必ず確認しましょう。

パラメータを含む不等式の整数解

入試では、パラメータ $a$ を含む不等式の整数解の個数が指定される問題がよく出ます。 たとえば「連立不等式の整数解がちょうど3個になるような $a$ の範囲を求めよ」のような問題です。

このタイプは、まず不等式を $a$ の入った形で解き、 解の範囲に含まれる整数の個数を数直線上で考えます。 「ちょうど3個」になる条件は、解の端点が特定の整数のあいだにあること、として $a$ の範囲を求めます。

5この章を俯瞰する

1次不等式は、第1章「数と式」の締めくくりにあたるテーマです。 ここまでに学んだ計算技法(整式の展開・因数分解、実数と平方根)が、 不等式の式変形でも活きてきます。

また、不等式は第2章以降でさらに発展します。 2次関数のグラフと組み合わせた「2次不等式」は、入試の最頻出テーマの1つです。

つながりマップ

  • ← 1-1 整式の加法・減法と乗法:不等式の左辺・右辺を整理するとき、整式の展開・整理の技術を使う。
  • ← 1-3 実数と平方根:不等式の解は実数の範囲で考える。実数の全順序性が不等式の根拠。
  • → 2-4 2次不等式:1次不等式を2次に拡張。2次関数のグラフを利用して解く。1次不等式の「符号チェック」の考え方はそのまま使える。
  • → 3-1 集合:不等式の解の「共通部分」「和集合」は集合の演算そのもの。連立不等式の解は集合の共通部分。
  • → 数学II 領域:連立不等式が表す $x$ の範囲は、数学IIでは座標平面上の「領域」に拡張される。

📋まとめ

  • 不等式とは不等号を使って大小関係を表した式。解は「値の範囲」であり、方程式の解が「点」なのと対照的
  • 不等式の両辺に同じ数を加える・引く、正の数をかける・割る → 不等号の向きは変わらない
  • 不等式の両辺に負の数をかける・割る → 不等号の向きが逆転する(最重要ルール)
  • 1次不等式の解法は1次方程式とほぼ同じ。違いは負の数で割るときの符号チェックだけ
  • 連立不等式の解は、各不等式の解の共通部分。数直線で重なりを確認する
  • 文章題では「未知数の設定 → 式で表す → 不等式で大小関係を表す → 解く → 条件を確認」の手順で進める

確認テスト

Q1. 不等式 $3x - 7 > 2$ を解いてください。

▶ クリックして解答を表示$3x > 9$ → $x > 3$

Q2. 不等式 $-4x + 5 \leq 13$ を解いてください。

▶ クリックして解答を表示$-4x \leq 8$ → 両辺を $-4$(負の数)で割り、不等号を逆にして $x \geq -2$

Q3. 負の数で不等式の両辺を割ると、不等号の向きが変わるのはなぜですか?

▶ クリックして解答を表示負の数をかけると数直線上で左右の位置関係が反転するから。もとの数が左(小さい)側にあったものが右(大きい)側にくるので、大小関係が逆になる。

Q4. 連立不等式 $\begin{cases} x + 3 > 1 \\ 2x - 5 \leq 3 \end{cases}$ を解いてください。

▶ クリックして解答を表示第1式:$x > -2$。第2式:$2x \leq 8$ → $x \leq 4$。共通部分は $-2 < x \leq 4$。

Q5. 不等式 $-1 < 2x + 3 \leq 9$ を満たす整数 $x$ をすべて求めてください。

▶ クリックして解答を表示$-1 < 2x + 3$ より $2x > -4$ → $x > -2$。$2x + 3 \leq 9$ より $2x \leq 6$ → $x \leq 3$。よって $-2 < x \leq 3$。整数解は $x = -1, 0, 1, 2, 3$ の5個。

8入試問題演習

この記事で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。

A 基礎レベル

1-9-1 A 基礎 1次不等式 基本解法

次の不等式を解け。

(1) $3(x - 2) > 5x + 4$

(2) $\dfrac{2x - 1}{3} \leq \dfrac{x + 2}{2}$

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(1) $x < -5$

(2) $x \leq 8$

解説

(1) の方針:左辺を展開して整理し、$x$ の係数の符号に注意して割る。

$3x - 6 > 5x + 4$

$3x - 5x > 4 + 6$

$-2x > 10$

両辺を $-2$(負の数)で割る。不等号の向きを逆にする。

$x < -5$

(2) の方針:分母を払ってから整理する。両辺に6(正の数)をかけるので不等号はそのまま。

$6 \cdot \dfrac{2x - 1}{3} \leq 6 \cdot \dfrac{x + 2}{2}$

$2(2x - 1) \leq 3(x + 2)$

$4x - 2 \leq 3x + 6$

$x \leq 8$

1-9-2 A 基礎 連立不等式 整数解

連立不等式 $\begin{cases} 3x - 4 > x + 2 \\ 5x - 1 \leq 2(x + 7) \end{cases}$ を解け。また、この連立不等式を満たす整数 $x$ をすべて求めよ。

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解答

$3 < x \leq 5$  整数解:$x = 4, 5$

解説

方針:各不等式を個別に解いてから共通部分を求める。

第1式:$3x - 4 > x + 2$ → $2x > 6$ → $x > 3$ ......①

第2式:$5x - 1 \leq 2x + 14$ → $3x \leq 15$ → $x \leq 5$ ......②

①②の共通部分:$3 < x \leq 5$

$x = 3$ は含まない($>$)、$x = 5$ は含む($\leq$)。

よって整数解は $x = 4, 5$。

B 発展レベル

1-9-3 B 発展 文章題 不等式の応用

ある商品を $x$ 個仕入れる。1個あたりの仕入れ値は200円で、定価は1個あたり350円とする。 ただし、仕入れた商品のうち5個は売れ残り、廃棄するものとする。 利益(売上 $-$ 仕入れ値の合計)が10000円以上になるようにするには、少なくとも何個仕入れればよいか。

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解答

79個

解説

方針:$x$ 個仕入れて5個廃棄するので、売れるのは $(x - 5)$ 個。利益の条件を不等式で表す。

売上:$350(x - 5)$ 円

仕入れ値の合計:$200x$ 円

利益 $\geq$ 10000 より:

$$350(x - 5) - 200x \geq 10000$$

$350x - 1750 - 200x \geq 10000$

$150x \geq 11750$

$x \geq \dfrac{11750}{150} = 78.3\overline{3}$

$x$ は自然数なので、$78.3\overline{3}$ 以上の最小の自然数は $x = 79$。

検算:$x = 78$ のとき利益 $= 350 \times 73 - 200 \times 78 = 25550 - 15600 = 9950 < 10000$(不足)。

$x = 79$ のとき利益 $= 350 \times 74 - 200 \times 79 = 25900 - 15800 = 10100 \geq 10000$(OK)。

よって、少なくとも79個仕入れればよい。

採点ポイント
  • 売上と仕入れ値を正しく $x$ で表す(2点)
  • 利益の不等式を正しく立てる(3点)
  • 不等式を正しく解く(3点)
  • 自然数条件から最小値を正しく求める(2点)
1-9-4 B 発展 パラメータ 整数解の個数

$a$ を定数とする。連立不等式 $\begin{cases} 2x - 3 > -5 \\ x - a \leq 0 \end{cases}$ の整数解がちょうど3個であるとき、$a$ の値の範囲を求めよ。

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解答

$2 \leq a < 3$

解説

方針:各不等式を解いてから共通部分を求め、整数解が3個になる条件を考える。

第1式:$2x - 3 > -5$ → $2x > -2$ → $x > -1$ ......①

第2式:$x - a \leq 0$ → $x \leq a$ ......②

①②の共通部分:$-1 < x \leq a$

$x > -1$ なので $x = -1$ は含まれない。含まれうる整数は $x = 0, 1, 2, \ldots$ のうち $x \leq a$ を満たすもの。

整数解がちょうど3個($x = 0, 1, 2$)になる条件:

・$x = 2$ が含まれる条件:$a \geq 2$

・$x = 3$ が含まれない条件:$a < 3$

よって $\boldsymbol{2 \leq a < 3}$。

検算:$a = 2$ のとき $-1 < x \leq 2$ → 整数は $0, 1, 2$ → 3個 ✓

$a = 2.9$ のとき $-1 < x \leq 2.9$ → 整数は $0, 1, 2$ → 3個 ✓

$a = 3$ のとき $-1 < x \leq 3$ → 整数は $0, 1, 2, 3$ → 4個 ✗

$a = 1.9$ のとき $-1 < x \leq 1.9$ → 整数は $0, 1$ → 2個 ✗

採点ポイント
  • 各不等式を正しく解く(2点)
  • 共通部分を正しく求める(2点)
  • 整数解が3個になる $a$ の条件を正しく立てる(4点)
  • 端点の等号処理が正しい(2点)